ユキコさんの事件簿3

 

2003

 

ヘルパーさんを拒否

私が出勤する3日間のうち2日だけヘルパーさんに来てもらうことにしているが、これがけっこうやっかい。ユキコさんは、他人が出入りすることを嫌がってヘルパーさんを追い返してしまうのだ。

「夕食を作っていただくんですよ。掃除もしてもらえるし」と説明すると「手伝いなんていらない。自分で出来るから」という反論が返ってくる。でも、ユキコさんの料理は、鍋の中にサンマとちくわとリンゴとお茶の葉っぱとマヨネーズとジャムと…そのへんにあるものをぜーんぶ放り込んで仕上げにサラダオイルを加えるというオリジナルメニューなんだもの。

誰も食べられません。

 

 

てんてこ舞い

仕方がないので、ヘルパーさんに夕食を作ってもらうのは諦めて、夕方4時から6時までの間危険がないように見守ることだけをお願いすることにした。それでも、ヘルパーさんを迎え入れるかどうかは、その日のユキコさんの気分次第。ヘルパーさんは庭から中を伺い見るだけ、なんて日もあったりするのだ。

おかげで私はてんてこ舞い。仕事から帰ってまずリハビリパンツの交換。急いでユキコさんに夕食を出す。一人にしておくと「お父ちゃんとアキオの分」と言って料理を3つに分け始めるから、見張っていてしっかり食べてもらう。それを見届けてからうちの夕食を作り始める

私たちが食べ終わる頃、ユキコさんがお風呂に入りにうちへやって来る。脱いだものを又着てしまわないように素早く衣類を取り替える。お風呂から出たら着る順番を間違えないように一つ一つ手渡していく

水分補給をしてあげて母屋へお引き取りいただくと、やっと長い一日が終わる。仕事のない日は多少気持ちに余裕もあるけれど、勤務のある日はつらいなあ。