A08.気象庁長官と面談、2011年7月22日

著者:近藤純正
2011年7月22日に気象庁長官ほか幹部にお会いし、「気候観測を応援する会」の活動状況を報告した。 また、今後のことについてお願いしたところ、ご快諾いただいた。(完成:2011年8月7日)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと。

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	目次
	8.1 概要     
	8.2 報告とお願いの文書
	8.3 補足事項


8.1 概要

筆者は、2011年8月6日に開催される気象学会夏季大学の講師を依頼されていたので、その受講者に 見せる写真を作成する目的で、気象庁1階の気象科学館に展示されている気象測器と東京の 新露場を撮影するために気象庁へ伺う予定があった。 その際に、長官ほか関係幹部にお会いしたいことを観測部観測課の小寺裕之氏に伝えてあったところ (5月30日)、観測部計画課の観測ネットワーク調整官・木俣昌久氏のアレンジにより、 7月22日10時からお会いできることが決まった。

本年度になってから気象庁長官ほか幹部は入れ替わっていて、新任の長官・羽鳥光彦氏、観測部長・ 瀬上哲秀氏、同 計画課長・赤枝健治氏、観測課長・佐々木喜一氏、観測システム運用室長・ 大林正典氏、観測ネットワーク調整官・木俣昌久氏にお会いして、次項の文書に示す報告とお願いを した。

お願いに対して、長官からご快諾を得ることができた。

8.2 報告とお願いの文書


2011年7月22日

気象庁長官へ

気候観測を応援する会 代表・近藤純正

「気候観測を応援する会」の活動状況、及びお願い
―中間報告―

本会の活動について、ご配慮を賜りまして厚く御礼を申し上げます。 さて、現在までの本会の活動状況について、以下の通りご報告いたします。

本会の目的
本会は、気候観測所の観測環境に注意し、観測環境の悪化を防ぎ長期にわたり均質で良好な気象 データが得られるよう、気象庁の観測体制を積極的に応援することを目的とする。そのために観測所 を見学し、環境が悪化していないか判断し、担当する気象台職員に有益なコメントを提供する。 また、市民講座等により教育・普及活動を行う。(発足時の趣意書)

本会発足の経緯と現在の会員
代表・近藤純正は2004年から2010年にかけて、数名の研究者の協力を得て気象観測所の現地調査を 実施し、観測環境の重要性について市民講座等を行うとともに、岡山県津山や青森県深浦の観測所 については環境改善の活動をしてきた。

こうしたとき、京田辺アメダスの気温観測用の通風筒につる性の草が絡んでいた問題が2010年9月6日 に報道されたことを契機に、本会を発足させた。

会員は当初30名で発足、現在は67名、今後も増える見込みである(別紙資料)。

活動の状況
観測所が設置されている市町において、役所・住民に対して、正しい観測資料を得るには周辺環境が 重要であることを説き、2011年2月までに下記観測所の環境整備がほぼ完了した。これを機会に、 地域住民・有志を中心とした見学会を開催した。参加者には、現地の状況を説明するとともに、 良好な環境の維持をお願いし、また、市民講座等も続けたいと伝えた。

表1 環境整備が終了し、見学会を行った観測所の一覧表
注:詳細は「気候観測応援会」の各章(A01~A07)に掲載されている。

  訪問  見学会 見学会 県内の  見学会に対す 観測所  回数  開催日 参加数 会員数  気象台の寄与  主な環境整備 津山   9回 2011.2.11  7名   5名    ―      桜など21本伐採 室戸岬  3回 2011.3.09 15名  10名  高知台長参加  (無人化体制、新局舎) 宮古   2回 2011.5.27  19名  11名  大災害で欠席 クルミの大木伐採 深浦   6回 2011.6.25  20名  12名  次長ほか参加  桜など33伐採、松15枝打ち

活動を通してわかったこと
国民・地域住民は気象観測・環境整備の重要性について、よく理解できる。各地で献身的に協力して くれる人々に出会えた。

地方気象台長の一部には、環境整備の方法について具体的に何をすればよいか、十分にわかって いない方がおり、環境整備は、すべてを応援する会が行うものと誤解している方もいる。 それゆえ当分の間、応援する会が主体になって地域住民に対して市民講座等によって理解と協力を 得る活動を続ける。この活動は、本来は気象庁の仕事であるので、その道筋がつけば(コツが解れば)、 気象庁・気象台が主役になってほしい。最近、ようやく気象台の中にも本会の活動を理解し、 協力していただける職員が出てきて、住民との協力関係も生まれつつある。気象台と地域住民との 交流は、ただ施設公開のようなイベントを行うだけでなく、地道な住民との交流によって相互理解が 生まれ、観測環境の維持が可能となる。

気候観測所の環境として重要なことは、(1)風通しがよいこと、(2)日当たりがよいこと、 (3)周辺環境が時代によって大きく変わらないこと。これらは一般の人には理解できる。

気象庁へのお願い
(1)全国の気候観測所(約20カ所)の環境維持のために年間100~200万円程度の予算を計上し、 気象庁本庁の責任において行う。その際に、本会は従来通り応援する。

(2)気候観測所の環境整備・維持について、献身的に働いてくださる地域住民に対して、気象庁 長官名で感謝状を贈る。

以上


8.3 補足事項

長官ほか幹部との面会において、次の(1)(2)もお願いした。

(1)本会の存在をご存じでない地方気象台長もいるので、前項の“ 「気候観測を応援する会」の 活動状況、及びお願い “ のコピーを各管区気象台長と沖縄気象台長にも送っていただきたい。

(2)津山観測所の周辺環境が改善されたことに対して、津山市長・宮地昭範氏と津山市城東連合 町内会長・本多正志氏宛てに長官名で礼状を出していただくか、あるいは、岡山地方気象台長 が津山市へお礼の挨拶に行ってくださるようお願いしたい。

さらに次の(3)(4)を報告した。 (3)津山観測所のフェンスのすぐ外側に植樹されている2本(サカキとビャクシン類系?の木) があり、この2本を除去していただくよう本会メンバーが活動中である。

(4)本会の主催で、北海道の寿都町と浦河町で市民講座を開催することについて、 本会代表・近藤純正は札幌管区気象台長・川津拓幸氏に応援していただくようお願いしてある。

長官宛て文書はあらかじめ送ってあり、面談日7月22日までに検討しておいてくださるようお願い してあった。お願いしたことがらについては、快く了解していただいたので、今後、実行していただける ものと期待していたい。

面談後は午後にかけて、気象科学館に展示されている気象測器と東京の新露場の撮影を行った。 新露場の写真は「写真の記録」の「93.東京の新露場」 に掲載されている。

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