<旧車シリーズ 205>


DATSUN FAIRLADY 1200 (SPL212)


 フェアレディの名を世に広く知らしめたのは、1962年に登場したダットサン・フェアレディ1500(SP310型)であるが、このクルマにはさらにダットサンS211というパイロットモデルが存在した。
 1959年に発売されたS211は、主力セダン・ダットサン210のメカニズムを流用したもので、ラダーフレームのシャシーにFRP製ボディを被せた4座オープンのスポーツカーとして誕生した。大半がアメリカに輸出されたS211は、翌1960年1月にブルーバード310用のE型・1189ccOHVエンジンを得てSPL212型へ発展するが、この時にフェアレディという名称が付けられた。型式の「L」は輸出専用モデルの意味である。SPL212型ではボディがスチール製に変更され、デザインも若干モディファイされた。シャシーはダットサン・トラックのものに変更され、フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン&縦置きトーションバーの独立懸架式に進化した。
 同年10月には48psから60psにパワーアップした最終版、S
PL213が登場した。

 途中でボディ材質をFRP製からスチール製に変更しながらも、このオープンスポーツはなかなかの曲線美を保ち続けたといえますね。
 細かい話になりますが、各種資料で見る限り、この212型のツートーンカラーの境界部分にはメッキのモールが装着されているのですが、この写真のクルマにはそれが見当たりません。こういう仕様も実在していたのか、あるいはレストアの過程で生まれた亜種なのか?・・・ちょっと謎です。

推定年式:1960
撮影時期:1990年3月 
撮影場所:山口県徳山市糀町 クラシックカーイベント会場にて