1月16日(金)[洞木ヒカリ]


遅まきながら、あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。



今年初めてね、これ。

今年はとうとう15歳になるのよね、私たち。

15歳ってやっぱりどこか違うわよね。

ちょっと大人って感じかな。

だって・・・ 15歳って、あと一年で・・・

・・・ケッコン・・・できるじゃない・・・

きゃっ、はずかしい・・・



あっ、もちろん相手がいるわけじゃないのよ?

でも、ちょっとはそういうこと考えたりするわよね?

ね? そう思うでしょ??



憧れちゃうなぁ、花嫁姿って。

いいわよねぇ・・・



ね?アスカ。  アスカもそう思うでしょ?





          1月18日(日)[惣流アスカラングレー]


あたしよ。


昨日から雨がじとじとじとじとじとじと降ってて、やんなっちゃうわね。

ほんと、こういう日はなんかイライラすんのよね。

いっそのこと思いっきり降ればすっきりするのに、中途半端に降るもんだからさぁ。




なに?ヒカリ。

ふーーん、花嫁姿ねぇ・・・・

ヒカリらしわね、そういうのって。

でもヒカリ、相手がいないなんて言ってるけど、本当はもう決まってるんじゃないの?

ほら、すぐ真っ赤になるところなんて大当たりじゃないの??

ふふふ、ヒカリってやっぱり可愛いわね。



え?あたしはどうなのかって?

あたしはね・・・


そうね、やっぱり憧れないわけじゃないわね。

きれいだもんね、花嫁姿って。





・・・あたし、ちょっと変わったのかな・・・

少し前まで、そんなこと考えたこともなかった。

だって・・・   そういうの、凄くイヤだったし・・・

考えただけでも、気持ち悪くなったわ。



だけど、今はそうでもないのよね。

まだまだそんなことは考えられないけど、そうなってもいいな、って思えるんだ。

どうしてかしらね・・?



え?相手??

そんなの、この容姿端麗、頭脳明晰、才色兼備のあたしに釣り合う人じゃないと駄目よね。

間違ってもばかシンジなんかじゃ駄目よ駄目。


え? ここでなんでシンジの名前が出てくるのか、って?


そ、そんなの知らないわよ!!

シンジのことなんか、ぜ〜〜〜んぜん考えたこともないんだから!





          1月21日(水)[綾波レイ]


・・・ケッコンってなに?



私、ケッコンって何なのか、わからなかった。

だから聞いたの。  碇くんに。

そうしたら碇くんは、

   『大人の男の人と女の人が一緒に暮らして、

    家族を創ることだよ』

って教えてくれた。



そう、それがケッコンっていうものなの。

ケッコン、けっこん、結婚・・・


なぜか、だんだん良い響きに聞こえてきた・・・




結婚って、大人にならないと出来ないのね。

   碇くんは結婚しないの?

って私が聞いたら、碇くんは真っ赤な顔になって

   『そ、そんなのまだ早いよ!』

って言ったの。


私、それを聞いて、なんだかほっとした。

どうしてかしら。



結婚って、まだよくわからないけれど・・・

私、碇くんと結婚してみたい・・・



碇くん、だめ・・・?





          1月23日(金)[碇シンジ]


この前、綾波に

   『ケッコンってなに?』

って聞かれたんだ。

僕は最初、綾波がわざと言っているのかと思ったけど、でもそうじゃなかった。

本当に知らなかったんだ。

考えてみれば、綾波がそんな事を言うわけないんだよね。



僕、ちょっと答えるのに苦労したんだ。

だってさ、改まってそんな事を言われたら、なんて言っていいかわからないじゃない。

だから、

   『大人の男の人と女の人が一緒に暮らして、

    家族を創ることだよ』

って言ったんだけど・・・  間違ってないよね?



結婚かぁ。

そんなこと、考えた事もないよなぁ。僕。

だってさ、まだ僕たち14歳だよ?

想像できないよ、そんなこと。



でも、僕もいつか、誰かと結婚して家族を作るのかな。

もしそうなら、温かい家庭がいいな。

いつも笑い声が聞こえるような・・・

・・・僕みたいな子供は・・・ もう十分だよ。


ね、アスカ。   





          1月25日(日)[鈴原トウジ]


わしや。


なんか久しぶりやのう、これを書くんは。


・・・実はな、今日、いいんちょーと一緒に出掛けたんや。

わし、ずっといいんちょーに弁当を作ってもろうとるやろ?

そのことでシンジに言われたんや。

   『トウジ、委員長にちゃんとお礼してる?』

って。


わしは

   『おう、毎日すまんのう、ってちゃんと言うとるで』

って胸を張って言うたんやが、シンジの奴は頭を抱えてこう言うたんや。

   『・・・トウジ、それだけじゃだめだよ。

    今度の日曜日にでも委員長を誘ってどこかに行ってきなよ』


まさかシンジにそないな事を言われるとは・・・

あのシンジに・・・



そやけど、シンジの言う事ももっともや。

いいんちょーが喜んでくれるかどうかは分からんが、今日は思い切って誘ったんや。



今日は山に行ったんや。

あまり高くない山やったが、いいんちょーとふたりでいると、なんか変な気分やった。

背中がむずむずするっちゅうか・・・

とにかく、わしはいつものわしと違っとった。



頂上まで登って、いいんちょーに作ってもろうた弁当を食べたんや。

空気が澄んでてな、凄く気持ちが良かったわ。

いいんちょーとふたり、穏やかな気分やった。

だからあないな事、言えたんかのう。

わしは、いいんちょーの顔を見て、言うたんや。


   『わし、いいんちょーと、ここに来れて良かったわ』





          1月28日(水)[相田ケンスケ]


こんにちは。 相田ケンスケです。



トウジ・・・  そうか、おまえまでそういう事を・・・

残念だよ。  君とは長い付き合いになると思ってたのに・・・

これでお終いだな。



・・・ってウソウソ。

ま、正直、羨ましいのはホントだけどさ。

でも、人が幸せそうにしてるのってさ、見てて嬉しいじゃないか。

特にそれが親友だったりしたら、なおさらだよ。



トウジってああいう性格だから、誤解されやすいんだよな。

不器用だしさ。

だけど、やっぱり見てる奴は見てるんだよ、トウジのいいところを。

嬉しいよね、そういうのって。



僕にも、いつかそういう人が現れるのかな。

もしそうなら・・・


そうだね、その時のために、頑張っておかないと。

失望させないように、さ。





          1月30日(金)[碇シンジ]


こんにちは。  碇シンジです。


今日は金曜日。

だから、明日はお休みだよね。

お休みの前の日っていいよね。

凄くのんびりしてて。

僕、一週間のうちで一番好きだな。



アスカもそうなのかどうかはわからないけど、アスカ、いっつも夜更かしするんだよね、金曜の夜は。

別に特別な事をするわけじゃないんだけど、借りてきたビデオを見たり、本を読んだりして、

遅くまで起きてるんだ。


その気持ちも、わかるよね。

寝るのがもったいなくって、ついつい夜更かししちゃうんだよ。



だけど、やっぱり夜更かしはあまり良くないよなぁ。

健康にだって良くないし・・・



そう思ったから、今日はちょっと言ってみたんだ。

   『アスカぁ、寝不足は体に良くないから、そろそろ寝ない?』

って。

僕は絶対に怒られると思ってたんだけど、意外にもアスカは怒らなかった。

それどころか、笑って

   『そうね、明日の事もあるし』

なんて言ったんだ。



明日の事って・・・ なに?



アスカ、明日なにか用事でもあるのかな?

僕は何も聞いてないから、僕には関係のない事なんだろうな。

関係ない・・・ はずなんだけど・・・


ちょっと、気になるな・・・


明日、何があるんだろう・・・





          1月31日(土)[惣流アスカラングレー]


あたしよ。


ふふふ、シンジの奴、ちょっと驚いてたみたいね。

計画通りだわ。

たまには危機感を感じさせてやんないとね。

ただでさえ、いっつもボケボケっとしてるんだから。



今日はね、朝から出掛ける準備をしてたんだ。

いつもよりも気合いを入れてね。

わざわざシンジの前を何回も通ったりして。

嫌でも目に留まるようにね。

『デート』っていう雰囲気を、思いっきり出してやったの。



さすがにシンジも、ちょっと気にしてたみたいね。

何か言いたげな顔をして、あたしの方を見てたもん。

だけど、結局何も言えないところが・・・ やっぱりシンジなのよねぇ。

気になるんだったらはっきり言えばいいのにさ。

ま、私もわざと気にさせるように仕向けてたんだけどね。



お昼前にあたしは家を出たの。

行った先は・・・ ヒカリの家。

そう、全部お芝居だったのよ。



帰ったのは9時過ぎだったかな。

わざと遅く帰ってきたんだけど・・・

シンジの奴、相変わらずなんにも言わないのよね。

そわそわしてんのはわかりきってるのにさ。



結局、今日はシンジの方からはなんにも言ってこなかったんだ。

まぁ、予想通りだけどね。

でも、シンジもちょっとは危機感を持ったのかな?

帰ってきたときに準備されていた夕御飯は、私の好きなものばかりだったし・・・

ちょっと可哀相な気もしたけど、でも、ね。

こうでもしないと・・・ ホントにニブイんだから。



シンジ! あたしみたいな可愛い子は、放っておいたら誰かのものになっちゃうんだからね!

そこんところ、よ〜〜〜っく考えときなさいよ!!





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