ユキコさんは、毎晩8時になると我が家へお風呂にはいるためにやって来る。その日は雨がざあざあ降っていた。8時半になっても来ないので、夫は母屋へ様子を見にいった。義弟が言うには、30分前に送り出したとのこと。じゃあ、いったいユキコさんはどこへ行ってしまったのだろう。
その時、庭の片隅からずぶ濡れになったユキコさんがヨタヨタと歩いてきた。明るいところで見ると、背中に葉っぱや土がたくさんくっついていた。夫の推理はこうである。「うちへ来る途中何かにつまずいて仰向けにひっくり返ってしまったんじゃないかな。すぐには自力で起き上がれなかったんだ、きっと」「えーっ、30分もそのままだったってこと?」と私。
肺炎にでもなったら大変と、すぐ着替えさせた。お風呂は省略。暖かくして寝んでもらった。でも、ユキコさんってホントに丈夫。翌朝何事もなかったかのようにぴんぴんして起きてきました。