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◆◆◆現地レポート!◆◆◆
午後の練習はすべて守備だけに割かれ(この日午前には、攻撃的なポジションの選手がシュート練習は行なった)右サイドの波戸康広(横浜)、左サイドの服部年宏(磐田)がDFラインに加わった対スペイン戦「フラット5」の完成には、トルシエ監督自身、選手にもまだ戸惑いがあるようだった。 また、この日の練習から、22日のウディネーゼ戦でパス、シュートともに切れ味鋭い動きを見せてローマの勝利を導いた中田英寿(ASローマ)がミラノ経由で合流。試合明けのこともあって別メニューをこなしたが、ランニングフォームにも軽快な動きが表われていた。 代表は24日午前、マルべージャからコルドバにバスで移動し、前日練習を行なう。なお、スペイン代表は23日にコルドバ入りし、24日はカマーチョ代表監督が会見を行うことになっている。 名波浩(磐田)「フランス戦の反省を活かしたい。今回の守備的な布陣も、これが日本の戦術というのではなくて、今回のスペインでのオプションだと考え、選手もみな柔軟性を持って対応したいと思う。攻撃に割ける時間は当然減ってくるわけで、少ない人数で少ないチャンスをいかにものにするか、これは、日本サッカーの将来的なテーマでもあるけれど、これが重要になる」 服部年宏(磐田)「正直言って(スペインの攻撃の厚さは)フランスとはまた違うしんどさがあるだろう。こちらも5バックのやり方でまだまだ、頭を使わないといけないし、パニックにならないようにしないといけないと思う」 川口能活(横浜)「特に(5人が守るからといっても)超守備的というわけではないし、最終ラインが5人でサイドを意識して行こうということに過ぎないと思う。バックパスが多くなるので、それを戻って来たボールだと消極的に考えるんではなくて、前に積極的につなげたい」 波戸「今日スペインのビデオをダイジェスト版で見たが、うまくて速くて、もう凄いという感じ。けれども、それに対する形をしっかりやり抜けばいいのだと思う。スペインの得点はどれもすべてワンタッチだった。これに注意し、サイドとしては時には上がってもいい、ということは言われている。初めての代表でどうなるか、今は少しの不安もあるし、期待感もあります」 戸田和幸(清水)「自分の力を出し切りたい。それにはミスをしないことだと思う。結果は気にしない。自分が気にするのは、自分が力を出し切ったといえる試合をすることです」
「負けに来たわけではありません」
「なめられたまま帰ることだけは絶対にしたくありません。ここに負けるために来ているわけではないのですから、ガツンと行きたいと思う」 完全に守備を重視したシステムの中、それでも、FWにはボールを追うこと、十分な攻撃のためを作っておいて、ビルドアップを楽にすること、といった「縁の下」的役割もかかってくるはずだ。 前を向いて勝負することを、試合のテーマにするそうだ。 中田が合流し、中山雅史(磐田)は「何となくうれしいというか、楽しみだよね」と声を弾ませた。練習前には、リフティングやトラップを交えて2人でボールを回しながら笑顔を見せるなど、そこから雰囲気がほぐれていくような空気を作っていた。 トルシエ監督は、練習中に波戸を怒鳴って明神智和(柏)に変え、明神にすぐに変えて稲本潤一(G大阪)を投入したかと思ったら、1プレーもさせずに波戸に変えるといったように、初めて披露するオプションのひとつ、5バックでの守備に戸惑いと混乱が見える。練習中監督は自らに言い聞かせるかのように「この試合で一番重要なのは、これまでのように、自信を取り戻すことだ。自信を持ち直して欲しいし、そのためにボディコンタクトには負けてはだめだ」と、大声を張り上げていた。
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