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■ FHI・カーボンストラットタワーバーの装着 ■

STiにオプション設定のFHI・カーボンストラットタワーバーを装着しています。
(FHI=Fuji Heavy Industry Ltd.)
 
●1999-06-26:新製、 ●1999-10-14:公開、 ●2002-02-17:レイアウト変更


【画像1】 カーボンストラットタワーバー(フロント)を装着したところ。
エンジンルーム
  「 FHI 」のネーム

1.タワーバー装着についての私見
 

まず初めに、私のストラットタワーバー装着に対する私見から述べることにします。

正直に書きますと、私は例えば 「クルマの旋回時の挙動を安定化させたい」 とか 「ステアリングの応答性を高めたい」 といった考えよりも、まず単純に 「エンジンルームにこんな重量物(!)が載っているのに、その上面( =ボンネットフード側 )はポッカリと口( クチ )を開けている。果たして隔壁( や支柱 )が何も無くても良いのだろうか・・・?」 という疑問が頭の中にありました。そう、この疑問こそが、私をタワーバーの装着へと駆り立てている動機になっているのです。

つまり私の場合、操縦安定性の向上といった意味合いよりも、重量物を支えているボディへの 「補剛」 を第一義に置いているのです。そのため、極端な話しをすればたとえタワーバー装着による操縦安定性への改善効果が、体感上得られなかったとしても、それはそれでヨシ・・・と思っているくらいなのです、多少なりとも補剛さえされていれば。言い換えると、タワーバー装着により、「走行フィーリング的に 何か変化点でも感じられたらラッキー」 といった程度のスタンス(=あまり過度な期待を
しない )で装着したのだな、と読み取ってやって下さい。とは言っても、ボディ剛性の向上は( 結果的には )操縦安定性の向上へとつながるわけですから、まったく無関係ではないのは確かではありますが・・・。

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さて、クルマの中で重量物というと、何といってもパワーユニットです。パワーユニットとは 「エンジン+ミッションの組み合わせ」 のことです。 広い意味では、プロペラシャフトやリヤデフなどの駆動系も含まれるでしょう。車両重量に占めるパワーユニットの正確な割合については ちょっと分かりませんが、かなりの割合を占めているであろうことは、想像に難くありません。部品点数の少ないMT本体ですら、台車が無ければ運搬することが困難なほどの重量です。ましてや、補機を積んだエンジンASSYなんて、大人2人がかりでも持ち上げることができる気がしません・・・(ムリをすれば実際にはできますが、腰を痛めそうですね)。

そんな重量物がエンジンルームに搭載されているわけですが、そのエンジンルームの左右方向と後方には隔壁があり、また前方にもビームがあり、エンジン本体を取り囲んでいる形を取るのに対し、上面には隔壁がまったくありません。いや隔壁どころかビームさえもありません。厳密には下方にも隔壁がありませんが、こちらはクロスメンバーを介して左右方向の隔壁が一応連結されています。つまり エンジンルームには重量物 (パワーユニット) を支える隔壁やビームが、上方向には何も無いのです。

そこで、エンジンルームを「箱」に見立てた場合に、箱の上面に少しでもビーム材を設置(左右の隔壁に橋渡し)しておきたいと考え、タワーバーを装着したわけです。もしも可能なら、ボンネットフード側にも言わば 「アッパークロスメンバー」 のようなものが欲しい・・・とさえ 思っているくらいなのですが、まぁこれはエンジンの点検整備性を考慮すれば、いた仕方のないことかも知れません・・・。
 

2.なぜSTi のタワーバーを選んだか?
 

タワーバーは、アフターパーツメーカーを含めて各社より発売されています。そんな中で、なぜSTiからリリースされている FHIタワーバーを選んだのか・・・? それはズバリ 「カーボン+アルミ」 製で、形状も私が納得できるものだったからです。

まず第一に、私は鉄製ではなくアルミ製のバーが欲しかった。次に、ストラットのアッパー部分で固定させる 「リング」 の形状が、しっかりと造り込まれているものが欲しかった。 ボディとの接合面である 「リング」 部分 がヤワそうな形状のものは、好かないのです。ここは、きちんと剛性が確保されていそうなもの (=バー本体の強度が生かせそうなもの) を、ぜひとも選びたいと考えました。いくらバー本体の強度があっても、それを両端で支えるべき リング剛性が低そうなものは、パスしたかったということです。

【画像2】 左右のリング形状。ナット2ヶ所でボディと結合する点が少々不満。
車両右側(運転席側)の様子  車両左側(助手席側)の様子
(※左側の画像で、青色の束ねた配線はMT油温計用のセンサーコードです。)

・・・最終的には、”カーボン” という付加価値が決め手となって、FHI カーボンタワーバーを選びました。 ちょっぴりミーハー要素が入ってしまいました。本当はこれでも不満で、リング部分が 「三日月状」 ではなく、本当のリング状=「円環状」 となっているもの (つまり、ナット2ヶ所締めではなく3ヶ所締めできるもの) が良いのですが、前車 (初代BCレガシィのセダンRSターボ) で使っていた旧・BC&BFレガシィ用STiタワーバーよりも はるかに板厚が確保されていたので、これでもヨシと判断した次第です。

ということで、純正のオプション設定にあった 「赤いタワーバー(非STi 扱い)」 は、決して製品それ自体が悪い という理由からではなく、単に私(KAZ)の主義に合致しなかったという理由により、購入候補から外れたわけです (この赤いバーをご利用の皆さんへの他意はありません。誤解無きよう・・・)。ちなみに 「新しいモノ好き」 の私は、カーボン採用による価格アップは全然気にならなかったです。
 

3.取り付け と 実際の使用感について
 

取り付けは、至って簡単です。車体を水平な場所に停車させ、規定トルクでセルフロックナットをゆっくりと交互に締めていくだけです。10分もあれば出来るでしょう。前車 (初代BCレガシィのセダンRSターボ) で使っていた 旧・BC&BFレガシィ用STiタワーバーは偏心カム式だったのですが、このカムの寸法精度が非常に悪く、自分でカムに追加工(カムを若干細くする)しなければ、シリンダー(カムの受け手)側に挿入できないというシロモノでした。STi 製品購入者は、クレーム主張などは一切せず、装着に当たっては自分で改修することも辞さない人たちばかりだったのでしょうか?

そんな過去のイメージを持ちながら、今回もカーボンタワーバーを (やはり自分で) 装着したわけですが、車両停止状態にて取り付け寸法位置(車体側スタッドボルトに対するタワーバーの穴位置)がドンピシャリと決まりました。バー本体には、少しの伸び力 も 縮み力も かけずに装着が可能な状態です。BG型になってからは、製品の精度向上が図られたんだな・・・と勝手に感心してしまいました。

なお装着に当たっては、わざとタワーバーに力をかけた(引っ張り気味に張るなどの) 状態を造り出して装着される方々もおりますが、私はそのような取り付け方はしませんでした。そのような取り付け方をする目的は、多分(私が考えるに)、走行中、路面からの外的入力によって生じるボディへの変形に対し、それをうち消すような初期力を与えてキャンセルさせることにあるのではないか(ホントか?)、と思います。ただ、・実際には走行中におけるボディの動的変形は不確定である・あらかじめタワーバーへ初期荷重をかけてしまうと、車両停車中であっても、その状態ですでにボディには応力が発生してしまう。・・・といった理由を考慮して、今回は自由状態での取り付けとしたわけです。
 

4.実際の使用感(インプレッション)について
 

さて、ここから先は実際の使用感です。使用感には個人差があり、またクルマの使われ方自体にも差があるわけですから、以下は単なる一例として 参考程度に読み流していただければ結構です(というか、果たして参考になるかどうか?)。

■市街地走行の場合
車速40〜50km/h程度以下で走行しているとき、装着有無による車両の挙動については、ハッキリ言って(私には)違いが感じ取れませんでした。ちなみに乗車人数は2名以下、積載は無い状態です。市街地なので、ステアリング操作は比較的ゆっくりとしており、路面の段差もほとんど無い状態での話しです。

■高速走行の場合 
高速道路を走行しているとき、わだちのある路面をまたいでレーンチェンジをする際、あるいは切り返しの早いステアリング操作をする際、なんとなくステアリング系の操作の収束が早くなったような気がします。車体のフロントが、左右いっしょになって動いてくるような感じですが、すり込み効果による、単なる気のせいかも(?)知れません・・・。

 (注):「すり込み効果」 --- このような高価なパーツを付けたのだから、きっとそのような改善効果が
                  現れてくれるのだろう、という期待感から、実際には変化が無いのに、
                  無意識のうちに変化があると思いこんでしまう心理効果のこと。

■山岳路&ダート走行の場合
ハッキリとした数字(例えば、ステアリングの舵角が一定になったとか)では示せないのですが、やはりフロント廻りで、左右のサスペンションがバラバラに (同期しないで勝手に) 動いていたように感じられる場面で、装着後は左右の一体感が増したような感じがします。これは積載状態に (クルマが重く) なるほど、その傾向 (左右の脚廻りの作動同期性) が強く現れるような感じです。 ・・・効果があったと考えて良いのでしょうか。タワーバーをいったん取り外せば再確認ができますが、やはりもう取り外ししたくはないです、あしからず・・・。
 

5.私的なまとめ
 

ということでまとめると、私の場合、パワーユニットという重量物を取り囲んでいるエンジンルームの補剛材として タワーバーを装着することで、より安心感が得られる。装着により、(私のクルマの使い方では)必ずしも 走行フィーリングに明確な差が 感じられるわけではないが、状況によっては 改善効果的なものが感じられることがある。「カーボン材」の採用という点については、ドレスアップ的な効果として割り切っている(「曲げ」に対しては効くと思うが、「ねじり」に対しては?)。

万が一、左右の一方をヒットさせてしまった場合は、タワーバーにより連結されている他方にも変形が及ぶ恐れのあることは 分かっていますが、現実には (事故らなければ) 大丈夫だということにして、気にしないことにしています。まあ実際には左右をビームで連結しているのですから、事故クラスの入力荷重が加わらなくても (=小さな入力荷重であっても)、左右のどちらか一方からの入力は、必ず他方へと伝わるように負担(=応力分散)されてはいるハズです。結局は程度問題ということで、(私のクルマの使い方では)実害無し、と判断しています。・・・以上、多少は参考になる部分があったでしょうか?

(以上、'99-10-14(木)、AM3:20、調布市のKAZ:記)

 
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