山名 | 日付 | コース | 備考 |
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乗鞍岳 | 00/9/15 | 畳平〜山頂 | |
白馬岳、唐松岳 | 00/8/26-27 | 猿倉→白馬岳→杓子岳→白馬鑓ガ岳→天狗山荘(泊)→不帰嶮→唐松岳→八方尾根 | |
鷲羽・黒部五郎・笠縦走記(別頁)未作成 | 00/8/11-15 | 新穂高温泉→三俣山荘(泊)→鷲羽岳→水晶岳→祖父岳→雲の平山荘(泊)→黒部五郎岳(泊)→三俣蓮華岳→双六岳→笠ヶ岳(泊)→抜戸岳→新穂高温泉 | |
赤石・荒川縦走記(別頁) | 00/7/20-22 | 椹島→赤石小屋(泊)→赤石岳→荒川岳→中岳避難小屋(泊)→悪沢岳→二軒小屋(泊) | |
鳳凰山 | 99/5/GW | 夜叉神峠→薬師小屋(泊)→鳳凰三山→夜叉神峠(春山) | 雪 |
立山、剱岳 | 98/7/11-12 | 室堂→立山縦走→剣山荘(泊)→源次郎尾根→剱岳→剣山荘→室堂 | 岩、ガイド |
甲斐駒ヶ岳 | 97/10/10 | 北沢峠→仙水峠→山頂→双児山→北沢峠 | |
槍穂縦走記(別頁) | 97/7/19-22 | 上高地→槍沢→槍ヶ岳(泊)→大キレット→北穂高岳(泊)→奥穂高岳→涸沢(泊)→上高地 | |
焼岳 | 96/9/15 | 平の湯→焼岳→上高地 | |
北岳 | 96/7/20 | 広河原〜草すべりで雨 | 断念 |
木曽駒ヶ岳 | ?/6/7 | 千畳敷カールで積雪 | 断念 |
?/6/21 | ロープウェイ運休 | 断念 | |
?/8/1 | 千畳敷→宝剣岳→駒ヶ岳→千畳敷 | ||
2002/3/22 | 千畳敷〜浄土乗越 | 吹雪敗退 | |
木曽御嶽山 | ??/6/21 | 田ノ原〜王竜頂上 |
聖岳 |
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聖岳山頂からのパノラマ(IXY13枚合成)
このパノラマのQuickTimeVR(327K)
仙丈ヶ岳 |
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常念岳 |
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五竜岳 |
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乗鞍岳 |
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久しぶりのブロッケン現象を楽しんでから、
畳平に向かって猛然と早歩き。
畳平が見えてくると何かスピーカで音を出している車が見える。
よくよく聞くと
「ゲートを閉めますよー」と言っている。
「ひぇー、本当に時間通りきっかりに閉める気だー」。
簡単な山に2つ登った後とはいえ、
体力は十分に余っていたので、
駐車場まで猛ダッシュ。
登山靴も履き替えずにゲートに向かっていくと、
今にも閉めようとしている係員の車の横を、
無事に通りすぎることができた。
まぁ、こんなイベントでもないと思い出に残らない山になってたかも。
白馬岳 |
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唐松岳 |
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前日は猿倉で車中泊。
やはり人気の場所。たくさん車が止まってる。
朝起きてみると、自分たちの車の目の前に寝袋が2個並んでる。
「な、なんだー?!」。
よくよく見ると寝袋の中に人が入ってしっかり寝てる。
「おいおい、いくら寒くないからって、
そんなところに寝てて、
間違って私が1m前進したらどうするの?」。
世の中にはいろんな人がいるから注意しないと!
しかいくら乗用車で狭いからって、ねぇ...
登り始めてしばらくすると大雪渓に到着。
トイレと食事を軽くすませていざ出発!
しかし、大雪渓は近くで見ると正直きれいなもんじゃない。
それでも軽アイゼンを装着してスプーンカットに合わせて登っていく。
アイゼン無しでも登れそうだけど、
重いものでもないしあった方がずっと楽に登れると思う。
でも8本以上のアイゼンは絶対にいらない。
大雪渓が終わってアイゼンをはずして、
しばらく登ったらあっという間に村営山荘についた。
小屋のおじさんにも「もう着いたの。まぁビールでも飲んでけば?冗談だけどね」と言われる。
みかんの缶詰とかおいしそうなものをお腹に入れてから山頂へ出発。
日本最大の小屋が見えてくる。
噂には聞いてけど実物はでかい!
そういえばさっき食事した小屋は日本で2番目だっけ。
小屋毎に食事をしていたら食べきれないので、
手短に休憩して山頂へ。
山頂では栂池方面からきた人も加わってほどほどの数。
ピーク時期の朝などは想像を絶するような状態になるらしく、
それに比べれば何も問題がない白馬岳山頂と言えるだろう。
杓子岳は一般的にトラバースしてパスする、
と地図には書いてあったけど、
確かに一日で白馬山頂に行った後だとちょっとめんどくさい。
そうはいっても一般ハイカーたるもの純粋にピークを極めよう!
天狗山荘はすいてるに違いない、
と思ってたら豊橋から来た団体さんで、
ちょうど布団は一人1枚程度。
この団体さんが食事が先になるのは経済原理なのかもしれないけど、
下界から持ってきたごみを
「天狗山荘で買ったごみだけ捨ててください」
と書いているごみ箱に次々と捨てていく様は正直唖然とさせられた。
(注意はしてみたのだけど、「え?」とびっくりしたようなそぶりで次々と捨てられてしまった...)
夕食後はスライド上映会。
登山ガイドや雷鳥研究者の説明などもあって、
なかなか興味深いイベントだった。
これからもがんばって続けて欲しい。
不帰嶮の説明などもあって、
団体が鑓温泉から下ることを聞いてほっとした
(あの人数を不帰嶮で抜かすのは不可能だから...)。
鑓温泉に下る場合、多少遠回りになるこの山荘にしたのは、
鑓温泉の小屋が混んでいるからだろう、
と誰かが言っていた。
昨日の登山ガイドが説明していたように、
不帰キレットはそれほどたいしたことのない岩場で、
やはりその後の2峰の登りくらいがハイライトだろう。
それでもフリークライミングをやったことがある人などは、
「ザイルなどがないから落ちたら怪我しそう」
とは思うだろうけど、
技術的に鎖をつかまないと困るようなことはない。
これでも一般ハイカーからは一目置かれるコースなのだから、
フリークライミングをやっておいて悪いことはないのかも。
唐松までの間で逆方向の登山者にすれ違ったのは一組みだけ。 岩場のすれ違いでの時間のロスを気にしてたからよかったけどど、日程的な問題もあるのかな? こんなに少ないとは思ってなかった。
唐松の頂上でお弁当の残りを食べてから、
唐松の小屋で休憩。
スポーツドリンクのパックを凍らせたものを売っていて、
飲んでみるとすごくおいしい。
あまりにおいしいので2パック飲んでしまった。
3峰(頂上は通らない)と唐松岳
そうは言っても、すれ違うときに登り優先で譲るのは登山の原則なのでボーっと待っていると、 「早いですねぇー。山頂に泊まられたのですか?」 と聞かれるので 「不帰嶮から来ました」と答えると、 その付近の人々から「へぇー!」 という感じで羨望の眼差しを受ける。
この傾向は八方池まで来ると最高潮に達する。
下のリフトで登ってきたハイカー
(とも呼べないくらい普段歩かない人々)の集団が、
これでもか、というくらい遅い速度で登ってくる。
あまりの歩きにくさに通路の端を普通に下っていくと、
周りから
「あの人たちは、きっと唐松の頂上まで行ってきた人たちだよ」
という声が聞こえる。
どうやら、八方池までの人たちは唐松頂上が夢の場所であり、
唐松に行く人にとっては不帰嶮が憧れの地であるらしい。
そういえば、リフト乗り場付近で
「本当は八方池まで歩けるんだけど、
今日は無理をせずにこの周辺でやめておこう」
と家族に話している高齢男性がいたっけ。
みんなそれぞれ夢を持っていることがいいことなのだろう。
雪の季節は遭難の名所
八方池付近にはたくさんのケルンがたっている。 通常の山よりもずっと一般ハイカーが多いこの場所が、 冬になると特徴が少なく遭難が多発する、 というのはアルプスの冬季登山の恐ろしさを語っているのかもしれない。 いつか、唐松の頂上に執着せずに、積雪時のこの場所に来てみよう!
逗子開成高校のケルンの文章は、正直微妙な表現だ(写真参照)。
高校側が遭難に対しての責任を認めていないからだろう。
でもタクシーの運転手はとってもいい人で、
不帰嶮で今年人が一人死んでいて
(確かに落ちる場所が悪ければ死にそうな場所ではある)、
その時に目撃したお客さんを載せた話とか、
大雪渓まで付き合って登ることがあるとか、
地元の高校では白馬登山が必修だとか、
スキーを子供にやらせるのはお金がすごくいるとか、
とても楽しかった。
人との出会いの中には不快なものもあるけど、
楽しいものがあると信じて、またタクシー呼んでみよー。
鳳凰山 |
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峠の小屋には
「道案内はしません」
「雪山に不用意に入らないように」
などと書いてある。
確かにここまでは雪がほとんどないし、
夜叉神の森からはそれほど遠くないので、
間違って奥に入ってしまう人がいるのかもしれない。
アイゼンを装着して出発。
ちなみに小屋のトイレなどは木製の床なので、
アイゼンはしっかりとはずしましょう。
白峰三山はここまでほとんどガスで見えなかったけど、
途中何度か眺めることができた。
明日の天気に期待しよう。
薬師小屋に到着してトイレに行こうとすると、 管理人さんが「トイレは今作ってますからねぇ」。 どうやら男性用は雪を小型ショベルカーで作るらしい。 女性用は小屋があるので大丈夫。
それにしても小屋の中はとてつもなく寒い!
今までで一番寒かった雲取山荘よりもだいぶ寒い。
人の気配があまりないと思ったら、
明るい時間なのにみんな布団の中に入っている。
宿泊者がそれほど多くないので布団は一人2枚ずつ使えるけど、
その中に入っても体の芯まで冷えるような感じ。
やっぱり雪の季節の山小屋は甘くないかも。
食料を切り詰めたので夕飯はお腹いっぱいでとてもおいしかった。
夕食後、他の登山者と雑談などをするが、
やはりこの季節に登るだけあって無雪期に登る人たちよりも山への思い入れやこだわりが強い人たちが多く、
話も興味深かった。
雪の季節にやっている山小屋はとても貴重だ。
いつかあの雪の北岳に昇れる日が来るのだろうか。
地蔵岳往復のためだけのパッキングをして、
他の荷物を小屋に置いていくと、荷物はだいぶ軽くなった。
地蔵岳のオベリスク付近にはなぜか雪がついていない。 多分、風のせいだろう。 しかしこの光景は確かにインパクトがある。 鳳凰山の最高峰が観音岳でありながら、 必ずこの地蔵岳が盟主として扱われるのはもっともな気がした。
岩場の麓にザックをデポして、
登ってみるけど雪で斜面が埋まっていて、
落ちたときに止まることがなさそうで結構怖い。
オベリスクの下に到着して、
登れるものなのかと思って見上げたけど、
クラックもほとんど登ったことがない私には到底無理なものに見えた。
結局オベリスクが見えている間に登っている人は一人もいなかった。
どう登るものなのか見てみたかったけど...
個人的にはウェストンのザイルを投げてひっかけてから登る、
という方法はエレガントでないものを感じているのも事実だけど。
観音岳の登りを
「最後の登り、最後の登り」とつぶやきながらなんとか登り終えた。
薬師小屋で昼食をとって、雪から暖かい飲み物を作ってから、
(本当に)延々と続く下山を開始。
この時期は途中の小屋で食料のようなものを販売していないので、夜叉神峠に着くころには非常食にまで手をつけてしまった。
天候などに恵まれたからいいものの、
こんなことではいつか雪山で遭難しそう。
夜叉神峠の小屋でのみかんの缶詰はとてもとてもおいしかった。
剱岳 |
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立山 |
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真砂岳 |
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トローリーバスを降りて、展望台へは目もくれずに黒部ダムを渡り、 地下ケーブル乗り場に並ぶ。 こんなに急いで並ぶ他の人たちのほとんどは登山者らしい。 トローリーバスは30kgを越えない限り荷物代は取られないので、 普通の登山ザックであればまずお金は必要ないが、 地下ケーブルから先は10kg以上でお金がかかる。 幸い私たちの荷物はぎりぎり10kg未満だったので荷物代は不要。
地下ケーブル乗り場で次のロープウェイの整理券を渡される。 乗り場に並ばれるよりも乗り継ぎの駅でのんびりしてもらって、 買い物などをしてくれた方がうれしいからなのだろう。 次のトローリーバス乗り場でも 「荷物を置いて、並ばずにお店で買い物でもしていてください」 という案内を一生懸命していた。 確かに並ばなくてもちゃんと乗ることはできるので、 買い物をしない私たちでも非常に快適。
室堂→雄山
室堂に着き、雄山に向かって出発。
一の越山荘までは道も広く、
ゆっくり登る人たちに道を譲ってもらいながら休憩無しで到着。
しかし、一の越山荘から先の登山道が、ゆっくり登る登山者で渋滞していたので、
そのまま休憩無しで出発。
案の定しばらく登ると渋滞の最後尾に追いついてしまって、
とてもゆっくりとしか進めなくなってしまった。
雄山山頂で\400を払ってお祓いをしてもらう。
こういう体験ができる山はなかなかないので、非常におもしろい。
アルペンルートがまだ無い頃にここまで登ってきていた、
という信仰の力とは何なのだろう。
ジュースを飲んで縦走路に出発。
思っていたとおり、ここから先は登山者は激減。
ツアーリーダが雄山山頂で叫びまくっていたサンケイのグループは、
無事室堂に帰っていったようだ。
雄山→剣山荘
大汝山に着くと「立山山頂」の看板が立っている。
確かに立山と言えば「雄山・大汝山・富士の折立」の3ピークのことで、
その中で一番高いここが立山山頂なのかも知れないが、
やはり雄山の方が知名度はあるような気がする
(雄山で引き返した集団に気を使っているわけでは全くない)。
最高点はちょっとした岩なので、フリーの気分
(とは言っても簡単すぎ)で登って写真を撮る。
それを見ていたおばさんが真似をして登り始め、
なんとか岩に立っていた。
富士の折立は山頂の付近までしか登山道がない。 普通はそのまま縦走路を歩くようだが、 明日の源次郎尾根の練習もかねて登ってみた。 人が登った後はいくらかあるが、やはり注意しないと小さな石が落ちる。 山頂は曇っていて剣岳なども見えないが、 明日もこの調子で源次郎尾根が登れたら幸せ。
立山別山との分岐に着いたけど、ちょっと疲れていたのと、
合流予定のガイド山行メンバーが、
予定時間よりも早く来る可能性が高いと思っていたので、
トラバース道を行くことにする。
結局この判断は正解で、
コースタイムよりも1時間以上早く着いたのに、
剣御前小屋で食事をしている間に、
山岳ガイド桑原さん率いるメンバーが到着した。
しかし、苦労して合流はしたけれど、
「別山付近でやるかも知れない」と言っていたザイルワーク練習は全く行われなかったので、合流ができなくてもそれほど問題ではなかった。
宿泊予定地の剣山荘に向かう。 それにしてもみんな歩くのが早い。 先頭のガイドとアシスタント役の女の人 (この時点では私たちと同じ客だと思っていた)などは、 小雨の中を傘をさしながらほとんど走っている。 私は普段から下りであってもゆっくりな上に、 午前中に他の人よりもそれなりに歩いていたので、 「剣山荘まではどうせ普通の登山道だろう」と思って、 グループからちょっと遅れてついていった。
剣山荘につくとみんな仲良く話しながらビールなどを飲んでいる。
この時は「昨日新宿を一緒に出発したはずだから、
ここまで来る間に仲良くなったのだろう」と推測したけど、
結局3人のお客はリピータで、
初めてなのは私たちと一人のおばさんだけだったようだ。
しかし、ガイドにもいろいろいるようで、志水さんなどとは違い、いつになってもお互いの紹介もない。
「新宿でやったから私たちのための紹介はないのかな」
とも思ったのだが、後で話を聞くと結局新宿でも紹介はなかったらしい。
それも手伝って、アシスタント役らしい女の人も私たちと同じ客だと思っていたので
「常連とはいえ、よくここまで手伝うものだなぁ」
と源次郎尾根を登っている途中まで感心していた。
部屋に入って仮眠した後、夕食を済ませ、 待望のザイルワーク講習かと思いきや、 結局部屋に持ってきたザイルは使われず就寝。 源次郎尾根で\36,000というガイドプランは、 十分に魅力的な価格なので、こんなものだと納得しよう。
剣山荘→2峰
翌朝は午前3時起床。
4時にヘッドランプで出発。
暗い中で地面がよく見えない上に、
下りで早く歩くことが苦手な私には、正直つらいくらいに早いペースで、
取り付き点へ下っていく。
途中から雪渓となり、アイゼンをつけるかどうか迷っている間に、
ガイドとアシスタントはどんどん先に下っていき、
とうとう私たち以外のメンバー全員も見えなくなってしまった。
昨日、今日と重たい思いをしてきたピッケルの活躍の場は、
結局この雪渓だけ。まぁ、万が一の滑落のためなのだからしょうがないだろう。
事前にピッケルが必要かを電話で確認したときには「できれば小さいもの(アイスアックス?)がいい」
ということであったが、雪渓を歩くときには大きい方(普通の雪山のピッケル)がストック代わりになって便利だった。
しかし、ガイドブックに「ジャングルのような」と書いてある樹林帯を朝食後に登り始めたときには、ザックの背中につけたピッケルが何度よけてもひっかかり、
そのたびに「今度は絶対に小さいのを持ってこよう」と決心した
(帰宅後、値段を調べたら予想外に高いので未だに買ってないが、、、)。
二つの尾根の間のルンゼを、ザイルをつながれて登っていく。
ザイルのつなぎ方はガイドが「スルー」と呼ぶ方法で、
先頭にガイド&アシスタントが歩き、
その後ろの客はハーネスにカラビナをつけてその中にザイルを通す。
そして、一番後ろの人(この役は最初から最後まで私)のカラビナにザイルの末端をエイトノットでセットする。
つまり、ザイル(ガイド&アシスタント)に直接テンションがかけられるのは最後尾(私)だけで、
他の客が落ちた場合にはまず私に落ちてきて、
それがザイルを経てガイドに伝わることになる。
実際他の客が私のところに落ちてくることはなかったけど、
登ろうとした高さをちょっと落ちるようなことはあったようだ。
それ以上に問題なのが、ザイルの長さ。
簡単なところでは問題ないのだけど、
難しいところになると、みんなどうしても登り切るまでに時間がかかり、
それぞれの人の間のザイル距離は長くなる。
にも関わらず先頭はどんどん先に進んでしまうので、
最後尾の私が登る頃には、テンションがかかっているか、
かかる直前の状態になっていることがほとんど。
その状態で登ることもさることながら、
下り時などではいきなり「グイッ」と腰を下に向かって引っ張られるので、
バランスをくずしてかなり恐い。
さらに、最後尾の私は学習して、テンションがかかりそうな直前にはバランスをくずさないように心がけるようになったが、
テンションがかかった瞬間に先頭と私の間の直線上から横にずれている人たちが、
ザイルに対して垂直方向に引っ張られるという状況も発生していた。
私が必要に応じて「ザイル出してください」「ザイル引いてください」
と言えば、その通りの対応を先頭がしてくれるのだが、
どうしても対応に遅れがあるので、
ザイルを出してくれた頃にはすっかりたるんでしまって、
すかさずザイルを引いてもらうことになってしまう。
私がブツブツ言っているのを聞いたのか分からないけど、
途中の人が余ったザイルを手に握っていたが、
万が一誰かが墜落したときには、
テンションがかかるまでの墜落距離が長くなるので、
よくないような気がする。
途中足の調子が悪くなる人もいたが、なんとかあるピークに到着。
尾根が合流した地点や、時間などから考えても1峰だと思われるので、
「ここは1峰ですか?」とメンバー全体に向かって聞くと、
常連のおばさんが「まだまだずっと先よ」と言う。
「それなりのテンポで登ってきてるのに、
まだ1峰に着いてないなんて、
バリエーションルートのコースタイムはずいぶん厳しいのかな。
こんな時間で1峰がまだまだ先で時間通り帰れるのかな。」
と心配しながら再び出発してしばらくすると、
懸垂下降ポイントのある2峰に到着してしまった。
2峰→剱岳
やはりあれはどう考えても1峰だったのだ。
「ずっと先」と言ったのはおそらく剱岳山頂のことだったのだろう。
「懸垂下降があるっていうことは、ここは2峰なんですよね」
と大きな声でメンバー全体に質問するけど誰も答えない。
やはりガイド山行やツアー登山に参加する人はルートの下調べなどをしない
(今回の山行も剱岳に行くこと以上の認識はない)人が多いのか。
しかし志水さんのお客には志水さんのルート間違いを指摘する人もいるらしいから、
一概には言えないのだろうけど。
ガイドとアシスタントは、懸垂下降のセットに忙しいのか、私の質問が聞こえていないのかはよく分からなかった。
今回初めてバリエーションルート(とはいえかなり初心者向きだけど)を登って、
石が上から落ちてくる危険、自分が石を落とす危険、
万が一足を滑らせたら大事故になる危険、
は普通の登山道とだいぶ違うという認識を持ったが、
岩登り自体の難しさは思ったほどではなく、岩としての楽しさはあまりない。
しかし、数十mの懸垂下降というのは経験が全くない
(そもそも今までにやった懸垂下降は、
志水さんの講習で5mくらいのを1回だけなのだから)
ので、思いっきり楽しんだ。
セルフビレイをセットして、エイト環をセット、
ブルージックをバックアップとしてセットして、セルフビレイ解除。
元気良く荷重をかけてスタートする。
講習の時も思ったけど、予想以上にエイト環の制動力が強いので、
荷重をしっかりかけて左手(制動制御側)を横に開きながらテンポよく下っていく。
あまりに楽しそうに下り始めたら、
ガイドに「落石に注意してゆっくり下ってくださいね」
と注意された。なるほど大事なことだ。
地面に近づくと、支点から自分までのザイルの長さも長くなるので、
ちょっとテンポを崩すとザイルの伸び縮みで振動が収まらなくなる。
地面に着くとエイト環がかなり熱くなっている。
放熱性のいいエイト環でもこれだけ熱くなるとすると、
やはりATCで懸垂下降をするのはやめておいた方がいいのかもしれない。
2峰が2峰であることが定かでないまま、
小雨の中を淡々と登っていくと、ひょっこり剣岳山頂に着いた。
憧れの剣岳山頂に着いた喜びよりも
「やっぱりあれは1峰と2峰だったんだぁ」
と細かなことに心を奪われていた。
山頂付近は朝から一度も晴れることはなく、
今回の山行で山頂を見たのはこの一瞬だけだった。
山を登ると普段の何倍もお腹がすく私はカメラよりも早くパンを食べ始めた。
しかし、お腹がいっぱいになるよりも早く雨が強くなったため、
パンを途中で諦めて記念写真を撮り、下山を開始した。
結局このパンを中断したことが響き、
今までに何度か経験したのと同じように空腹で苦しむこととなる。。。
剱岳→下山
まだハーネスをはずしてはいけない意味が、
カニの横這いに来てすぐ分かった。
この雨の中をザイル無しで横這いしていく一般登山者は、
源次郎尾根をザイルをつけて登っている私たちよりはるかに危険をおかしている。
何カ所か危険なところを抜けてから後は、普通の登山道をただただ下る。
空腹により昨日からの山行の疲れが増幅されて、
いつもの下山と同じようにいい加減に下りはじめてしまう。
源次郎の登りでは、フリーと違って手を傷つける岩の存在を知り、
やさしい岩登りにおけるグローブの必要性を理解したが、
こんな普通の登山道でも自分の起こした落石を止めるために、
手にちょっと出血するほどの傷を負ってしまった。
いつか下りで痛い目にあいそうだ。。。
剣山荘に到着したところで、 待ちに待った昼食を取ろうとすると、 ガイドが「食事したら最終トローリーバスに間に合いませんよ」 と言う。 コースタイムから考えても間に合いそうだし、 自分たちの車で扇沢に来ている私たちはこの先も一緒に行動する必要がないので、 食べてからのんびり出発しようと思ったのだが、 結局室堂まで行動を共にした。
しかし、空腹に苦労して剣御前に到着したときに、 先に到着したガイド&アシスタント&常連さんがおいしそうにカップ麺を食べているのを見たときには、 「どうせ室堂までのどこかで昼食の時間がかかるなら、 おいしい食事が食べれる(さらに私が空腹を感じていた) 剣山荘で食べたってよかったんじゃないの?」 と本気で思ったが、勝手に着いてきたようなものなので黙っていた。
結局室堂には終電の1時間半前に到着し、剣御前からの下山もだるかった私は
「もっとゆっくり楽しく下山したかったなぁ」と今回の山行を振り返った。
大観峰などは相変わらずの天気で何も見えなかったが、
扇沢はいい天気だった。山の天気なんてこんなものだろう。
アルペンルートはちょっと面倒だし、
時間に追われるのは好きじゃないから、
しばらくは室堂ベースの登山は遠慮しようかな?
甲斐駒ヶ岳 |
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8:00北沢長衛小屋に到着し、テント場の手続きをして登る前にテントをたてた。本当は下山してからたてた方が効率が良さそうだっけど、あまりのテントの多さにスペースの不安があったので、先にたてることにした。 この不安は的中し、下山してきたときには恐ろしいほどのテントでテントは埋め尽くされており、後から来た人たちはテントの張り場所を探すのに非常に苦労していた。
甲斐駒往復のための荷物だけにして出発。 この時期の観光客は紅葉を見に来るだけで山に登らない、 と聞いていたので、思った以上に登山者が多いので面食らう。 まぁ、お互い様だから渋滞気味の中をのんびり登る。
山に不慣れなのか後ろに大渋滞を抱えながら全く後ろに譲らない人たちも少なくない。
二人のゆっくりとした登山者について登っていると、後ろから「先に行かせてください」との声。山岳会か何かの団体の先頭のおばさんが先に行きたいらしい。
その団体を先に行かせ、私たちは前の二人を抜かしてその団体についていった。すると団体の先頭のおばさんと二人ほどのおじさんは元気にどんどん登っていくのだが、残りの数人は山は慣れていないらしくさっき抜かした二人よりも遅いスピードで登っていく。
「団体の先頭が先に行かせてくれ、っていうから先に行かせたのに、団体の後ろが遅い場合にはどうすればいいの?やっぱり団体行動だったら先頭の人が我慢して後ろに合わせるべきなんじゃないの?」と聞こえよがしにつぶやいた(私もずいぶん卑怯な人間だ)ら、一番後ろのリーダーらしいおじさん(この人は忍者のように歩く、かなりの熟練者のようだった)が「すいませんお先にどうぞ」と譲ってくれた。そのおじさんは先頭の集団に「ちょっと待って」と言って止めた。
私たちが登っていくとその先頭のおばさんは大きな声で「やっぱり山に慣れてないから遅いのよねぇ」と言っていた。「あなたの方が山のマナーを知らないんじゃないですか?」とか思ったが、面倒なので黙って登り続けた。
仙水峠に到着し、甲斐駒の写真を撮っていると先ほどのおばさんが再び大きな声で「すいませんがこれももってもらっていいかしら」と話している。 よくよくそのおばさんを見ると、なんと荷物を何もしょっていない。 たしかに麓の小屋に荷物を置いてきてしまえば、荷物をほとんどもってこなくても大丈夫な山だとはいえる (雨具などもないのだから本当に大丈夫ではないけど)。 しかし、何も持ってこないで自分が暑くて脱いだ服まで他の男性に持たせるというのはどうしたものだろう。 そして身軽なのをいいことにどんどん先に登っておいて「山に慣れていない人はねぇ、、、」はないでしょう。
仙水峠から再び登り始めると先ほどよりも少し傾斜がきつくなり、 再び渋滞が始まっている。 それでもしばらく前の人について歩いていると、 しっかりした団体の最後尾の人は「譲りましょう」と言って、 前に行かせてくれる。 しかし、再び譲ることを知らない登山者の後ろに追いついてしまい、 後ろに長蛇の列ができてしまった。 自分としては「まぁいいか」という気持ちだったので、黙ってついて登っていたが、後ろの団体のリーダーが「すいませーん、一番前の方道を譲ってくださーい」と言ってくれた。 やはり私がしっかりと前の人に頼むべきなのかも知れない。
駒津峰でパノラマ写真を撮り、さらに頂上をめざす。
先ほどとは別のおばさんが
「私は今まで山に言って雨に降られたことがない。晴れ女だ」
と大声で話している。
仲間の男性が「それはあんまり山に登ってないからでしょ」
と笑っていたが、私も密かに同感だった。
まぁ、いろんな人がいるものだ。先を急ごう。
道が分岐していたところで、当然のように直登コースに入ったつもりが、
間違って少しだけただの岩場を通過してしまった。
標識が分かりにくい向きについていたからなのだが、
その標識と私たちが登っているのを見た人たちが次々とそっちの間違ったコースを通過してしまった。私のせいなのかな?
直登コース自体は思っていたほどの岩場ではなかった。
11:20甲斐駒ヶ岳山頂 5,778歩。天気がいいので、南アルプスの山々、八ヶ岳、奥秩父の山々などがよく見える。携帯電話で天気予報を聞いてみるとなんとかつながった。食事や写真を撮ったりしてのんびりしたあと、
12:20下りはじめ。下りは前半は直登コースではなく迂回コースにして、
後半は仙水峠ではなく双児山を降りていったが、
双児山は無理に通過しなくてもよいのかも。
15:00北沢峠に到着。
早朝に荷物を代金を払って預けても良いことを峠付近の小屋に確認。
ジュースを飲んでテントに戻った。
のんびりと食事などをしたが、体調がすぐれなかったので、
1泊してから仙丈ヶ岳はあきらめて帰ることにした。
また来れるチャンスはあるだろう。16,600歩。
焼岳 |
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北岳 |
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木曽駒ヶ岳 |
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恵那山に登ろうとするけど、予想外に登山口から踏み跡の全くない雪に撤退を決めて、駒ヶ根へ。
9:12のバスに間に合ったかと思ったら、なんと「強風のため運行見合わせ中」とのこと。空木山の下山口(古城公園)の下見を済ませた後、再びバス乗り場に来てみると10:12発のバスは出る(というかそれに接続するロープウェイが運行する)ことになった。
恵那山の登山口では結構面食らったけど、意外とついてる展開かも。
バスは予想外にたくさんの人たちで満員になってる。半分の人が登山者(その半分がスキーを持ってる)で、残りの半分が厳冬(?)のアルプスを見るためだけに来た観光客。観光客の中の一部はツアーだったようだ。
バスに乗る際に「ロープウェイが動かない可能性があるのでそれを覚悟してバスに乗るように」と忠告があったけど、問題なくロープウェイに接続。雪山真っ只中の千畳敷に到着。
千畳敷に着くと現地の山岳担当者らしき人から登山届内容と登山装備を確認され、雪崩を避けるコースと浄土乗越付近の急斜面の対応方法などを教えてもらった。エキスパートの人たちには少しくどいと思われるほどの説明だったけど、あまりにも気軽に登れてしまう冬山アルプスで実際に今シーズンだけでも4人が死んでいる玄関口としては、当然の対応のように思われた。私たちは装備だけは一人前(特にツェルトを持っていることをほめられた)だったので、とりあえず木曽駒を目指すことのOKはもらえた。
午後から天気がくずれるということだけど、まだ千畳敷カール(宝剣岳も)はその素晴らしい姿を見せており、「さぁ登って来なさい」と言った感じ?
注意されたとおり宝剣側の高度に無駄がないけど雪崩の通り道である(登りを見て)左側は避けて、右側の一旦下って上り返すルートを選択。意外とつぼ足で埋まるような場所が多いのに、トレースが全くない。不思議に思いながらも浄土乗越付近で少し前を歩いているおじさんのトレースに雪が埋まっていくのを見て初めて分かった。風が年中吹いているので足跡は残らないのだ。
そう思って振り返ると斜面の下から(私たちにとっては)ものすごい風と雪が吹きつけてくる。天気は予想通り確実に悪化しているのだ。
出発地点のホテルも吹雪の中に見えたり、見えなくなったりし始めたので、下山を開始する。生まれて初めて目出帽をかぶって、久しぶりのサングラスをかけるけど、それでも鼻の頭がかなり冷たい。
先に登っていたおじさんは(私たちに比べれば)かなりの経験者だったらしく、私たちが慎重に後ろ向きに2点支持で降りている間に、あっけなく見えなくなってしまった。
ホテルがよく見えなかったりするので、ルートファインディングに十分な自信のない私たちは、宝剣側の斜面が見え続ける少し右側のルートを下りていき無事にホテルにたどり着いたが、先ほどの山岳担当者がそれを見ていたらしく「あのルートを歩いていた6人が昔雪崩に巻き込まれて死んだんですよ」と注意されてしまった。「そうは言っても戻ってきた勇気はこれからも大切にしてください」とのことだったけど、そもそも私たちの技量であれ以上進むことはありえない。
2時間弱の登山でこれだけの経験を積むことができる、というのはやはり千畳敷ならではでしょう。今まで私たちが登った雪山はやはり冬山ではなかったのだろう。(これが冬山というレベルではないのだろうけど、今の私たちには十分そのすごさが伝わった)
帰りは2001年10月にできたばかりの「こぶしの湯」で生きていることの幸せを実感し、高速で帰宅。
前日は駒ヶ根のキャンプ場に宿泊。バスとロープウェイを乗り継いで
千畳敷カールに到着。
そこからは登山者の大渋滞。これでもか
というくらい遅い速度で登っていく。
10人くらいのおばさん登山者がおもむろに休憩のために
立ち止まった。しばらくは待ったのだが、おばさん達の先頭
(10人より先)はがらがらに
あいているのでおばさん達の右側を歩いていくと5人目くらいの
ところで先頭のおばさん達が私たちのことなど気にせずに
歩き始めた。結果的に狭い道で下る人がいるにも
かかわらず私たちが追い越しをかけている状況になってしまい、
降りてくる別のおばさんに「あなたがやっていることは
とんでもないことなのよ」とお説教を受ける羽目に。
宝剣岳(2931m)、中岳(2925m)を経由して、駒ヶ岳(2956.3m)登頂。
天気は方向により晴れと曇り。
前日は車中泊。朝、ロープウェイが臨時運休で あることを係員に告げられる。同じ様な境遇の人々が 私たちと同じように呆然と立ち尽くしていた。 木曽御嶽山に変更。
木曽御嶽山 |
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