<旧車シリーズ 208>


DATSUN FAIRLADY 1500 (SP310)


 ダットサンスポーツの流れを汲むSP212型の時代に、輸出モデル名として用いられた「フェアレデー」は、1962年10月のフルモデルチェンジから正式名称となった。
 国産初の本格スポーツカーと称された二代目フェアレディ(SP310型)は、ブルーバードから受け継いだラダーフレームのシャシーをXメンバーで補強し、セドリック用のG型・水冷直列4気筒OHVの1488ccエンジンをSUキャブでチューンして搭載した。同じくセドリック用の4速トランスミッションとブルーバード用のファイナルギアとを組み合わせ、最高速度は150km/hをマークした。ユニークだったのは乗車定員で、運転席後方に横向きのシートを配し、2+1の3名乗りとなっていた。
 1963年にはツインキャブ化されて最高出力を80psにアップし、HT付モデルも発売された。1964年のマイナーチェンジでは随所で実用性を向上。三角窓が開閉可能となり、ワイパーもリンク式となった。この時からリア席が撤廃されて完全2シーターとなる。
 以降、1965年にはエンジンを1600cに換装したSP311型が、そして1967年には2000ccエンジンを搭載した高性能モデル・SR311型が登場することになる。


 最終兵器・SR311型のイメージが強い二代目フェアレディですが、その歴史はじつに古く、1961年秋の東京モーターショーから、すでにこの流麗なデザインがお目見えしていました。
 その昔、TVでタレントの上岡龍太郎氏が3人乗りのフェアレディを所有していた話をしていたことがあって、私は即座にこのSP310の初期型を思い浮かべました。それにしても、後席に横向きに座らされて、ドライバーにスポーツドライビングを堪能されてしまったら、乗員は果たして耐えきれるのでしょうか・・・。

推定年式:1964
撮影時期:2000年5月
撮影場所:広島県高宮町 クラシックカーフェスティバル会場にて