MACHIDA PC NEWS――――2019.5.7

ソフマップ町田西友店閉店レポート


百貨店関連、鉄道関連ニュースは追いかけているので、ビックカメラが小田急百貨店町田店に出来るというニュースは知っていた。いよいよ西友にあるソフマップも幕引きかと思ったが、そのまま継続するという。驚いたが、なんてことはない。「変わりゆく町田の街並み」さんを見ていたらまもなく「5月6日でソフマップ町田西友店閉店」のニュースを知ることになった

ソフマップギガストア町田店は、MACHIDA PC MAP誕生のきっかけとなった小売店である。もちろん、日本最大のPCショップであるメディアバレーの存在は大きかったが、元来あったPCショップ、メディアバレーに加えて、秋葉原で名をとどろかすチェーン系PCショップが町田に来るということは大きかったのである。開店レポートを今でも公開しているが、当時の熱気に溢れた開店の様子は今でも思い出せるほどに懐かしい。

閉店日は5月6日で祝日。ここは開店を見届けた責任を持って、閉店を見届けるのが務めでは無いか。そんなわけで、改元10連休の最終日、自宅から1時間かけて町田へ向かった

まず、リニューアルなった小田急百貨店町田店へ。到着したのが19時半のため、4階5階は閉店済み。が、ワンフロアの大きな無印良品と書店と家電量販店の組み合わせは、なんとなく往時の西友町田店を彷彿とさせる。が、全体に人の入りが少ない。婦人服売場や化粧品売場だけでは無い。西友然り、ビックしかりである。9階レストラン街も休日の夜にしては空いており、穴場感すらあった。これが、郊外百貨店の現状なのだ。東京を離れ地方暮らしを経験し、東京に戻ってからは全国あちこちへ出かけて目視確認してきた風景だ。町田も例外でないことを確認し、寂しい気分になった。

次に、ヤマダ電機レミィ町田店を見学する。客は3名。正直、ここにこの規模(ヨドバシ町田のワンフロアの半分以下)で出店する意図がよく分からない。百貨店に来るような客を見込んでいたのだろうか。だが、このビルは元109 machida、ファッションビルである。正直、ファッションビルとしてもジョルナに水をあけられている感が否めない。ただ、接客に関しては「店員飽和状態」の家電量販店、対応は折り紙付で買うものが狭い範囲の選択なら良い気もした。

Tip'sビルのビックカメラ町田店 別館へ。

ビック町田別館

元ビックカメラアウトレットの時に訪問しており、好感の持てる店舗である。2階に上がると、「Hello, sofmap world」の懐かしい音楽が。ビックカメラはソフマップのブランドをよく大事に使っていると思う。中古、アニメなど秋葉原系なオタクカルチャー、美少女ゲーム(死語?)、アダルトなど上手いと思う。ただ、この店舗で気になるのは中古はソフマップブランドでなくビックカメラの売場で取り扱っているように見えることだ。もう、中古=ソフマップではないのかもしれない。※店舗案内上はソフマップ扱いだが、「店舗内店舗」なのでそのように見えるということだろう

ここで小田急百貨店町田店へ戻り、ビックカメラ町田店見学。

小田急百貨店町田店

となり駅にある元さくらやの相模大野店と比べると、百貨店内店舗で明るく見える。が、ビックロや新宿ハルク、有楽町と比べると集客はさすがに劣る。なかなかに家電量販店も厳しい。ここは、駐車場充実の分だけヨドバシが有利なのかも知れない。店舗自体は白物家電から酒まで取り扱うそつの無い品揃えである。正直、価格サイトが強い時代になって「突出して高い」ということは、各量販店無くなってきたと思う。

さて、いよいよ西友町田店へ。

西友町田店西友町田店2

エスカレーターを上がると、ソフマップ町田店はあった。メディアバレー閉店時のように3階しか営業していないということもなく、そこまで棚がガラガラということはなかった。

改めて店内を見回してみると、もう新品PC売場はない。スタッフスペース・ストックヤードも大きくなった。小田急町田駅側に売場はない。店内エスカレーター側にゲーミングPCコーナー、店中央部は中古PC・中古タブレット・中古スマートフォン等取り扱い。店内奥の方から中央部付近までにPCサプライ売場にフィギュア売場。キーボードカバーだとか(調べたら2008年のFMVのものがまだ売られていた)、名刺作成キットとか、少々疲れた製品も多いようだ。だが、値札はビックに入ってリニューアルされたロゴのものだった。エスカレーター上がってすぐは防犯/防災グッズ売場。となりに家庭用ゲーム売場があり、その奥にカーテン式で入場規制がかかった18禁売場。正直、MACHIDA PC MAPを更新していた頃の多くの時期は18歳未満だったが、MACHIDA PC MAP更新時代はエロゲー売場はあってもアダルトDVD売場はなかったと記憶している。2007年以降、町田ソフマップは2年に1回は行っていたと思うが何時出来たかは忘れてしまった。試しに入ってみる。特別に面白いものがあるわけではなかったが、ここも棚は閉店間際と思えない程度に詰まっていた。何も買わず退出。

エスカレーター上がって中央よりにはAppleコーナーがまだ存在しており、展示品Macをまだ取り扱っている雰囲気であった。一方、半分くらいの商品がメンテナンスとなっており、ここにようやく閉店の様子を見て取れた。店舗自体はガラガラの棚ということはなかったが、閉店20分前にして蛍の光が流れており、その点にだけ今日完全閉店なのだなということが感じられた。

とここで、防災グッズ売場で防災用非常食を見つけた。じつは防災用非常食を切らしてなかなか買う場所を見つけられず困っていたのである。まさかここで買うことになるとは…というわけで、期せずしてソフマップ町田西友店最後の客になってしまった。買ったのがカンパンってどうかと思うし、他の店舗ではもう少し足が長い非常食もあると思ったが、お世話になったソフマップ町田店で買い物をしたいという気持ちもやはり出てきた。PayPay払いをすると、ビックの統一運用で決済番号を控えていた。紙袋はビック統一の令和仕様だった。

買い物をしたところで、21時となり閉店。最後の客は私を入れて2名だったと思う。開店時のレポートからすると、あっけない閉店であった。そのままロマンスカーで帰路に着いた。


  • なぜかノジマ推しの小田急町田駅構内
  • 小田急町田駅広告

    小田急町田駅2階コンコースはなぜかノジマ推し。あくまで駅構内の広告ならおかしくはないが、エレベーター付近もノジマの広告だからビックカメラとしては心穏やかではないだろう。近くのノジマはどうも森野まで行かなければならない様子。


    西友といえば、全国で無印は消えて行っている。テナントビルになるのでなく、強気にGMSとして食料品以外にも果敢に挑戦しているようだ。なかなかに面白い商品も多いが、ソフマップまで無くなった西友町田店はどうなっていくのだろうか。一方で、ソフマップこそ駅近くからなくなったが、ビックカメラは健在で、ソフマップ自体は町田に残る。しばらく2店舗体制は続きそうだ。ヨドバシもあれば、ヤマダ電機もあり、ドスパラもありと相変わらず町田はPC関連のお買い物に不足はないだろう。

    そして、言及しなければならないのは町田そのものの今後だ。町田は相変わらず人で溢れている。しかし、店舗の中はいよいよ人がいる店舗、いない店舗が別れ始めてきたようにも思う。かつて、「パソコンは町田に認められた」と書いたが、時代はスマートフォン、PCレス生活も視野に入りつつある。一方で、小売りアイテムは細分化しすぎたこともあり、またパソコンが圧倒的に普及し裾野が広がったこともあり、町田クラスの街であればPCパーツ専門店が健在出来る様相もある。そんな状況ではあるが、イオンモール座間からららぽーと海老名、IKEAにコストコ等、小売の世界は風雲急である。町田であれば当然のように自家用車必須生活でもある。よくこの人口減少社会で生きのびているとも思うが、少しずつ縮退していくのは避けられないのではないか。ターミナルビルしかり、トポス・長崎屋の撤退しかりである。町田はその分野で実は先駆者である。大丸がなくなり、東急百貨店がなくなったが、街そのものは元気だ。百貨店主体の街から構造改革出来たという意味では町田がNo.1ではないか。幸い、酒も飲める飲食店のバラエティではなかなかのもの。町田の引き続きの繁栄を願っています。

    人で賑わう町田の街並み


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