欧風刺繍の故郷を訪ねて(2)

3月19日
今朝も薄暗い中から起き出して散歩にでました。
朝早くから酩酊している老人に話しかけられました
言葉が通じなくても彼は平気でついて参ります、邪険にすることも出来ずに思わぬ方向に交差点を渡ってしまいました。
そのお陰で偶然にも白い壁に囲まれた中の清らかなマリア様の彫像に出会うことが出来ました。
ホテルに戻る頃には子供達の通学時間でした。
朝食後簡単な市内観光をして、エゲルへのバス旅行です。
今日の目的地は「マチョー刺繍ゼミナー」
に寄って刺繍の講義と簡単な実技を受けるのです。
校長先生が持っていらっしゃるのは男性の結婚式の衣装です。
民芸博物館も見事な衣装が良くも此までと感心するほど刺繍がぎっしりしてあります。
メゼーケヴェジュドを午後遅くにバスで出発しエゲルへの約21Kの旅です。
地平線ん迄見渡せる大草原に夕日の沈む様子は感動的です。
 お喋りに夢中になっていたバスの中に静寂が戻り、疲れて居眠りしていた人も窓の外の美しさに一斉注目です。
エゲル泊
Hotel Eger 216号室
3月20日
ホテルの裏は綺麗な公園になっております、公園は朝早いので人っ子一人歩いておりませんが新聞売りのこのお店、マーケットは開いておりました。パン等の食料品を買う方達で狭い店内は身動きに不自由なくらいです。
しかし驚いたことにはお店の棚の幾つかは空間になっております。
私の独断的感想を申し上げますと、東ヨーロッパはまだ観光客に汚されていなくて、どの子供達も無邪気な笑顔を見せてくれ思いました。
買い物客は自前の袋をさげております、過剰包装無しです。
笑顔だけは万国共通です。
川を渡り、町中を抜け歩き回っておりますと小学校にたどり着きました、子供達は人なつっこくて明るいです、校庭で遊んでいた大勢の子供達が飛んできて口々のお喋りします。
お食事はホテルの近くにある「白鹿レストラン」でした。
4人で奏でる生のクラシックがお料理の味を忘れさせるくらいロマンチックなのです。 途中でバンドの方達へのカンパのお皿が廻ってきました。
此処のレストランでハウスワインを手に持ちきれないくらい買い込んだ方達も、カンパのお皿への心付けはお寒いものです、出さない方も居ます。
生演奏付きでお食事する贅沢に慣れていない私はこの感激を与えてくれたグループに沢山の拍手と出来る限りの寄付をしました。
 その効果なのでしょうか、一曲終わる毎に私に向かって頭を下げてくれるのです、恥ずかしいやら、女王様になったような気分になるやら、冷や汗ものでした。
 ガイドさん付きの観光の時、息子に頼まれていた切手とクラシック音楽のレコードを買う。
 夜はお友達に借りた水着を着てホテルのプールで泳ぐ、体から疲れが抜けていくようです。
此処で私達のグループは帰国組と旅行延長組の2組に分かれました。
ブタペスト泊 Hotel Atrium Hyatt 324号室
3月21日
朝食後飛行機でチェコスロバキヤの首都プラハへ。
 今日の観光はかっての王宮プラハ城、プラハ最古の橋で聖人の像が並ぶカレル橋、天文時計が珍しい旧市庁舎、ボヘミアンカットのグラスの展示場。
お城は大統領官邸になっていると説明がありました、それに続いた聖ビート教会はゴシック建築
プラハ城には小学校の授業でしょうか、学年毎に分かれたようなグループが沢山訪れておりました。
お城であった老夫婦、お写真を撮ってから送り先を聞きましたら胸を張ってスロバキヤだと申します、絶対にチェコスロバキヤと書いてくれるなと。その時にはまだ民族間の複雑な葛藤を知らない私はその意味を理解できませんでした。
カレル橋の聖人像は黒くなっておりますが、その多さにまず目を見張り、細かい仕上げに圧倒され、行き交う人にぶつかってしまいました。
橋には絵を売る人が随分居ます、私は若い女子大学生からミニ額に入った絵を買いました。新田さんは山のような人集りの中で自分の横顔を切り抜き絵で作ってもらって居ました。私も欲しかったけどその度胸が有りませんでした。