7月2日(木) [葛城ミサト]
こんちは。ミサトです。
今日、あの馬鹿から電話があったのよ。
いきなり何かって思ったら、
『明日、久しぶりに飲みに行かないか。』
だって。
開口一番それなのよ?
まったくアイツったら全然変わってないわ。
私に対するときは昔っからぶっきらぼうなのよね、あの馬鹿。
今日だってさ、
『お、葛城、俺だ。明日暇か?それじゃ、いつものところでな。』
だもんね。
私が何か言う暇もないんだから。
でも、断れなかった私も私ね。
まったく、いつまでこんな関係を続けてるのかしら。
シンちゃんとアスカだって随分進展してるみたいなのに。
………私って中学生以下かもね。
7月5日(日) [加持リョウジ]
おっ、オレだ。 久しぶりだな。
一昨日の金曜日、久しぶりに葛城と飲みに行ったんだな。
ちょうど天気も良かったからビアホールに行ったんだ。俺たち。
でもなぁ、あいつの機嫌、良く無くてな。
どうもギクシャクしてたんだよ。
いっそのこと悪口でも浴びせかけてくれれば楽なんだが、あいつ、
黙ったままでひたすら飲んでるんだよ。
しかも葛城のことだから、ビールなんてジュース以下だからな…。
仕方がないから河岸を変えて、ちょっと気の利いたバーに行ったんだ。
俺はこう見えても、結構臆病な方なんだ。
特に葛城に対する時は。
俺の中で、やっぱりあいつはいつも特別だからね。
葛城が何故、こういう態度を取っているのか。
俺には、判っていた。
俺にはあいつに伝えなければならないことがある。
9年前からずっと、言えなかったことが。
言わなければならない、しかし言ってはならなかったことが。
今、その時が来たのかもしれないな。
そう思って葛城に向き直ったら…。
あいつはカウンターに突っ伏して寝てたよ。
俺は思わず苦笑した。
まだだってことかな、これは。
もう暫く、この関係を続けろってことか…?
7月10日(金) [惣流アスカラングレー]
アタシよ。
今日は学校帰りにいきなり雨に降られちゃったのよね。
いつも通りにシンジも一緒だったんだけど、シンジもアタシも傘を持って無くってさ。
だって朝のあの空じゃ、雨なんか降りそうもなかったもの。
仕方がないから走ったわよ。
スカートに泥が跳ねてイヤだったけど、濡れるよりはマシよ。
もちろんシンジも一緒にね。
なんとか雨宿りできそうなお店の軒下に逃げ込んだときには、アタシ達、すっかり
濡れネズミになってたの。
グチョグチョで気持ち悪かった。
暫くそこで空を眺めていたんだけど、雨は全然止みそうになかったのよね。
そしたらシンジが、
『アスカ、ここでこうしていても仕方ないから帰ろうよ。』
って言うのよ。
思わずアタシがシンジの顔を見たら、シンジは
『もうすっかり濡れちゃってるから、このまま濡れて帰ろうよ。
たまにはいいかもしれないよ。
帰ったらすぐに熱いお風呂を沸かすからさ。』
なんて笑って言うのよ。
正直に言ってアタシ、シンジからこんな言葉が出てくるとは思わなかった。
驚いたけど、ちょっと嬉しかったかも。
何故だか判らないんだけどね。
それからどうしたかって?
アタシはシンジの手を引っ張ってアタシはシンジの手を引っ張って
雨の中に走り出しながら、こう言ったんだ。
『ちゃんと責任取りなさいよっ!』
7月12日(日) [碇シンジ]
こんにちは。 碇シンジです。
今日は涼しくて、すごく気持ちが良かったんだ。
晴れてた訳じゃなかったんだけど、ジメジメしてなくていい感じだった。
だから今日は何となく気分が良くって、ちょっと出掛けてみたくなったんだよ。
それで、アスカを誘ってみたんだ。
一人で行くのもつまらないし、やっぱりアスカと一緒にいると楽しいしね。
アスカに聞いたら、アスカもちょうどどこかに行きたかったらしくって、
ちょうどタイミングが良かったみたい。
今日は予定も決めないで、第3新東京市をブラブラしたんだ。
CD屋さんを見たり、ゲームセンターに行ったり。
そのゲームセンターで、すごく盛り上がったものがあったんだ。
なんだと思う?
「エアホッケー」ってやつ。
実は僕、これ結構得意でね。
アスカは負けず嫌いだから、僕に負けるとムキになるんだ。
だからって僕は手加減なんかしないよ。
そうしたらアスカが怒るのは目に見えてるしね。
結局、僕の10勝3敗だった。
アスカは悔しそうな顔をして、
『来週、絶対にリターンマッチをやるのよ!』
だって。
やっぱりアスカだよね。
今日もいろいろおもしろかったな。
でもアスカ、もしかしたら今週一杯エアホッケーの練習をするつもりだったりして…。