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サッカー 日本代表フランス遠征メンバー発表 日本代表トルシエ監督が14日、24日、サンドニのスタッド・ドゥ・フランスで行われるフランスとの親善試合に向けて22人の代表メンバーを発表した。合宿には参加しなかった小野伸二(浦和)が召集され、中田英寿(ASローマ)、西澤明訓(エスパニョール)の2人も現地で合流する。
トルシエ監督、メンバー発表に先立って会見(抜粋)
代表チームとして新しいシーズンを始めるにあたって、このフランスとの初戦は象徴的なものになるだろう。というのも、現在のワールドチャンピオン、そして欧州チャンピオンであるフランスと戦うわけで、それは大いなる名誉であるといえる。そしてW杯の1年半前のこの時期に対戦できるというのは、フランスが日本を認識しているということであり、ポテンシャルを認めているということの現われでもある。さらに、神秘的といわれるスタッド・ドゥ・フランスで戦うことができるといのも、日本選手にとっては自信になる。 2月から2つの合宿を行ってきたが、日本代表はいい状態だ。選手たちは一緒にやれてうれしいという連帯感を持っている。一方では、プロとしての練習ぶりも見せてくれた。ピッチの上で人の言うことに耳を貸し、その上でテクニカルスタッフのトレーニングをししっかりこなしてきた。そういった男としての力強さが一つの力である。さらに、アジア杯のチャンピオンとしての責任を果たしていこうということがもう1つの力になっている。 2001年は、人間的な価値を強化していくシーズンである。今回も今までの実績、アジアチャンピオンになったことをしっかり評価した上で、出発ができる。フランスに行くことで、自分たちのサッカーがどういうものかを見せることになる。つまり、日本のサッカーとはアクティブで力強く、ダイナミックなサッカーだ。フランスから学ぼう、そして勝とうと思う。これまで実戦してきたバリュー(価値観)を十分に見せて、強い相手を対戦することで自分たちの力を上げていき、その経験が知識となってさらなる力になり、自信となる。
メンバー発表後一問一答(要旨抜粋)
トルシエ監督 前にも申し上げた通り、15人の選手が代表の中心となる。しかし毎回その代表全員を呼ぶことはできないし、60人のエリートによって構成されてもいる(全員の力はわかっているという意味)。一方ではJリーグには約800人のプロ選手がいて、彼ら全員に対して門戸を開いてはいる。小野はそうした中で新しい選手ではないし、彼は日本のサッカーにおいて私の一種の保険的な存在でもある。彼の性格からいって、またリーダーシップからいっても、彼が大きな力であることは、何ら新しい話ではないはずだ。 ──中田、西澤の2人について、彼らは現在試合には出ていないようだが、コンディションなどの心配など状を把握しているか 監督 彼らがどうこうというのなら、日本選手のほうが心配といえる。なぜなら、彼らは先週シーズンを開幕してゲームを初めたばかりであるし、一方、彼ら2人はずっとシーズンを通じてプレーをしている。また1月、日本がオフのときにも彼らは休みを取っていないで戦っている。日本選手以上のアドバンテージがあると思うし、彼らは日本サッカーにおいて、フィジカル、メンタルともに大きなものをもたらすだろう。 ──先ほど、頭を切り替えて、という表現を使ったが、その真意は 監督 フランスと戦うような状況の中で、新たなるものを糧としたい。また新しいリズムというものを得ることもできるだろう。日本とは違った生活を経験することで、新たな発想も持てる。フランスやドイツ、またオランダのような(世界トップ10のチームと同じような)戦いをするわけではなく、新しい考えや何かを学ぶ姿勢を持って行こうと思う。 ──13日までの練習では、プレスを盛んにかけていたが、フランス戦の戦法は 監督 確かにそうなるだろう。私たちはこれまでアジアとの対戦だった。世界と対戦するときにはまた違った戦術が必要になる。これまでボール占有率は恐らく70%ほどと高く、ほとんどのボールを占有できる状態だった。従ってディフェンシブに戦う部分は30%というとこだった。しかし、世界が相手の場合は、自分たちが70%の比率で、ボールを取り戻しに行かねばならない。その中で重要なのは、ディフェンシブな組織的プレーというもので、誰よりも早く走り、判断する、前に出てボールを取りに行く、そのボールを攻撃につなげる、そうした戦術を確認する必要はあった。 ──10月の欧州遠征について、決定している部分はあるのか 監督 新聞にもいろいろと出ていますが、感触として得たものと決定したものとは違う。いずれにしてもロンドンでナイジェリアと対戦することは決定していると言っていいでしょう。また、ほかからはオファーをもらってはいるが、ロンドンの場合も、まだ場所、つまりスタジアムが決まっていない。遠征をすれば、イングランド、アムス(テルダム)、ミュンヘン、ローマ、バレンシア(とどこでもいけるという意味)とあるわけで、考えられるところですべて試合ができるはずはなく、今言えるのは、フランス、スペイン、コンフェデレーション、そしてキリンはフィックスされており、後半は心配なく、いい試合を組みますから。
監督 その質問を待っていました! まさにこうした不利な状況での果敢さというのが、日本社会が本来持っている美徳でもある。私たち、私たちのサッカーが持ってりるバリュー(価値)というもの、それは闘争心であり、アグレッシブさであり、前に出るサッカーであり、こうしたものをアジアのチャンピオンとして見せたいと思っている。私たちはフランスの牙城といわれるサンドニで、アジアカップをバッグに持ちながら戦うつもりだ。 ──視察の際、フランスはベストメンバーではないと言ったようだが 監督 私が? そんなことは言っていないし、日本の新聞では私が言った、というよりも、何が書かれているか、が重要なようだ。しかし、私が言ったのはあの試合(ドイツとの親善試合、1-0でフランスが勝利)は私にとって視察の意味がないものだったということ。私が知っている以上のものはなく、今ドイツは非常に大変な時期にあるのだということはわかった。フランスは中くらいの力で十分戦っていたわけで、私が彼らにどんなメンバーで戦うかどうか指図するなどということはおこがましいしありえない。
「三浦淳宏が復帰」
昨年12月の日韓戦ではケガのため代表メンバーから外れていた三浦淳宏(東京ヴェルディ1969)が代表に復帰した。三浦は2月に行われたJヴィレッジでの代表候補合宿を右ふくらはぎの故障により途中で離脱。今回も当初は横浜での直前合宿に召集された候補リストのなかに名前がなかったが、鹿島の熊谷浩二がケガで参加を辞退したため、追加で緊急召集されることとなった。 思い起こせば昨年6月、モロッコで行われたハッサン2世杯のフランス戦で、あの西澤の豪快なボレーを演出するクロスボールを上げたのは三浦だった。後半21分、中村俊輔に替わり左サイドに入ったわずか3分後のことだった。さらに次のモロッコ戦では後半開始から今度は右サイドに入り、2分後に城 彰二の先制ゴールにつながるセンタリングを決めている。 本職はあくまで左サイドではあるが、右サイドをもこなすユーティリティープレーヤーの三浦が、再びフランス戦で活躍する姿を見せてくれるか。 ■参考記事: ・2000年6月4日:ハッサン2世杯 フランス戦 ・2000年6月6日:ハッサン2世杯 ジャマイカ戦 |