用語集 た−と |
ダイオキシン類(−るい) Dioxins
ポリ塩化ジベンゾ-バラ-ジオキシン,ポリ塩化ジベンゾフラン,コプラナーポリ塩化ビフェニルを,等価毒性計数TEFを乗じて計算したTEQで評価する。
第三セクター The third sector
役所が出資する場合が第一セクター,民間が出資する場合が第二セクター。両方が概ね折半するのが第三セクターとなる。官営と民営の双方の長所,すなわち「公正さ」と「効率性」を併せ持つ組織になるのではと期待されて始まり,双方の短所,即ち「コストよりも手続き優先」と「道義的責任より損失確定」が発揮されて終わる,ことがままある。
補助金で事業を実施できるのに補助金ではなく単費で事業を実施することにした事業の一部。なぜそのようなものが必要になるのか,よーく考えよう。正解はこちら。
濁度 Turbidity
水の濁り度合い。日本の基準と海外の基準は若干異なるので注意。
たけかん Management
「工事管理」のこと。「工事管理」と「工事監理」が読みが同じであるため,前者を竹冠にちなんで「たけかん」,後者を皿脚にちなんで「さらかん」という。「たけかん」では,工事が計画通りに進行するようにチェック,コントロールする作業である。
多元給水(たげんきゅうすい)
用途に応じて必要な水質レベルは異なることに着目し,飲用水と別に再利用水など雑用水を供給し,水源のセーブを行おうとする考え方。ただし,送配水施設整備に金を食うので,よっぽど水源が不足する場合にしか行えない。通常はせいぜい二元給水まで。
狸堀り(たぬきぼり)
主として給水取り出し工事のとき,舗装や上部構造物を破壊せずに管を通すため,本管の堀山から管が通る程度の小さな横穴を掘ってここに管を通す工法。
単位系(たんいけい) Unit
単位の体系。工学単位系から国際単位系に合わせるための活動が世界中で推進されており,現在は移行期間。ただし,この「世界中」には米国,英国は含まれないようで,相変わらずガロンとかポンドを使っているのが結構腹立たしい。
短管(たんかん) Short Pipe Element
3メートル未満の長さを設計上で規定する場合の配管材をいい,主として機械設備の間を連接するために使用する。なお,3メートル以上は長管という。まんまである。
地下水(ちかすい) Ground Water
降雨などを起源とする水が地下に浸透して海まで流下する過程の水のこと。一般に良好な水質を誇り,収奪の対象になりやすい。が,一度汚染するとなかなか戻らないので大切にしなければならない。一部の水道事業や多くの工業用水道事業は地下水の保全が重要な目的の一つになっているが,その事業の成果として地下水が保全されている地域で勝手に地下水を汲み上げたあげく,「水道より良い水が安価で手に入る」などといって自慢している連中がいる...という話を聞いたことがある。
力仕事(ちからしごと) Hard Work
設計や計画等,本来頭を使わないと進まない仕事であっても,その中で,データ整理や計算チェックなど,思考作業があまり必要でなく延々と手を動かすしかない作業が必要となる場合がある。このような作業を言う。
着水井(ちゃくすいせい) Receiving
Well
浄水場の受入れ水槽。水位調整,流入水のチェックポイント,分配槽としての役割を兼ねる。通常背が高いので浄水場内を見渡すのに便利。
抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ) Emergent
抽水植物は根と茎の一部が水中にあり,その他はすべて水面上に突出している植物。水面上に突出する茎葉は外見上,陸上植物と変わらないが,内部は通気組織が発達し,根茎の酸素欠乏時に葉から酸素供給できる構造を有している。このため,酸素が欠乏しやすい汚濁の著しい水域にも生育可能な適応性を備えている。
超概算(ちょうがいさん) Abstructing price?
どうしても事業の価格を知りたいときに緊急に見積もる事業費用で,十分な時間や条件がない段階での概算事業費をいう。設計もせずに値段を出すのであるから,倍半分までの誤差は正解の範囲である。
長管(ちょうかん) Long Pipe Element
3メートル以上の長い管。距離当たりの単価がもっとも安いことから,長管の割合をなるべく増やすことで工事コストを削減できる。なお,3メートル未満は短管という。まんまである。
直圧給水(ちょくあつきゅうすい) Water
Service System without Receiving Tank
受水槽を使わず直接給水する方法を称してこう呼ぶ。英語が長いのはご容赦。
沈砂池(ちんさち) Sand
Sedimentation Tank
流速を意図的に低下して懸濁物等を重力分離する水処理プロセスのひとつ。場所をとるがコストがかからない。沈砂池で対象とするのは砂などポンプの磨耗を引き起こすレベルの異物で,滞留時間は短い。
沈殿池(ちんでんち) Sedimentation Tank
流速を意図的に低下してけん濁物等を重力分離する水処理プロセスのひとつ。場所をとるがコストがかからない。沈殿池が対象とするのはコロイドに属さないレベルの懸濁質。コロイドを落とす場合は凝集操作によってコロイドをフロック化する操作が行われ,これを凝集沈殿という。
適当(てきとう) Fitted Reasonable
/ Reasonless
条件によく合致するさま。そのためには2つの方法があり,条件をよく吟味する方法と,条件をまったく無視する方法とがある。
テクニカルターム Technical
Term
技術用語。複雑な概念に固有の名称を与えて誤解をなくすることとを目的として使用されるキーワード。科学技術に神秘の香りを与えるためのエッセンスでもある。
鉄(てつ) Iron
地球上に普遍的に存在する金属元素。人体必須元素の一つでもある。昔は「産業の米」と呼ばれたが,なんのことはない,重量単価で考えれば米よりも安い。(鉄業界の人はいつもこう言ってぼやいている)
電気も水道もない(でんきもすいどうもない) Undeveloped
発展途上国を一言で表現する定型句。
電気や水道のような(でんきやすいどうのような) Ubiquitous
どこでもだれでもいつでもサービスを享受できる様。電気が先にくるのがちょっとだけ悔しい。
転入率(てんにゅうりつ) Move-in
Ratio
局地的な開発行為などの効果を測る際,行政区域などエリア外からその地域に転入してくれる人口の割合をこう呼ぶ。予想や把握は困難だが要求されることが多い。
てんぷら FRY (First Required
Yield) (^-^)
期限に間に合わず,とりあえず提出する成果品(計画や設計などの作業によって作成された書類等)。仮納品用の成果品。空(から)っと了(あ)げられるには経験と勘が必要。
導水(どうすい) Conveyance
浄水前の水,原水を浄水施設に送ること,あるいはその施設。この時点では圧送する必要はない。
特異値(とくいち) Strange Data
他のデータと同一に扱えない理由を有するデータの一部分。特異値にするために理由を探すことはカオティック((C)D&D)な行為である。
特定施設(とくていしせつ) Specific facility
水濁法の対象となる施設。業種ごとに事細かに規模やらなにやらが規定されており,これを特定した人たちの苦労が偲ばれる。
都市下水路(としげすいろ) Urban storm drainage system
都市河川でありながら下水道の役割を担っている,公に認められたドブ。下水道法にその定義がある。主として市街地における下水を排除するために地方公共団体が管理している下水道(公共下水道及び流域下水道を除く。)で、その規模が政令で定める規模以上のものであり、かつ、当該地方公共団体が下水道法第27条の規定により指定したものをいう。
共洗い(ともあら−)
検査等の対象とする液体を少量とって,容器を洗う作業。水質分析の基本動作。酒を飲むとき自然に共洗いをするようになれば,あなたも立派な水質屋である。
トラロープ Attention Rope with
Tiger Striping
黄色と黒のナイロン紐で編んだしましま模様のロープで,立ち入り禁止など注意を促す地点の囲い用ロープに使われる。この語感は関西人の心をベルベットのようにくすぐる...
トリクロロエチレンのこと。パークレンと同じく慣用名のようである。
イヌワシ様,オオタカ様などの大型猛禽類のこと。希少種であり絶滅が危惧される反面,行動半径が広く山間地に広く分布するため,一部のダム反対派がまず彼らのご降臨を期待して調査をする。すると,大概ご降臨してくださる。かくして,「絶滅危惧種が生息している保護地」かどうかについての論争が始まり,事業が遅延し,それによって事業費がふくらみ...という手順で,事業の中止が決定される...意図がよくとも手段が姑息で納得できない,という状況は日本ではよく見られるが,これはその典型的な一例である。
トリハロメタン THM (Trihalomethenes)
メタンの持つ4つの水素のうち3つが塩素,臭素などのハロゲンに置換したもの。有機物(もとはと言えば人間活動や自然由来)と塩素とが反応して非意図的に生成する。量は知れているものの,発ガン性が認められるために,その抑制のための処理が必要となりつつある。