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サッカー サッカー日本代表
また、フランス戦では完封された形となったフィジカルコンタクトについて、トルシエ監督からは「もっと上半身を使え、手を使って相手を倒せ」と、ファイティング指令も出され、午前中約2時間の練習は激しい体のぶつかり合いによって、森岡隆三(清水)が左足首を捻挫、また伊東輝悦(清水)も左手首を捻挫、監督もついでにピッチで転倒するなど思わぬアクシデントも相次いだ。
「プロフィールを言いました」 今年1月に召集された第1回の代表キャンプ(いわき)では、個人の能力アップの材料になるために、と各分野の詳細なフィジカルテストが行なわれた。波戸は、この「テスト合宿」で、短距離、中距離、跳躍などすべてのジャンルに置いて、もっとも高い数値を平均的にマークした1人だったという。特にスピードに置いてはNo.1の折紙つきだった。 フランス戦からは漏れたが、トルシエ監督の言う「フレッシュで今後チャンスがあると思われる第3のカテゴリー」に入った波戸に大きなチャンスが巡ってきたようだ。この日、午前行なわれた練習でも名波浩(磐田)らのいるレギュラー組に入ってプレー。右アウトサイドでの動きに対して、名波からは大きな声で「前を向け」「フリーだから行っていい」など、細かな指示が飛ぶ緊迫感を「非常にいい刺激で、緊張しながらもボールが回って勉強になったし楽しかった」と初々しいコメントをした。 フランス戦ではフィジカル面での強さ、スピードといったものがあらためてクローズアップされた。中でもアウトサイドは、中村俊輔(横浜F・マリノス)、明神智和(柏)ともに徹底的に攻め込まれており、そもそもこの位置ではなかった2選手には不本意な結果となってしまう面があった。ディフェンスのスペシャリストを起用することによって、守備面からの建て直しをはかり、スペインで何か自信を取り戻そうという監督の意図はミーティングでも繰り返されている。 攻撃においても、「アジアでの対戦なら三角形が形成できるが、欧州相手はひし形で(張った格好になってしまうという意味)しか攻められない」(監督)と、サイドには、片方が上がったら片方は引いて3バックのライン形成に入るよう、「4バック的」発想も取り入れることを指示している。 練習後にはピッチに呼び止められ、「お前の得意な、自信のあるプレーは?」「サッカーをいつからやっているのか?」などと冗談交じりで聞かれたそうだ。
「ダイブ、ダイブ」
守備に入った選手が倒しに入ったときに、森岡は足をひねってしまい治療のために退場。「今のでOK。(倒れている森岡に向かって)ジャパニーズスタイルだ(時間稼ぎのために痛そうな様子をすること?)」と監督から声がかかると、森岡はスパイクを投げ捨てた。 森岡は気丈に話していたが、足首は古傷でもあり心配されるところだ。監督はその後も、「激しく、激しく」と日ごろ以上に要求し、自ら松田直樹(横浜F・マリノス)らDFを突破するプレーを手本にした。そのとき、DFから激しいプレスに会って挟まれ転倒。今度は選手から「ナイス、プレス!」「今のはダイブだろ、ダイブ(わざとダイビングする反則)」と野次が飛ぶ場面もあった。結局、森岡の補充がなかったためにレギュラー組は7人のまま最後までプレーし(ほか2チームは8人)、「ヘトヘト、コメントは勘弁してね」と悲鳴をあげる選手もいた。 左手首を捻挫した伊東「まあ軽くひねったと思うんで大丈夫でしょう。フランス戦でのままではダメで、マイナーチェンジはしていくことになるんでしょうね。ただ、フランスとスペインの違いということはなくて、同じ欧州とアジアという考え方でいる。監督からは守備の指示以外はあまり出ていない」 スペインでのプレーを心待ちにする城「とりあえず攻撃の話は出ていない。自分の感想としては、フランスよりスペインのほうが体で当たってくると思うし、上手さよりも体の強さが際立っている。フランス戦での攻撃の反省は、やはり2枚だけで攻めようとした点で、やはり3枚目か、1.5列目の機能が重要になると思う」 先発出場を狙いたい高原「7、8割は持たれてしまう状況の中でのプレーとなる、と言われている。アジアカップとはまったく別の方法でやらなくてはならないと思う。宿舎でもフランス戦のビデオを見て、1、2、3点目はこちらの完全なミス。2度としないようにしなければ」 前回、PKを与えてしまい、トルシエ監督からはお灸を据えられた松田「1人少ない練習? そのくらい追い込まれているほうがいいんですよ。世界とやる時はこのくらになるから。監督からはPKのこと、ほかにもいろいろなことを話された。3点、やらなくてもいい点だったと指摘されている。きょうのように、体を使って止める、といった練習はやっていなかったのでよかった。当たりのタイミングがわかりました」
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