3.火星人マークって何?


 背表紙の下1/4の所にトレードマークともいうべき楕円で囲まれた火星人のイラストが全冊に付けられています。黒色の火星人を取り囲む背景色が時期によって異なっており、一応刊行時期の判断の目安にはなります。当初は黄色で81年8月5日発行の「2018年キング・コング・ブルース」まで続いたあと、同年9月15日発行の「カリスマ」および「どこまで行けばお茶の時間」から青色に変更されました。変更された理由はさだかではありませんが、黄色火星人はちょうど100冊発行されていますので、その区切りで変更となったのでしょうか。そしてしばらくは青火星人が続きますが、85年1月30日発行の「マイクロノーツ」は赤火星人として刊行されます。裏表紙見返りには赤火星人は冒険SF、青火星人は本格SFと明記されており、冒険SFの刊行にも力を入れるかのごとく新たな色分けが導入されました。ところがこの後、2冊青火星人が出たあとで突然同年6月30日発行の「シンディック」から背表紙が緑色(青緑色というべきでしょうか)に変更され、火星人の背景は白色となってしまったのです。文字通りマークの色分けによる分類は白紙に戻った形となり、あわれ「マイクロノーツ」はただ一冊の赤火星人となってしまったのです。緑背表紙と白火星人の組み合わせはこれより終刊の「アルベマス」まで続きます。結局黄色火星人100冊、青火星人60冊、赤火星人1冊、白火星人36冊という内訳になります。ただし再版されたり、新装改訂版として刊行されたものはその時点の色になっていますので、上記冊数は初版時点の内訳です。





4.背表紙の番号はどうなっているの?


 作家には登場順に1から85までの番号がついており、その後ろに刊行された作品順にアルファベットが振られています。例えば一番最初のフリッツ・ライバーの「ビッグ・タイム」は1-A、ライバーの3作品目の「バケツ一杯の空気」は1-C、最後に登場したキース・ロバーツの「パヴァーヌ」は85-Aといった具合。当然Aが最も多く85冊。Bが43冊、Cが24冊(以下略)。最も作品数が多いディックはAからUまで21冊刊行されています。初期の頃は作家番号は必ずしも刊行順にはなっていません。24番のディレーニ(「時は準宝石の螺旋のように」24-A)は27番のナボコフ(「ナボコフの一ダース」27-A)よりもあとに刊行されています。これはあらかじめ番後だけは決定していても、刊行は訳出された順にされたものと思われます。余談ですが棚に並べるのはこの番号順でするのが一番簡単なのですが、そうすると黄色火星人と青火星人が混在するのはまだいいとしても緑背表紙が不規則に入り込んで大変見栄えが悪くなります。少々めんどうでも刊行順に並べる方が色分けがすっきりしてきれいにみえます。


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