言葉の世界・伝言板 2001年9月
はら
佐藤和美 (2001/09/30 12:15)
数日前に出版されたばかりの『日本国語大辞典第二版』第10巻からです。
はら【原】
1 平らで広いところ。特に、耕作してない平地。平原。*十巻本和名抄(934頃)一「原 毛詩云高平曰原<音源 和名波良>」 *源氏(1001-14頃)蜻蛉「この車をむかひの山の前なるはらにやりて」 *名語記(1275)三「のはら。松ばら。檜ばら、などいへる。はら如何。答、はらは原也、山は谷、峯、高下、不平なるに、はらはひらにひろき也。」
語誌
上代において、単独での使用例は少なく、多く「萩はら」「杉はら」「天のはら」「高天のはら」「浄見はら」など、複合した形で現れ、植生に関する「はら」、天・海・河などに関する「はら」、神話・天皇・陵墓に関する「はら」などが挙げられる。したがって、「はら」は地形・地勢をいう語ではなく、日常普通の生活からは遠い場所、即ち古代的な神と関連づけられるような地や、呪的信仰的世界を指す語であったと考えられる。この点、「の(野)」が日常生活に近い場所をいうのと対照的である。しかし、上代末、平安初期頃から、「の」と「はら」の区別は曖昧になった。
語源説
(1)ハラ(開)の義[東雅・和訓栞・大言海]。
(2)ヒロ(広)の義[日本釈名・和語私臆鈔・言元梯・大言海]。
(3)ヒラ(平)の義か[日本釈名・大言海]。
(4)平らで広いところから、ヒララカの反[名語記]。
(5)ヒロクタヒラ(広平)の義[言葉の根しらべ=鈴木潔子・国語の語根とその分類=大島正健]。
(6)ヒロアレクガ(広荒陸)の義[日本語原学=林甕臣]。
(7)ハルカ(遥)の義か[名言通]。
(8)ハはヒラ(平)またはヒロ(広)の約、ラはツラ(連)の約ダの転[和訓集説]。
(9)平々として人のハラ(腹)に似ているところからか[和句解]。
Re: ハルとハラ
松茸@MMR (2001/09/29 13:55)
> おっしゃるように大元のデータがちがっているのです。
……ここはお約束で;「な、なんだってー!!」
> 「赤飯はなぜ赤い? [以下略]」
……「どちらにしろ机上の空論―――本当のところはわからない―――」
「はる」が九州に特有の地名だとしたら、とりあえず「九州の方言形」と考えるのが妥当でしょう。その上で、古代に遡りうるものか中世以降の語形変化なのかを調べるのが順序で、いきなり検証不能の古代幻想を持ち出す必要はありません。
# 今でさえ、トンデモ邪馬台国論や極端な渡来人史観など、十分混乱し
# ている状態です。
また、「はら=原」を間違いなく「開墾地/耕地」の意味で使った用例がない限り、語形の類似で解釈するのは危険だと思いますが?
「対馬の歴史」にこんな記事が
k.oya (2001/09/29 06:50)
「、原をハラと読んではいけな い、絶対にハルと読まなくてはいけない、と力説していた。 何でも、 原(ハラ)はただの原っぱで、原(ハル)は米のできる神聖なところ、という意味だ」ということに関連して
「赤飯はなぜ赤い? 対馬の赤米(あかまい又はあかごめ)は、中国江南地方から朝鮮半島を経て伝わった稲の原種。弥生時代、新羅国の一族が豆酘(つつ)に定住して、稲作文化を伝えたと言われます。古代赤米は貴重品で、祝祭の儀式だけに用いられ、今もおめでたい日に炊く赤飯はこの赤米を模したものだとか。赤米はその後、収穫量が多く味のよい白米に取って代わられますが、白米の白は純潔を、赤米の赤は祝事を表現。紅白幕や紅白餅など、日本人の暮らしと文化に根をおろした「白と赤」の原点が、こ の白と赤の米にあることは、意外に知られていないことです。」という文章が、以下のホームページにありました。
http://www.yoka.ne.jp/tsushima/rekishi/index.html
なお、豆酘(つつ)は、対馬の南端に位置する地名です。
氾濫原の開墾地
アリオーソ (2001/09/28 18:16)
おっしゃるように大元のデータがちがっているのです。
でもここまで広がると、恐ろしいことですね、こうしたミスは・・・。
“針原”は、<ハリ+ハラ>で、もしかすると「原」の原義・語源が忘れられて新しい開墾地に、<墾り原>とつけられたのではないかと、思います。
なお、この辺りは、3000メートル級の北アルプスから流れ下る急流河川で知られる(知られてない?)常願寺川の氾濫原を開拓したところです。
(明治時代のオランダ技師(デ・レーケ)が、この川の上流を視察した際、「これは川ではなく滝だ」と言ったというエピソードが伝わっています。
データミス
UEJ (2001/09/28 10:13)
> これは、データ作成者の入力ミスによるものと思われます。
あらら、そうなんですか。
一応そういう可能性も考えて、googleで検索したら4件ほど出てきたので安心していたのですが、
どうやら大元のソース(おそらく郵政省のデータ)が間違っているようですね。
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&ie=utf8&oe=utf8&q=%E3%81%AF%E3%82%8A%E3%81%B0%E3%82%8B+%E9%87%9D%E5%8E%9F
<原>雑感
アリオーソ (2001/09/28 09:18)
UEJさま、↓の件、出勤前の急ぎのRESで失礼しました。
まず、訂正。
富山県内には「針原」地名が点在していますが、下記の富山市内のものは、「ハリワラ」と発音され、角川の地名辞典などにも「ハリワラ」で立項されています。(しかし、漢字表記につられてだと思いますが、「ハラハラ」と読まれることもあるように思います。
そうしたことから3点ばかり、雑感を。
@文字表記と現地の発音は、きちんと確認する必要があるということ。
九州の件も、「○ハラ」とヨミガナ表記されていても、現地の方、あるいは現地の古老の方(ちょっとこの表記は多用したくないのですが、便利なので今、使います)に確認すると、「○バル」と呼ばれている「可能性」もあるということ。
A「ハラ(バラ)」「ハル(バル)」だけでなく、「ハリ(バリ)」も、考察の対象に含めるとおもしろいということ。「ニイハリ」などは、新開墾地の意味だと思います。
B個別に、その地の集落としての成立年代を調べ、「ハラ」「ワラ」「ハル」「ハリ」の分布などを調査すること。などなど。(「バル」の発音も「varu」→「waru」に近いかも)
思いつきですがおもしろいことになると思います。
とりいそぎ・・・。ハル地名について
アリオーソ (2001/09/28 07:18)
ご指摘の
富山県富山市針原新町(ハリバルシンマチ)
富山県富山市針原中(ハリバルナカ)ですが、
これは、データ作成者の入力ミスによるものと思われます。
上記は、ともに(ハリハラ)です。
地元の人間がいうのですから、間違いはありません。
ハルとハラ
UEJ (2001/09/28 04:00)
ZIPJISという全国の住所を納めたフリーのテキストファイル(下のリンク)があるのですが、
これをデータベースにぶち込んで「ハル」または「バル」と読まれる「原」を含む住所を検索してみました。
# またヒマなことをしてしまった ^_^;)
現行住所のしかも市町村レベルより下の住所のみですが、
二箇所だけ(一箇所みたいなもんですが)九州外の地名を発見。
富山県富山市針原新町(ハリバルシンマチ)
富山県富山市針原中(ハリバルナカ)
残りは見事に九州です。
山口・四国あたりに一箇所くらいあるかと思っていたのですが…。
逆に九州内には「原」を「はら」または「ばら」と読むところも沢山あります。
先ほどの投稿のように、九州では「はら」と「はる」を区別している、ということでしょうか。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA000928/zipjis/zipjis.htm
「犠牲者」と「被害者」
jinng (2001/09/27 23:53)
GAUCHAさんレスありがとうございます.
でも,「被害者」だけでは,命を落とされたという意味が出てこないですね.
単に「死者」「死亡者」ではストレートすぎる感じもしますし・・・.
他の言語ではどのように,表現されるのでしょうか?
たぶん,宗教観,生死観なども影響してくるのでしょうね.
ハルとハラ
UEJ (2001/09/27 23:42)
こんな話を見つけました。
| この小屋の管理人は、神原(こうばる)とか小原(おばる)などの地名について、
| 原をハラと読んではいけない、絶対にハルと読まなくてはいけない、と力説していた。
| 何でも、原(ハラ)はただの原っぱで、原(ハル)は米のできる神聖なところ、という意味だそうで、
| 地元の人は原(ハル)と読むことに誇りをもっている、とのことだった。
「墾る→ハル」説に一票、というところでしょうか。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~tamu/86sobosan.htm
地名の分布に歴史を探ってみては
アリオーソ (2001/09/27 23:01)
54歳であらせますとのこと。頭が下がります。
この未然形が名詞化という現象は、かなり古い時代ではないかと思います。(誰が教えてください。)
この語形に九州に田地が切り開かれていった古い時代が反映しているのではないでしょうか。
まったくの思いつきです。
いろいろありがとうございました
k.oya (2001/09/27 10:50)
すぐにご返事を頂いてありがとうございました。
どこで調べたらいいのかわかりませんでしたので、とても助かりました。
実は大学のレポートのテーマにしようと思って、「原」をあ「ばる」と読む地名を調べました。(「学者牛」というホームページで調べました。)
その結果、福岡県が42カ所、佐賀県が12カ所、長崎県が14カ所、熊本県が28カ所、大分県が32カ所、宮崎県が17カ所、鹿児島県が15カ所、沖縄県が23カ所でした。
そういう呼び方をするところは九州以外のところには本当にないのだろうか。
とても不思議です。
ともあれ、いろいろ参考にさせていただきます。
ありがあとうございました。
ことばへの興味、疑問
アリオーソ (2001/09/27 00:19)
UEJさん、有難うございました。
昨年の12月に話題になっていたのですね。(私は、新参者で、過去ログを少しずつ読んでいますが、豊富な情報量に消化しきれていません。)
語源をはじめ、いきものの言葉について興味、疑問は尽きません。
今後とも皆さんよろしくお願いいたします。
未然形の名詞化?
UEJ (2001/09/26 23:53)
> 他にも探してみます。
と思って検索してたらこの掲示板の過去ログが引っかかりました ^_^;)
2000/12/16 02:09のたきさんの投稿以降です。
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/bbs/bbs0012.htm
Re: 原(バル)について
UEJ (2001/09/26 23:42)
投稿したら、アリオーソさんが既に書き込まれていました。
> 「原(ハラ)」は、〔ハル=墾る〕(開墾する、の意)という動詞の未然形が名詞化した...
おおっ、なるほど。
> (こうした、<未然形の名詞化>の例、ほかにあったらご教示ください。)
とりあえずすぐに思いつくのは「掘る」→「洞」。
他にも探してみます。
Re: 「原」を「ばる」と読む地名について
UEJ (2001/09/26 23:34)
ことば会議室で「ばる」に関する面白い会話があったのでリンクします(一番下↓)
どうして「ばる」と読むか、という質問に対しては
昔からそう呼んでるからとしか私は回答できません。
一応福岡出身ですが。^_^;)
沖縄の天然記念物ヤンバルクイナの「ヤンバル」も
「山原」という本島北部を表す地名から来ていますね。
一方九州にも「島原(しまばら)」という「ばら」と読まない地名があったりします。
語源的に「原」ではないという可能性もありますが。
「原」の語源を調べると何か分かるかもしれませんね。
http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/BBS/room_1/read.bbs?BBS_MSG_000208172840.html#010925125158
原(バル)について
アリオーソ (2001/09/26 23:31)
先日は、「べしや」の件で、massangeanaさま、佐藤さま、ご教示ありがとうございました。
(「べきや」については、「べきか」との混同もあるのかな、と思っています。そんなことも含めて、実は、まだ自分なりに、整理できていないものですから、お礼の書き込みをしないままになっておりました。すみません、よく考えてみたいと思います。)
ところで、原(バル)の件について、思いつきを・・・・(間違っていたらご指摘ください)
「原(ハラ)」は、〔ハル=墾る〕(開墾する、の意)という動詞の未然形が名詞化したものだと、ものの本で読んだことがあります。
→ハラは、開墾された平らにされた土地という意味合い
*同様の例が、「塚(ツカ)」。
〔つく〕(築く、の意)の未然形が名詞化したもの。
(こうした、<未然形の名詞化>の例、ほかにあったらご教示ください。)
とすれば、「原(バル)」は、ハルという動詞の終止形がそのまま名詞化したものだと思うのですが。
なぜ、九州にということについては、まったく見当もつきません。
RE:犠牲者
GAUCHA (2001/09/26 21:14)
私も今回の事件では、「犠牲者」よりも「被害者」と表現した方がいいと思います。テロが根絶されたとき初めて今回の被害者たちは、「平和のための犠牲者」だったといえるのではないかと思います。
しかし、新明解国語辞典には、ちゃんと「俗に、不測の事故・災難による死者の称」とあります。この解釈は、世で流布している「犠牲者」の用法を検討した結果であると思われます。言葉の専門家でない限り、個々の言葉の用法には無頓着で、「犠牲者」が元来持つ「生け贄」という意味を考えずに、あるいは知らずに、「犠牲者」を使っている人が多数派であるということだと思います。
「原」を「ばる」と読む地名について
k.oya (2001/09/26 15:18)
九州地方には「原」という地名を「ばる」と読むところが多いのですが、どうしてでしょう?ご存じの方は教えてください。
「犠牲」
jinng (2001/09/26 14:12)
はじめまして,いつも楽しく読ませて頂いてます.いろいろためになる
話題ありがとうございます.
さて,最近,件の事件の記事で「犠牲者」という言葉を頻繁に見かけます.
知人から,「なんかおかしくない?」といわれ,よく考えるとだんだんしっく
りこないような気がしてきて,皆様のご意見をうかがいたく思っています.
岩波国語辞典を見ますと.
ぎせい【犠牲】(1) 一層重要な目的のために、自分の生命や大切なものをささ
げること。「―を払う」(2) 天災など不測の災難によって生命を失うこと。
「地震による―者」_もと、神などを祭る時にささげる生き物。いけにえ。
とあります.
この,場合(2)の意味で使われているのだろうと,思うのですが,どこか(1)の
意味を引きずっており,「被害者」という意味合いが薄いように感じるのです.
また,個人的な感覚ですが,仮に私の身内がこのような不幸な出来事にあった
ときに,それを「犠牲なった」とは表現しないような気がします.
特に,今回のように人的災害が明らかである場合は殊更です.その死に,何ら
かの有意義な意味付けをしたい,というような配慮は感じられるのですが,い
かがなものでしょうか.
かといって,別の適切な言い回しも思いつかないのですけど.
また,他の言語ではどのように表現されるのでしょうか?
どなたか,ご意見をお聞かせください.
「用務員」は差別語?
GAUCHA (2001/09/26 12:42)
差別語について調べています。
NHKの放送番組基準によると、「小使い」は「校務主事」「校務員」と言うそうです。私は「小使い」は昔の言葉、現在は「用務員」と言うのだと思っていたのですが、「用務員」も差別的表現だそうです。これで、息子が千葉県の公立小学校へ行っていたとき、子供たちが用務員さんも給食の調理員さんもすべて「先生」と呼んでいた事情が分かりました。
でも、どうして「用務員」が差別的表現なのでしょう。1991年にテレビのクイズ番組で、司会者の扮装とポーズを見て、回答者の一人が「用務員のオジサンみたい」と発言したことに、労働団体が抗議したということですが、別に用務員の仕事を蔑視した上での発言じゃないと思いますけどね。
まあ、当人たちが「用務員」という用語に差別感を感じ、「校務員」ならそれを感じないということなのでしょうか。そうだとしたら、2,30年後には「校務員」も差別的表現だと言い出すかもしれませんね。
アイヌ語の地方差
poronup (2001/09/23 22:45)
>モーセンゴケさん
はじめまして。
私の知っている範囲で書きます。
まず、結論から言いますと、アイヌ語も日本語同様、地方差(方言)があります。
北海道内部で言うと、胆振や日高、十勝、釧路、道央など、いくつもの地方によって異なるようですが、まったく通じないほど違うわけではないと思います。
ただし、昔、帯広のアイヌが。根室に行って地元のアイヌと話したところ、まったく通じず、かえって日本語で話した方が通じた、という話を読んだことあります。
やはり、隣り合っている地方の方が言葉通じやすいと思います。
また、アイヌ語には、日常会話の言葉とは別に、雅語ともいうべき言葉があって、節をつけて歌うように語る、ユカラなどの物語や挨拶の言葉などで使われます。これらはより通じやすかったそうです。
有名なアイヌの古老・山本多助翁が樺太に行ったところ、まったく言葉が通じなかったが、ユーカラの言葉で語ったところ通じた、ということを本に書いてます。
あと、千島のアイヌ語も断片的な記録は残ってますが、北海道アイヌ語とはやはり違いがあったようです。ロシア語の影響も大きかったようです。
あと、アイヌ民族の起源についてはいろいろな説がありますが、少なくとも言語の面から見ますと、樺太や千島のアイヌは北海道アイヌの分かれ目であることは確実だと思われます。
北海道には少なくとも10万年前から人が住んでいますが、それが現在のアイヌ民族の祖先だったと思われます。
道東や道北のアイヌが、それぞれ千島や樺太から来たという根拠は何なのか疑問です。
ただし、いわゆる「オホーツク人」も現在のアイヌ民族の先祖の一部であったと思われますので、その人たちが千島もしくは樺太方面から渡ってきたとするならば、アイヌの先祖の一部が樺太もしくは千島から渡ってきたとも言えます。
とはいえ、オホーツク人の起源や民族系統についてもいろいろな説があるので決着がついてないようです。
※ オホーツク人については、下のURLをご覧ください。
いずれにせよ、道東アイヌが千島起源、道北アイヌが樺太起源、というのは無理があると思います。
http://www.ohotuku26.or.jp/fantasy/moyoro/moyoro.html
アイヌ語は1種類ですか
モーセンゴケ (2001/09/22 16:25)
はじめまして、以前のこの伝言版にはアイヌ語を研究した方がいらしたので教えていただきたい
のですが、千島列島経由で北海道に入ってきた道東アイヌ、樺太経由で北海道に入ってきた道北
アイヌ、本州から渡った民族である道南アイヌの3系統があると読んだことがあります。(本は
忘れてしまいました。) これが本当ならアイヌの言葉も地方によって、ほとんどお互いに会話が
成立しないくらい著しく異なっていても不思議ではないのですが、アイヌ語って1種類なのでし
ょうか?
国境地名
UEJ (2001/09/21 22:24)
私の好きな「国境地名」はこれです。
甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)
甲斐・武蔵・信濃の国境にあることに由来する名
滋賀と福井の県境にはそのものずばり国境峠(くにざかいとうげ)という峠があります。
神奈川の相鉄沿線には「三ツ境」という駅があったけど、あれはどういう意味だろうか。
両国、境港、三国
佐藤和美 (2001/09/21 12:52)
旧国名での境の話です。
「両国」(1998/05/21 21:00)
>両国という地名の由来ですが、あのあたりは「武蔵」(むさし)と「下総」(しもうさ)のくにざかいにあたるところで、両方の国ということで、両国という地名がつきました。
境港は伯耆(ほうき)と出雲の境にあった港ですね。
なお各地に「三国○○」という地名がありますが、これは三つの国(旧国名)の境にあった地名です。三国峠とか、三国山とかですね。
例外もあるようなので、旧国名の地図と位置を比較してみるのもおもしろいかも。
Re: べしや
佐藤和美 (2001/09/21 12:47)
massangeanaさん
>教科書的にいうと, 「や」は終止形の後ろにつくことになっています(わが思ふ人は
>ありやなしやと) から, 「べしや」がより古い形であったでしょう。
完全に勘違いしてました。(^^);
ご指摘ありがとうございます。
>>ちなみに「○○はXXすべき。」
>これは, 「べし」の連体形ではなく, 現代語の「べきだ」の「だ」が落ちた形で
>しょう。
古文と現代文がごちゃまぜのヘンな書き込みをしてしまいました。(^^);
Re: べしや
massangeana (2001/09/21 00:09)
教科書的にいうと, 「や」は終止形の後ろにつくことになっています(わが思ふ人は
ありやなしやと) から, 「べしや」がより古い形であったでしょう。
しかし, 「や」の前が連体形になっているものもけっこうあります。いつごろから
この形が発生したのかちょっと手元に資料がないですが, 歎異抄には「べきや」が
大量にでてくるようですね。漢文訓読でもよく使いますし。
>ちなみに「○○はXXすべき。」
これは, 「べし」の連体形ではなく, 現代語の「べきだ」の「だ」が落ちた形で
しょう。
べし
佐藤和美 (2001/09/20 12:04)
「べし」の活用はどうだったかな?
いつもの『大辞林』から。
べし
(助動)(べから・べく(べかり)・べし・べき(べかる)・べけれ・○)
つまり、
終止形 べし
連体形 べき
「べしや」は終止形「べし」に「や」がついてますね。
つまり「終止」してない。
ちなみに「○○はXXすべき。」というのは終止形じゃないのに終止してる例です。
<べきや>と<べしや>
アリオーソ (2001/09/20 00:57)
はじめておじゃまします。語源や言葉遣いに興味がある者としては、今まで知らなかったのがとても残念なページです。
ところで、文末で「〜べきや」と「〜べしや」の2通りの表現がありますが、文法的にはどうなのでしょうか。(要は、「や」の前にくる語の活用形に何か決まりがあるのでしょうか、文語、口語の問題でしょうか。)
ご教示くださるとありがたいのですが。
リンクのご連絡
ミューネット北海道 (2001/09/19 10:32)
こちら北海道のホームページリンク集を制作しております
ミューネットホッカイドウの斎藤と申します。
このたび、貴ホームページを
当方のホームページにリンクさせていただきました。
情報の掲載内容として、テキストによる紹介と、
貴ホームページへのジャンプのみで、画像や文面の転載などは
しておりませんが、不都合・問題がありましたら
メールにてデータの削除のご連絡をお願い致します。
事後で誠に恐縮ですが、何卒、よろしくお願い致します。
http://www.munet2000.co.jp
Re:イスラム教徒の名前
massangeana (2001/09/19 05:33)
切り方は難しいですね。「アブドゥル」なんとか, というのはアラビヤ語でのつづりの
きり方とまるっきり異なるわけですが, しょうがないかなとも思います。
長い名前といえば, サウジの建国者イブン・サウードのフルネームは長いですね。
カタカナで書いたら, 「アブドゥル・アジーズ・イブン・アブドゥル・ラフマーン・
イブン・ファイサル・イブン・トゥルキー・アブドゥッラー・イブン・ムハンマド・
アル・サウード」くらいでしょうか?
http://www.naqshbandi.org/ottomans/wahhabi/ibnsaud.htm
長い名前
GAUCHA (2001/09/18 21:17)
マレーシアのイスラム教徒に関する限り、親が欲張って複数の名前を付けることが多いようです。例えば、
Mohamad Abdul Rahman bin Mohamad Azziz
もちろんとてもシンプルに
Ahmad bin Mohamad
なんてのもありますが、大概が、名前を複数持っています。私が知っている範囲では、女性でしたが、父親の名前も含めて全部書いたら、10ぐらいになるという例がありました。もちろん日常生活でそれを全部使うわけではなく、Ahmad Abdul Rhaman bin ナントカ だったら、Ahmad か、Abdul
か、Rhaman の どれかを使っているわけです。どれを使うかは子供の時から習慣で決まっているみたいです。
ですから、正式に名前を書くととても長い人が、アメリカや日本の入国カードに名前を記入するとなると、どこかを省略しなければならないわけです。もちろん、息子・娘を表すbin/binti
も 書かないでしょう。マレーシアのイスラム教徒も英語で表記する場合は、単に自分の名前・父親の名前という具合に書いていました。
例の人物の正式な名前も、アラビア語の公式なものを見なければ分かりませんね。全部並べると長くなるから、適当に省略した形が複数流布しているとも考えられます。それで父親の名前がモハマドだったり、ラディンになっているのでしょう。
若干訂正。Re:ウサマ……
松茸 (2001/09/18 19:12)
> 「ウサマ・ビン-ラディン」ですか。
> 予想外の表記方法でした。(^^);
……Googleのディレクトリで;
http://directory.google.com/Top/Society/Issues/Terrorism/International_Terrorists/USA_Designees/Al-Qaida/Usama_Bin-Laden/
になっていたりするので、思い込んでいましたが、アラビア語でも切って表記するらしいので、「ビン・ラ(ー)ディン」も間違いとは言えないようです。
たとえば、くだんの人物の指名手配ページ:
http://www.dssrewards.net/Arabic/binladen.htm
上から四行目が名前で、ローマナイズすると“Us'mh bn l'dn”になります……よね?
一方、本家(?)の公式サイトは;
http://www.saudi-binladin-group.com/
で、“Binladin”と続けています(アラビア語表記は未検索)。
……間をとってハイフンを入れるのが、やっぱり穏当か? (^^;
ウサマ……
佐藤和美 (2001/09/18 12:16)
皆さま、ありがとうございました。
「ウサマ・ビン-ラディン」ですか。
予想外の表記方法でした。(^^);
Re:イスラム教徒の名前
松茸 (2001/09/18 06:23)
> 疑惑の人物の場合、父親は「ムハンマド・ビン-ラディン」なので……
と書こうとしたら、massangeanaさまに先を越されていました。(TT)
> イスラム教徒の名前は、「某の息子のナントカ」「某の娘のナントカ」です。
……一般論としてはこれでOKですが;
・この形式のアラブ人名はムハンマド以前からあり、イスラム特有というわけではない。
・アラブ=ムスリムにはこの形式でない名前も多い。
・非アラブ=ムスリムは、母語の名前を持つこともある。
・伝統的に非ムスリムの「アラブ人」(アラビア語話者)社会も存在する。
テロ事件に全然関係ない人が「ムスリム」「アラブ」であるだけで暴力や嫌がらせの対象になっていると報道されていることもあり、少し神経質に補足しておきます。
Re: ビン・ラディン
massangeana (2001/09/18 06:08)
ウサマの父親の名前はムハンマドのようです。
Usama bin Muhammad bin Ladin とか, Usama bin Muhammad bin Awad bin Ladin
と書いてあるページもあります。
http://waxdog.com/archive/papers/Osama%20Bin%20Laden.pdf
Re:イスラム教徒の名前
朝倉勇一 (2001/09/18 04:49)
GAUCHAさん、お久しぶりです。
イスラム教徒の名前のつけ方のルールを知り、目からウロコ(のようなもの)が落ちたような気がしました。
今まで何となく疑問に思っていたことがこれですっきりします。
イラクのサダム・フセイン(Saddam Hussein)大統領の父親は(Hussein al-Majid)で、サダムの息子ウダイは(Udai Saddam)。そうすると、一般的に(Udai Saddam Hussein)と書かれるのは、ムスリム以外の人たちに分かりやすくするための方便と考えてよいのでしょうね。
氏名の付け方(ついでに)
田邉露影 (2001/09/18 04:10)
私のサイトの
http://homepage1.nifty.com/roei/gengo/seimei/index.html
でも紹介しておりますが、
ハンガリー語の場合は
日本人と同じく姓・名で名乗ります。
(バルトークならバルトーク・ベーラ、
シフならシフ・アンドラーシュ
ショルティならショルティ・ジョルジュ etc.)
また、アイスランドでは
「名・父の名」
という命名法でして、
実は古代ゲルマン社会では、
そういう名づけ方は
珍しくはありませんでした。
(多分、既出かと思いますが、
Jefferson の son は息子、
Andersen の sen も息子)
GAUCHAさんのご発言と同じく、
やはり
・知らない人が記事を書く
↓
・それが日本のスタンダードになる
という傾向が見られるようです(^_^;。
訂正
GAUCHA (2001/09/17 22:09)
マレーシア語で息子は、anak lelaki です。
マレーシア語表記ではイスラム教徒なら、Mohamad Ali bin Abdul(アブドルの息子のモハマッド・アリ)sharifa binti Abdul(アブドルの娘のシャリファ)
イスラムでも中国系でもない人は、マレーシア語での表記は、
Simon anak lelaki John(ジョンの息子のサイモン)
Susana anak prumpuan (ジョンの娘のスサナ)
イスラム教徒の名前
GAUCHA (2001/09/17 21:53)
イスラム教徒の名前は、「某の息子のナントカ」「某の娘のナントカ」です。「ビン」は息子という意味です。(娘なら「ビンティ」)だから、今話題の人物は、「ラディンの息子のオサマ」です。新聞やテレビのニュースで、「ビンラディン」とか「ラディン」と省略しているのは、イスラム教徒の名前について知らない人が原稿を書いているからでしょう。
「彼らには日本人が考えるような家族姓、つまり名字と言うものはありません。そのことについてまだ知らなかった頃、20年ほど前ですが、イスラム教徒の人が、英語式表記の名札をつけていたので、後ろが名字だろうと思って、Mr.Sharrifと呼びかけたら、「それは父の名前です。私の名前はもう一つの方です」と言われました。その後、マレーシアで暮らして、イスラム教徒の名前のシステムを知りました。マレーシアは複合民族国家ですから、イスラム教徒以外の国民がいます。中国系の人の名前は、「家族姓・名前」ですが、イスラム教徒じゃないインド系や非マレー系の土着民系の人の名前も、「某の息子(娘)のナントカ」です。ただし、「ビン」「ビンティ」ではなく、息子、娘を表すマレーシア語 anak jelaki,anak prumpuanを使います。
ウサマ……
佐藤和美 (2001/09/17 12:10)
ウサマ・ビンラディン
ウサマ・ビン・ラディン
二つの表記を見かけるけど、どっちが正しいのかな?
「ウサマ・ビンラディン」が正しいんなら「ラディン」とは言えないけど。
伝言板の整理
佐藤和美 (2001/09/16 14:16)
この一年の伝言板に書き込まれた内容を整理しました。
以下のように新規追加・更新を行ないました。
新規追加
「語源・思いつくままに(日本語編)PART3」
「日本語の発音PART2」
「語源・思いつくままに(外国語編)PART3」
「英語の発音とそのカナ表記PART2」
更新
「日本語と中国語」
(細かい追加・修正についてはふれていません)
北海道
永瀬研二 (2001/09/15 23:27)
「北海道」をあらわすアイヌ語,多分日常的には用いられてはいなかった(雅語的な言い回しかな?)とは思いますが,「ヤウンクルモシリ yaunkur-mosir 内陸人の国」ってのもありましたよね.ユカラとかの中では,アイヌモシリって言葉も,たとえばカムイモシリ(神の国),カントモシリ(天の国),シサムモシリ(隣の国=本州)なんかと対になって使われることがあるし,アイヌが北海道を全体として把握してなかった,って事は無いはずですよね(ロシアや中国とも昔から交易してたわけだし).
「アイヌモシリ」だと,狭義では北海道,広義では地球上すべてにもあてることができて(そういう意味での使い方がユカラとか昔話にある訳ではないですけどね),個人的に好きな言葉です.
以前,NHKでアイヌのウパシクマ(言い伝え)のことを,語り部の中本ムツ子さんに取材した番組を放送しましたが,そのウパシクマのなかに「人間の国に下ろされたものに,何一つ無駄な物は無い,たとえ人間に害をなすものであっても,何かの理由があって存在している」というような意味の物がありました.これは原文では,「アイヌモシッタ,・・・」というような語りだしでしたが(よく聞こえなかった),これも「地球上」って意味でも充分通じますよね.アイヌ民族に限ったことではありませんが,こういうエコロジー的な思想を持って開発事業とかすれば,今更温暖化だの砂漠化だの騒がなくても住んだだろうにな,と思います.・・・ていうか全然関係ない話に・・・佐藤様,削除して下さって結構です(^^;
のどちんこ
佐藤和美 (2001/09/15 14:11)
>「のどちんこ」の言葉の語源について教えて下さい。辞書などで調べると正式名称は口蓋垂というそうなんですが、なぜ一般的には「のどちんこ」というのだろう?いろいろ調べてみたのですが、答えが見つからず困っています。よろしくお願いいたします。
最近の若い人って「ちんこ」を聞いたこともない?
『広辞苑』に載ってました。
のどちんこ【喉ちんこ】
「(「ちんこ」は男根の幼児語)口蓋垂(こうがいすい)の俗称。」
「Hな話」のネタにでもするかな?
(過去、何回か「Hな話」やってます。)
アイヌ語では「ちんこ」のことを「チ」と言い、指小辞は「ポ」です。
で、この「チポ」が日本語に入り、訛って「チンポ」になりました。
……の、わけないか。(^^);
与太話ですいません。
(アイヌ語に「チ」(男根)、「ポ」(指小辞)はありますが、「チポ」はありません。念のため。)
>わたしは「のどぢんこ」と濁って発音しています。
># 東京生まれで、千葉育ち
>地域によって濁ったり濁らなかったりするのでしょうか?
私は方言の資料あまり持ってないんでなんとも言えません。
でもまわりでも「のどぢんこ」と言ってれば、個人の発音のクセではない。方言として定着してる可能性が高いのではないでしょうか。
RE:『北海道』はアイヌ語では?
佐藤和美 (2001/09/15 14:09)
ま、普通は「アイヌモシリ aynu mosir」(アイヌの国、人間の国)でしょう。
なお、「カイ」はわけのわからない単語です。
「1999年伝言板アイヌ語関係集」
この12月下旬の書き込みを読んでみてください。
アイヌ語の短母音・長母音
佐藤和美 (2001/09/14 12:11)
>知里真志保「アイヌ語入門」p.123に、単母音と長母音についての記載があります。これからは、どちらでもいいように思えるのですが。他に、なにか根拠があって記載しているのでしょうか。
知里真志保『アイヌ語入門』(北海道出版企画センター)の該当の部分
「母音は、原則として、短かく発音されるが、アクセントある語頭の開音節は、長めに発音される傾向がある。しかし、それを短かく発音したからとて、なんの不都合も起こらない。」
>>「リー」(長母音)だったらいいけど、「リイ」(重母音)ではダメだと言うことです。
>そのとおりですね。でも、以下の記載があったものですから。
>>「カムイ・トー」ではなく「カムイ・トkamuy-to」である。
知里真志保流に記述すれば(アクセントのある位置を平仮名で書けば)、
「kamuy」は「カむィ」、
「to」は「と」だが、
「kamuy-to」は「カむィト」である。
「kamuy-to」の「to」は語頭でもなければ,アクセントもない。
のどちんこ
のぐり (2001/09/13 17:13)
わたしは「のどぢんこ」と濁って発音しています。
# 東京生まれで、千葉育ち
地域によって濁ったり濁らなかったりするのでしょうか?
のどちんこ
佐藤和美 (2001/09/13 12:57)
>「のどちんこ」の言葉の語源について教えて下さい。
語源というほどのことはないんじゃないですか。
そのものずばりで。
『北海道』はアイヌ語では?
工藤 (2001/09/13 12:40)
はじめまして。
飛び入りで恐縮ですが、アイヌの人々がこの土地を彼らなりにどういう言葉を使って表現していたかを知りたいと思います。
彼らは現在私たちが『北海道』と呼んでいる土地を、彼らの言葉ではどのように呼んでいたのでしょうか?
『蝦夷』という言葉も『北海道』という言葉も、所詮内地の人たち、北海道の外側に住む人たちが彼らの感性で付けた名前だと思うのですけれど。
私たちが現在、ここを北海道と親しみを込めて呼ぶように、何百年もこの北の地で生を営んできたひとたちは、この地をどう表現していたのでしょう。
本などでは「カイ」という言葉が一番近いようなのですが….
それとも、アイヌの人たちは、北海道を全体として把握していなかったということはあるのでしょうか?
アイヌの人々の視線から見た北海道をあらわす言葉を知りたいです。
専門的な掲示板に、素人がすみません。
よろしければ、教えてください。
シコッ
佐藤和美 (2001/09/13 11:59)
山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社)
千歳市
千歳川
「シコツはシ・コッ(shi-kot 大・沢)の意。千歳川の旧名。今の市街地から少し上にかけてが大河谷の姿であり、また鮭の大産地であったのでこの称で呼ばれたのであろう。今ではその名が消えたが、水源の湖の名だけは今でもそれを残して支笏湖である。」
更科源蔵『アイヌ語地名解』(みやま書房)
支笏湖
「昔アイヌは(千歳付近の湖沼に対して)キムント(山の湖)といったところである。シ・コツは千歳付近のくぼ地に対して名付けたものを、発音が死骨に通ずるといって嫌われたもの。」
「シコッ」がもともと川の名だったら、「コッ」を「窪地」と訳すのは不適切。
「シコッ」がもともと窪地の名だったら、「コッ」を「沢;谷;谷間」などと訳すのは不適切。
『日本地名さんぽ』には「かつては、谷間を流れる千歳川からアイヌ語でシコツ(大きな窪地)と呼ばれていたというが、」と書いてある。つまり川の名としているのだから、「窪地」と訳しているのは不適切。
GAUCHA様ありがとうございます
Carlos (2001/09/12 12:11)
先日(9/10)「ちゃんぽん」の件で書き込みましたCarlosでございます。
GAUCHA様、マレー語のChampurとの関連に付きましてご示唆頂きましてありがとうございます。マレー語のChampurが沖縄のチャンプルと長崎のちゃんぽんの関係に付いては、以前から大変興味深く感じております。拙著HPの本文にも書きましたが、今後の宿題としておりますので、また何か有りましたらご教授頂ければ幸いです。
失礼いたしました。
http://www.saitamaya.net/carlos/index.htm
RE:千歳
nupkes (2001/09/11 23:26)
>地名小辞典の訳語が間違っているとおっしゃるのでしたら、ぜひその理由を
聞きたいと思います。
「地名小辞典の訳語が間違っている」と言っているわけではありません。
kotの訳「凹み;凹地;凹んだ跡;沢;谷;谷間」の「凹み;凹地;凹んだ跡」を否定するのに、単に河川名ではおかしいからとの理由だけで「沢;谷;谷間」とすることに、疑問を持ったからです。
>resaknayさんの調査結果がどのようなものなのか教えていただけませんか?
アイヌ語地名研究会における、第1回目の現地巡検において、一般の方も公募してのバスにての千歳でのresaknay氏の説明では、高速道路が上を走る、巨大な窪地がそれであるとのことでした。
ただ、その時に聞いたことのあいまいな記憶ですから、正確とはいえないと思います。やはり、resaknay氏の直接の説明があればと思いますが、氏は書き込みをしてくださるのかは不明です。
その時に、某教授はその崖の上にチャシがあると言っていたように記憶していますが、何か関係があるのかは不明です。
教えて下さい
佐藤 (2001/09/11 21:47)
「のどちんこ」の言葉の語源について教えて下さい。辞書などで調べると正式名称は口蓋垂というそうなんですが、なぜ一般的には「のどちんこ」というのだろう?いろいろ調べてみたのですが、答えが見つからず困っています。よろしくお願いいたします。
千歳
poronup (2001/09/11 20:41)
佐藤和美さん:
>千歳
>「かつては、谷間を流れる千歳川からアイヌ語でシコツ(大きな窪地)と呼ばれていたという
>が、「死骨」に通じて縁起が悪いので江戸時代に改めた。」
>「大きな窪地」では川の名称にならない。
>知里真志保『地名アイヌ語小辞典』(北海道出版企画センター)
>kot
>凹み;凹地;凹んだ跡;沢;谷;谷間
>この場合の「コツ kot」は「沢、谷、谷間」などの訳語を使うべきだろう。
nupkesさん:
> 【「コツ kot」は「沢、谷、谷間」などの訳語を使うべきだろう。】と記載なさっていますが、
>どのような根拠で、つまり、どのような現地調査結果なのでしょうか。
>
>resaknay氏の調査結果と異なるようですが。
ご本人にお聞きするの一番でしょうが、ここにはいらっしゃらないようなので、よろしければ、resaknayさんの調査結果がどのようなものなのか教えていただけませんか?
なお、佐藤さんは、知里真志保の『地名アイヌ語小辞典』を引用されているだけので、現地調査に基づいて書かれているわけではないと思いますが。
この地名小辞典の訳語が間違っているとおっしゃるのでしたら、ぜひその理由を聞きたいと思います。
私も、kotの解釈については、佐藤さんの記述に近い見解を持っていましたが、それと異なる見解があるならぜひお聞きしたいです。よろしくお願いします。
それにしても「シコッ」のアクセントが、「コ」にあるのが不思議です。「シ」が「大きい」・「本当の」の意味であるならば、通常「シ」にアクセントが来るはずだと思うのです。もしかしてこのことと関係あるのでしょうか。
世界地図から地名の起源を読む方法
佐藤和美 (2001/09/11 12:43)
新刊です。
『世界地図から地名の起源を読む方法』
(河出書房新社・KAWADE夢新書)
きのう、会社の帰りがけに購入して、読みはじめたところです。
たたけばホコリが出そうな本ですね。
松茸さん好みの本かな?
東京に日暮里(にっぽり)っていう地名がありますが、
37ページから
「ところで、ニッポリとネアポリス(ナポリ)の響きと韻(いん)が、きわめてよく似ていることに気がつかれたことだろう。それもそのはず、どちらも「新しい町、新しい集落」の意味で、起源をたどると同じ語にいきつくというわけだ。」
なかなかたのしそうな本でしょう? (^^);
ちゃんぽん
GAUCHA (2001/09/11 05:38)
マレー語に(マレーシア語とインドネシア語)champurという言葉があり、「混ぜる」という意味です。マレー語を知っている日本人は、このchampurが「長崎ちゃんぽん」の語源だと思っています。私もマレー語を習ったとき、そのように聞いたし、そんなことを書いている本を読んだことがあります。(言語学の本ではありませんでしたけど)champur が「ちゃんぽん」の語源だとしても、マレー人が長崎まで来て交易していたとは思えないので、ルソン(フィリピン)の言葉が入ったのかもしれません。タガログ語もマレー語と同じ単語がよくありますから。それか、中国人を通して、入ったか、ではないかと思います。
漢和辞典
massangeana (2001/09/10 23:41)
のぐりさん, 驚かせてしまったようで申し訳ありません。要は辞書の音を 100%
信じない方がいい, ということで, 注意して使えばいいのだと思います。
漢字音の研究は江戸時代からあるのですが, 辞書が作られてからも新しい研究に
よってそれまでの音がまちがっていることが発見されることはよくあります。
しかし, 漢和辞典はある程度規範を示す必要があるためか, 最新の研究をつねに
反映しているわけではありません。
あきらかにあやしい音(明ベイ, 竜リュ, 低タイ, 後グ など) は学者が理論的に
作った実在しない音であることを疑ってかかった方がいいと思います。また「慣
用音」と書いてあるものにも実際は呉音や漢音であることがわかったものもけっ
こうあります。従来の旧かなづかいの範囲におさまらないもの (兄の漢音クヱイ,
三サムなど)は学研の漢和大字典や漢辞海には載っていますが, 採用していない
方が多いようです。
ちゃんぽん
Carlos (2001/09/10 17:53)
初めて書き込みさせて頂きます。Carlosと申します。
実は、私、国内外の食文化について紹介する「喰いしごき調査委員会」
http://www.saitamaya.net/carlos/index.htm
というホームページに駄文を掲載させていただいております。
この夏は長崎・島原の食文化について連載しておりましたが、最終回としてちゃんぽんのお話を書かせていただきました。この中で、長崎名物「ちゃんぽん」と混ぜ合わせると言う意味の「ちゃんぽん」の関係について、稚拙な考えを書かせていただいております。
私は言語学に関しては、全くの素人でございますので、専門の方がどういうお考えなのかを知ろうと思い、ネット検索をしてみましたところ、貴HPのBBSの過去ログにたどり着いた次第でございます。
全く、お恥ずかしい限りではございますが、お時間がございます時にでもご覧頂ければ幸いでございます。失礼いたします。
http://www.saitamaya.net/carlos/index.htm
re:漢和辞典の載せる日本漢字音
のぐり (2001/09/10 14:04)
massangeanaさん、漢和辞典の情報ありがとうございます。
「漢和辞典の漢字音は, ものによって結構バラバラなので注意が必要です。」
との事で、実際の例を見てもバラバラのようですが、こうなると
どの辞典が正しくてどれが正しくないのでしょうか?
# 何を基準にするかの方針によって正しいかどうかは変わるとは思うのですが。
私が漢和辞典を購入したい理由は、お遊びで韓国語の漢字の読みと
日本の漢字読みを単に比較してみたいって程度の理由です。
RE:リイ・シリ
nupkes (2001/09/10 13:10)
>「リー」(長母音)だったらいいけど、「リイ」(重母音)ではダメだと言うことです。
そのとおりですね。でも、以下の記載があったものですから。
>「カムイ・トー」ではなく「カムイ・トkamuy-to」である。
「kus-ru」の仮名表記
佐藤和美 (2001/09/10 12:32)
「s」には母音がついてないので、「kus-ru」を「クシュル」と表記したら間違い。
リイ・シリ
佐藤和美 (2001/09/10 12:27)
>>利尻島
>>「アイヌ語でリイ・シリ。高い島の意味」
>>「リイ・シリ」ではなく「リ・シリ ri-sir」である。
>知里真志保「アイヌ語入門」p.123に、単母音と長母音についての記載があります。これからは、どちらでもいいように思えるのですが。他に、なにか根拠があって記載しているのでしょうか。
「リー」(長母音)だったらいいけど、「リイ」(重母音)ではダメだと言うことです。
いばらき、いばらぎ
佐藤和美 (2001/09/10 12:07)
私は東京の下町出身です。
以下、私の感じたところです。
私は「いばらき」よりも「いばらぎ」のほうがいいやすいです。
本当は濁らないのに濁ったほうが言いやすいと思う地名。
白金(しろかね、しろがね)
竹の塚(たけのつか、たけのづか)
(東京ローカルネタ? ま、シロガネーゼなんて言葉もあるようだし)
「蓼科」も「たてしな」より「たでしな」の方がいいやすい。
(これは誤読かな?)
「『日本地名さんぽ』のアイヌ語」について 3
nupkes (2001/09/10 08:48)
>「クシュル(通路)」は「クシル kus-ru」(通る・道)のつもりか。
知里真志保「アイヌ語入門」p.125には、sはサ行音でも、シャ行音でも発音されるようですね。
同一文献では、シャ行音で統一するのなら問題はないのですが、この文献では、サ行音と、シャ行音が混じっていて、これが問題ですね。
(無題)
高田 勇 (2001/09/09 23:13)
あぁ、今気付きました。
『一種の新語の一種』って何だ。
『一つの新語の一種』が正解。
ボケましたね。えへへ〜。
なるほど。
高田 勇 (2001/09/09 23:10)
>永瀬研二様へ。
ありがとうございます。なるほど、そうかもしれませんね。
イがエに変わる、というのは盲点でした。連濁の現象でばかり考えていたから…。(笑)
ちなみに、私は北海道の中学生です。
あのお米のCMはまだ放送してます。何やら新ヴァージョンも出来て……。
判りやすい解答を、ありがとうございました!
>カキコ
私は、ただ動詞を形容詞にしたものと思います。
『書き込む』で動詞ですが、『カキコする』で動詞。『カキコ』のみで、形容詞なんだと思います。
実際、私もカキコ『します』と表現しています。
あと、これは一種の新語の一種と考えても良いんじゃないですか?
『カキコ』は、BBSでしか使いませんし。
実際に手記しない場合のみに使用される言葉でしょう。
あくまでも、私の主観に基づいての事なので、正しいとは思えませんが。
PC普及と共に、言語も一つ違う進化をしているのでしょう。
「『日本地名さんぽ』のアイヌ語」について 2
nupkes (2001/09/09 21:53)
>利尻島
>「アイヌ語でリイ・シリ。高い島の意味」
>「リイ・シリ」ではなく「リ・シリ ri-sir」である。
知里真志保「アイヌ語入門」p.123に、単母音と長母音についての記載があります。これからは、どちらでもいいように思えるのですが。他に、なにか根拠があって記載しているのでしょうか。
「『日本地名さんぽ』のアイヌ語」について
nupkes (2001/09/09 21:08)
>千歳
>「かつては、谷間を流れる千歳川からアイヌ語でシコツ(大きな窪地)と呼ばれていたという
>が、「死骨」に通じて縁起が悪いので江戸時代に改めた。」
>「大きな窪地」では川の名称にならない。
>知里真志保『地名アイヌ語小辞典』(北海道出版企画センター)
>kot
>凹み;凹地;凹んだ跡;沢;谷;谷間
>この場合の「コツ kot」は「沢、谷、谷間」などの訳語を使うべきだろう。
【「コツ kot」は「沢、谷、谷間」などの訳語を使うべきだろう。】と記載なさっていますが、どのような根拠で、つまり、どのような現地調査結果なのでしょうか。
resaknay氏の調査結果と異なるようですが。
『日本地名さんぽ』のアイヌ語
佐藤和美 (2001/09/09 16:29)
「北海道のアイヌ語地名」に「『日本地名さんぽ』のアイヌ語」を追加しました。
カキコ
GAUCHA (2001/09/09 11:49)
数ヶ月前、最近のカタカナ表記について調べてました。「キレる子供」「若者にウケる」という表記が今では一般化しましたね。「糸が切れた」の「切れる」とはちょっと質が違うのだ(キレるは自制心がなくなって突然凶暴な行動に出るという意味だから、「切れる」では表現しきれない)、「ボールを頭に受ける」の「受ける」ではなくて、「評判がいい」という「受ける」の限定された意味を表したいからわざわざカタカナ表記しているのだと私は解釈しています。「ハマる」や「ノリがいい」なんてのもこの類でしょう。「オジサン」「オバサン」は、親戚関係のない中年以上の男女を表すのに、「小父さん」「小母さん」なんて書くよりいい表記法じゃないかと思います。「オヤジ」も父親を表す「親父」と区別できるから、いいと思います。(言葉自体は好きじゃありませんけど、表記法としては評価できる)
テレビのタイトル表示で「目からウロコ」なんてのは、漢字制限のために「鱗」を読めない人が多くなったことと、画数が多い漢字は見づらいという理由だと思います。また、「コツをつかめば簡単だ」の「コツ」は「骨法」の「骨」なんですね。でも「骨をつかめば・・」と書いたら、ほとんどの人が「ほねをつかめば・・」と読んでしまうからカタカナ表記するのが普通なのでしょう。
だから、今のあふれるカタカナ表記(外来語や外国語じゃないから本来カタカナ表記しないものをカタカナで書く)について、だいいたいは合理的な説明ができます。
そこで、質問。「カキコ」は「書き込み」のことだと思いますが、なんで「カキコ」なんですか。
茨木?茨城?
永瀬研二 (2001/09/09 10:57)
<「イバラギ」と「イバラキ」、どちらが言いやすいですか?
これは茨木市とかじゃなくて,茨城県のことですよね?私は,茨城在住(それも特に訛りのひどい県北)ですが,私自身に関して言えば「イバラキ」の方が言いやすいです.
ただ,私はほとんど訛りは無いのですが,茨城,栃木,群馬以北(私も詳しくないので曖昧ですが)の出身の方は,世代や地方によっても違いますが,イがエに変わり,カ行とタ行が濁る傾向にあります.だから,意識しないと「イバラキ」と発音したつもりでも「エバラギ」となってしまいます(少々極端ですが).その為に,そういう訛りのある方は,意識しないと発音できない「イバラキ」の方が発音しづらい,といえるかもしれません.
高田様は茨城出身なのでしょうか?だとしたら書くまでもない内容でしたが,少しでも参考にしてください.・・・ならないかな(^^;
関係ないですが,茨城出身者(特に県北)が他地方で,「エバラギ、エバラギ」言うもんで,意外に「イバラギ」だと思っている人が多いんですよね.数年前,米のCMで「『いばらぎ』じゃなくて『いばらき』」っていうのがあったんですが,東海村の臨界事故の影響でか,すぐに放映されなくなっちゃったんですよね・・・世間の認識も少しは改まるかな,と思ってたのに残念でした.
はじめまして。
高田 勇 (2001/09/08 14:26)
はじめてカキコします。
少し疑問に思っていたことがあったので、お聴きしたいのです。
「イバラギ」と「イバラキ」、どちらが言いやすいですか?
発音のしやすさ、とは、出身地方のなまりや発音により違うと思うのですが。
主観ではなく、学問的に考えても判らないんですよ。
音声学を元に考えるモノなのでしょうか?
本棚にある本(手塚治虫編)
佐藤和美 (2001/09/08 14:05)
「手塚治虫研究」に「本棚にある本(手塚治虫編)」を追加しました。
言葉関連以外にはこんな本も持ってます。
漢和辞典の載せる日本漢字音
massangeana (2001/09/07 16:55)
漢和辞典の漢字音は, ものによって結構バラバラなので注意が必要です。
たとえば「竜」は, 大漢和と新明解漢和辞典で「漢音リョウ, 呉音リュ, 慣用音リュウ」
となっています。新字源は「リュ」を載せていませんがあとは同じ。漢語林は「漢音
リョウ, 呉音リュウ」, 大漢語林と漢辞海は「漢音リョウ, 呉音リウ」と, てんでん
ばらばらです。
有名な例では「帽」があります。新明解と新字源は「漢音バウ呉音マウ」, 大漢和は
「漢音バウ呉音モウ」, 漢語林と大漢語林は「漢音ボウ呉音モウ」, 漢辞海は「漢音
ボウ(呉音なし)」でした。
漢辞海は漢音・呉音について鎌倉以前に用例があるものを載せる方針のようですが,
それ以外のほとんどの辞書では韻書から導き出した人工的な音を載せていることが多い
ので気をつけてください。
Re: 便覧
massangeana (2001/09/07 12:18)
べつの事を調べていて, たまたまこのページを見たので, ご紹介。
http://www.nhk.or.jp/bunken/NL-file/n033-s.html
ADSL
佐藤和美 (2001/09/07 12:01)
最近よく聞く「ADSL」の意味は?
私がIT関連用語の意味を調べるのはいつもここ↓使ってます。
情報・通信事典e−Words
http://www.e-words.ne.jp/
このページによると、
Asymmetric Digital Subscriber Line
ですね。
解説の一部
「1対の電話線を使って通信する。「非対称(asymmetric)」の名の通り、電話局→利用者方向(下り)の伝送速度は1.5〜9Mbps、利用者→電話局方向(上り)の伝送速度は最大16〜640kbpsである。」
symmetricに反語のaがついてasymmetricね。
ありがとうございます。
のぐり (2001/09/06 23:38)
佐藤さん、こんばんは
早速のお返事ありがとうございます。
漢和辞典とは気づかなかったです。
義務教育を受けていた頃に、強制的に購入させられた事はあったのですが、
ほとんど開かずにちり紙交換屋さんに出してました。
# 国語が大嫌いで、成績も最悪でした。。。
ではでは。。。
朝鮮・韓国語の漢字音
佐藤和美 (2001/09/05 17:47)
のぐりさん、はじめまして。
>「旧仮名づかい」を中心に書かれている書籍がありましたら教えて頂けないでしょうか?
音読みの旧仮名を知ろうとしたら、漢和辞典が手っ取り早いでしょう。
>実は、私は韓国語に興味があって趣味程度で勉強しているのですが、
>ここのHP(漢字と日本語等など。。)を拝見させていただき、
>旧仮名づかいを知ることで、韓国語での漢字読みが推測できると思ったからです。
こんな本もあります。(専門書ではなく、一般書です。)
韓虎林『漢字でおぼえるしっぽをつかむ韓国語』(インターブックス)
大学書林からは朝鮮・韓国の漢字音の辞典が出てたはずです。
(3万円くらいしたと思いますが。)
ごじゅっぽひゃっぽ
佐藤和美 (2001/09/05 12:46)
「五十歩百歩」の読みを書いてください、
と言われればかなりの人が「ごじゅっぽひゃっぽ」と書くんじゃないでしょうか。
定着したといえそうですが、慣用読みと言えるのかどうかは疑問ですけど。
IMEでも「ごじゅっぽひゃっぽ」で、ちゃんと変換します。
「ぼんれい」は定着した?
松茸 (2001/09/05 03:54)
> ウィンドウズ2000は「ぼんれい」と入力すると、ちゃんと「凡例」と変換します。
……私の環境のMS-IME 2000では出ません。学習の結果ではないでしょうか?
# 「はっそく(発足)」は初期状態で出ました。
日本語IMEはビジネス向けのOA商品ですから、《〈間違った読み〉にもある程度対応していないと、商品として売れない》わけで
# でも、OS本体は堂々と商品として売ってる……。(^^;
日常的な言語規範とは少しずれるところがあると思います。
楽しく拝見させて頂いています。
のぐり (2001/09/05 00:13)
佐藤和美さん、他の皆様、こんばんは
このHPをたまたま見つけて、楽しく拝見させて頂いております。
さて、ご存知でしたら教えて(紹介して)いただきたいのですが、
「旧仮名づかい」を中心に書かれている書籍がありましたら教えて頂けないでしょうか?
実は、私は韓国語に興味があって趣味程度で勉強しているのですが、
ここのHP(漢字と日本語等など。。)を拝見させていただき、
旧仮名づかいを知ることで、韓国語での漢字読みが推測できると思ったからです。
# 日本語のか行の漢字読みが、韓国語のh音と対応する事が多い理由が分かりました。
# どうもありがとうございます。
「ぼんれい」は定着した?
GAUCHA (2001/09/04 21:45)
永瀬さん、どうもありがとう。やはり今でも世の趨勢は「ほっそく」なのですね。
ところで、私が愛用している、新明解国語辞典は、「凡例」の項で、わざわざ「ぼんれい」は誤りと掲載されています。でもウィンドウズ2000は「ぼんれい」と入力すると、ちゃんと「凡例」と変換します。10年以上前に作られたワープロでは「ぼんれい」と入れても「凡例」と変換されません。ということはこの数年で、「ぼんれい」という読み誤りがかなり定着してしまったということでしょうか。
あさきゆめみし、あさきゆめみじ
佐藤和美 (2001/09/04 17:38)
いろは歌ですが、
「あさきゆめみし」と「あさきゆめみじ」じゃ、意味が全然違いますね。
浅き夢見じ 酔(ゑひ)もせず
Re: いろは歌の「む」
massangeana (2001/09/04 11:59)
>「ん」がないのはなぜですか
いろは歌がいつ成立したのか正確にはわかりませんが, 西暦 1000年前後だと思われます。
そのころはまだ「ん」をあらわす専用の字がなかったのです。
>当時は発音が「n」(かな?)でも、書くときは「む」としたのでしょうか
いろいろにかかれています。
なお, 現代の「ん」は後ろに続く子音によって「n」だったり「m」だったりいろいろ
変化しますが, そうなったのは後世のことで, 古くは「n」と「m」が区別されていた
ことがわかっています。
いろは歌の作られた「つねならむ」の「む」を「mu」と言っていたか「m」といって
いたかはわかりません。いずれの場合でも「む」と書かれたでしょう。
「ん」・・・
ぽよぽよ (2001/09/03 23:57)
ありがとうございました、助かりました。「ん」について教えていただいたおかげで、なんとなく分かったような気になっています。
バチェラーとバチラー
nupkes (2001/09/03 23:54)
>書き方が悪かったですね(^^;どちらが一般的な表記か,ということを聞きたかった
>んだと思います
北海道で権威があるとされている『北海道大百科事典』(昭和56年 北海道新聞社)には、「バチラー」と記載されています。さすがですね。
しかしながら、たいていはバチェラーと記載されるのが普通です。
上記のように記載しましたが、『北海道大百科事典』を権威があるとは、わたくしは思ってはいません。ある部分は、肯けても、ある部分は肯けない項目があります。
ほっそく?はっそく?
永瀬研二 (2001/09/03 22:27)
GAUCHA様
>「発足する」を、どのように読むと習いましたか
確か中学のときでしたが,私は「ほっそく」と習いました.「はっそく」では,明らかに間違いになったはずです(ていうか問題集のひっかけ問題に「はっそく」と言う読みが載っていたような記憶が・・・)・・・実は「発足」を「はっそく」と読んでも間違いにならない、と言うカキコを見てかなり驚きました.でもwin98でも「はっそく」でも「発足」と変換されるんですね・・・
しつこいようですが・・慣用音
GAUCHA (2001/09/03 22:03)
佐藤様、慣用音の定義は分かりました。ありがとうございました。
ところで、田邉さんが挙げてくださった慣用読みの例を見ると、元来の読み方(つまり中国伝来の正当音)を知らないで誤読していると思われるものがほとんどという気がします。「消耗」の「耗」の字は、中国伝来の読み方は「コウ」だけど、旁が「毛」で、「モウ」と読むものだから、間違って「モウ」と読んだのが、定着してしまった、と考えていいのでしょうか。「詩歌」を「シイカ」と読むのは発音の便宜上かなと思いますが。
永瀬さん、まだ10代ということですから、是非お答えください。あなたは、組織や機関が「発足する」を、どのように読むと習いましたか。私が高校生の頃は「はっそく」は間違いだったと記憶しているのですが。「便覧」は2000年発行の新明解国語辞典には「びんらん」は「べんらん」を見よとなっています。これ、私には予想外でした。ちなみに私が高校生だったのはあなたが生まれる前のことです。
慣用読みと「ん」に関して
永瀬研二 (2001/09/03 17:30)
nupkesh様 書き方が悪かったですね(^^;どちらが一般的な表記か,ということを聞きたかったんだと思います.外国人の名前のカナ表記に正しいも間違いもありませんよね・・・すいませんでした.
佐藤和美様 ありがとうございました.すっきりしました.
慣用読みと関係あるかわかりませんが、中学生のとき、国語の先生が国語便覧に関して「今はびんらんと読んでいるが、昔はべんらんと読んだ」と言っていました.でも高校のときの20代の先生は,べんらんという読み方はすでに使ってなかったと言っていました.これも,時代による変化のひとつですよね.いったいどのくらいの世代まで,べんらんと言ってたんでしょうかねえ・・・(地方によって違ってたり?)私は辛うじて10代ですが.
「ん」の発音の変化なら,確かアイヌ語にもありましたよね.サ行の言葉かヤが後にくると,イに変化するんでしたっけ?
pon 小さい + seta 犬 = poi(y?)seta
pon 小さい + yaunpe 内陸人 = poi(y?)yaunpe
これって結局,発音しづらくなるから変化するんでしょうか?英語で母音が語頭の名詞には「a」でなく「an」を使う,みたく・・・
a apple → an apple
"ん"について
未菜実 (2001/09/03 13:11)
「ん」についての感想
「ん」は難しそうですね。
ヘボン式でも"n"、"m" を使い分けています。
他に、(記憶だけで確認してないんですが、)例えば"本屋"は昔"ほいや"と書いたと言います。
"ん"の発音は後ろに来る文字によって、発音は微妙に変化するようです。
ん
佐藤和美 (2001/09/03 12:40)
『大辞林』の「ん」をもう一回。
(2)平仮名「ん」は「无」の草体。片仮名「ン」ははねる音を象徴的に示す記号「∨」からの転かという。〔「ん」は、本来、五十音図・いろは歌には含まれないが、それぞれの末尾に付記されることがある。五十音順・いろは順では、それぞれその最後に置かれる〕
「ん」は特別扱いされてたようですね。
以前あった「ん」関係の質問についてはまだ調べてません。
気長にお待ちください。
慣用音
佐藤和美 (2001/09/03 12:33)
『大辞林』からです。
慣用音
漢音・呉音・唐音などとは異なるが、日本で広く使われ、一般化している漢字の音。石(せき・じゃく)を「こく」(千石船(せんごくぶね))、輸(しゅ)を「ゆ」(輸出)と読む類。通用音。
いろは歌の「む」?
ぽよぽよ (2001/09/02 23:55)
いろは歌のことでお聞きします。いろは歌には「わかよたれそ つねならむ」と、「む」という表記はありますが、「ん」がないのはなぜですか?当時は発音が「n」(かな?)でも、書くときは「む」としたのでしょうか?それとも現在使っている「ん」のような発音のかながなかったのでしょうか?教えてください。
慣用読みって何ですか
GAUCHA (2001/09/02 21:47)
以前漢和辞典を読んでいて、「呉音」「漢音」「唐音」の他に、ごくたまに「慣用音」というのがあるのを知ったのですが、これって結局間違いが定着したものなのですか?それとも昔の偉い学者さんが「この漢字にこの読み方はないが、この熟語の時には特別にこのように読む」と決めたものなんですか。
「言葉の世界」伝言板8月分
佐藤和美 (2001/09/02 15:56)
「「言葉の世界」伝言板8月分」を追加しました。
田邉さん
>この話題はかなり繰り返されているので、
>「日本語とその周辺」に掲載されると良いかと>佐藤さん
ありがとうございます。
ただ現時点では少ない資料の内容の羅列になりそうなのでやめときます。
資料の羅列以外のまとめるアイディア、+αが浮かんだら、そのときにまとめたいと思います。
「凡例」は「ぼんれい」で、
「五十歩百歩」は「ごじゅっぽひゃっぽ」、
たんなる誤読か。
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