東ヨーロッパ、刺繍の故郷を尋ねて
 1990年3月16日〜28日
3月16日 アエロフロート機で成田よりモスクワへと旅立つ
刺繍研究会の有志のグループです。
私は川崎さんとペアーを組むことになりました、この事が旅を楽しめた最大の贈り物。長期に旅行すると疲れも貯まり何時までも猫を被っても居られません。相手の選び方によっては辛い思いをなされた方も幾人かいらっしゃいました。モスクワで一泊できると喜んでいたのですが

空港に着くなり捕虜のようにバスに詰め込まれお粗末な宿舎へ、各階に厳つい制服姿の女性が机の前に座っていて外出させてくれません。
窓からかろうじて覗ける外の寒々とした景色を記念に撮りました。
 新田さんの部屋の暖房が壊れておりましたが我慢しなさいとのこと、私達の部屋は暑すぎるくらい利いております、毛布や布団を提供しても、外はマイナスの凍てつくような寒さですとても足りません、私達のお室にお泊めするには狭すぎました。
エアポートホテル泊 914号室

3月17日
朝食後ハンガリーの首都ブタペストへ飛びました。
空港から出るとそこはヨーロッパの香りいっぱいの美しい光景です。
バスから降りて英雄広場に行く途中の公園は陽の燦々と降り注ぐ土曜日ともあって沢山の方達がそぞろ歩きを楽しんでおりました。
 素敵な犬たちと出会い、お上りさんの私はおねだりして写真を撮らせて貰いました、飼い主達も犬に劣らず魅力的です。
 公園の大きな柳の枝は水面まで垂れ下がり、芝生の栗鼠は平気で手元まで来て愛嬌を振りまきます。
英雄広場ではちょうど交代の儀式が行われているようでした。
次に訪れたのが聖イシュトバン教会と聖マチュアス教会、イシュバン教会で生演奏のパイプオルガンを聞く。教会の前には待望の刺繍の露天が御座いました。
 粗末な木の屋台に色の洪水のような精巧な刺繍が溢れております。
 自分達で作ったときには何ヶ月も掛かって苦労して仕上げたのに、信じられないような安さで売っているのです。「機械で作ってあるのよ」と教えてくれましたがそれでも皆様目の色を変えて買っていらっしゃいまた。私の旅行のおこずかいは5万円、お友達のお土産にコースターを買いました。
その後ゲレルの丘と漁夫の砦の観光に向かいました。二つは駆け足観光です。
漁夫の砦に向かう坂道をてくてく歩いていると道の両側に有るお店はどれも此も魅力的、背伸びして窓の中をちらちら覗きながら、後ろ髪を引かれる思いで通り過ぎます、何しろ後ろからガイドさん3人が追い立てているのですから。
今でも思い出すとお店に入れなかったのが無念です。
今夜の宿泊は
Hotel Atrium Hyattは川に面した豪華な部屋です、眺めも抜群。部屋から撮した鎖橋ライトアップが綺麗です。
寝るのがもったいない、明日は早起きしてあの橋を渡ってみよう。

Hotel Aranyhomo泊517号室

3月18日
朝5時に起き川崎さんと一緒に鎖橋を渡りマーシャ教会まで行って来ました。
添乗員の方が7時に部屋にモーニングコールをしてくれたそうですが朝の散歩に出かけた後でした。その後の旅では電話をくれるのを諦めたようです。
バスにてハンガリー刺繍の中心地カロチャーへ。
バスでの移動は長閑な田園風景や素朴な農家、
白い花の咲き乱れる果樹園、高い木や煙突の上に作ったコウノトリの巣。
雉は道路の直ぐ横でのうのうと遊んでいます、そうそう鹿も茂みの中から顔を出しました。
 左の写真は民芸博物館で撮りました、博物館の隣がお店になっていて美しい陶器や刺繍した物を買う事が出来ます。
大変に面白い所です。田舎屋風に再現されており。
壁に独特の模様を描く人、刺繍の実演をする人、糸を紡ぐ人、籠を編むお爺さん、とうもろこしの粒を取るお爺さん......
民芸色濃い敷地の中ではカルチャ-の衣装に身を包んだ若い男女の踊りが生演奏のとともに披露されました。

私達も中学生くらいの踊り子さん達に手を引かれ輪になって踊りました。

一緒に踊った子供達に折り紙の作り方を教えてあげると、みんな夢中になって作っておりました。
その町の駅の構内には美しいカロチャの絵が描かれていた。
夕食もクラシックの生演奏つき。
ケチメケ−ト泊 Htel Aranyhomok 205号室
ケチメケートの紋章は山羊
換金 1ドル=40フォリン  100ドル=6380円