2月4日(水) [碇シンジ]
こんにちは。 碇シンジです。
最近、アスカの様子がちょっと変なんだ。
僕の知らないところで、何かやってるみたいなんだ。
この前の日曜日だって、奇麗な格好して出掛けて行ったし・・・
あの時のアスカ、僕と出掛けるときとは全然違う感じだった。
やっぱりあれ、誰かとデートだったのかなぁ。
そうだよね、きっと。
あのときのアスカ、なんて言うか・・・ すごく可愛かったし・・・
僕のときとは大違いだった。
アスカにとって僕なんかただの同居人だろうから、僕の前であんな顔、出来るんだよね。
いっつもさ、ゴロゴロ寝っころがってお菓子をバリバリ食べて。
みっともない事ばかりしてるもんね。
僕の前ではさ。
きっと、日曜日の相手の前だと、そんな事はしないんだろうな。
可愛いところばかり見せてるんだよ。
僕のときとは違って・・・
・・・・・僕、どうしてこんな事考えてるんだろう。
僕にとってアスカって、なんなのかな。
アスカにとって、僕って・・・ なんなんだろう・・・
2月7日(土) [綾波レイ]
最近、碇くんの様子が変。
いつも、あの人のことを見ている。
私は、いつも碇くんのことを見ているからわかるの。
碇くん、どうしたの?
何故、ずっとあの人のことを見ているの?
どうして?
私、なんだかいやな気分。
胸のあたりのモヤモヤしたものが取れないの。
この気持ち、どんどん大きくなっていくの。
どうしても、止められない。
これはきっと、悪いことなんだと思う。
いけないことなんだと思う。
でも、でも、駄目。
碇くんに、笑って欲しい。
笑いかけて欲しい。
それだけで、きっと私は幸せな気持ちになれる・・・
今日、これから碇くんに電話してみよう。
2月15日(日) [惣流アスカラングレー]
あたしよ。
最近さぁ、ファーストの様子がちょっと怪しいのよね。
昨日だってさ、あたしが帰ったらシンジが電話してたのよ。
あたし、なんだかぴーんと来るものがあって、シンジの顔をジロッて見てやったの。
そしたらシンジの奴、慌てた顔してあたしから目を逸らすのよ。
あたしは確信したわ。 これはファーストからの電話だって。
何気なーく、シンジの電話が聞こえる範囲にあたしは座り込んだんだ。
別に変じゃないわよね。 電話ってダイニングにあるんだから。
シンジの奴はあたしの方をちらちら見ながら、電話してた。
あたしはシンジのその仕種がおかしかったけど、でも、気付かない振りをしてたの。
割とすぐかな。 シンジが電話を切ったのは。
あたしは一瞬だけシンジの顔を横目で見ると、すぐにテレビの方を向いたんだ。
でも、テレビの内容なんか全然頭に入ってなくって、全神経はあのばかの方を向いてたんだけどね。
あいつはあたしが聞きもしないのに、言い訳っぽくこう言ったの。
『綾波から電話なんて、すごく珍しいよねぇ。どうしたのかな。
別に用事があったわけでもないのにね…』
あたしは笑いそうになるのを押さえるのが大変だったわ。
そんなのわかってるわよ。
シンジが、自分からファーストに電話なんか出来ないことくらい。
伊達に一緒に住んでるわけじゃないんだから。
でも、こう言う台詞が出るってことは… 一歩前進、かな?
それはさて置き、ファーストよね。
最近あの娘、様子が違ってるのよ。
大体前のファーストだったら、シンジに電話なんか絶対にしなかったもん。
それにね、ファーストのシンジを見る目、あれは絶対にアレよね。
……ホント、前のファーストからは考えられないわよ。
あたし?
あたしはね、そんなにいやな気分じゃないんだ。
むしろ、なんて言うか… こう、燃えてくるものがあるのよね。
あ、でもね、だからって言って簡単に認めるわけにはいかないわよ。
あったりまえよ! だってこのあたしがいるんだから!!