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サッカー FIFAコンフェデレーションズカップ2001 サッカー2002年W杯のプレ大会として開催される「FIFAコンフェデレーションズカップ2001」の組み合わせ抽選会が、この日、韓国の済州島で行われた。日本はブラジルと同グループとなった。オープニングゲームのフランス×韓国は30日に韓国で、6月10日の決勝戦は横浜国際総合競技場で行われる。
「ブラジルとは予選最終戦で対戦」
カナダを率いるのは、元浦和監督のオジェック氏。カメルーンには、ガンバで活躍してセリエAへ移籍したエムボマがおり、またブラジルは清水やヴェルディで指揮をとったレオン氏が代表監督を務め、ジーコがブラジルサッカーを基盤にして築いた鹿島のホームでゲーム、と、日本にとって深い縁のある選手、監督が集まる“里帰りグループ”のドローとなった。 韓国はフランスと開幕戦を行い、メキシコ、オーストラリアと対戦する。 日本代表はフランス戦後、4月25日にスペインとの親善試合(コルドバ)を控えており、欧州強豪国とのマッチが続く。コンフェデ杯では、南米、北米、アフリカとそれぞれ違ったタイプのサッカーを相手にするだけに、日本代表の適性をさまざまな点からはかるものになる。 <各国代表チーム関係者のコメント> 山本昌邦コーチ(トルシエ監督は5日にフランスから帰国するため代理で出席)「開催国として強豪のみなさんを日本にお招きできることはうれしく思う。厳しい大会、厳しい試合になるとは思うが、我々は2002年の予選がないので、これが意味ある大会になるものだと思う」 岡野俊一郎・日本サッカー協会会長「どのチームもみな日本にゆかりのある国ばかりになった。これも何かの縁でしょう。戦術的なことは監督にお任せするが、世界中にいろいろなサッカーのタイプがあるので、それとぶつかれるのはとてもいい経験になる。(組織運営などで)特に心配することもないので、思い切り力を出してもらいたい」 カナダ・オジェック監督「アジア、アフリカのチャンピオン、また世界チャンピオンと日本で試合ができることは本当にうれしい。私は日本での監督経験もあるが、当時よりもまだ日本のサッカーは伸びているし、多くのトップ選手、中田や名波といった選手が海外でプレーしたことは成長に大きな役割を果たした。ファンが私を覚えているかどうかはわからないが、私は楽しみだ」 フランス代表エミール・アシスタントコーチ「ベストプレーヤーはその時々によって違う。ドイツとの親善試合でも30人強を代表選手としてプールして、その中からケガや所属クラブの状況を考慮したうえで選んできた。今回も、現時点ではまだ誰が出るという話はできないが、ベストのメンバーを組むことは当然のこと。フランスはこれについて方針が決まっている。GKバルデスは、日本戦は欠場したが今は戻っているし、ジョルカエフも大変調子をあげていると把握している。そのときのベストのチームを組んで、韓国で試合をすることをW杯のシュミレーションとしたい」 CBFシルバ・協会総務役員「レオン監督は非常に熱心で、今も欧州におり、選手を見て、あるいは話をしながら、この1月から準備しているコンフェデレーションカップ奪取(前回はメキシコ優勝)に向けて全力を傾けている。リバウド、ロベルトカルロスといった選手も当然、召集するつもりだ。日本は伸びているチームで、カメルーンはすばらしいタレントがそろう。カナダも非常にいいチーム。ブラジルだから、というおごりは許されない」 メキシコ、エンリケ協会役員「我々はディフェンディングチャンピオンだ。その意味を誰もが理解しているし、私たちの団結の力というのを存分にお見せできるように、国内で懸命に努力してここに戻ってきたい」 豪州・ファミナ監督「非常に厳しいチャレンジだが立ち向かうことに価値がある。私としては、ボスニッチら海外でプレーする選手すべてを呼び戻したいと思っているが、現状はそう甘くはないだろう。しかし、どんな事態でも、ベストのサッカーをすることは約束できる」 韓国・ヒディング監督「韓国代表監督に就任して3か月、非常にエキサイティングな体験をしている。私自身は2度、フランスと対戦したことがあると思う。フランスサッカーは現在のところ、世界でもっとも魅力的なサッカーであり、私はオランダでもどこでも、ああいう魅力を持ったサッカーについていつも心にかけてきた。若い選手にとっては、単にサッカーの技術だけではなく、非常に教育的な面も持っている。先日の日本との試合については聞いているが、0−5というスコアは彼らが親善試合で手を抜かず真剣にやったという証だと思うし、最近の傾向でもある。サッカーを支配する国と、そうでない国、日本や韓国の間には溝がある。それを埋めていくことが私の仕事で、フランスを尊敬はするが、怖れてはいない」
「尊敬し過ぎる」 韓国のヒディング監督は、現役時代の右ひざ古傷が悪化したため、今年1月、オランダでひざの手術を受けたという。そのため、まだ両腕に杖をつく痛々しい姿で歩くのもやっと。4月中旬にはもう一度、帰国してギブスの除去と検査を受けることになっている。 「親善試合というのではなくて真剣試合をしたということ。こうした傾向は好ましいと思う。サッカーの支配国とそうでない国、例えば日本や韓国には大きな溝がある。それは事実であり、それを埋めるためにここで仕事をしている」と監督は話す。そして「こうした国はどうも欧州サッカーを尊敬し過ぎる傾向にあるように思う」とコメント。会見に出席していたフランスのエミールコーチからは「ピッチがひどく濡れていて、気候の違いもあるし環境(時差のこと)も日本には慣れないものだった。私たちの間にそれほどの差があったとは思っていない」と、フランス代表のルメール監督同様、慎重なフォローもあった。 トルシエ監督が欠席のため、この日は代役で会見に出席した山本コーチは、遠慮がちに「エムボマ、レオン、オジェック監督とそれぞれ日本をよく知っているが、違う大陸の違うサッカーを経験できるのはいいこと」と話すのに留まった。
「これも深い縁???」
FIFAは、主催する各イベントすべてでこの抽選会をセットにして行い、かねてから「疑惑」のボールをまったく不正はないと誇示するような透明のボックスの中でクルクル回し、ボールを抽出。それを開いて、「ブラジル!」といった具合に国名を明かす方法をとる。疑惑のボールとは、触った際に温度が違っていて、冷たい、熱い、でグループ分けをしているのでは、といった笑いのネタなのだ。 抽選が終わると、「プラティニ(この日は抽選者として登壇、FIFAでは会長アドバイザーを務める)がアッチッチと手を振ってたよ」と、周囲を笑わせていた。 抽選会自体は日本代表にとって、ただ単に対戦相手が決定した、というだけのことだ。しかし予期せぬ格好でプレ大会を任されてしまった日本にとっては、14億5000万円と、心もとなかった大会予算に、見通しというものを与えてくれる、「これ以上ない」(小倉・協会副会長)抽選結果であったことは間違いない。
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