3月22日(日) [惣流アスカラングレー]
あたしよ。
今日はあまり天気が良くなかったの。
ちょっと晴れ間が覗いたと思ったら、急に雨がぱらぱら降ってきたりして。
暫くしたらまた、日が射してきたり…。
忙しい天気だったわね。
そんな天気だったから、今日は一日家にいたんだけど…。
なんでファーストがウチにいるわけぇ??
あたしが朝起きてきたら、ファーストがシンジとお茶飲んでるんだもん。
あたしは怒るより先に驚いたわよ、ホントに。
そして当然、あたしは詰め寄ったわよ。
「なんであんたがウチにいるのよ!」
ってね。
そしたらファーストは
「別にあなたの家に来たわけじゃないわ。
私は碇くんの家に来ただけ。」
なんですまし顔で言うのよ!?
同じ事でしょ、ってあたしが言ったら、ファーストはこう言うのよ。
「違うわ。私は碇くんに逢いに来たの。
あなたに逢いに来たわけではないの。
それに……。どうしてあなたは碇くんと一緒に住んでいるの?」
さすがのあたしもちょっと言葉に詰まったわ。
なんでばかシンジと一緒に住んでいるのか、なんて言われても…。
最初は例の特訓のためだったのよね。
で、当然使徒をばかシンジとのユニゾンで倒して…。
それからよ。
あたしはなんとなく、そのまま居座っちゃったんだ。
最初はあんなばかと一緒に住むなんて、考えられなかったけどね。
でも、なんとなく、ね。
いまも、なんとなく。
正直、結構楽しいのよ、今の生活って。
相変わらず、ばかはばかのまんまだけどさ。
まぁ、ばかはばかなりに、いいところもあるしね。
…なんか、ファーストのせいで変な事考えちゃったわね。
そのファーストといえば…。
ぐっっ、なに嬉しそうな顔してシンジと話してんのよ!
大体あんたなんでここにいるのよ!!
あーっ、もう腹が立つわねぇ!!
こらっ、ファースト! 無視するんじゃなーい!!
3月25日(水) [葛城ミサト]
こんちは〜。ミサトさんでっす。
最近ますます面白いわね。
なにって?
そんなの、シンちゃんとアスカのことに決まってるじゃない。
ホントに見てて面白いのよね〜。
アスカってば、シンちゃんにちゃーんとプレッシャーをかけてるしぃ。
でもシンちゃんはそれに気付いてないのよねぇ。
ホント、アスカも苦労するわよね。
シンちゃんみたいなニブイのが相手だと。
この前、私アスカに言ったのよ。
「アスカ、シンちゃんにはもうちっとわかりやすくしないとダメなんじゃな〜い?
アスカも精一杯頑張ってるみたいだけどさ。」
ってね。
そしたらアスカは真っ赤な顔をして、
「な、なんであたしがシンジなんかに!!」
って怒るのよ。
シンちゃんのニブイのも問題だけど、アスカの意地っ張りも問題よね〜。
そうそう、レイのこともあったわね。
レイが最近、ちょっと積極的になってきたのよね。
この前の日曜日だって、ウチに来てたらしいし。
私はちょうどいなかったから知らなかったんだけど…。
返す返すも残念だわ。
絶対に面白いものが見られたのに。
そうね…。
ここはこのミサトさんが、一肌脱いであげましょうかね。
アスカは怒るかもしれないけどさ。
べ、別に面白がってなんかいないわよ?!
3月27日(金) [綾波レイ]
こんにちは。 綾波レイです。
この前の日曜日、碇くんの家に行ったの。
朝の9時くらいに。
碇くんはちゃんと起きていて、お洗濯をしていた。
あの人は…。 まだ寝ていたみたい。
葛城三佐もいなかった。
碇くんはちょっと驚いたみたいだった。
連絡もしないで私が突然行ったから、仕方ないわ。
でも碇くんは、いやな顔一つしないで、私をもてなしてくれた。
紅茶を入れてくれた。
紅茶を入れながら碇くんは、
『これはダージリンっていう紅茶なんだ。
凄くいい香りがするんだよ。』
って教えてくれたの。
ほんとうに、とてもいい匂いだった…。
紅茶を飲みながら、碇くんの出してくれたお菓子を食べたの。
そして、話をした。
…碇くんとこうして話をするのは初めてだったから、私はとても嬉しかった。
そして、とてもどきどきした。
私は知ったの。
このどきどきは、とても気持ちのいいものだということを。
碇くんと一緒にいると、気持ちがいい。
そのあと、あの人が起きてきて私に何か言ってたけど、私は知らない。
だって、私だってこのくらい、許してもらえるはずだもの。
そうよね、碇くん。