なにわつうしん 9月

もくじ


「塩ちゃんのはかたより」特別編:なにわつうしん 9/5号
大阪「いきつけのお店情報!」(その1)
じゃ〜ん!今や我が街、服部。一人で良く行くお店を紹介します。
定食屋で一人寂しく夕食を、、、なんてホント寂しくて嫌いです。
それなら部屋で適当に自炊して、テレビを話し相手に(?)缶ビールを
ぐびぐびやってる方がマシです。でも冷え冷えの生ビールの誘惑に負けて、
そして人恋しさに(?)寄ってしまうのが、通称「えーちゃん」のお店
「栄寿司」(だけど寿司はありません)。昭和一桁もうすぐ70歳になる
「えーちゃん」は、もう寿司は握らないのです。冬は「てっちり」が名物との事ですが。
初めてその店に行ったのは、今は亡き後輩(社宅で同居していた奴・
扇風機の夏を乗り切れずに、夏バテ退社)と一緒でした。
閉店間際の深夜、客は我々だけで「えーちゃん」も会話に加わってくれていました。
結構楽しく飲ませてもらって、生ビールをサービスしてもらい(いちげんの客に
ビールサービスなんて普通ないよね)
「義理人情」に厚い群馬出身の僕は、その後、後輩亡き後も一人でお礼を
兼ねて飲みに行ったのです。そして、3回目飲みに行った時「事件!」は
起こりました。生ビールとつまみ2品を注文して「ゴクゴクゴクッ!うへ〜っ!」と
一気にジョッキ3分の1を飲んだ時、、「やばっ!銀行で金おろすの忘れてた!」
たまにやるんですよ、これ。財布の中身はたしか1500円程度。ギリギリ?
土曜日夜8時。開いてないよなあ〜、キャッシュコーナー。
それでも格好だけは、、と思い、近くの銀行へ急ぐ。やっぱり閉まってた、、、
さて、まだ3度目の客に「ツケ」を許してくれるか?それともピシャリと断られ、
生ビール一杯で家路に着くか。判決はえーちゃん裁判長に委ねられる。
「あ、いーよ次で!」簡単にオッケー!執行猶予付の温情判決。
嬉しくてその後3、4杯おかわりして(?)上機嫌で飲み続けた。
お会計!2000円オーバー。しかも全額「ツケ!」…で、今日に到る。
で「栄寿司」はどんな店かというと、、、長くなりそうなので、また次回、、、

PS:6月からスタートした「なにわつうしん」ですが、最近、中途購読開始の
   読者の方々もおられます。もしバックナンバーご希望の方など、いらっ
   しゃいましたら(おりまへんて!)遠慮なくメールください。



「塩ちゃんのはかたより」特別編:なにわつうしん 9/9号
大阪「いきつけのお店情報!」(その2)
「ほンでなあ〜!○○でなあ〜!」というのが「栄寿司」えーちゃんの口癖。
宮崎の漁師町出身だけど、今じゃすっかり関西弁。かれこれ30年以上、
ここ服部でお店やってるっていうんだから、当然だろうけど。
駅前商店街から細い路地を入ってすぐ。隣の中華料理店の派手派手な
看板に圧倒されながらも、ひっそりこつこつと営業しているお店。
店の雰囲気は赤羽の「千曲」(一部の人にしか分からんて!)良く言えば
レトロ調。正直言って古くてゴチャゴチャしたお店です。常連客の多くは、長靴のような
作業靴履いたまま腰だけ座敷に座り、生ビールを「ぐいっ!」と飲み干し
「ぷっは〜!お勘定!」といった雰囲気の先輩方。普段きっちりネクタイを
締めている僕は、混んでいる時はきっと結構浮いている事でしょう。
カウンターの片隅にちょこんと一人「生ビールください!」と店に溶け込みます。
暇な時は座敷でえーちゃんが晩飯食べてたりして、そんな時は「あ、食事中に
すんません!」と帰りそうになる。またよく常連客の、暴対法関係で有名な!
T弁護士と将棋さしてたりして、そんな時は生ビール出るのが遅くなったり。
茶髪の女子高生が「バイク乗って帰るで〜」と現れたり(実はえーちゃんの孫)。
「ここのそうめんは日本一やで〜」とスナックのママがやって来たり(400円!
の淡路島そうめんはホントうまい!)ガラッと戸が開き、「おっちゃん!近くに
スナックないか〜?」と若い女性 「なんや働きたいんか?」とえーちゃん。
「ちゃうよ歌いたいねん!」。「知ってる人ですか?」と僕が聞くと「知らんがな!」
と言いながらも常連ママの店を紹介する律儀なえーちゃん。

…と書いてたら「ツカサちゃん」から電話。「塩ちゃん暇か〜飯食いに行こか〜!」
と嬉しいお誘い。ちなみに今日は休日。あ、正確には「司くん」です。男です。
「栄寿司」で初めて「てっちり」でも食うかあ〜!と気合を入れると、またまた
長くなりそうなので、このお話しはまた「その3」に続く…



「塩ちゃんのはかたより」特別編:なにわつうしん 9/13号
大阪「いきつけのお店情報!」(その3)
「ほンでなあ〜!司くんと栄寿司行ってんやんか〜」…って変な大阪弁かな?
今回登場の「司くん」は生粋の浪速っ子。以前勤めていた会社の同期で3歳
年下(なんでやあ!)大阪唯一のお友達。造園業後継ぎ、2児のパパ。
栄寿司の座敷、ど〜んとでっかい体格の司くんの前で子供のおままごと用の
ちゃぶ台のように見えてしまうテーブル。その上に今季初!「てっちり」堂々登場。
ちなみに「ふぐ鍋」のことですよ「てっちり」って。で、ふぐの刺身は「てっさ」と言う
そうです。ふ、ふふ、ふふっ、、笑いが込み上げてくる「ふ、ふぐっ」。「てっぽ
う」という呼び方もあるそうで、そこには「タマにあたる」という、笑えない冗談
が込められているんだって、、「えーちゃん!防弾チョッキ1枚!」1人前
2800円、安いよねえ。「ふぐ」ですよ!(ちなみにふぐの本場下関や北九州
などでは濁らずに「ふく」と言います。で、ちなみに「福岡」もふくおか。濁って
「ふぐおが」って言うとどこか東北の県のように聞こえてしまうので気を付け
ましょう!?)で、昆布でだしをとって、野菜類と一緒に煮込みます。もみじ
おろしと青ねぎを入れた、ポン酢系のつゆに付けて食べます。「ふぐふぐっ」
ぷりっとした食感は「うめえ〜」しびれるねえ〜っ、て、ヤバイでしょ!ところで、
えーちゃん「ふぐ調理師」の免許持っているのだろうか?「しびれた時は
手遅れやっちゅーねん!」て、えーちゃん。かっこええ〜!しびれる〜って、
ヤバイって!司くんと飲みながら夢を「ふく」らませ、お腹も「ふく」らませる。
「一人でうまいもん食いやがって!」と「ふく」おかでほっぺた「ふく」らませて
いるだろうな、誰かさん…



「塩ちゃんのはかたより」特別編:なにわつうしん 9/24号
今年の夏はまだまだ暑いざんしょ!?…そう、まだまだ夏は終わって
いないんじゃあ〜!ファイア〜!と、気合を入れて行ってきたのは
「岸和田」。全国的に有名な「だんじり祭」を見るためなのだファイア〜!
地車が細い路地を曲がり切れずに民家に激突する程の過激さ。TVで見た
ことあるでしょ?「だんじり」は「地車」と書く。50m以上はある長〜い2本
のロープを、揃いのはっぴに、はちまき姿の軽〜く100人以上の若者達
が、もの凄い勢いで「地車」を引っ張る。「ど〜わりゃあ〜!!」沿道の観客
すれすれに駆け抜けて行く。その瞬間鳥肌が立ち、祭り好きの血が騒ぐ。
「そーりゃ!そーりゃ!」の掛け声「おいさ!おいさ!」と後の軍団が続く。
地車の上では両手にうちわを持った男性がぴょんぴょん飛び跳ねながら
盛上げる。「ケガしても知らんぞ!こらア!」「入れやあ!」と怒号が飛ぶ。
これぞ日本の夏、緊張の夏…日本の夏にはやっぱり祭り。和太鼓と笛の
リズムに合わせて各町ごとの地車が町を駆け巡る。「だんじりの時は会社
を休む」条件で就職する人がいる程、岸和田の人々にとって「だんじり」は
人生そのものなのだ。博多の「山笠」同様、伝統の迫力はもの凄い。
普段うんこ座りのにいちゃんや、茶髪・ピアスのねえちゃん達も、この日
ばかりは真剣に地車を引く。缶ビール片手に道端の一傍観者にすぎない
僕よりも、きっとはるかに粋に輝いている。「岸和田だんじり祭」に、心の
奥に眠っている大事な何かを刺激されたような…そんなひとときだった。