81. 稚内、札幌、函館の観光
著者:近藤 純正
2007年9月25日から28日まで、北海道の稚内、宗谷岬、札幌、函館方面を観光
し、さらに29日~30日は青森から八甲田山を経て十和田湖を久しぶりに訪れた。
この章は、旅行の前半の記録である。(2007年10月31日完成)
もくじ
1.稚内公園
2.宗谷岬
3.札幌
4.函館
稚内方面の気象観測所の視察旅行の途中で観光した。
それら観測所の写真は「稚内と宗谷岬の観測所」
の章に掲載してある。
9月25日に東京から飛行機で稚内に到着。26日は稚内公園と宗谷岬を観光
したのち、稚内空港から千歳空港に夕刻到着し、その夜は札幌にて宿泊。
27日は札幌市内の観光、28日朝札幌発のJRにて函館で途中下車し、夜は青森
にて宿泊した。
1.稚内公園
稚内公園の頂上にある北方記念館には北の探検家と宗谷を拓いた人びとコーナー、
遺物コーナー、樺太資料コーナーなどがあった。開基百年記念塔(地上80m)
に登ると360度の展望があり、利尻島や宗谷岬が遠望できた。
この丘の先端は北にのびており、「ノシャップ岬」と名づけられている。
根室の東にあるノサップ岬(納沙布岬)と間違えそうだが、語源はアイヌ語
からきた同じ意味だという。
公園の広場へ下りていくと、樺太犬の像があった。南極昭和基地で活躍した
樺太犬の訓練がここで行われたという。
1957年、日本が初めて南極観測に参加するにあたり、極地での物資輸送の目的
で犬そり隊がつくられた。しかし1958年南極の悪天候のため、15頭が現地に
やむなく置き去りにされた。その1年後、越冬隊が南極に上陸したとき、タロ
とジロの2頭が軌跡的に生き延びていた。この像はジロがモデルになっている
という。
稚内公園から見上げた展望台「開基百年記念塔」(左)と
樺太犬の像(右)。
九人の乙女の像がある。これは1945年8月20日樺太(現在のサハリン)の真岡
で起きた郵便電信局事件で自殺した9人の電話交換手の慰霊碑である。
9月20日、ソ連との交戦が起こったとき、彼女らは孤立し、服毒自殺した。
記念碑には最後の電文として、
皆さんこれが最後です さようなら さようなら
と刻まれている。
この向かい側には天皇・皇后両陛下御行幸啓記念碑がある。
1968(昭和43)年9月5日、稚内市に両陛下御行幸啓の途次、この場で市長
の市勢概況の説明を受けられ、九人の乙女の悲話をお聞きになり、両陛下は、
見頭に涙を浮かべられ、九人の乙女の冥福をお祈りされた後日、この時のご
感銘を詠まれた御製・御歌がこの碑に刻まれている。
樺太に命を捨てし たおやめの
心思えば胸せまりくる
樺太につゆと消えたる おとめらの
みたまやすかれと ただいのりぬる
稚内公園の記念碑、最後の電文(左)と御製(右)。
2.宗谷岬
これまで見てきたものと違い、宗谷岬は断崖がなく、先端はゆるいカーブを
描く地形である。北方にサハリンが見えた。
ここは日本の最北である。去る8月19日には根室の東にある納沙布岬を訪問し、
2005年3月8日には日本の最南の波照間島を訪問したので、今回までに西端
を除けば3つの端を訪問したことになる。
宗谷岬、銅像は間宮林蔵。
3.札幌
札幌はこれまで何度も訪問したことがある。今回、旧道庁の内部を初めて見学
した。さすが北海道のシンボルである。重要文化財北海道庁旧本庁舎「赤れんが
庁舎」のパンフレットによれば、1888(明治21)年庁舎完成、1909年赤れんが
庁舎火災、1911年庁舎復旧工事完成、1968年赤れんが庁舎復元工事完成、
となっている。
北海道道庁旧庁舎(左)と時計台(右)。
赤れんが庁舎見学の後、時計台、大通り公園、北海道大学植物園、同大学構内
のクラーク像から中央の並木通りを低温科学研究所まで散策した。観光客の
グループにも、散歩している人たちにも出合った。
4.函館
札幌8:34発の列車「スーパー北斗6号」に乗車、函館11:53着。16:51までの
約5時間の函館を観光した。まず五稜郭を訪問した。
隣の五稜郭タワーに登ると、眼下に五稜郭を見下ろすことができる。
展望2階には五稜郭歴史回廊がある。1854年のアメリカ・ペリー提督と松前
藩の家老がアメリカの軍艦上で対面するところから始まって、1857年の五稜郭
の建設工事着工、新政府軍と旧幕府軍の幾たびにも及ぶ戦い、1969年の榎本
武揚らの降伏、五稜郭の明渡し、箱館戦争の終結、など年表や絵図等でわかり
やすく紹介されている。
五稜郭タワーから見下ろした五稜郭(横2枚を結合)
函館山の望遠写真(五稜郭タワーから撮影)
五稜郭タワーからは函館山が遠望できる。函館山へはケーブルカーで登ると
展望がよいと聞く。
山麓駅からケーブルカーで登って行くと、眼下に教会や寺などが見えた。
あっという間に函館山に到着した。
函館山へ登るケーブルカーから見下ろした麓
五稜郭の望遠写真(函館山から撮影)。中央やや左の白色タワー
が五稜郭タワー、その隣りの林地が五稜郭である。
駒ケ岳の望遠写真(函館山から撮影)