3月13日

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サッカー

日本代表フランス遠征候補合宿最終日
(横浜市内)

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 24日のフランス代表との親善試合に向けて、わずか2日のミニキャンプで戦術の確認などを行なった日本代表が、この日解散し、それぞれのクラブに戻った。練習は午前10時から、冷たい強風の中で約2時間行なわれ、これまでの戦術の確認に加え、フランス代表を意識し、4バックを攻撃するパターンの確認と中盤からの守備では厳しくプレスをかけてボールを奪うシステムのチェックを連続するなど、「フランスモード」の練習が試された。
 10日の札幌戦で左ひざを負傷した森島寛晃(C大阪)は、この日午前、練習には参加しないで帰阪した。17日の浦和戦出場が微妙な状況。
 フランス戦の日本代表は14日午後、今回のメンバー29人とMFではASローマの中田英寿、エスパニョールのFW西澤明訓らを候補に、トルシエ監督によって発表される。この試合が日本代表の新世紀初戦となる。


「詰めて、詰めて、詰める」

 トルシエ監督の通訳を務めるダバディ氏から盛んに「詰めて、今詰める!」という声がピッチに響き渡った。
 この日、横浜市内は気温が最高でも6度程度。もともと風の舞う構造の競技場だけに、記者たちは北風に震え上がっていたが、ピッチの選手たちも非常に「高い集中力」が求められた練習だったはずだ。トルシエ監督は紅白戦を一切行なわない。おのずと練習を3分の2の選手が見ている格好になる。しかもこの日はスペースを全体でケアして埋めながら、プレスをかけていくだけに、待ち時間のほんのわずかでも気を抜いたり、集中力を切らせばたちまち「差」が出てしまう。
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 監督から怒鳴られる選手も何人か見られるなど、わずか2日間、わずか2度の練習で、どこまでフランスをイメージし、その戦術に集中できるのか、こうした選考材料は、観ている者にも伝わる練習だった。

「久々にこれだけのプレスをかける練習をしたね。体は正直まだ万全じゃなかったけれど、緊張感が出た気がする」
 城彰二は、98年のW杯以来となるフランスでのゲームに意欲を見せ、この日の練習を説明した。全体的な指示は、やはりフランスの猛攻を凌ぐ前の準備として、プレスをしっかりかけ、ボールを自由に回さぬように、という戦術だったという。

 一方では、フランスDFを想定して4バックにしてボールをまわすなど、攻撃での確認も行なわれた。
 練習後には約5分、1対1で監督とピッチ上でのミーティングをしたDFの森岡は「個人でもチームでも、レベルアップをしたい」と今季初戦に意欲を見せ、監督との話について「強豪相手の今年は押し込まれることが多い。監督には、今年はDFにとって厳しい年となるからもっとがんばるように、と言われました」と、フランス、スペイン、コンフェデレーションズ杯と続く戦いへの「心の準備」も促されたようだ。

「1人1人の役割きちんとこなして自由にボールをまわせないようにすること。チームとしても手ごたえはあるしいい勝負ができる。各国のスカウトに見てもらえるのはいいチャンスです」
 今回のサンドニには各国のスカウトも集まるとされ、稲本もこうしたモチベーションを抱いているという。
 代表22人の発表は14日、それぞれJリーグを戦った後19日に再集合をして20日に出発する。

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