9月1日(月) [洞木ヒカリ]


こんにちは。  洞木ヒカリです。



長いようで短かった夏休みもついに終わって、今日から新学期ね。

元気そうなみんなの顔が揃って、ほっとした。

やっぱり、学校って良いものね。 みんなと逢えるから。



アスカとも、一週間振りくらいに逢ったんだ。

今日のアスカ、なんだかすごく嬉しそうだった。

なんだか、とても機嫌が良かったのよね。

それに碇くんも・・・ どこか違ってるみたい。

なんだか、ちょっと大きくなったのかな?



その事をアスカに、帰りがけに聞いたのよ。

あ、今日は学校はお昼までだったから、早く帰ったのよね。

絶対に何かあったんだと思ってアスカを追求したんだけど、でもアスカ、何にも言わないのよね。

顔はニヤケてるくせにさ。



あんまりしつこく私が聞いたもんだから、今度はアスカに逆襲されちゃった。

   『そっちこそ、鈴原とはどうなってるのよ』

って。


そ、そんな事言ったって・・・

あのバーベキュー以来、今日まで逢ってなかったんだから。

そう言ったらアスカに怒られちゃった。

   『あんな鈍い奴のことなんか待ってちゃ、いつになっても進展しないわよ』


・・・確かにそうなんだけど・・・ でも・・ねぇ?

そんなに簡単に言わないでよ、アスカ!





          9月2日(火) [綾波レイ]


昨日から、学校が始まったの。

でも私は、昨日はネルフでテストがあったから、行けなかった。

だから今日、久しぶりに学校に行ったの。



私は別に、学校は好きでも嫌いでもなかった。

なぜ行くのかもよくわからなかったけど、でも、言われたから行ってた。

ただ、それだけだった・・・


でも、今は違う気がする。

学校に行くのが、楽しい・・・ そんな気がする。

楽しいって、私にはよくわからなかったけど、でも・・・

きっと、この気持ちがそうなのね。



碇くんに逢える。

それだけでも、楽しいの。

でも、それだけじゃない・・・ ような・・・

洞木さんや、他のみんなと逢ってると、こころが温かくなる。

とても、気持ちがいいの。



少し前に、みんなで河原でバーベキューと言うのをやった。

私は碇くんに誘われたから付いて行ったけど、でも、とても楽しかった・・・


ただ、みんなで食べただけなんだけど、あんなに楽しいことがあるなんて、

私は今まで、知らなかった。

みんなは、私のためのお料理も作ってくれた。

なんだか、こころが熱くなったの。



嬉しかったのね、私・・・

私、今、新しい私になろうとしているのかもしれない。

そんな・・・  そんな気がするの。





          9月3日(水) [相田ケンスケ]


こんにちは。相田ケンスケです。



ついに夏休みも終わっちゃったよね。

今年の夏休みの一番のイベントと言えば、やっぱりバーベキューだよな。

僕が言い出して、やったんだ。

いきなりのことだったからちょっと心配だったけど、でもみんな集まってくれた。

そして、すごく楽しいバーベキューになったんだよ。

やっぱりみんなとやるのはいいね。

僕ひとりでも、良くキャンプでご飯を作ったりするけど、

でも、ああいうときの味とは全然違うんだよな。



そうだ、今度、泊りがけでキャンプに行こうって話になってたよな。

夏休みは終わっちゃったけど、でも一泊くらいなら行けるよな。

僕がいい場所を探しておくからさ。

みんなでまた、行こうよ。



そう言えば、シンジと惣流の奴、なんかあったのか?

なーんか違うんだよな。

そう言えば夏休みの終わりころ、シンジはいつもいなかったよな。

ミサトさんは何も言わなかったけど・・・



シンジ、ちょっと大人になったように見えるんだ。

何か、いいことがあったんだろうな。

そうだよな、シンジも頑張ってるんだ。

僕も頑張らないと。





          9月4日(木) [碇シンジ]


こんにちは。碇シンジです。



実は・・・ 今日、いきなり数学のテストがあったんだ。

予告も何も、全然なかったんだよ。

そう、抜打ちテストってやつ。

あの先生、いつも昔話ばかりしてるくせに、たまにこういう事やるんだよな。



結果は・・・  当然、駄目。

ただでさえ数学って苦手なのに、この夏休みはちっとも勉強しなかったもんなぁ。



勉強しなかったといえば、アスカも同じなんだけど・・・

でもやっぱり、アスカは完璧だったみたい。

まぁ、大学まで出てるんだから、当然と言えば当然なんだけど。

アスカにとっては中学の数学なんて、ホントに簡単なんだろうな。



今日帰ってから、今日のテストについてアスカに聞かれたんだ。

素直に出来なかったって言ったら、

   『あんなに簡単なのに?』

だって。

そりゃ、アスカにとってはそうかもしれないけど・・・



ぶつぶつ言ってたら、アスカがいきなり言ったんだ。

   『勉強するわよ!』

いきなりだよ? 

そんなぁ・・って反論しようとしたけど、アスカは、

   『あんたが出来ないと、あたしまで恥ずかしいのよ!!』

だって。 




え・・・なんで・・・?





          9月5日(金) [惣流アスカラングレー]


こんにちは。  これを書くのは旅行以来ね。 



旅行と言えば、やっぱり楽しかったな。

初めて行くところだから、なにを見ても新鮮だったし。 景色は奇麗だったし。

あのドラマの舞台も見られたしね。

ミサトに話したら、悔しがってたわ。 ミサトも行った事、なかったんだって。

残念だったわね〜。

いつもあたしたちの事、からかってばかりいるからよ。 バチが当たったんだわ。




そうそう、昨日、数学のテストがあったのよ。

それも抜打ちテストってやつ。

まあ、あたしにとってはなんてことのないテストだったけど、シンジにとってはそうじゃなかったみたい。

昨日聞いたら、全然駄目だったて言うのよ。

帰ってから答えあわせをしたら、ホントに駄目だった。



だから、昨日から数学の猛勉強を始めたの。

シンジはちょっと不満そうな顔をしてたけど、でも、やっぱりやらなくちゃまずいと思ったのか、

ちゃんとやったわ。

あたしは最初から、出来る限り丁寧に教えてあげたの。



それでわかったんだ。

シンジって、決して頭は悪くないのよ。

ただ、要領が凄く悪いの。

それに、いちいち納得しないと気が済まないみたいで・・・

だから、一回理解すると次からはちゃんと出来るのよね。

応用も、ちゃんと理解してるから出来るし。



だけど、やっぱりシンジみたいのって、テストじゃ不利よね。

点数を稼げるタイプじゃないわ。



・・・でも、なんだかあたし、ほっとしちゃった。

だって、やっぱりシンジなんだなって、思ったから。

ちょっとかわいそうだけど、でも、ね。


シンジはシンジらしく、いつまでもいて欲しいから・・・





          9月6日(土) [綾波レイ]


こんにちは。 綾波レイです。


今日は土曜日。  土曜日は、学校がないの。

碇くんに、逢えないの。



すごく、淋しい。

碇くんの事を考えると、なんだか苦しくなる。

こういう時、どうしたらいいのかしら。



葛城三佐が言ってた。

   『レイ、待ってちゃ駄目よ。 自分から行動しないと、何も始まらないわよ』

そう、それはそういう事だったのね。



だから私は今日、碇くんに電話を掛けた。

用事はなかったんだけど、電話を掛けた。

・・・碇くんが、電話に出た。

私は、何を言ったらいいのか、全然わからなくなった・・・



そして、とっさに出た言葉が、こう。

   『お昼ご飯・・・ 作りすぎちゃって・・・』

そしたら碇くんは、

   『もったいないなぁ・・・ あのさ、もしよければ、僕に分けてくれないかな・・

    今日はアスカもミサトさんもいなくて、僕ひとりだけなんだ。

    1人分だけ作るのもね・・・』



私は、なにがどうなってるのかわからなかった。

信じられなかった。

とっさに出た事が、こんな事になってしまうなんて。



碇くんは約束どおり私のうちに来て、私の作ったお昼ご飯を食べてくれた。

私はとても、嬉しかった。

今まで感じた事のない、嬉しさだった。



碇くんは暫くして帰っちゃったけど、でも、いいの。

今日は、これで十分。

十分に、幸せなの・・・





          9月7日(日) [碇シンジ]


こんにちは。 碇シンジです。


ここのところずっと、アスカに数学を教えてもらってるんだ。

一日に、だいたい2時間くらいなんだけど、この前のテスト以来、ずっとやってる。

おかげでちょっとは、わかるようになったんだ。


今やってるのは因数分解ってところ。

これ、授業を受けたときには、何がなんだかちっともわからなかった。

何でこんな事やるのかな? って思ったもん。

でも、アスカにいろいろ教えてもらったら、随分わかったよ。

アスカはちょっと教え方が荒っぽいけど、でもわかりやすいんだ。

それに、僕がわかると一緒に喜んでくれるし。

   『このあたしが教えてあげてんのよ!?  あったりまえじゃない!』

だって。

凄くアスカらしいと思わない?

でも、ありがとう、アスカ。




そうだ、これはアスカには言ってないんだけど、昨日、綾波の家でお昼ご飯をご馳走になっちゃったんだ。

突然綾波が電話してきて、なぜかそういう事になったんだ。



綾波の料理を食べるのは久しぶりだ。

前に比べると、凄く上手くなってたよ。

綾波も、いろいろ勉強したみたいだ。

だって、部屋の隅に料理の本が並んでたから。

なんとなく、嬉しいよね。

綾波も、ありがとう。



でも、アスカが知ったら、多分怒るだろうな・・・

別に悪い事してる訳じゃないんだけど・・・





          9月8日(月) [葛城ミサト]


どうも〜〜、ミサトでっす。



最近妙に仕事が忙しいのよね。

別にたいしたことがある訳じゃないんだけど、いろいろ細かい仕事が多くてねぇ。

だから、なかなか家にも帰れないのよね。

まったく、変に仕事が多いんだから。 ネルフって。

人手も足りないし。



リツコなんかもう、一ヶ月くらい家に帰ってないんじゃない?

私にはシンちゃんとアスカがいるから、リツコ達は

   『帰れるときには帰りなさい』

って言ってくれて、それなりに帰れるんだけど・・・


日向くんやマヤや青葉くんも、ほとんど泊まり込んでるみたい。

そう言えば、碇司令や冬月副司令って、どこに住んでんのかしら。

副司令は家があるみたいだけど、司令は謎よね。

ネルフ内に、どこか住む場所をキープしてんのかしら。

ホント、司令って生活感が無いからわっかんないのよね。

わかってるのはシンちゃんのお父さんだって事くらいかしら。



シンちゃんもやっぱり、辛いわよね。

でも最近、明るくなってきたわよ。

これはきっと、周りの友達のおかげね。

シンちゃんも、いい友達に恵まれたみたいだから。

良かったね、シンちゃん。



ま、ネ、生きてればいろいろあるけど、でもやっぱり前向きにいかなくちゃね。

だって、生きてるんだもん。  ね。





          9月9日(火) [赤木リツコ]

こんにちは。 お久し振りね。  赤木リツコです。


昨日ミサトもぼやいてたけど、確かにここのところ忙しいわね。

まぁ、ネルフの人使いの荒さは今に始まった事じゃないけどね。

私なんか、もう一ヶ月以上も家に帰ってないもの。



でも、私の場合は別にいいのよ。

だって、家に帰っても誰もいないしね。

ミサト、あなたは幸せよ。 帰れる家があるんだから。

始まりがどうであれ、今は立派な家族なんでしょ。

だから、大事にしなさいね。



え、私?

私は大丈夫よ。 別に参ってなんかいないから。  本当よ。

私は私なりに、いろいろいい事だってあるんだから。

だから、心配しないで大丈夫。



そうそう、シンジくんとアスカ、それにレイの様子はどう?

あの3人も随分変わったわよね。

アスカなんか、ずいぶん歳相応になった気がしない?

いい傾向だわ。

やっぱりね、まだ14歳なんだから。

エヴァパイロットとしてはちゃんとしてもらいたいけど、でも、14歳のあの子達らしさも持っていて欲しいわね。


・・・なんて、わがままよね、私。

シンジ君、アスカ、レイ、ゴメンね。





          9月10日(水) [鈴原トウジ]


鈴原トウジです。   久し振りやな。 


今回はこれ、いいんちょーから回って来たんやないんやな。

珍しいこっちゃ。

なんかいつもと違う感じやな。


べ、別にいいんちょーから回ってきて欲しい訳やないんやで、ホンマに。

ただ、いつもと違うから、変な感じがしただけや。



そや、この前、数学のテストがあったんや。

それも抜打ちテスト。

わしはまったく予想してへんかったから、当然できんかった。

ケンスケの奴は何だかんだ言って、結構出来たようやが、わしとシンジは全然駄目やった。



それでシンジの奴は、惣流に毎日しごかれてるそうや。

シンジも難儀な奴やな。

まったく、同情するで、ホンマに。

あの惣流に毎日勉強を教わるなんて、わしには考えられん。



そやけどシンジの奴は、それほど嫌そうでもないんやな。

   『アスカの教え方はわかりやすい』

とかぬかしとるし。

わしには理解できん。


いいんちょーにそれを言ったら、

   『碇くんは、アスカの事がよく解ってるのよ』

だと。

う〜む、そんなもんかいな。

わしにはちょっと解らんが、まあ本人達がいいならいいやろ。





          9月11日(木) [洞木ヒカリ]


こんにちは。洞木ヒカリです。



今日はこれ、鈴原から回ってきたの。

鈴原はそっけなく

   『いつも回してくれとるからな』

って言って、さっと渡してくれただけだったけど、でも私、凄く嬉しかった。

だってそのときに鈴原ったら、耳まで真っ赤になってたんだもん。

ありがとう、鈴原。



でね、アスカと碇くんなんだけど、ここのところずっとアスカが碇くんに数学を教えてあげてるんですって。

何でも2学期の初めにやったテストで、碇くんが全然出来なかったもんだから、

アスカが碇くんの家庭教師をやってるんだって。

でも、碇くんも結構楽しいみたい。

アスカは・・・   言うまでもないわよね。

だいたい   『シンジが出来ないのは、私が恥ずかしいのよ!』

なんておおっぴらに言ってるくらいだし。



実はね、鈴原もあまり、出来なかったみたいなのよね。

碇くんとそんな話、してたし。

・・・・私が・・・  教えてあげられたらな・・・

そうすれば・・・  ねぇ・・・

ねぇ、アスカ、どうしたらいいと思う?





          9月12日(金) [碇シンジ]


碇シンジです、こんにちは。


実は今日、また数学のテストがあったんだ。

何でも前回、みんながあまりに出来なかったんで、再テストなんだって。

みんな、また大騒ぎしてたよ。



え、僕?

僕は・・・ 意外と、冷静だったんだ。

なんか、こうなるような気がしてたし。

それに、アスカにずっと教えてもらってたから、それなりに出来るような気がしてたんだ。



結果は・・・

自分では結構、出来たつもりでいたんだ。

だいたい、答えが書けたしね。

アスカがテスト後にすぐにやってきて、  できた?  って聞いたんだ。

僕は、

   『うん、結構できたんじゃないかな』

って言った。



家に帰ってから、またアスカと答えあわせをしたんだ。

そしたら、僕が思ってた以上にできてた。

アスカはそれを見て、凄く喜んでたよ。

自分の事じゃ、ないのにね。

でも僕も、そんなアスカを見て嬉しかった。



だから今日の晩御飯は、ちょっと豪華にしちゃったんだ。

アスカの好きなものを揃えてね。

もっとも、アスカも手伝ってくれたんだけど。



ミサトさんが帰ってきて、ちょっと驚いてたね。

何かあったの?   って聞かれたけど、僕らは笑ってなにも言わなかった。

ミサトさんはちょっとすねてたけど、でも、いいよね? アスカ。

ホントにありがとう。





          9月13日(土) [惣流アスカラングレー]


こんにちは。


昨日ね、また数学のテストがあったのよ。

まぁ、あたしにとってははっきり言って楽勝で、テスト中も時間が余って仕方なかったんだ。

だから、斜め前のシンジの様子をじっと見てたの。

テスト中だからみんな机に向かってて、あたしがシンジを見てる事なんか、誰も気付いてなかったと思う。

だから見てられたんだけどね・・・



シンジったら、一生懸命に書いてるのよ。

ときどき消しゴムでゴシゴシ消したりして。

見てたら、なんか可愛く思っちゃった。



そうそう、テストのときは相変わらず紙に書くのよね。

いつもは端末に向かってるのに。

ま、たまにはいいもんだけどね。



でね、前のときは手が止まってる時間の方が長かったんだけど、今回は随分動いてたのよね。

それを見て、少しは出来たのかなぁって思ってたんだけど・・・


家に帰ってから答えあわせをしたら、あたしが思ってた以上に出来てた。

なんか、嬉しくなっちゃった。

それに、シンジも喜んでたしね。

何回も、   『アスカ、ありがとう』   って言ってたもん。




それでね、今日は、ちょっとシンジに頼んだの。

大した事じゃないんだけどね。

え、何を頼んだのかって・・・?

それはね・・・   ちょっと、内緒!!





          9月14日(日) [碇シンジ]


こんにちは。碇シンジです。



今日は朝から、ずっと雨が降ってたんだ。

最近、良く雨が降るよね。

やっぱり雨って、あまり好きじゃないな。  どこか気分が滅入っちゃうし。



でも、今日はちょっとだけ違ったんだ。

実は今日は、アスカと出かける予定だったんだよ。

テストも終わったしね。

アスカのおかげで良い点も取れたから、ちょっとお礼をしようかなって思って。

お礼って言ったって、大した事が出来た訳じゃないんだけどね。




雨の中、僕とアスカは出掛けた。

どこに行ったのかって?

うん、随分考えたんだけど、最近できた水族館に行こうって事にしたんだ。

もちろん、今日は僕のおごり。


ここ、凄く大きな水族館で、感じとしては海の中に透明のチューブがあって、その中を歩く感じなんだ。

いろんな魚がいて、凄く奇麗だった。

アスカも満足してくれたみたい。

本当に良かった。



夕方に買い物に寄って帰ったら、電話が鳴ったんだ。

誰からだと思う?

それが・・・    綾波だったんだ。

何でも、夕ご飯を作りすぎちゃったから食べて欲しいって事だったんだけど・・・

ぼくは   『それならうちで一緒に食べようよ』   って言ったんだ。

アスカにも一応聞いたけど、別にいいわよって言ってたし。



それで、今日の晩御飯は4人で食べたんだ。

いつもより一人多いだけなんだけど、やっぱり人数は多い方がいいね。

綾波はいつもみたいにあまり喋らないけどね。

でも、僕が綾波の料理を誉めたら喜んでくれたみたい。

あ、ホントに美味しかったんだよ。



そしたら今度はアスカが妙に張り切って・・・

   『明日はあたしが朝ご飯を作るからね!』

だって。

う〜ん、だいじょうぶかなぁ・・・

まぁ、最近は随分出来るようになったから、平気だとは思うけど・・・

ちょっと、心配。





          9月15日(月) [惣流アスカラングレー]


今日は敬老の日で、学校がお休みだったのよね。

だからって言う訳じゃないんだけど、今日の朝ご飯はあたしが作る事にしたの。



昨日はファーストがわざわざうちまで、自分の作った料理を持ってきたんだ。

それが・・・ 悔しい事に、なかなかの出来栄えだったのよ。

シンジの奴も妙に喜んじゃってさ。

ふん、なによ。 あたしだってあのくらい出来るんだから。



そういう訳で、  今日の朝ご飯はあたしが作る!  って宣言しちゃったんだ、昨日。

でもね、やっぱりちょっと、心細かったのよね。

最近はいろいろシンジの手伝いをしてるから、だいたいのものの作り方なんかは憶えたんだけど・・・

ひとりで作った事なんか、なかったもんね。

いつもシンジが一緒だったから・・・



そう思って、あたしは気付いたんだ。

ファーストって、いつもどんな気持ちで作ってたんだろうって。

シンジは相変わらず鈍いから気付いてないみたいだけど、ファーストの気持ちは相当なもんよ。

ファーストもちょっと、可哀相よね。



でも、そんな事も言ってらんないのよ。

問題は、目の前の朝ご飯なんだから。

昨日ベッドの中でいろいろ復習して、準備はバッチリ・・・ のつもりだったんだけど・・

やっぱり実際にやってみると、随分勝手が違うわね。

念の為に早起きしといて良かったわ。



シンジは約束だからって、あたしが呼ぶまで一回も、姿を見せなかった。

そうそう、昨日はファースト、うちに泊まってったのよね。

ミサトと一緒に寝てたんだけど。

ファーストの手前、変なものは作れないでしょ。



でも何とか、出来たんだ。

いつもよりちょっと、遅れちゃったけどね。

それに、朝にしては豪華だったかな?




みんなを呼んだら・・・

シンジもミサトも、驚いてた。

ファーストは何も言わなかったけど。

ちゃんと、ファースト向けの肉抜きのおかずも作ったんだから。



シンジも、喜んで食べてくれた。

美味しいよって。

ミサトも、  『悔しいけど、美味いわ』   だって。

   当ったり前じゃない。  このあたしが作ったのよ?!

でもね、ホントはちょっと、不安だったんだ。

だけど、みんなが食べてくれるのを見て、何とも言えないいい気もちになったの。

シンジの気持ちも、解った。

シンジも、あたしが作ったように、気持ちを込めて作ったくれてるんだなって、

改めて、思ったんだ。



そしてシンジに改めて、 ありがとう って言おうと思った。

今日はちょっと言えなかったけど、いつか絶対に・・・





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