7月16日(水) [洞木ヒカリ]


今日もいいお天気でした。 やっぱりお天気はいいですね。

最近、綾波さんが碇くんの家に通ってるんですって。

どういうこと?ってアスカに聞いたら、 『勉強会』 なんだって。

そう、みんなで勉強してるんだ。



でもアスカも凄いね。 だって、綾波さんまで一緒にやってるんでしょ?

ホントなら碇くんと二人だけで勉強したいはずなのに、綾波さんまで・・・・

ホントにアスカって、凄いな。



アスカにこう言ったら、アスカは

  『私はずるいのはいやなの。正々堂々とやらないとだめよ』

だって。

ね、アスカ、それって何のこと?

ふふふ、聞くまでもないわよね。

アスカもそういうところ、もう少し碇くんに素直に見せたらいいのにね。

でも、そこがアスカらしいのかな?



でもね、やっぱり同じ家に住んでいるっていうのはいいわよね。

特別約束しなくても逢えるんだし、勉強会だっていつだって出来る。

私は・・・・    鈴原に教えてあげたいんだけど・・・・    鈴原、嫌がるだろうな・・・



ねぇアスカ、どうしたらいいと思う?





          7月17日(木) [碇シンジ]


月曜日から、綾波も一緒に勉強をしているんだ。 もちろんアスカも一緒だよ。


綾波ってさ、アスカも言ってたけど変なところで間違えるんだよね。

難しい言葉とか漢字とか知ってたりするのにさ。

でも、一度解ると次はちゃんと出来るんだ。 やっぱり綾波って頭良いのかな。 

僕なんかいっつも、アスカにポコポコ殴られてばっかりなんだから。

アスカ、僕が間違えると叩くんだよな。 その方が覚えがいいんだって。

むちゃくちゃだよ、アスカ。



勉強会は夕方からやってるんだけど、当然晩御飯の時間になるよね。

晩御飯は相変わらず僕が作っているんだけど、前にも言ったように最近はアスカも手伝ってくれるんだ。

だから二人で作ってるんだけど、綾波がじっと見てるんだ。

  綾波、どうしたの

って僕が聞いても

  『何でもない・・・』

って答えるだけ。 ちょっと変なんだよね。



でも、一緒に晩御飯を食べるのは楽しいね。

相変わらず綾波は肉は食べられないからおかずには気を使うんだけど、でも美味しかった。

綾波も・・・ 楽しそうにしてた、気がする。

アスカは・・・ どうだったかな・・・?


・・・うん、悪くはなかったと思うよ。





          7月18日(金) [葛城ミサト]


最近私、ずっと帰るのが遅かったのよね。

んでね、今日は久しぶりに早く帰れたんだけど、玄関を開けたら見覚えのない靴があるのよ。

誰かお客さんかなーって思って部屋に入ったら、何とレイがいるじゃない?

しかもシンちゃんとアスカと一緒に勉強してるのよ? あのレイが。

シンちゃんとアスカだけなら解らないでもないけど、レイまで一緒に勉強してるなんて、

これにはさすがにちょっとびっくりしたわ。



3人とも、結構真面目にやってんのよね。

まあ、もっぱら教えてるのはアスカなんだけどね。


アスカったら、相変わらずシンちゃんには当たりが強いのよ。 ポコポコ叩いてるし。

レイは、ホントに真面目にやってたわね。

アスカも、ちゃんとレイに教えてあげてるの。

この3人、いつのまに仲良くなったのかしら。


レイがシンちゃんに気があるのはもう解ってるけど、アスカとレイが一緒に勉強してるなんて・・・

これもシンちゃんのおかげなのかしらね。


・・・シンちゃんって、凄いのね。





          7月19日(土) [惣流アスカラングレー]


今日はとてもいい天気だった。

こんな天気のいい日に家の中にいるなんて、これははっきり言って犯罪ね。


だから今日もシンジを外に連れ出したの。

シンジは相変わらず洗濯物がとか布団がとか言ってたけど、あたしも手伝ってさっさと片づけたんだ。

雨の降る様子もなかったし、ミサトもいるから平気よねって言って、遊びに行ったの。

もっともミサトは、あたしたちが出掛ける時にはまだ寝てたけど。



とりあえず当てもなくふらふらしてたら、ふと映画館の前にいたのよね。

映画を見るつもりなんかなかったんだけど、なんとなく見てみたくなったんだ。


シンジに言ったら

  『そう言えば僕、映画って見たことなかったよ』

だって。

実はあたしも、映画って見たことなかったのよね。

だから即、決定したの。



内容は、セカンドインパクト前を舞台にした恋愛物で、

幼なじみの二人がさまざまな境遇に会いながらもそれを乗り越えて最後には結ばれるっていう、

まぁはっきり言っちゃえば良くある話なんだけど、でも凄く感動したんだ。


シンジはどうかなって横目でちらりと見たら、シンジももう、しっかり見入ってた。

・・・そして気がついたら、シンジがあたしの手を握ってたの。

でもそれが凄く自然なことに感じて、あたしもなんにも言わなかった。



映画が終わって外に出た後も、ずっと手を繋いだままだった。

シンジもあたしも、なんにも言わなかった。



こういう感じってなんかくすぐったいけど、気持ちいいわね。





          7月22日(火) [惣流アスカラングレー]


あたしよ。

昨日、一昨日とこれを休んじゃったわね。



実はね、一昨日からシンジの奴が熱を出しちゃったのよ。

風邪だと思っていたんだけど、でもかなり高い熱が出て苦しそうだった。

ミサトもこういうときに限ってネルフに泊まり込みだしさ。

もちろん電話、したわよ。 そしたらミサトの奴、

  『アスカがいるなら大丈夫よね』

だって。

まったく、軽く言ってくれるわよね。

あたし、ホントに心配だったんだから。

シンジに万一の事があったらどうしようって。



だから、ずっとシンジの側にいたの。

食べるものもいろいろ考えて、頑張って一人で作ったわ。 

最近いろいろとシンジの手伝いをしてたの、役立ったわね。



昨日になってようやく、シンジも起きられるようになったんだ。

ご飯も食べられるようになった。

そして、あたしに言ってくれたの。

  『アスカ、本当にありがとう』

って。

何気ない一言だったんだけど、シンジのこころからの気持ちが込められている気がして、凄く嬉しかった。



今日はシンジもすっかり元気になって、いつも通りに学校に行ったんだ。

昨日はお休みだったから、学校は休まないですんだんだけどね。

もし学校があっても、シンジをおいていくなんて事は出来なかったけど・・・



あ、そうそう、もうすぐ夏休みよね。

一年中夏なのに夏休みっていうのも変だけど、でも嬉しいものは嬉しいもんね。

いい事がたくさんあるといいな。





          7月23日(水) [碇シンジ]


こんにちは。

風邪をひいちゃって、みんなに心配掛けちゃったみたいでごめんなさい。

もう大丈夫です。



今日、この前やったテストが返ってきたんだ。

いつもあまり良くない点ばかり取ってたんだけど、今回は少し、出来たような気がしてたんだ。

そしたらやっぱり良かったんだよ、テストの点。

結構一生懸命勉強したからね。

出来るとやっぱり嬉しいよね。

これも全部、アスカのおかげだよ。

僕ひとりじゃ絶対にダメだったもん。


  ありがとう、アスカ。




ホントにアスカには、世話になりっぱなしだよね。

日曜日、月曜日と僕が風邪をひいて寝込んだ時もいろいろと面倒を見てくれたし・・・

アスカは何も言わずに、僕の側にいてくれたんだ。

病気のときって何が一番嬉しいかって言われたら、やっぱり側にいてくれる事だよね。

多分、僕が寝てるときもずっと見ていてくれたんだと思う。

そう、感じてた。


いつもはうるさいなって思う事も多いけど、やっぱりアスカってホントは優しいんだよ。

それは僕が一番良く知ってる。

だからアスカ、ホントにありがとう。



いよいよ、明後日からは夏休みだね。

いい夏休みになるといいよね。

・・・ううん、いい夏休みにしようね。





          7月24日(木) [綾波レイ]


今日は終業式。 今日で、一学期が終わる。

明日からは、夏休み。 学校に来なくてもいいの。


学校に行っても、誰もいないの。

碇くんも、いないの。


学校では、碇くんに逢えないの。



ネルフに行けば、碇くんには逢える。

でもそれは、仕事だから。

仕事だから、学校にいるときみたいな気持ちにはなれない。



・・・あの人はいいわね。  いつも碇くんと一緒で。


・・・ずるい。


私も、碇くんと一緒にいたい。


どうしてだか解らないけど、一緒にいたい。

一緒にいるとドキドキして苦しくなるけど、でも一緒にいたい。



明日からは夏休み。

学校で、碇くんには逢えない。


どうしたらいいの? 私。



逢いたい・・・ 碇くんに。


こんなとき、どうしたらいいの?






          7月25日(金) [惣流アスカラングレー]


今日からいよいよ夏休みね。

何が嬉しいって、朝ゆっくり寝ていられるのがいいわよね〜〜


でもばかシンジは、しっかりいつも通りに起きてるのよね。

ホントにばかよね。こんなときに早くから起きているなんて。

もっとゆっくり幸せな夢の時間を楽しんでいればいいのに。



でね、今日は9時ごろになってシンジに起こされたのよ。

  『アスカ、そろそろ起きないと・・・』

って。



実はね、今日から暫く、ヒカリや3ばかの二人や、ファーストと一緒に夏休みに宿題をやる事にしたのよね。

うちが一番広いからっていって、うちでやることになったんだ。

それが10時からの予定だったから、シンジがそろそろ起こしに来るのはわかってた。



シンジは最初は部屋の外から声を掛けていたんだけど、あたしはちょっと意地悪して寝たふりをしてたの。

あたしがいつまでたっても起きる様子が見られないから、シンジは

  『アスカ、開けるよ』

って言って襖を開けた。

あたしはまだ、寝たふりを決め込んでいたんだ。シンジがどうするのかなって、笑いをこらえながら。



シンジはあたしのベッドの側まで来たんだけど、それから何も言わないの。

いる気配は感じるんだけど、何も言わないし、何もしない。



あたしはちょっと不安になって、神経をピリピリさせてシンジの様子をうかがってたんだ。

そしたらシンジはぼそっとこう言ったの。



  『寝てるときは、可愛いんだよね・・・』


あたし、顔から火が出そうだった。

顔、赤くなってなかったかな。



それからシンジは、ずれていたタオルケットをかけ直してくれて、

  『もう少しだけ、寝かせておいてあげよう・・・』

って、出ていった。




・・・あたし、やっぱり嬉しかったのかな?

よくわかんないけど、でも多分、嬉しかったんだと思う。



でも、「寝ているときは」っていうのは余計じゃない?


だけど、今日はいいわ。 許してあげる。



それから暫くして、シンジがまた来る前にあたしは起きた。

シンジにどういう顔をしたらいいか考えちゃったけど、でもいつも通りに振る舞ったつもり。


まあ、あの鈍いばかシンジは、ちょっとの事じゃ気づかないだろうけどね。




夏休みの初日としては、上々ね。





          7月26日(土) [鈴原トウジ]


なんか久しぶりやな。

昨日から遂に、夏休みに入ったんや。  やっぱりいいのぉ、夏休みは。

わしはひたすら遊びまくる予定やったんやけど、昨日からちょいと予定が入ったんや。

なにかやて?

それはな、勉強会や、べんきょうかい。


早いところ夏休みの宿題を終わらせよう言うて、シンジんとこに集まってみんなで勉強してるんや。

メンバーはまぁ、いつものメンツなんやけどな。

シンジにケンスケ、イインチョーに惣流、そして綾波もいるんや。


綾波もなぁ、最近は随分変わった気がするわ。

相変わらず表情には乏しいんやが、でも雰囲気が変わった。

特にシンジに対しているときはな。



あ、勉強会やったな。

わしはあまり勉強は得意やないから、もっぱら教えてもらう方なんやけどな。

イインチョーがいろいろ親切に教えてくれるんや。

めっちゃわかりやすいでぇ。

はっきり言って、学校なんかよりよう解るわ。

さすがイインチョーやな。



ケンスケの奴はわしと違って結構勉強できるんで、随分進んでいたみたいやな。

イインチョーも時々ケンスケには聞いてたようやし。


シンジは・・・

まあ、いつもの通りや。

相変わらず惣流にいじめられとった。 不憫な奴よのう、シンジも。


でもシンジの奴は、ちっともいやそうじゃなくて真面目にやっとったで。

あのへんはわしにはどうも解らん。



綾波はもっぱらシンジの脇に張り付いていたようや。

でもシンジの奴に聞いても解らんから、結局は惣流が教えとったな。

惣流と綾波が話しているとこなんて、わしは初めて見たわ。

てっきりあの二人は犬猿の仲だと思っとったが、そうでもないようやな。

ええことや。



おっと、この辺にしとこか。

勉強せんと、イインチョーにまた怒られるさかいな。


でも、なかなか楽しいわ、こういうのも。





          7月27日(日) [洞木ヒカリ]



こんにちは、洞木です。

夏休みになってずっと、みんなで集まってアスカのうち(あ、碇くんのうちでもあるわよね)で、

夏休みの宿題をやってたのよね。

こういうものは早くやっちゃった方がいいからって言って。

これ、誰が言い出したと思う?

なんと、アスカなのよ?

アスカって最近変わったわよね。 ずいぶん刺が無くなったって言うか・・・



でも今日は日曜日だから、やっぱり勉強もお休みにしようって言ってみんなで遊びに行く事にしたんだ。

何処に行くかでいろいろ話が出たんだけど、結局アスカの言う通りにみんなでプールに行く事にしたの。

碇くんが何故かいやそうな顔をしてたんだけど・・・ これは後でわかったわ。



でも、プールなのよね。

プールっていうと、やっぱり水着よね。

当たり前なんだけど・・・ でも恥ずかしいな・・・



私は青いワンピースの水着を着たの。

アスカは赤いビキニで、綾波さんは白いワンピースだった。

・・・アスカってホントにスタイルいいわよね・・・ 同じ14歳には見えないもん。

綾波さんも凄くスマートで・・・

私は自信、無いわよね。



でも鈴原は、相田と一緒にずっとふざけてたのよね。

私の事なんか、気にしてなかったのかしら。

それもちょっと、悲しいな。



そうそう、アスカはどうしてたかって言うと・・・

碇くんの泳ぎの特訓をしてた。

碇くん、泳げなかったんですって。 だから嫌そうな顔をしてたのね。

アスカはもう、徹底的にやってたみたいね。


だから私たちは私たちで、別に遊んでたんだ。

私と綾波さんと鈴原と相田で、ビーチバレーなんかして。

このプール、ビーチバレーまで出来るのよね。 面白かった。




今日一日、すっかり遊んじゃった。

またみんなでどこかに行こうって言って、今日は帰ったの。


ホントに楽しかったな。





          7月28日(月) [相田ケンスケ]


相田ケンスケです。 どうもお久しぶりです。


昨日はみんなでプールに行ったんだ。

僕も当然一緒に行った。

何せ、惣流と綾波が一緒に行くんだよ?

こんな絶好のシャッターチャンスを逃す手はないよ。

だから準備万端整えて、プールに行ったんだ。



いつもの写真とは訳が違うからね。 気合いを入れて行ったんだ。

その甲斐あって、いい写真が撮れたと思うよ。

そうそう、イインチョーの写真もしっかり撮った。

もちろん、トウジの奴のためにね。

トウジの奴、多分素直には受け取らないだろうから、今日、トウジのかばんの中にこっそり入れといたんだ。

あいつだってホントは欲しいはずなんだからね。

意地っ張りなだけでさ。


惣流と綾波にも、昨日の写真はしっかり渡したよ。

惣流なんか、シンジをしごいている写真ばっかりだったけどね。

「なによこの写真〜〜!」

って惣流は怒ってたけどさ。

でもシンジとのツーショットもしっかり押さえておいたんだぜ?

それ見せたら、惣流の機嫌はすっかり良くなったみたいだ。

まったく、単純だよな。


綾波にも、シンジと一緒の写真を撮ってあげたんだ。

シンジの奴は恥ずかしがってたけど、その写真を見た綾波はいままで見た事が無いくらいにいい顔をしてた。

こう言う顔を見るのは嬉しいよね。

写真を撮る甲斐があるってもんだよ。

あ、当然、今の綾波の顔も押さえたよ。

こんないい顔を逃しちゃいけないよな。



そんな訳で今日は勉強そっちのけで、昨日の写真で盛り上がったんだ。

全然勉強は進まなかったけど、たまにはいいよな。





          7月29日(火) [碇シンジ]


今日は朝から凄い雨が降ってたんだ。

だから、今日の勉強会は中止した。 だってこの雨じゃね・・・



一応みんな自分でやるって言う事にして、明日またやろうって事になったんだ。

最近随分みんな真面目にやってたから、結構進んでたんだよね。

みんなで出来るものは殆ど終わっちゃったくらいだから。

この勉強会もそろそろ終わりかな。



そういう訳で今日は、アスカと二人だけだったんだ。

ミサトさんは仕事があるしね。

あ、ペンペンもいたよね。


こう言う雨の日は、アスカはやっぱり好きじゃないみたいだ。

いつもは機嫌、悪くなるもんな。雨がすると。 

でも今日は、そんなに悪くはなかったみたい。

どうしてだかわからなかったけどね。

アスカ、

   『たまには雨もいいわね・・・』

なんて言うんだよ? 凄く意外な言葉だと思わない?

だってアスカっていつも元気だし、そういう事をしんみり言うなんて思わなかったんだ。

思わずそんな事を言ったら、アスカは

   『私だってたまには、ネ・・・』

だって。

僕は言った瞬間、またぶたれるかと思ってびくびくしたんだけど、でも今日のアスカはちょっと違ってた。

いつもと違って変な感じがしたけど・・・

でも、なんか僕も変な感じがした。

多分、アスカの様子がいつもと違ってたせいだと思う。



今日は一日、なんか変だった。お互いに。

でも、嫌な感じじゃなかったんだ。

なんて言ったらいいのかな、上手く言えないんだけど、でもちょっといい気持ちになったんだ。

アスカの違った面が見られたせいかもしれないね。



うん、今日は何も無かったけど、でもいろんな事があった一日だった。





          7月30日(水) [惣流アスカラングレー]



今までみんなで夏休みの宿題を一緒にやってたんだけど、一応今日で終わりにしたの。

一通りの事は終わったし、あとはそれぞれがやんなくちゃいけない事だから。

結構楽しかったな。 みんなでこうやって宿題をやるのは。


はっきり言ってあたしには数学とかは退屈なんだけど、でもばかシンジに教えたりするのは楽しかった。

前にも言ったけど、シンジは決して頭は悪くないのよね。

でも要領が凄く悪いのよ。

わざわざ遠回りするような答え方をしてたりね。

でも、ちょっとアドバイスをするとわかるから、教えていても教えがいがあったわ。


なによ、シンジ。何か言いたそうね。

え、なに? すぐに叩くのはやめろって?

なにいってんのよ。 こんなの可愛いもんでしょうが。

何せこのあたしに教えてもらってんのよ。 ありがたいと思いなさい。


でも、あたしも漢字はシンジに教えてもらったのよね。

なんで漢字ってあるのかしらってブツブツ言ってたら、シンジはわざわざ漢字の由来を教えてくれた。

ふーん、そうなんだ。 シンジって妙な事、知ってんのよね。

まああたしも知らない事はあるから、そういう事をシンジに教えてもらうのは結構嬉しいわね。

シンジも一生懸命に教えてくれるしね。



シンジについてはいつもと同じだけど、ファーストがいたのは結構違ったわね。

あの娘もね〜、もう少し愛敬よくすればいいのにね。

最初はホントに嫌な娘だと思ったわ。

まあ、今はそれほど嫌だとは思わないけど、でもシンジの事を狙ってるらしいからね。

油断ならないわ。



でも今日で勉強会も終わり。

明日からはシンジと二人だけだもんね。

宿題もだいたい終わったし、明日はどこかにシンジを連れだそっと。



明日は晴れますように。





          7月31日(木) [碇シンジ]


何故か、今日もまた僕が書いてます。


今日は朝方雨が降ってたんだけど、お昼ごろからいい天気になったんだ。

午前中は部屋でゴロゴロしてたアスカも、太陽が顔を出してからはもういきなり元気になって

   『シンジ! 出掛けるわよ!!』

だって。


何処に行くのって聞いたら、

   『そんなのは行ってから考えるのよ』

だもんね。

何処に行くかも決めてないのに、出掛けるも何も無いと思ったんだけど・・・

アスカが機嫌良さそうだったから、黙って後を付いてったんだ。


アスカは最近のお気に入りらしい、白のノースリーブのワンピースを着てた。

僕はまあ、いつものカッコだったけどね。



とりあえず街に出て、ぶらぶらしてたんだ。 ウインドーショッピングっていうのかな?

アスカは気に入った服を何枚か、買ってた。

もちろん、僕に持たせたんだけどね。

僕も覚悟してたから、別に何も言わなかったけどさ。



あちこち歩いて疲れてきた頃、アスカが急に

   『ここで待ってて』

って言って走ってどこかに行っちゃったんだ。

いきなりの事で、僕はぽかんとしてただけだった。


どのくらいそうやって待ってたかなぁ。 ようやくアスカが戻ってきたんだ。 そして

   『そろそろ帰ろ』

って言って、すたすた帰り始めたんだ。

僕はちょっとむっとして、それからは黙ってた。

アスカも何か考え事をしてたのか、黙ったままだった。



でも、家に帰ったら驚いたんだ。

だってアスカが、

   『これ、今日のお礼』

っていって、僕にプレゼントをしてくれたんだ。

僕は凄く驚いた。 別に今日は僕の誕生日でもないし・・・


開けてみたら、腕時計が入ってたんだ。 透明で、中が透けて見える奴。

   『これ、凄く人気があるのよ』

ってアスカは言ってたけど、僕はそんな事より、アスカが僕にプレゼントしてくれた事の方が

ずっと嬉しかった・・・


でね、そのあとアスカはちょっと顔を赤くして、こう言ったんだ。

   『これと色違いの奴、あたしも買ったんだ』


それって、ペアって事? まさかアスカが・・・ 信じらんないよ。



でも、ホントに凄く嬉しかった。 


アスカ、ホントにありがとう!





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