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 朝日新聞2001年12月13日付けの新聞に、「生物多様性を脅かす移入種問題、マングース・アライグマ・ブラックバス…」の記事が掲載された。

 「…環境省は、奄美大島のアマミノクロウサギを守るため、2000年からマングース駆除を始めた。沖縄でもヤンバルクイナのすむ森で沖縄県がマングースを駆除している。
 ペットの野生化も深刻だ。北米産のアライグマは北海道、東京、千葉、神奈川、岐阜、愛知などで自然繁殖。キツネやタヌキなどが減り、農作物が荒らされ、各地で有害獣として駆除が進んでいる。
 釣りブームにのって全国に密放流された北米産のブラックバスやブルーギルは、湖沼や河川の生態系を大きく変えた。…」

 ペットが捨てられ自然繁殖したアライグマ、ハブ退治のためにマングースを放した人間の過ち…これらはいずれも陸の動物だけに理解しやすい。ブラックバスやブルーギルは、人間には見えない水面下の世界だけに、どうもピンとこない人が多いように思う。しかし、アライグマやマングースの脅威とブラックバスやブルーギルの脅威は、いずれも人間の過ちによって自ら招いた問題であり、生物多様性を脅かす移入種問題にほかならない。

 以下に移入種問題の事例をまとめてみた。アライグマやマングース、混血ザルの出現による遺伝子のかく乱、野生化したヤギ、ビクトリア湖の悲劇・ナイルパーチ・・・いずれも移入種・ブラックバス問題を考える上で、避けて通れない共通の問題を含んでいる。
マングース…ハブ退治が裏目、希少種が絶滅の危機に
アライグマ…ペットが野生化し、農作物被害深刻
野生化したヤギ…小笠原諸島
混血ザル問題…世界最北の固有種存続の危機
「ビクトリア湖の悲劇」…ナイルパーチ
ブラックバス…商業主義、密放流とリリースで大繁殖 2001.12.23完成
第二のブラックバス問題・・・ブラウントラウト 2001.12.29
市民権を獲得したかに見える?ニジマス 2001.12.29
渓流魚の移植放流を考える・・・天然の渓魚たちを21世紀に引き継ぐために 2001.12.29

参考文献
「帰化動物たちのリストラ戦争」(中村三郎著、発行:同朋舎、発売:角川書店)
「日本動物大百科2哺乳類U」(平凡社)
「渓流魚と人の自然誌 山漁」(鈴野藤夫著、農山漁村文化協会)
「山渓カラー名鑑 日本の淡水魚」(山と渓谷社)

参考ホームページ
月間「自然保護」(移入種問題、特集エイリアンスピーシーズ)
IUCNJ 外来種-生物学的侵入とは
国際自然保護連合関連
移入種問題を考える
ヤンバルの生態系壊す(asahi.com MYTOWN 沖縄)
奄美の動物達(ハブとマングースが戦う画像)
日本哺乳類学会が要望書を決議(科学1999年3月号)
台湾種と交雑ニホンザル(Mainichi INTERACTIVE 科学環境ニュース)
混血ザル安楽死/多様な生物を守る議論に(神戸新聞Web News)
野生との共存/種の多様性保つ対策を講じよう(神戸新聞Web News2)
ケモノのいる風景 自分たちに返ってくるもの(asahi.com グリーンパワー)
サル「安楽死しかない」学会が知事に要望書(紀伊民報AGARAフラッシュニュース)
自然保護と利用に関する世論調査(内閣府大臣官房政府広報室)
移入動物3種、生態系に打撃(Mainichi INTERACTIVE 科学環境ニュース)
アフリカ大湖沼専門家会議ニュースレター
アフリカンゲームフィッシング
京都新聞「悩む世界の湖」
日本で輸入しているスズキ(ナイルパーチ)
ナイルパーチ 冷凍品、加工品
アフリカ食品発掘現地レポート ケニア編 ナイルパーチ
ブラックバス移入制限9割が支持(産経新聞ニュース)
「ブラックバス問題」レポート
帰化生物を考える ウリミバエの根絶
北海道の淡水魚を守る
Native Project
NATIVE HOKKAIDO

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