上野の美術・博物館めぐり
2017-2018年
2017年4月2日(土)、
上野の東京都美術館で開催中の「ティツィアーノとヴェネツィア派展」を鑑賞。
お目当ては「ダナエ」。
かってグスタフ・クリムトのダナエを初めてみて衝撃をうけ、わざわざ丸善に出向いてこの絵がはいったカレンダーを購入したことがある。
グスタフ・クリムトのダナエ
今から500年前のティツィアーノのダナエはゼウスを象徴する金貨は薄くしか描くかれておらず、印象は薄い。しかしダナエの大腿部の開き具合がリアルである。
発注者の枢機卿はこれを公の場にはおかず、私室に飾ったというから目的はまさにピンアップガールである。
ティツィアーノのダナエ
参加者は和田、小粥、榎本、青木。
鑑賞後は桜の本場、染井村界隈を散策。
2017年12月21日(木)、下谷七福神巡りのあと、恩賜上野公園に登り、国立西洋美術館庭でエミール=アントワーヌ・ブールデルの「弓をひくヘラクレス」とロダンの「カレーの市民」や「考える人」などの彫刻類を鑑賞。国立西洋美術館は川ア重工(創業者は川崎正蔵)の初代社長の松方幸次郎のコレクションが中心。
「弓をひく ヘラクレス」はへラクレスが怪鳥ステュムファリデスを射るために渾身の力で弓をひき、まさに矢を放とうとする瞬間を捉えている。
ヘラクレスは英語ではハーキュリーズ。ヘラクレスの誕生後、ゼウスはヘラクレスに不死の力を与えようとして、眠っている妻ヘーラーの乳を吸わせた。ヘーラ
クレースが乳を吸う力が強く、痛みに目覚めたヘーラーは赤ん坊を突き放した。このとき飛び散った乳が天の川(galaxyは「乳のサイクル」Milky
Wayは「乳の道」)になったという。
弓をひくヘラクレス
2018年3月1日(木)、東京国立博物館平成館で開催中の「仁和寺と御室派のみほとけー天平と真言密教の名宝ー」を見にでかけた。
お目当ては葛井寺の国宝千手観音であった。昨年10月13日にこの寺を訪れたときすでに梱包されていて見落とした観音様だ。本当に千の手を持つ観音様で実に美しい。
仁和寺は宇多法皇が開山で出家後の宇多法皇が住したことから、「御室御所」(おむろごしょ)と称された。御室は桜の名所と
しても知られている。そういえば高校時代に「花は御室か嵐山 人三春の行楽に 現もあらで迷ふ時 西洛陽の薄霞 霞にまがふ砂煙
蹴立てて進む南下軍・・・」と歌っていた。これは室生犀星が作詞した四高の応援歌「南下軍の歌」の一節である。

仁和寺観音堂にて
空海が書き写して持ち帰った三十帖冊子もあった。空海にしろ宇多天皇の後宇多天皇宸翰消息にしろ素晴らしい筆跡だが、御醍醐天皇の御醍醐天皇宸翰消息の筆跡はミミズが這ったようで、人格を反映しているような感じを持った。
参加者は和田、加畑、榎本、秦、青木。
April 4, 2017
Rev. March 1, 2018