L08 感想文 「低温の新雪と鳴き雪」(TO)2006年4月28日
質問「新雪日が暖かく感じるのはなぜですか?」に対する御考察ありがとう
ございます。
新しく書かれた「身近な気象」の
「M18. 新雪の日が暖かく感じる」の章を
読ませていただき、なるほどと納得がいきました。
そして、あっという間にこの章を書きあげられた
近藤先生にも敬服致しました。
新雪で晴れた時の方が、より冷えるということから鳴き雪を思い出しました。
寒い日に雪道を歩くと踏みしめた雪が「ギュギュッ」とか「ググッ」と
いう音をたてる”鳴き砂”に似た”鳴き雪”です。地元では「今夜は
雪が鳴くほどしばれている(寒い)」というように使っておりました。
鳴き雪と気象の関係も興味深いですね。そういえば、新雪の時は、耳を澄ませば
雪が降り積もる音も聞こえます。
[編者のメモ]
鳴き雪のこと、編者にはとても新鮮に思いました。その土地の気候風土に
応じて人びとは身近な自然を注意深く観察・体験しているのですね。このこと
から、編者が連想したのは、日本各地の気象観測所を見てまわる途中で、
岐阜・富山県の山間部にまたがる白川郷・五箇山の相倉集落
「合掌造り世界遺産」の民宿に泊まった
ときのことです。
その合掌造りの屋根裏を見上げると、数mの間隔で並んだ大きな梁(はり)
に曲がった木材が用いられていました。この曲がりは、積雪が斜面
をゆっくり流下する際に受ける毎年の荷重によってできたもので、
合掌造りにわざわざ活かされていたのです。冬の厳しい自然環境で育った
地元の木材を、厳しい冬にも耐える合掌造りに活かすという昔の人の合理的な
考え方に感心したのでした。