2004年7月〜8月

石井清龍の本筮易
易日記

〜2003年はこちら
2004年1月〜4月はこちら
2004年5月〜6月はこちら



2004年8月22日


「自分の親」


自分の親の話を聞くのが耐え難いのだが、どう親に接するべきかと言う、40過ぎの独身女性がいらっしゃった。
仕事から夜遅く帰宅する自分に母親はいつも、人の悪口を何時間も話し続け、更に子供である自分に対しても文句ばかりを言う。母親がゲスな会話しか話せない人なので、親子として関わるのがストレスで重い。相手にしたくなくて適当に聞き流すと、自分の性格が悪いから結婚もできないとか、こんな性格の娘では、会社でも人間関係がうまく行くわけがないと四六時中攻撃ばかりするので、嫌な話でも聞かないといけないのだが、母親の文句を聞かされるのが生理的に耐えられない、とお客様は重く苦しい息遣いをしながら暗い表情でぼそぼそと話された。

自分の親に不満を抱く人は多い。
自分の親に対して満ち足りない人は、自分から観て、親に近い年齢の人を自分の親に置き換えて見つめる傾向がある。

私は若い女性のお客様から時々、「石井さんが自分の親だったらいいと思います」とか
「先生のお子さんは幸せですね」などと嬉しい言葉をいただく事がある。
常識を超える人になると、私の子供にヤキモチを焼いているといって、ストーカーのように、私を待っていたり追いかけて来て、帰らずに泣くような女性もいた。

私が、優しい態度をするのがいけないとわかり、仕事慣れしてきた最近は、良くこんな態度がとれるようになったと思えるほど、クールな態度で人に接する自分になっている。
以前の私は、感情が相手に入り込みやすく、お客様に対して仕事の態度で接するが不可能な自分だった。
冷静に自分を見つめるもう一人の自分がいるのだが、そのもう一人の自分が、相手に距離を置く淡々とした現在の私のクールな態度を、いつも不思議そうに見ている。

しかし、私のイメージを良い親だと美化してくれるのは他人様だけで、家の中では私ほど母親らしくない親はいないと、我が家の子供はいう。
私は、子供の学校の保護者会は行かないし、入学式にも行かない。

子供が友人の家に遊びに行くとどこの家庭も、リビングに子供の写真が大伸ばしであちらこちらと飾られ、子供の作品の絵とか粘土細工なども飾られているそうだ。
私は、自分の子供の写真や下手な作品を飾る気になれない。

自分の親に関して、こだわりを持つお客様は多いし、親に関する悩みの相談は多い。
自分自身が駄目になってしまったのは、自分の親に問題があったと言う人も多い。
自分の親に満足している人は非常に少なく、いても50〜60人に一人かもしれないと、お客様たちの相談を聞きながら思う。

生活が豊かでも賢くなかったり、賢くても貧乏だったり、口のうるさい親だったり
内容のない下品な親だったり、暴力的な親もいれば、働く気力もなく子供にたかる親もいる。
異性に走り子供など産まなければ良かったと口走る親を持った事を相談に来た若い男子のお客様がいたこともある。
そういう親を持った子供は自分の親の酷さを嘆き、なぜ自分の親だけが酷いのだろうと、自分の前世のバチだったのかと、己の宿命の原因を占いでさぐりたがる。
「酷いのはあなただけではないですよ」と私は色んな親の問題を話すのだが
他人の芝生は青く見えるのである。

私を可愛がってくださった絵の先生が居た。
この先生は、血輸病という不治の病を抱えて生まれて来た。
家柄もよくエリートぞろいの家族にとり、この先生の存在が恥だと思われ、人目に付かないようにして隠されて育てられたと、先生は、何度も自分の育てられてきた苦しさを私に話して下さった。≪家柄のよさやエリートの家系だと言う事は、先生のお葬式の時に家族からはじめて聞かされた≫
この先生は、私の占いをとても信じてくださり、私の住んでいる方位には足とお尻も向けない!などと可愛い事をおっしゃってくださる人だった。
その先生は、自分の死ぬ時期をちゃんと占って教えて欲しいと強く願う人だったのだが
私は、先生の亡くなる年も、「今年は死ぬと思うほど辛い体になるけれども、死ぬ事は出来なくて又絵を描くようになる」と云い続けた。
病院の最期のベットで、先生は「僕の死ぬ時期を、ちゃんと教えてくれないから、遺書も自分の死んだ後の事何も決めておけなかったじゃないか!」と不満な顔をして私に抗議した。

先生は、どうにも動かない体を見せながら、「どう考えてももうだめだよ。
占いでは5月の連休に退院するといっていたけど、五月には死ぬんだろう?」と私に確認をした。
墓参りに来てくれよというので、うなづくと、先生の瞳が、私の表情を素早くとらえ、自分の死をしっかりと受け止めたのが分かった。
亡くなるほんの2週間前の事だったが、先生の死を隠す事はわざとらしく感じたので、
「先生は今度生まれてくるときは、何を一番希望しますか 」と質問をした。
「僕は、二度と同じ親から生まれたくないよ!愛情のある親から生まれられれば、後は何とでもなる!」と声を震わせて怒りを発散するように大きな声でおっしゃった。
先生の悲しみは、死ぬ瞬間まで、自分の親に関してだった。
こんな風に自分の親の存在を嘆く人は多い。
傍から見ると羨ましく思えるほどの名誉ある裕福でもある家の子供が、自分の親の存在を嘆いていた事もある。


私も今度生まれ変わったとしたら、尊敬できる暖かな家庭に生まれたいと強く思う。
変質者が親になる事もありえるし、正常であっても、今回のお客様の相談のような、人の悪口ばかり言うような親から、年中悪口ばかりを聞かされたくもない。
理想的な人間は少ないのだから、駄目な親の子供になってしまう確立が充分ある。
どこに生まれるのか自分の来世が怖い気すらする。



「余談」


この易日記も、なんだかマンネリを感じてきました。
書き手が、マンネリを覚えるくらいですから、読み手の
皆さんは、もっとつまらなくなっているはずです。
今後はすこし、量を減らしていこうと思っています。
昨日は、若くて美人の中国の女性が鑑定に来てくださいました。
日本の企業で今年の春から就職しているのですが、職場で友達が出来ないのが悩みで
どうしたら友達ができかと言う、相談だったのです。
お昼を一緒に食べる友達がいないのが、トテモ寂しいのです。
そういうお客様の状態を聞きながら、もし私が彼女だったらどういう気持ちになるだろうかと、自分の身に置き換えながら考えました。

占うと彼女は、社交性がなく自分から愛想を振って話しかける事が出来ないし、周りの女性も気配りがなくて、向こうから声をかけるつもりがないというのが、占いの卦に示されていました。
他国で家族から離れて暮している若い女性ですから、孤独を感じやすくなるものですので、可愛そうに思いました。

この女性は、とても可愛がられて育ったような雰囲気を持っていましたので
「あなたは一人っ子でしょ?」と私は質問しました。
で、思い出したのですが、
中国って一人しか生んではいけないんでした・・・。

中国の女性は性格がきついでしょう?と聞きましたら
日本の女性もきついですよと、言われてしまいました。

でも、日本の女性は、外見はやさしくて、内面がきついそうですが、中国の女性は
外見も内面も両方ともきついそうです。


日本の方が暑くて湿度も多くて、人ごみが多くて住みにくいのに、日本人の方が
気が優しいし、道徳観もしっかりしていて、信用できるし、時間もしっかりしているが
中国には時間が存在しないから、電車の時間も決まっていないと云うことです。

でも、日本には道徳観があって、人も優しいと言われ、ホッとした気持ちになりました。








2004年8月8日

「余談」


ミャンマーに修行に行っていたお坊さんが帰国し、昨日占いに来てくださった。
心臓の持病が悪くなり、占いの店に来る途中、なんども発作が起き、ニトロを飲みながら、やっとこたどりついたそうだ。
このお坊さんは、私のお客様が、このお坊さんとお見合いをする運勢を占いにかけたことがあったのだがこの坊さんは病気持ちなので、結婚すれば、看病に明け暮れる生活となるし、長生きしないので結婚は止めた方が良いと、そのお客様に答えたのだが、私の答えを、お客様は、そのままそのお坊さんに話してお見合いをお断りした。
断られた理由から、お坊さんが私の占いに興味を持って下さるようになり、その後、御ひいきのお客様になってくださった。
今回は、心臓の手術をする運勢と、手術しないで直す方法などを占うために、心臓を抑えながらこわごわと歩き、やっとこ占いの店に辿り着いたと、苦しそうにお話してくださった。
占うと、両足のふくらはぎがツリ、痛くて大変なのに、つった足が治らないで痛いままで居るし、足が痛いから体を動かさなくなり、それが原因で太ってしまい、更に心臓に負担がかかっているので、足の痛みを直す事とやせること、断食療法も必要だと答えた。
病院には足の痛みを相談したが、何もしてくれないそうだ。
本当にお医者さんと言うものは、なかなか名医がいない!いつもながら悔しく思う。
いつ発作がきて突然死するか判らないほどの危険な運勢が占いの答えにでていたので、家庭で発作が起きたら、一人暮らしなので電話をかけるゆとりもないから、携帯に119番の番号を登録して、できるだけ楽に救急車が呼べるように用意をしておいてくださいと云うと、私の言葉が大げさに思えるのか、お坊さんは笑って聞き流していた。
本当に恐ろしいほど危険な状態なのに!・・・お客様は言葉で云われても、緊迫感を持ってくれない。
お客様自らが占いの卦を読めるようにならなければ、事の大変さを理解できないのかもしれない。

***・・・・・***・・・・・***・・・・・・***・・・・・***・・・・・***・・・・***・・・・







2004年8月1日


「磁気波動共鳴装置」


今から5年も前の事ですが、私の働く占館で、磁気波動装置と言う精密機械を
500万程の金額で購入したのです。
この機械は人の波動を検知することができ、その人に足りないエネルギーを注ぐことができると説明されました。
病状、性格、潜在能力、霊感、性欲、現在の心理状態を数値で表すだけでなく、体の不調までも整える事が可能な機械だと云うのです。

この機械を使って占いをすれば、占い界に旋風を巻き起こすだろうと、店の経営者は大変な期待をしていました。
この装置を使えるようにするには、かなりの訓練が必要で、私はこの機械を操作する指導を受ける事になりました。

黄色い花を機械の上に置くと、その花の気を取り入れる事が可能になるそうで、その気を水に入れて(気は目に見えない)花壇の水遣りをすると、紫や赤色の花まで、数日後には黄色いまだら模様の花になってしまいました。

さらに、火もつけていない蚊取り線香を機械の上に置き、一方にはビンの中に捕まえた元気な蚊をいれておきますと、元気に飛んでいた蚊が一分後には飛ばなくなり、ビンのそこで倒れてしまいました。(空気が入るように、ビンのふたに網をしていました)
ビンは、蚊取り線香のにおいが伝導しない状態でただ機械の上に乗っているだけなのです。
素人目から見ると、まさに手品かと思えました。

目で何かが見えるわけではないのですし、何の匂いもせずに、どんな物の気でも
機械が感知して、それを一方に流せる機械というのです。

わたし自身を、その機械で検知しますと、霊感のチャクラが開いているとか、愛情深い気質だとか、胃が弱く、便秘症で体力が弱く性欲が少ない、ストレスにも敏感である等と数値に示されました。
当たっていると思えましたし、当然自分の事を何も、インストラクターにもお店の経営者にも話をしていませんでした。

私の言葉から、洞察する事もできない状態で、無言で機械の検知部分をもっているだけで、私自身の性格や健康状態が、数値に出てしまったのです。
私の体の悪いところの指摘も合っていました。

やせた若い女性が来ていまして、その女性を検知すると、子宮が悪く、沢山、涙を流したばかりの数字が出ていると、機械が指摘しました。
女性は最近子宮ガンを宣告されたばかりだと言って、昨夜も眠れず泣いていたと、涙をこぼしていました。


その機械を扱う人は、霊感が研ぎ澄まされて、不思議な現象が起きると、インストラクターは云います。
そのインストラクターは、パチンコが好きな人でしたが、パチンコ屋さんの前に来ると
自分の額の前に、数字が浮き上がって見えるようになり、その数字のパチンコ台に行くと玉が打ち止め状態になるほどだそうで、感がとぎすまされたと言うのです。
「之は機械じゃない!絶対におかしい!」と、インストラクターは興奮していました。

証拠のない報告だけでは、真実は証明できませんから、何ともいえませんが、少なくとも私に関する事は当たっていましたし、物の気を機械が受け止めて、ほかに流せるのは本当に見えました。
確かに不思議な機械だったと、今でも私は思っていますが、私自身は、その当日に幽体離脱現象を味わうようになったのです。詳しい話を書く事は避けたほうが無難という、お客様たちの愛情深い御指摘に従って、その部分は省略します。^^

この時の状態を、当時私の師匠に報告しましたら、体から離れているうちに、もとの体に戻れなくなるから、つまり死んでしまうから危険なので止めなさいと云われ、その機械を操作する訓練を受けるのをお断りしたのです。
それ以降、お店がこの機械を操作して占いをするという話も消えてしまいました。

しかし、当時、外科の医者が、担当の患者さんに何も言わずに、この機械を使って、気を患者に送っているのだが、病気が治るだろうかという質問を、私がこの機械を訓練している時期にあったのです。

この機械はまだ未完成の段階で、事実が証明されているわけではないので、公然と使うことが出来ないのですが、試しに使っているという病院は他にもあるという事でした。

その外科医は、約一年間ひんぱんに、私の占いに通ってくださり、患者さんの病状などを占いに尋ねて下さったのですが、手術をした患者さんが亡くなると答えた時に、外科医は真っ青に顔色が変わり、がっくりと肩を落とされていました。
占いで、病院の誤診を指摘していたのですが、お医者さまも、それをとても苦しんでいらっしゃったのです。
患者さんが亡くなってからは、このお医者様は鑑定に来るのをやめてしました。

患者さんの病状を占いに質問するので、私にとり病気を診断する上で、大変良い占いの勉強になっていたのです。

手術した患者さんの今後の状態を占いに掛けますと、患者さんがどういう理由で病気になったのかが易の卦に出ました。しかし、病院側で、どういう診断を下したか、その患者はどこを直せば良いということも、占いに示されていたのです。
その占いの答えに、お医者さまは「なんでそこまで分かるのでしょうか?」とおっしゃってくださる方でした。

誤診された相手が亡くなると言う答えが占いに出たとき、患者さんの性別も状況も、お医者様から私は何も聞かされませんでしたが、その患者さんの病気となった経過を占いで指摘し、性別は女性で、赤ちゃんに母乳を上げていた人だったが、腕に乳児を抱えて母乳を与える時間が長くかかり、それによって腕が凝り、さらに腕の凝りが首に来て首が回らなくなってしまった為に、病院に来たのですが、それを首の神経の疾患と判断して手術をしたと答えますと、お医者さんは、目を大きく見張り、「首の手術をしましたし、確かに患者さんには乳児がいて母乳を上げていた」とおっしゃいました。

お医者さまは、こんな事になってしまったのは、運命だったのだろうか?
彼女が自分の所に来たのも、そういう運命だったのだろうかと、質問するような
運命論者でした。
お医者さまも、誤った手術をした事で、神経を病むほど苦しんでいたのです。

私が、今回お伝えしたい事は、不思議な気を出すという機械の存在でしたが、そういった機械を色んな整体治療所も使っていますが、病院もひっそりと使っていたということなのです。

文章を読むだけでは、いかがわしく思えるでしょうが、実際体験して自分自身を検知してもらうと、不思議なくらいに自分の性格から、その日の自分の心理状態、体の状態がでるのです。

あの機械は、結局の所、占いに使われないまま、お花の水遣りや、占い館の御家族の健康器具として使われるだけになっております。
ベランダのお花がいつでも綺麗に咲き、冬でも夏の花が咲き続けるのは、この機械のお陰とお店は信じています。
この機械、未来には、きっともっと開発されて登場してくるとおもいます。



「余談」


去年の暮れに、「ごきげんよう」という小堺一機さんの番組で、タレントさんの今年の運勢を占うことを依頼されておりました。(無料報酬でした)
私が占った結果は、列記されたタレントさんの中で一番運勢が悪いのは、小堺一機サンだと出ていたのです。
この番組を私は見ませんでしたので、どんな風に放送されたのか分かりませんでしたが、
番組に出る事ができなくなるほどの災難があるので気をつけてくださいと、書いておきました。
今日テレビの報道で、小堺さんが癌を手術していたこと、さらに番組を休むということです。

占いに出ていた卦は、癌と言う卦と喉と言う卦があったのですが、脅す事は良くないと思って、病名までは書きませんでしたが、その通りだった結果に、彼をトテモかわいそうに思いました。
彼は私の占った紙を見たと思いますが、其の占いのコメントを見てくださっていた時に
癌を知らされていたわけですから、どんなに嫌な暗い気持ちだったのかと思ったのです。
出ていた卦は、天雷むぼうという病気で言うならば、癌の卦なのです。
この病気に関しての解釈を詳しくここで述べる事は、控えさせていただきます。








2004年7月25日

「九州佐世保の女児殺人事件」


最近、小学生の犯罪が目立つ。
九州の佐世保で小学六年生の児童が、同級生の女児からカッターナイフで殺された事件があった。
被害者の父親・御手洗恭二さんは、毎日新聞社の佐世保支局長で、子供を失った悲しみをたびたび手記にして出している。
先日は、被害者・御手洗怜美さんの49日の追悼式が学校で行われ、涙を押し殺しあごを震わせる父親の姿がテレビに映っていた。

ある宗教家が言うには、子供を殺された親が、その当日にテレビで記者会見をする事は、精神的に不可能な事で、子供に対して愛情がない証拠であり、普通の精神を持っていたら、亡くなったばかりの子供のそばから離れる事などできないと、会報誌に書いていた。

「まして、亡くなって二日後に手記など、全く不可能なことだ」と、綴り
悲しみの極限にいて文章を書くことなど、親として不可能なことだと断言していた。

教祖の言い分は、こんな愛情の無い親達が、日本中に増えてしまった事と、愛の真実を見極める判断も出来なくなった現代の日本人を、我々自らが愛のない人間だから、他人の愛のない事すら判断できない!こんな人間が増えてきた日本が情けないと、嘆いている。

わたしは、この文章を読み、この宗教団体に所属する良い人柄の人達を思い浮かべながら、何とも切ない気持ちでたまらなかった。
人には、あらゆる気質の人間がいる。
意地悪な人・独断と偏見の強い人・自己を正統化する人・優越感がいっぱいの人。
之くらいの人格は、普通で善人の部類だが、最近は、自分の欲望の為に、平気で人を殺す人も増えてきた。
悪を起した人を悪い人間だと、世間が評価していれば、世間の判断力に不安を感じないでいられるが、この教祖のように冷酷な発言をする人を最高に慈悲深い指導者だと絶賛し、教祖の言葉に、感激の涙を流す多くの信者がいる事が、自己の脳ミソで物が考えられない人間が多くなっていると思えて、たまらない気持ちになった。


この宗教家が、慈悲深い人であるならば、子供を失った極限の悲しみを味わっている人間に、こんなむごい台詞を言う事はできないはずである。
非常識な鈍感な人達ですら、子供を失って苦しむ親に、愛がないなどと攻撃する言葉は云えない。

わたしが、教祖がむごい人だと言う事に関して嘆くことは、泥水は飲めないと怒るようなもので、あまりに人間に対して理想を願いすぎている事になるのだろうから、教祖の人間性を嘆く事はしたくない。
自分自身に酔いしれる人は多いので、教祖には、多くの信者をひきつける才能があるのだから、彼も自分自身の才能に、凡人以上に酔っているのだろう。
だから、自分の意見を教えとして世間に広めたくなるほど過信できるのだろう。

この教祖の信者達は、日頃、いつも教祖の慈悲深さと愛情の深さに、涙が止まらないほど感激している。

私は、悪意はこの世から消える事が出来ないものと思っているので、たとえ教祖が、不遜な冷酷な人間であろうと、そういう人間は、「犬も歩けば棒に当たる」程多いと知っているつもりでいる。
だから、教祖の不遜さに関しては、特別なショックはない。
しかし、その冷酷な事を言う人間を、慈悲の固まりだと絶賛し感涙する信者達の存在が、思考が弱すぎてとても恐ろしいと思うのである。

教祖は、我々日本人が、御手洗恭二さんの子供への愛の欠落を判断できない事を、情け無いと嘆いているが、
冷酷無比な独断的発言をする教祖を、慈悲ある智恵のある聖人だと思える信者達のほうが、思考が操作されていて、情けない。

ちなみに、この教祖は、御手洗恭二さんの悲しみを、真実だと信じる人間は、子供を本当に愛した事のない人間だと言っていた。
この教祖は今の時代の人間は、自分の子供の為に命を捨てる事ができなくなってきたと言う。
昔の人間は子供の為に命を捨てる事が出来たそうだ。
この台詞から、教祖の弁を否定する人は、愛情の無い人間だという事に成ってしまうわけであるから、信者は反発もできづらくなるだろう。

しかし、本当に、この御手洗さんと言う人は、聖人教祖の云うように
子供に対して愛情の無い人間だったのだろうか?
私のような愚かな主婦の発言が、多くの信者に尊敬される教祖の発言よりも、まともなわけがないのかもしれない。

そこで、御手洗恭二さんは、なくなったお子さんに対して愛情を持っている人だったのかと占った。


天文  火地晋  之卦  水雷屯    本卦  雷火豊
           主爻  地雷復    主爻  天風妬

人文  乾為天

地文  風雷益


でた卦を見て、充分良い親だと思った。

ここの聖人教祖がこの私の易を見たら、この教祖も占いをするので私をあざ笑い、とんでもないいい加減な占いだと罵(ののし)るだろう。
(ちなみにこの教祖の人相占いの授業料は1回あたり10万円である、集団授業で生徒は100人以上集まるほど人気だ)

占った卦を見ると、お金に関する卦が目立つ。
毎日新聞社の支局長だけあり、かなり収入も良く、子供に対してかなりのお金をかけて贅沢をさせているという卦がでている。
仕事が忙しいとか母親がいないという子供に対する不憫な気持ちから、お金だけは沢山かけてあげたいと言う姿勢があるが、父親としての子供に寄せる想いは、親ばかの程の想いもあるし、甘やかしてきたともいえる。
親ばかも甘やかしも、父親として、愛のないことだとは言えない。奥さんが亡くなり、男親一人で子育てと仕事をしなければいけない男親にとって、之ぐらいの気持ちは仕方のないことであり、親の愛情など、これくらいあれば、充分だと思う。

御手洗氏が、記者会見に出たのは、ジャーナリストとしてのあるべき姿勢として出たと、卦にも出ているし、書く事を仕事にしている人間にとって
自己に対するあるべき姿勢が、どんな極限状態でも書くべきだと言う事が、プロの姿勢だと、御手洗氏の仕事一徹の根性が感じるが、それを、言葉で弾圧するべきほどの酷い親だとはいえないし、子供を愛していないとは云えないのである。

飛行機が落ちる瞬間時に、パニックになる人がほとんどでも、一行でも文を残そうとする人間もいるように、愛する子供を失くせば、何も出来ない人は多いが、書くという事を、あえてするべきだと思う人間もいるのである。
人間の思考や感情は、十羽一からげのように統一されたものではなくて、個人差があり個性があると言う事くらいは、誰もが知っている常識である。
それなのに、最強の頭脳を開拓したと誇る教祖が、こんな当たり前の事が見えないのだろうか・・・。そして、彼のお弟子さん達も、なぜそこに疑問を感じないのだろうか。

世の中には、邪念を真実と信じ、自分を神様だとか、崇高な魂だと信じる宗教家が多い。
云うのは勝手だが、云われて、信じる人間が多い事が、人の思考と判断力に恐ろしさを覚える。
幼い子供が、自分の親の人間性を信ずるように、どこの宗教も、そこの信念を絶対だと信ずる、どうも、人の思考は、自力での発想よりも、他者の発想を鵜呑みにするほうが
安心であると思えるようにできているのかもしれない。

確かに自分で考えるのは面倒くさい・・・私も頭の良い人に黙ってついていきたいと思う。

占いに来るお客様たちの中にも、宗教に入り込こみ、自分の教祖はほんとに釈迦の生まれ変わりかと占いに質問に来る人が、月に2人くらいはいる。

占い師たちも、神様を信じ、神社参りを自らしたり、運勢が良くならないお客様にも神社参りを勧めている人もいる。
占いの答え方として、運勢の変化でき難い人に神社に行きなさいというのは、とても楽な答えだと思う。
働かない息子をどうしたら働かせる事が出来るかと相談に来たお客様がいた。

高額な値段の印鑑を買いなさいと言われたお客様だったが、数年立っても印鑑の効果はまだ出ていないという。
「軟弱でやる気のない人間に、しっかりと働く根性を持たせる方法なんて無理だと思いますけど」と言いながら、占ったが、この息子さんに根性を持たせる方法が占いに出てくれた。




「余談」


今回は、教祖の言葉にいらだち、かなり感情的な書き方になってしまった。
前回の日記に関しては、かなり多くの人達から反響があり、
「本当ですか?」と、言う問い合わせに、チョット面食らった。

「だって、嘘なんて書くわけないのに・・・・」と、申し上げたいです。
そして、「本当ですか?」と問われた事から、初めて嘘を書く事がありえる事なんだと
気付きました。
嘘を書いたほうが、楽しい物になる可能性が大きいかもしれません。
でも、本当の事しか書けない私ですので、それを知っていただきたいのです。
嘘に思えるほど凄い本当の話もありますが、信じてもらえなければ意味がないですので、本当の話でも出来る限り、実際のお客様の相談の中では常識的な内容だけを選んで書いているつもりです。

来週は、人の体の状態と心の中が判るという不思議な機械についての経験談を載せます。
「ほんとう?」と言いたくなりますね・・・
本当の話ですよ。






2004年7月18日

「怖がられた私」



昨日は、大声で怒りと不快感を露骨に出して話す男性のお客様を鑑定した。
会社でも、後輩が先に出世して、上司からは、彼を首にさせようという働きかけをされ、この会社で働くことの将来性などを占ったのだ。
当人の仕事振りの会社側の評価を占いで指摘すると、ますますお客様は怒りを抑えきれない状態になり、「一体、会社って誰の事だ!!」と、私に対して憎しみをぶつけるような話し方だった。
感情を抑えられないお客様の性格に、私も神経を使いながら話したが、鑑定が終わると、
名刺を下さいと言われた。

名刺を差し上げると、「うわ〜〜〜っ!!怖い名前!あなたは普通の奥さんでしょ?」
と、質問された。
「はい。普通の奥さんです」
「なんで、こんなやくざの姐さんのような名前をつけるんですか?全然イメージがあわないですよ!龍なんて、やくざみたいじゃないですか!あなたには、優しい名前があいますよ。絶対にこの名前は止めた方がいいですよ!」

「わたしの先生が下さった名前なんですよ。私も名前を頂くのをお断りしたほど、当時は
龍って、とんでもない名前だって思ったんです。
龍の顔って怖いですからね。
人相は心を表すから、龍が良い心とは思えないと思ったんです。
でも世間では、龍って、神様のお使いとか言われて、神社仏閣で祭られたりしているし、龍を信じる人って多いんですよね。で、今ではこの名前に慣れてしまったんです」


「又占ってもらいに来たいんですけど、やくざの姐さんだったら怖いんですが、本当に普通の奥さんですよね?」

「ふつうの奥さんですから大丈夫ですよ」

私を怖がって、何度も念を押して「やくざの姐さんではないかと」確認なさったが、
名刺を見たとたんに、お客様の態度がとても優しい態度になり、私を誉めまくってくれるようになった。

人の機嫌をとるのは苦手に思えるお客様だったのに、あまりの物腰の低い、感じの良い態度に、人格が入れ替わってしまったのかと思えた。
あんなに緊張する相手から怖がって貰えるとは、人はわからないものだ・・・・。

どう見てもおばさんにしか見えない私の年齢を聞きはじめ、自分と同じ年でしょうと言うので、5歳さばを読んで若めに答えたが、綺麗だとか若いとか、結婚するならあなたのような人がいいとか、あなたを、奥さんにできた男性は幸せですよ、とまで、おっしゃるのである。

誉め上手の人間でもここまで言って下さる人はいないし、誉めすぎる台詞に真実性が感じ難がったが、あれほど感情的な人で、会社の仲間や上司が頭を抱えこむほどの嫌われ者から、ここまで、気遣った言葉を頂いて、私の名前の「清龍」が、やくざの姐さんの名前に思えたんだろうと思った。

昔の私も「龍」と言う名前が気持ち悪いと思っていた。
自分の先生の雅号は光龍と言うのだが、先生の下さるお手紙の差出人の名前が、光龍と書かれて来たが、私は先生にお手紙を出すときに、この名前を書くのは失礼だと思っていたのであえて先生の日頃使わない本名を宛先に書くようにして、龍と言う字を書かないように気を使っていた。
郵便屋さんに、変な名前を見られたら恥ずかしいだろうと思ったのだが、先生は龍と言う名前を恥じていなかった。

「龍」と言う名前、確かに私らしくないかもしれない。




「占い苦労話-その3」


変質者かな?と、思えるお客様がいらっしゃった。
「何か危険な事をされるかもしれないが、その時は負けないぞ!」と、思いながら
やられたときの防衛の仕方を考えながら、お客様の話を聞いていた。
ニャニヤと、笑いっぱなしで、体を乗り出して顔を近づけてくるし、鼻を私に近づけて
匂いを犬のように嗅ぐのだ。
彼はまだ34歳なのだが、10歳は老けて見えた。
仕事運と恋愛運を占ったのだが、ロリコン好みでナンパするような性格だと出ていた。
お客様は、自分と関わる女子は、中学生か高校生かと聞き、私が易日記に出した家出少女を紹介して欲しい、住所は知らないか?どこで会えるか?とかなりしつこく聞いた。

二日づつ泊まり歩く少女が真剣に彼女を愛する人を探しているが、一度も恋愛経験のない彼ならば、そういう女性を愛せるかと質問をすると、「そんなのは一回やったらバイバイ」とニヤけた笑顔を崩さずに答えてくれた。
仕事も半年以上続かないし、高校時代から一人も友達も話し相手もいないという。
職場でも友達も出来ない、恋人も一度も出来た事がないそうだ。

25歳以上の女は年寄りすぎて嫌だが、モデル張りの美人がいい、デブやブスは気持ち悪くて嫌だと云う。
「女は自分がどんなにブスでも、自信があるし、理想も高いから、ブスと付きあうのだって難しいですよ」と、答えると、
「パンツ見せて!」とか「デッカイ、オッパイがいいんだけど、先生のでもいいから見せて」などと、にやけた顔を近づけて来る。

本音を言って説得しても理解してもらえる人だとは思えなかったが、わたしは毒舌で、無意識のうちに人に対して傷つく事を平気で言うところがあると自覚してきた為に、私自身の態度をかえりみるつもりでいたが、やはりいつもどおり、この男性に本音で向かう事にした。
「あなたは本気で、彼女や友達が欲しいと思っているんですか?
あなたは、いつも人から馬鹿にされてしまうでしょう?」

そう質問したとたんに、彼の顔が真面目になった。

彼の好みの女子高生の嫌いなタイプが、まさに彼の態度だと言う話をした。
ロリコン好みの特徴というのがある。
少女を好む人は、不思議と顔がおじさん顔になり、老けている。
そして、不思議なくらいに、ニヤニヤと気持ちの悪い意味のない笑顔を絶やさない。
ロリコン達は路上で、少女を見つめ、ニヤニヤしながら声を掛ける。
「可愛いね〜〜〜」
「何か買ってあげるよ」
「おじさんと遊ぼう」
「パンツ見せてくれたら、おこづかいあげるよ」
ニヤニヤしている男性を、女子高生の間では、脳が異常だと云って、一番嫌っている。
変質者のタイプが、まさにこの台詞を言うタイプであり、にやけた顔を話す。
自分自身の態度は見えないので判らないものだが、こんな風に話したらあなたはどう思うかと、彼に女子高生の気持ちで椅子におとなしく座ってもらい、私がロリコンのおじさん役を演じて見せた。
「どうですか?馬鹿な奴だと思えますか?」
彼は、真面目は顔のまま黙っていた。
あなたは、女子高生から一番嫌がれる台詞と態度を出しているんですよ。
魅力のある男性は、むやみに体を近づけない、匂いも嗅がない、下品な台詞を言わない。

彼は、腕を組み、真面目な目つきというか、怒りを感じた瞳になった。
「そう!これからは、その顔つきを維持するといいですよ。笑顔が良いと思っていたんでしょうが、感じの良い笑顔の人は人に安心感を与えますが、悪い奴からは、なめられるものでもあります。意味なくニヤニヤしていると、人は舐めてくるもので、魅力は感じてもらえません」
「たしかに俺は、いつも人からなめられて来た・・・」

最近は、ロリコン向け雑誌も沢山でている。
モーニング娘とか、その妹分が最近テレビで売れ出しているのも、世情の男性の思考を
狙ったものでもある。
時代の流れの流行なのかもしれないが、どう考えても、社会が幼稚になってきている。







2004年7月11日



「占い苦労話―その2」


30歳の独身女性を占った。
仕事の運勢と恋愛運の二つを占ったのだが、中心に出た答えが両方とも「山地剥」という同じ卦が出た。
人にはいろんな性格があるが、この『山地剥』の人は、人に厳しく、心が屈折しているので、話して理解してもらう事が難しい。

自分自身を自覚する事が出来ると、対人関係も良くなる可能性があるのだが、優越感が強いタイプに、性格のマイナス部分を指摘したり、対人関係で自分を主張しすぎると恋愛相手としても好まれないと答えたって、納得してもらえない。

そうなれば、あえて本当の事は言わずに、当人の人格を認めて誉めてあげれば当たっていると思われ、喜んでもらえる。
自分に甘い人は、自己を客観視する事が苦手でなので、占いで本人の性格の弱点を云っても、当たっている事にならないのである。
お客様が外れていると思うならば、当てないほうが商売ならば望ましい。
商売上だけでなく、良くない事を言うのは、私にとっても嫌われるだけ損である。

耳障りの良い言葉だけを求めるならば、お客様として来て頂きたくないのだが、現在のようにお店に雇われている状況では、なかなかそうは云えない。

客観性の無い人とか、自意識が強くて誉めてもらいたいと思うお客様は、向こうにとっても私などとかかわらない方が、精神衛生上も良い。

お客様が占いのメッセージによって、今まで気付かないで来た自分自身に気付いてもらいたいと思うのだが、当人が自分の性格の弱点を自覚していない場合、どう言うべきかと毎度のことながら、こういう答えは苦手である。

30歳の知的な美貌の女性の恋愛運を答える事になった。

天文  天地否(否定) 之卦  水地比(親しみ)  本卦  山地剥(不遜)
               主爻  明夷 (暗闇)    主爻  同人 (仲間)
人文  離為火 (智恵)
地文  離為火 (智恵)


離為火(りいか)という智恵のある卦が二度続いて繰り返されているので、賢さを強調した女性だとわかる。賢い事は良いことだが、賢い女性に見えすぎると、人は温みを感じない。
恋愛相手にも、賢さをはっきりと見せている、そのために相手の気持ちに
緊張感を与えていて、恋愛の楽しさとか甘さが無いのが、恋愛対象としてみてもらえないとなっているのだ。

優越感に浸った態度は、傍から見て好感を感じにくい。自分の態度を冷静に判断できれば、魅力的な人になり、恋愛も成就すると出ているのだが・・・・

  「う〜〜〜ん・・・・・あなたの恋愛は長く続きませんね?」
お客様 「はいそうです、どうしてですか?」

 『あなたは、頭の良い人だと誰からも思われているのです。あなたの人に与える印象は、怖さなのです。賢さが見えすぎると、人に緊張感を与えるんですよ。
恋愛相手にも、あなたの賢さがでてしまっているのです。
恋愛は、安心感を与える人が好かれるのです。そういった安心感や柔らかさや甘さが、あなたには足りない為に恋愛対象としてみてもらえないとなっているのですよ。
理屈がたつ人や、賢さがはっきりと見える女性って、男性から見て、安心して親しむ事が出来づらいのです。
他人がハラハラとあなたに気を使ってくれでしょう?
あなたは人の意見を厳しく捉えるので、相手が緊張してしまうのですが、それが判りますか?」

お客様 「それはわかる。他人は自分に対していつも緊張して居ますよ。
でもそれは上司も皆バカばっかりだから仕方がないのです。でも、好きな人に対しては尽くすことも出来るし、偉そうな態度もとらないです。」

  「好きな人に対してだけ感じ良くして、他の人には感じ悪くしている人を、あなたなら、そんな人のことでも、心から良い人だとおもって信頼し愛する気持ちになれるのですか?
好きな人にしか良い態度をとれない人は、どう考えても根性は小さいですよね。そういう人のご機嫌を損ねたら、いつまでも良い態度で接してもらえると言う保障はないと感じさせませんか?人に緊張感を与える自分であり、理想も高く、それで自分を心から愛してくれる人が出ると思えるなんて、あなたはかなり他人の人間性を寛大で優しいと思えるのね?
だから、ニヒルな気持ちの自分のままでいても、良い恋愛相手が出てくると期待できるのかもしれないですね?」

お客様 「恋愛は自分のままでいて好かれるからこそ、楽しいのであって、相手に好かれる為に自分を偽るなんて、そんな恋愛ならば楽しくないですから、そこまでして人に好かれたいとは思いません。結局、私の恋愛運は駄目だって事をいいたいのですねっ!」

 「運勢を決め付ける事は努力する価値を否定していると思いますので、あなたの恋愛運が絶対に駄目だとまでは言いません。」

お客様 「・・・・・・・・・・」

 「ただ、このままあるがままのあなたのやり方でやっていけば、あなたは、愛されにくい態度をとっているので、恋愛は今までと同じように長く続かないと云えるのです。
良い運にする事も駄目な運にする事も、自分の心の向かわせ方なんですよ。
確かに、あるがままの自分が受け入れられるのは気持ちいいですね。
本来の自分を殺して愛されても虚しいのは、其の通りですから、あなたのおっしゃる気持はわかります。

でも、あなたは好きな人に対しても、自分と違った意見だと、絶対に共感できない所が強いので、それが、きつく人を威圧しているように思われるんです。
威圧する人を、好きになる人って滅多にいませんよ。
自分よりもすこし幼稚だと思える女性の方が、男性も安心できるのでしょうね。
男らしい人の心を得るには、少し単純で愛嬌のある感覚の方が恋愛がうまく続くのが本当なんですけどね。」

お客様 「は〜〜〜っ!
(ため息) 自分と違う意見に対して共感できないなんて当たり前の事です。違うと思っても共感するなんて嘘つきですよ。それに、自分を作って男に媚を売っているような女って大嫌いです。そういうバカな女が好きな男も嫌いです!そんな人から好かれる為に努力するくらいならば、一人で生きる方がはるかに幸せです!」

 「なるほどね、私も自分と違った感覚の人には共感できないですから、あなたのおっしゃる気持ちは理解できます。でも、人に共感できるかどうかは、自分自身の物の捕らえ方に柔軟性がどの程度あるかで決まる事もあるだろうって思うんですよ。
強い自信を持っている人は他人の考えには共感できないですよね。話をしていて自分に共感してくれない人だと思われれば、少なくとも親しみを感じてもらえないものですよね。
自分に共感してくれる人って、世の中めったにいないものなんですよ。
ですから自分に対して共感してくれる人って、癒される人となって好かれるんです。自信がありすぎで、自分の主張を前面に出していく知的な意見を言う人を、異性に限らず、誰もが自然と緊張を覚えてしまうもので関わりを深めたいという恋心が湧きづらいのが、人の自然な気持ちなんですよ。
つまり、あなたのような一匹狼的な信念を持っている人を好む人は少ないわけです。
しかもあなたは理想が高いのですから、受容される確率が難しいのは当然ですよね。

人は年齢によって考え方も変わりますから、若いときは理想を持っていても年を取って経験が増えれば、生き方に妥協できるようにもなっていくものですから、妥協できる頃があなたの恋愛の成就とも言えますよね」

お客様 「私は今でも若いとは思っていませんし、好きになる事に妥協ということはありえません。妥協できる頃が恋愛が成就する時だなんて、誰だって言える常識的な答えです!そんなのは占いではないです!」

  「さすがに理屈の立つ女性だけあって、そこまではっきりと御自分の意見を云えるのは見事ですね。
でもね、占いだって常識に沿った答えをするものですよ。あなたは頭が良い人ですから、常識を逸脱した答えが占いだと思っているような、そんな単純な思考をする人ではないはずです。
あなたが討論をしたら、相手を負かせてしまう力があると思います。

人の心を自分に向ける話術の出来る人が恋愛上手なんですが、討論のように相手を打ち負かせる意見をいえる人は討論には勝てますが、勝てば、相手はこちらを嫌う事はあっても、好きにはなってくれませんよね。
つまり、恋愛を物にするには、討論に負けるべきなんですよ。
勝ちは相手にゆずって、相手を尊敬していく姿勢が、人から愛されるコツなんです。

30歳ならばまだ今の時代は若いといえます。まだまだこれからですから、話術を生かしてもっと魅力的な自分を出していったら、運勢ももっとよくなる人ですよ」

お客様 「何で年齢の事を言うのですか? 私は自分の年を考えて恋愛をしていませんし、年齢を考えて恋愛するなんて、本当の恋愛とはいえないと思っています!」

  「そうですか・・。あなたの話し方は理屈ぽさがどうしても出てしまうのね。
あなたの望む頭の良い男性が、女性に求めるものが、研ぎ澄まされた知性とか賢さではない事を知った上で、あなたの持ち味を冷静に見つめていく事さえ出来れば、あなたの運勢も恋愛もうまくいくんですけどね。」

お客様 「私は年齢の事を気にしていません。何で年齢の事を言ったのか、ちゃんと答えてませんよ! ちゃんと答えてくださいっ!」

 「ああ・・、そうでしたっけ?年齢の事に触れたのは、一般論として、30過ぎれば大方の女性は若くないと思っていく人が多いので、もしあなたも一般の人と同じ気持ちがあったら、30歳は充分に若いと知った上で恋愛に向かう方が、気持ち的にも望ましいと思っただけの事で、親切で言ったつもりだったのですが、意地悪に聞こえたんですか?」

お客様 「私はバカが大嫌いなんです。バカ相手に喋っているだけで、吐き気がします。何で自分までバカになって世間と同じにならないといけないのか理解できません!」

 「でも、世間はバカの集まりだって、さっきおっしゃいましたでしょ?まともな考えをしている人に一度でも会った事はありましたか?」

お客様 「いいえ、世間には、まともな人なんて居ないじゃないですか!」


「バカな世間の中では、あなたの賢さが目立ってしまうのでしょうね。
人は自分と違う人間を悪く見る傾向がありますよね?当然あなたならば、それはご存知ですよね?
世間の人は全員愚かで、あなた一人が賢さを見せすぎていたら、あなたは世間から悪く見られる可能性が濃くなりますよね?
あなたは、裏表のない正直な人ですから、良い子ぶっている人たちよりも信用できる良い性質をもっているのです。でも自分に正直に生きる人は、生き方が不器用に成ってしまって、損した運勢になりがちです。
相手が、よほど善人でない限り正直に自分を出して生きるのは、トランプの時に自分のもち札を公開するようなものですよ。トランプだって負けるのはつまらないですが、人生に負けたらもっと悔しいじゃないですか。しかもバカに負けるなんて気分良くないじゃないですか??」

お客様 「バカに負けるわけないですし、バカから好かれても得した生き方だとは思えません!」

 『う〜〜〜ん。だって世間はあなたから見れば、全員馬鹿なんですよね? 世間全体が馬鹿であっても、世間に好かれる方が得ですよね。またバカからでも嫌われると気分は良くないですよね?人って、自分は人を嫌いでも、人からは嫌われたくないものなんですよ。あなたは世間の馬鹿全員から嫌われても平気な強さがあるのですか?』

お客様 『バカに嫌われたって痛くも痒くもないです。そんな人には近寄ってもらいたくもないです!』

私 「世間を敵に回して一匹狼で生きる強さを持っているのは、あなたはよほど凄い人だとおもいます、お仕事が出来るあなたですから、恋も仕事も両方100点満点では、恵まれすぎになるので、之くらいでちょうど良いのかもしれませんね」

お客様は不快感を満面にしたまま無言で席をたって帰られた。
後味の悪い鑑定となり、私も気持が重かった。

仕事運を占ったときは、お客様の上司がバカだという事を言った為に、納得していただいたのだが、恋愛運ではこんな感じで怒りを買いっぱなしだった。

隣の部屋の占い師の話し声が聞こえてきた。
お客様のよさをトテモ強調されていた。
「あなたはね、とても仕事の出来る人です!あなたの才能には、どんな男性も見劣りしてしまって、あなたは、結婚よりも仕事で生きる人なんです!結婚なんてむいていません!!それよりも仕事で生きるのが幸せになりますよ!!!」
お客様は、明るい声で、「なるほどねえ〜〜」とうなった。

あ〜〜・・・。こんな風に言えるといいのか!!!

いろんな人を占い、そのつどあらゆる緊張感を経て、占いに対してのあり方や話し方を、いつも考えてきたつもりだったが、未熟な自分に頭を抱える。
気持ちの良い言葉を言う占い師になるべきか、恨まれようが、口論しようが
あくまで易に出たままを云う占い師で通すべきか・・・・。

どちらがいいのでしょう?


余談


色んな相談があるもので、このお客様の後にいらっしゃった方は
彼の誕生日プレゼントは何が喜ぶか観てくださいという、シンプルな相談だった。
2ヶ月に一度の割合でいらっしゃるお客様だが、他に知りたい事もないと、おっしゃり
時間が余ってしまった。
ヘビースモーカーの彼の事が大好きなのだが、彼の性格は占ってもらいたくないと言う。
二人の未来も知りたくない、悪く出るとショックだからだ。

でも、浮気もするし嘘もつく彼だと占いにはでている。

馴染みの彼女が将来泣く事があって欲しくないのだが、彼女が本当の事を知りたくないというので、私も云わないでいる。
どんなに良い人でも、その相手を好きになれないならば、悪い奴であっても惚れる事ができるほうが、幸せだろう。
余った時間で、彼女が次に出した質問は、ヘビースモーカーの彼の肺の状態だった。

今日は町の自治会でボーリング大会があった。
私が役員をやっているため、朝からてんてこまいの忙しさだった。
町でボーリング大会をするなんて、やりすぎだと思っていた私だったが、無理やりでも
一緒に遊ぶ事で、近所の知らない人達と親近感が繋がった。

私の娘がボーリングの玉の穴に指が入ったまま抜けなくなり、救急車を呼ぶべきかというほど大騒ぎになったが、オイルをかけて何とか救出できた。


2004年7月9日

「ジェンキンスさん」



今日、ついにインドネシアで曽我ひとみさんが、二人のお子さんと御主人に再会できた。
北朝鮮でも生放送で中継しているのだから、彼らもカメラで撮られてリラックスした気持ちになれないだろう。
家族四人が並んでいるとき、ジェンキンスさんの青い瞳が、トテモ嬉しそうだった。
ジェンキンスさんの今の気持ちを、勉強の為に(占いの勉強だが)占っておいた。

天文  沢水困  之卦  沢山咸   本卦  沢火革
           主爻  沢山咸   主爻  沢火革

人文  雷山小過

地文  火天大有

天地  沢天夬


本卦とその主爻が、沢火革という卦がでている。
この卦の意味は、運命の変化である。
地文の「火天大有」の意味は、『大きな理想・夢・かなわぬ夢』でもある。
つまり、ジェンキンスさんにとって、奥さんとこのような形で会える事は
不可能に思えるほどの夢だったと言う事を示す。
「そう!ジェンキンスさんは、やはり、北朝鮮を出て奥さんと共に他所の国で暮す事を夢見ていたのだ!」
まさに、ジェンキンスさんの運命が改まったという実感に浸っているのが、沢火革の卦にでている。
自分が母国を裏切った脱走兵だと言う苦しさもあるが、そういう自分の色々なしがらみを
なんとか脱していかないといけないという、燃える闘志を今抱えているというのが
今回の卦に出ている。
之卦の「沢山咸」は、喜びであるが、自分の感情のままに進もうという気持ちが出ている。
ジェンキンスさんは、日本に来る気持ちになっているという卦である。

家族が平和な国で一緒に暮せても、ジェンキンスさんも曽我ひとみさんも、又新たな苦労が始まると云えるが、まずは良かったねと、喜びたい。
ジェンキンスさんは脱走兵ではなくて、拉致されて北朝鮮に連れて行かれたと言う噂もあるらしいが、占いによると、やはり脱走したようだ。
曽我ひとみさんが、日本人である事を幸せに思えると語っていたが、弱いものを庇いたがる気質が日本人は、アメリカ人よりも強い。
アメリカはヒーローが人気だが、日本は、弱いものが頑張ることで、人情を誘う。
苦労してきた曽我ひとみさんが、やっとこ家族に会えて嬉しく思うのは、やはり日本人にとっても、心が和むニュースだと思う。







2004年7月4日

「家出少女」



占いの店の鑑定料金は、30分で一般が5千円、高校生は4,000円なのだが、女子高校生が5千円券を買って、私のところに来られた。

店のルールで、私は学割が効かないので、私のお客さんに中高校生は滅多に来ないので、高校生は珍しいお客様だった。
学割が効かずに余分に払ってもらって申し訳なかった。
「5千円も使って勿体無いわっ!」と、私がいうと
女子高校生は、後ろめたそうな表情をして、こう言った。

「私・家出してるんです。援助交際とかで、 お金・あるんです」
「うわぁ〜〜、そうなんだっ!じゃあ、友達の家に泊めてもらっているの?」
「今年の1月から家を出ているんです・・外で知り合った男の人が泊まりに来ていいと云ってくれるので、2泊ずつ泊まってます。わたしの将来を見て欲しいのです。それと、男の人と沢山知り合っているのに、
ちゃんとした恋愛になれないのは、なぜなのかも知りたいのです。あと親が自分に対してどうなってくるかも知りたいんです。私の親が暴力を振るうので怖くて家に居られなかったんです。高校は通信の高校で、親が学校に私の事を聞きに来たんですけど、先生も暴力を振るう親だと知っているので、私の事をどこにいるのかは知らないと言ってもらいました。」
「ああ〜、暴力を振るう親だったら、家に居られないわね。早く就職して自力で生きていけるように頑張らなくちゃね」

そんな事を云いながら、占って行った。

遊びで声をかけてくる相手の下心を知らない若い女の子達は多く、肉体だけを目的の男性に簡単に体を許して、誠実な交際が続くと信じる女性はとても多い。
この女子高校生も、下心をもった男性の心理を知らないし 、30歳を過ぎた女性でも、男性の心理を知らない人は意外とお客様に多い事が、占いに来る多くのお客様から分かった。

男性本人は遊び人でも、誰にでも簡単に体を許す相手に、憧れる気持ちになれないもので、
簡単に肉体関係を持った相手に対して、惚れるとか愛する気持ちになれない。

こんな事を書くと、時代錯誤の人間だと思う人も居るだろうが
恋心と言うものは、憧れる相手に湧くものだ。
簡単に近づけない相手だから、声をかけてもらえたとか、微笑んでもらったという、ささやかな出来事が、どんどんと相手を想っていくようなところが、恋心にはある。

どんな人かも良くわからないうちに、肉体関係を持ってしまったら、憧れるという、二人を隔てる遠い距離がなくなってしまうのだから、憧れる事もなくなり、本当のわくわくするような喜びや、切なくなるような恋特有の悲しみも味わうこともない。

占いに恋愛相談をする人は、真剣に愛される事を望む人ばかりだが、彼女のようなやり方で、何百人と 肉体関係を持った所で、本当の純粋な愛を持ってくれる誠実な相手が
出ることは、宝くじに当たるよりも難しい筈である。

わたしが、こう言うと、大概の人たちは、まばたきをして驚き「そうなんです か?!」と叫ぶが、あまり納得して貰えない。

「そうなのよ、男の感情ってそういうものですよ。」

女性は、熱く抱きしめてくれる人を、自分を好きで愛してくれていると信じ、愛してしまうような本能があるのかもしれない。
もちろん、性欲だけの女性も多い。
私は、性欲は愛情から湧き出るものだとは思えない。

テレビでは、ほとんどの人達が、自分の肉体関係の華やかさを普通の事のように堂々と語っている。
恋人である相手の心理を確かめる為に、番組で用意した魅力ある人物に声をかけさせて、ナンパしてくる異性に対してどういう行動を取るか観察するという番組があったが、多くの女性がナンパしてきた男性の家について来た。
それを見ながら、ヤキモキ苦しむ恋人の顔も映し出されていた。

現代のように、性に対する受け止め方がおおらかに自由になったのならば、尻軽女であろうと気にしなくて良いはずだが、今どきの若者が性に関しておおらかのようで居て、本音は、貞操を相手に求めていることになる。
こういった、テレビ番組が増えたお陰で、恋愛とはテレビに放映されるように、簡単に肉体関係を結ぶものだと 思わせるようになっているように感ずる。

長続きせず、一夜限りの恋愛ばかりだというお客様が、原宿の占いの店に は良く来るのだが 、彼らの恋愛の運勢は、遊び人の態度をとっている自分自身が、相手から軽く扱われ
て、ほんとの恋人として 見てもらえないと、占いの答えに出る。
こんな話を、もっと分かり易く砕いて、この女子高校生に話した。

「そしたら、わたしの事だけを思ってくれる純粋な人はいつ出てくるんですか?」と質問された。

「だからね、今のように見知らぬ男性に声を掛けられて泊まらせてもらっている限り
あなたを心から愛する男性には出会えないのよ。毅然とした気持ちを持った人で、自分の恋人に対して誠実な人は、その人自身も誠実だから、誠実な生き方をしている人を望むのよ。
二日づつ見知らぬ男性の家に泊めてもらっていると云ったら、あなたの生き方を
真面目で信頼できる純粋な子だって思ってもらえないのよ。色んな男とやっているんだから、簡単にやれると思われるだけで、そのつもりで付き合ってくるのよ。そう思われてもあなたは構わないの?」
彼女は黙って首を横に振った。

事細かく言わないとなかなか理解してもらえない子だったので、こうしてああしてと話したが、彼女が男性の本音に気付いて行けるのは、かなり傷を負い、分別がつき始める年を取った頃かもしれないと思った。

彼女に暴力をふるうという、親の事を占うと、悪い親ではないという易の答えだった。
言う事を聞かずいい加減な生き方をする娘に、頭を抱えて苦しむあまり、怒鳴りつけ殴った事もある親だと出ていたが、自分の子供が幸せになって欲しいと言う気持ちが強く、反省しましたといって家に帰ってきて欲しいし、もう勉強しなくても良いし、美容整形をしても良いし、ボーイフレンドも出来ても良い、
ある程度は目をつぶるが、普通に生きて欲しいという卦が親心として、易に出ていた。

「あなたの親は、しょっちゅう子供に暴力を振るうような親ではないですよ。あなたは、かなり酷い子供で親の言う事を聞かなくて、勝手な事をやりすぎたのよ。
親はとてもあなたを心配して、帰ってきて欲しいと望んでいます、親の言う事を聞いて真面目に生きて欲しいと、親は思っているんですよ。あなたが、謝れば喜んで受け止める親ですよ」

涙をにじます女子高校生の子供らしい瞳が、優しくやわらげに潤んでいた。

この女子高生は、彼女の母親の年代と同じ位の私を選んだのだった。
彼女は、私に母としての言葉を求めて来たのかもしれない。
占いを始める前に、私が彼女のお小遣いが無くなる事を勿体無いと言った時に、彼女の瞳が愛情に満ちた優しさで、嬉しそうだった事も、人の愛情を求めているのだと思えた。

彼女が私を見つめる瞳は、子犬が甘えるようなあどけない幼さがあった。
可愛い子犬を拾いたくなるように、彼女を自分の家に引き寄せる事を想像しながら、切ない別れとなった。



余談



昨日は、お姉さん想いの男の子が、お姉さんと一緒に来店されたが、私が今まで見た事がないほど、可憐な可愛い男の子だった。

男の子と云っても25歳位なのだから、男の子などと書かずに、男性と書くべきなのだろうが、イメージ的に男性という言葉が、どうしても彼のイメージにはならないので、ここでは男の子と書かせていただきたい。

話し方が女の子よりも女らしく、顔つきも華奢で、家族思いの優しい子で、なんていい子なんだろうと思った。
どんな女の子でも、あの子よりも女らしい子もいないと断言したい。

私はあまり男の子を可愛いと思った事はないのだが、あんなに可愛い男の子が家にいたら、とっても心が温まるだろうと思った。
この男の子は、お姉さんの問題を、真剣に悩み、私の言う言葉を綺麗なメモ帳に、丁寧な字できちんとメモしていた。

30分の鑑定が終わると、男の子が「延長して自分の事も占ってもらって良いですか?」と愛くるしい態度でたずねるのだが、彼の質問は、お姉さんの為の質問だった。
お姉さんの事が心配で、一生懸命お仏壇に向かってお祈りもしていると云って、涙をぬぐっていた。
「こんなに、姉思いの弟さんが居てくれて、お姉さんは幸せですね」と、私がと言うと
お姉さんは、淡々と「お金は私が払いますから!」と、そっけなさが対照的で、姉弟の味わいを感じた。

男の子は、「ううん。僕が払う!だって僕が、お姉ちゃんの事を聞きたいんだもの!」と云い、可愛いお財布をだすしぐさも、無邪気な子供のようだった。

男の子の、家族に寄せる深い愛情と、暖かな真剣な話し方を見させていただいた事によって、私は、自分自身の態度や話し方を省みる事になり、こんな自分って、駄目だなって思った。
「やっぱり あたたか〜〜〜い気持ちって、イイナ〜」って思いながら、これからの自分の態度を反省して考え直そう、と瞬間だが思った。

でも・・・・やっぱり、私はこのままで行く。
理由は・・・・・、お察しください。


帰り際に、馴染みのお客様で、比較宗教学の学者さんが来てくださった。
私の易日記の感想を求めると、「日記の石井さんはとても、心が繊細で悩みの深い人で傷つきやすい人に思えるけれど、実際の石井さんは、元気でエネルギッシュだ」とおっしゃり、もう一人のかたからは、「文章は、見た目の石井さんよりも、厳しい感じがする、自分にも厳しくて人にも厳しくて、ものの捉え方が必ず裏も観ているのが特徴だ」とコメント頂いた。

ほとんどの人達から、日記の私と見た目の私は、同じではないと云われる。

時々、メールを下さる方がいらっしゃるが、私にメールを下さる方はこんな人が世の中には、いるんだとホッとするような、純粋な人ばかりで、私の人格を過大評価して誉めて下さる。あまりに誉めていただくと、私は文章を使って皆さんを欺いて、良さそうな自分を演出しているのかもしれないと思い、自分のあり方を、どうあるべきかと悩んでいる。

16歳の娘が、私が易日記を更新する時に、危険な話題を載せないように前もって彼女が読んで判断すると言う。
愚かな母親を一人歩きさせる事を危惧するほど、子供は、私を危なく思っている。
わたしのHPにオカルトシリーズを追加したい事を話すと、「絶対にヤバイ人だと思われるからやめるように!」と強烈に反対された。

昨夜、来てくださったお客様方にも、この手の話題を出す事についてのコメントを求めると、「出さない方が無難です」と娘と同じ意見だった。

こんなわけで、今後も当たり障りのない話題を維持するように努力しなければなりません。



〜2003年はこちら

2004年1月〜4月はこちら

2004年5月〜6月はこちら