<旧車シリーズ 209>


MITSUBISHI GALANT GTO MU (A53CGS)


 1969年の東京モーターショーで参考出品されたGTX-1をベースに、市販モデルとして翌年に登場したのが、三菱初のスペシャリティーカー、コルトギャランGTOである。ギャランHTのメカニズムを活用しつつ、国産初のダックテールスタイルや、航空機をモチーフにしたコクピットデザインを採用した個性的なスポーツクーペである。
 発売当初は4G32型・水冷直列4気筒1597ccOHCエンジンを搭載したMT/MUのラインナップだったが、約1ヶ月遅れで、DOHC仕様の最速モデル「MR」が追加される。MRはソレックスのツインキャブを装着してノーマル比15psアップの125psを発生、シリーズ唯一となる5速トランスミッションとの組み合わせで、最高速度200km/h、0-400m加速16.4秒という俊足を誇った。このパフォーマンスに合わせ、リアのリーフスプリング枚数を4枚に増強、トルクロッドを追加するなどシャシーも強化されている。MRの価格は114.5万円と高価で、MTの79.1万円と比べると一層際立っている。

 初代ギャランGTOといえば、私はオレンジ色のイメージが強いのですが、これは、かつてミニチュアカーのトミカダンディシリーズで同色がモデル化されていた影響が大きいかもしれません。ちなみに当時、ダンディより小さいトミカシリーズではゴールド色が発売されていました。
 '70年11月に初期型がデビューしたGTOですが、山口陸運局ではシングルナンバーが終了する直前の際どいタイミングでした。そのため、写真の「山 5」ナンバーのGTOを発見した時はとても興奮したのを覚えています。露出不調の古いカメラで撮影してしまったことはちょっと悔やまれますが・・・。

推定年式:1971
撮影時期:1981年4月
撮影場所:山口県徳山市浦山開作にて