日本語と中国語




中国語の語頭のL、R

佐藤和美 (99/05/06 16:40)

以前、大和言葉(漢字流入以前の日本語)では若干の例外を除いて、ラ行音で始まる単語はなかったという話をしたことがあります。(98/10/08)

そこで、中国語辞典でLから始まるもの、Rから始まるものを拾いだしてみました。

中国語でLから始まるもの
落 la
来 lai
老 lao
例 li
了 liao
六 liu

中国語でRから始まるもの
然 ran
熱 re
人 ren
日 ri
容 rong
弱 ruo

こうしてみると、音読みのラ行音として定着したのは中国語では「L」から始まる単語だったようですね。「R」のほうはラ行音以外です。このへんを調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

私の空想ですが、江戸時代に「ロシア」を「オロシア」といっていたのは語頭の「R」が苦手だったから? 「ロシア」の語頭が「L」だったら「オ」をつけずに「ロシア」のままだった?



(無題)

UEJ (99/05/06 22:03)

佐藤さんこんにちは。
中国語の「r」はピンイン表記でこそ「r」の文字が当てられていますが
英語の「r」よりもかなり濁った音です。
「ジュ」と言った方が近いくらい。昔はもっとこの傾向が強かったんじゃないかな。
「然」が「ゼン」、「日」が「ジツ」、「人」が「ジン」、「弱」が「ジャク」になっているのも
そう考えれば納得がいきますね。
「日本」が「ジャパン」になったのも中国語の発音からと言われています。

ローマ字の「r」も実際には英語の「r」と「l」の間くらいの発音ですものね ^^)

http://www.grad.math.uwaterloo.ca/~kueda/kotoba/



北京

佐藤和美 (99/05/12 12:50)

 最近の学校の地図帳は中国の地名を現地音で片仮名で書いています。

ところがふしぎなことに、
「北京」を「ペキン」と書いています。
「北京」はピンインで「Beijing」です。
カタカナでの大体の発音はちょっと悩みますけど、「ペイチン」といったところでしょうか。
英語では「Peking」です。これが「ペキン」の語源になったようです。
(最近では英語でもピンインどおりに「Beijing」と書くこともあるようですが)
なぜ一部こういう現地音でない読み方が含まれているのでしょうか。
慣用音ということなのでしょうか。
ふしぎですねえ。



東西南北

ペルセ (99/05/12 21:37)

こんなクイズがありました。
「”北”の京はペキン、”南”の京はナンキン、では”東”
の京はなんと読むでしょう?」
私はまんまと「トンキン!」と答えてしまいました。(^^;

文字で書くとわかりやすいけど、コトバで言われると案外引っ掛るものです。



ペキン

UEJ (99/05/12 22:35)

「ペキン」は広東語の発音だそうです。
西洋と最初に接したのは中国でも南の方だったために
英語には広東語の方が定着したのでしょう。
でも中国政府は「Beijing」の方を正式名称としているので
最近は英語でも「Beijing」と書くことの方が多いようです。
日本人にとっては麻雀の「北(ぺー)」の印象があるので(私だけ ^^;?)、
「ペキン」の方がしっくりきますね。



ぺきん

ななみ (99/12/22 17:51)

初めて投稿させていただきます。
私は,「ペキン」という読み方は,広東語から派生したのでは,と考えています。「京」という字は,広東語では「きぃんグ」と「きぇんグ」の間のような音だった気がします(「北」は忘れました)。
古い内容ですみませんが……。



Mao Zedong

佐藤和美 (99/05/13 12:18)

 英語でも中国の地名・人名を表記するのに、ピンインと同じ表記がだいぶでてきてます。
で、英和辞典から中国人名をひろってみました。

「Mao Zedong」
これは「毛沢東」です。

「Deng Xiaoping」は誰だと思いますか?
「ケ小平」です。

漢字だとすぐわかるのに、ピンインだとわかりにくいですね。



もうたくとう

フミ (99/05/13 20:44)

日本語には漢字があるので
中国語を読むとき、まず日本語の音で読んでしまいます。
毛沢東なら「もうたくとう」と。
ところが英語の場合は「毛」という文字がないので
「mao」というピンインを直接取り入れるわけですね。
ということは日本人が中国語を学ぶ時は、
自国語という障害を乗り越える必要があり、
大きなハンディを背負うことになります。
これは中国人が日本語を学ぶ場合も同じでしょう。
ビビアン・スーが日本語をきちんと話せないのはこのため?
これはさておき、せめて人名と地名はピンインで覚えたいものです。



氏名

がめら (99/05/14 01:08)

アメリカのCNNでは、北京を「Beijing」と発音している様です。
そのうち香港も「Xianggang」と発音するようになるのでしょうか?

CNNやBBCでは
中国人や韓国人の名前を
毛沢東「Mao Zedong」と氏ー名の順で呼んでいますが、
なぜ、日本人に対しては、
「Keizou-Obuti」と名ー氏の順なのでしょうか?



北京、毛沢東…

小川 (99/12/27 16:46)

古い話題についてなので、既にどこかで解決されてしまっているのかもしれませんが
その際はお許しを。

北京が「ペキン」と「ベイジン](という発音が近くなかったらごめんなさい)の二つ
ある話がありましたが、中国政府が、公式な表記に Beijing を主張したのが、割と最近
(二十年とか)だったと思います。多分、日本や、アメリカとの国交樹立が関係して
いるのではないでしょうか。つまり、正式な外交関係が出来た結果、中国政府が、
外交文書など(の英訳とか)に「北京はBeijing と表記する/してくれ」
と言ったのを尊重しているのではないでしょうか?確かそう聞きました。
同様に、中国人の名前が英語でも「姓 名」の順なのも、外交上は、そう書いてくれ、と
言っているからだ、と聞きました。相手の名前をどう書くか(呼ぶか)は、相互の了解
というか、相手を尊重する慣習だ、とか。韓国の人の名前を最近カタカナつまり発音
に近づけて書くのも、韓国側からの要求だ、とか。一方中国政府は、発音にはこだわら
ないそうなので、依然日中では、漢字をそのままつかい、発音は自国風、と聞きました。

間違っていたら、すいません。



食は広州にあり

佐藤和美 (99/09/23 08:44)

「食は広州にあり」といいますけど、
雲呑 ワンタン
焼売 シューマイ
叉焼 チャーシュー
これって、広東語だったんですねえ。

格言と食べ物の組み合わせのマッチがおもしろいですね。





佐藤和美 (99/11/10 21:03)

日本語の一人称には「私」、「俺」、「僕」、等いろいろあります。
「妾」は一人称でなければ、「めかけ」と読みますが、
一人称の場合はさてなんと読むでしょうか?

岩波文庫で福田英子という人の「妾の半生涯」という本がありました。
これは「わらわのはんせいがい」と読みます。
「妾」は一人称では「わらわ」だったんですね。

同じ岩波文庫の細井和喜蔵「女工哀史」では、
「妾」に「わたし」とルビがふられてましたが、
これは当て字ですね。

それにしても、どうして「妾」が「めかけ」と「わらわ」なんでしょうか? ふしぎですね。
(漢和辞典で想像はできますが)



中国古典の一人称、二人称

佐藤和美 (99/11/12 12:55)

 前回との関連です。
 中国古典での一人称、二人称には次のようなものがあるそうです。

男性の一人称       吾、余、予、僕
結婚した女性の一人称   妾
結婚する前の女性の一人称 女
身分の低い女性の一人称  婢
男性が相手を呼ぶ二人称  君、子、汝、(相手が女性や妻の場合)汝
女性が相手を呼ぶ二人称 (特に相手が男性の場合)君(敬意をこめた表現)

(佐々木瑞枝「女の日本語 男の日本語」より)

「妾」は「結婚した女性の一人称」とありますね。



中国語の所属

佐藤和美 (99/12/06 12:42)

中国語はシナ・チベット語族、中国語派に属します。

シナ・チベット語族はこのようになっています。

シナ・チベット語族
 チベット・ビルマ語派
  チベット語
  ビルマ語
 中国語派
  北京語
  その他各方言
 タイ語派
  タイ語

それにしても、いまだに「シナ」という言葉が残っているのは、
この「シナ・チベット語族」と「東シナ海」、「南シナ海」くらいじゃないでしょうか。



天津

佐藤和美 (2000/06/06 12:47)

マンガ読んでてもいろいろ気になることがあるもんです。
きのう発売された「ビッグコミックオリジナル」に掲載されていた「龍」ですが、
最終ページで「天津」のローマ字表記が「TIANJIN」と書かれていました。
どうもこういう細かいことが気になってしょうがないです。
「龍」は現在昭和10年代が舞台です。
で、「TIANJIN」ですけど、これはピンインですよね。
ということで、どうも気になってしょうがないです。
小学館「プログレッシブ英和中辞典」では「天津」のもう一つのスペルとして、
「Tientsin」が掲載されています。こちらのほうがよかったのではないでしょうか。



ウェード式ローマ字

清野 良重 (2000/06/07 20:59)

Tientsinはウェード式ローマ字だと思います。
日本語に当てはめればヘボン式のようなもので
欧米人の立場から見た言語表記ではないでしょうか。



Tientsin

佐藤和美 (2000/06/08 12:52)

清野さんwrote
>Tientsinはウェード式ローマ字だと思います。
>日本語に当てはめればヘボン式のようなもので
>欧米人の立場から見た言語表記ではないでしょうか。

昭和10年代の天津(駅)としてはローマ字表記するなら、
「Tientsin」という表記が妥当ではないかということです。
当時の中国国内ではローマ字表記が決まっていなかったか、
広まっていなかったかどちらかだったと思います。
租界もあったことだし。

話はかわって、現代の日本の駅名表記です。
「新橋」の「Shimbashi」っていうのは、どうも違和感があって好きになれません。
ヘボン式のp、b、mの前の「ン」は「m」にするっていうのは、
ほとんどの日本人には抵抗感があるんじゃないでしょうか。



中国語における外来語について 

yukiko (2000/11/16 17:05)

のんきぃさん、ご質問のヒントになると思いますので、以前日本語教師の掲示板でカタカナ語の氾濫について私が投稿した時に、中国で日本語を教えていらっしゃる中国人の先生が中国語における外来語の取り入れ方を以下のように述べておられますので、ご紹介いたします:

中国では外来のものはそのままの発音で中国語にするのが少ないのです。(あることはあります。例えば、「マイク」のことを「麦克風」という)外来のものを中国語で表現する場合、まずそのものの意味を読み取って、それから、その意味に当る漢字を考えて、造り出すのです。
「可口可楽」というのは「コカコーラー」の中国語の訳語です。これは発音はもとの語源に近いだけではなく、意味も非常に味があると思われます。中国語では「可口」という言葉は、「口に合う」の意で、「可楽」という言葉は「楽しむに値する」、「楽し意」という意味です。つまりこの飲み物はお口に合うし、飲むと楽しくなるという意味です。なんと縁起のいい、しかも、絶妙なものだろうと思わずにいられません。これと似ているのが
「ハイカー」「黒客」(=ハッカー)という言葉です。  (引用ここまで)

この「可口可楽」のくだりを読んだとき、私はたいへんな感動を覚えたものです。
さらにE-mailは「伊妹児」、パソコンのファイルは「文件」、「オンライン」は「在線」で、「ソフトウェア」は「軟件」と教えていただきました。



中国 現代ことば事情 

佐藤和美 (2000/11/16 17:28)

岩波新書に「中国 現代ことば事情 」というのがあります。

以下は岩波のページからのこの本の紹介

インターネットは「因特網」,一人っ子は「小皇帝」…社会主義市場経済の下,地球規模の情報化の渦に巻き込まれていく中国の「今」は,くっきりとことばに反映される.リストラや直接選挙など,新しい事態をあらわすことばの表情は,さすが文字の国ならでは…と興味をそそられていくうちに,中国社会の抱える悩みや希望も見えてくる.



Re:中国語における外来語について 

のんきぃ (2000/11/16 20:26)

>Yukikoさん、貴重なヒントをありがとうございます。

そういえば、何かの本で読んだのですが、中国でも日本のように「ローマ字表記」にしようとする動きがあったようですね(続行中かどうかは分かりませんが)。原因は、やはり覚えなければならない文字が多すぎることから生じる問題の解消にあったようなんですが、これがさっぱり上手くいかなかったそうです。ローマ字や日本語の仮名に該当する表音文字を持っていなかったこと、広大な国土に数多くの民族が住んでいることから、一つの文字に対して様々な発音が混在してしまっており、「この文字はローマ字でこう表記する」という作業ができないのだそうです。それから考えれば、日本語は楽だなぁ、仮名の発明ってのは偉大なことだったんだなあ、と感心したことを思い出しました。



中国語のローマ字表記 

佐藤和美 (2000/11/17 12:57)

中国語でのローマ字表記は何十年か前に制定されてます。
「ピンイン」と言います。
これは中国での共通語(普通話:プートンホア)のための表記方法です。
今ではこの表記方法が中国語を表わすのに世界で普通に使われてます。
「北京」は「Beijing」でしたね。
成田でも北京行きは「Beijing」じゃないかと思います。
ただ世界中の人が中国語の学習をしてるわけじゃないので、各国好きに発音してるでしょうけど。

最近のニュースですが、ピンインが世界で使われているという現状があるため、台湾でもピンインを使うようにするそうです。

ピンインは外国人がどう発音するかはあまり考えてないんじゃないでしょうか。日本は逆の行き方ですね。日本の場合は仮名があるから、国内をあまり深刻に考えなくてもよかったのかもしれませんが。

なお今までの中国語関係の書き込みを
日本語と中国語
として、まとめてあります。



Re:中国語のローマ字表記 

のんきぃ (2000/11/17 14:30)

>佐藤和美さん、中国語のローマ字表記の件、ありがとうございます。

「ピンイン」のことは承知しております。私が言おうとしていたのは「中国でも漢字を廃止して、ローマ字表記にしてしまおうという運動があった」ということでした。言葉が足りませんでしたね。申し訳ありません。
つまり今のベトナムのようにしようとしたことが、中国でもあったそうなんです。私の記憶に間違いがなければ、国の政策として正式にそうすると決定したようなんですが、先に書いた理由で頓挫したのだとか。
ただ、これらの問題は未だに尾を引いているのは確かなようで、殊に外国語の表記が非常に難しいのだそうです。音を写そうとしても、同じ字でも地方によって発音が違うし、かといって全て中国語に訳すのも無理がある... どうしよう? といった状況らしいですねぇ。yukikoさんが書かれていた「音と意味とを共存させる」という方法は、それらの苦労から生まれた技なのではないかと思い、記したのでありました。
でも、今の状況はどうなんでしょうか? 何らかの法則化がなされているのかなぁ?



ローマ字について 

紅 (2000/11/18 17:21)

 こんにちは。紅と申します。中国人です。このHPはYukikoさんのご紹介で
知りました。中国語のローマ字についての皆さんの発言ですが、たしか私はまだ
小学校の頃、一時漢字を廃止して、ローマ字にしようという呼び掛けがあった
らしく、一生懸命ローマ字だけの読む練習をさせられたと思います。でも、それ
またすぐやめさせられました。最近、中国語をローマ字化の話はほとんど聞こえなく
なりました。やっぱり、漢字の国では、それを廃止することはそんなにたやす
いことではないと思います。まして、ローマ字の使用歴史は何十年しかないし、
その普及率もそんなに高くないから。中国の30代以下の人はたいていローマ
字は分かりますが、40代以上の人だと、わからない人がかなりいると思います。
それから、私の知っているところでは、台湾では、ローマ字を使っていないで、
昔の表記を使っているようです(最近使うことにするそうですが)。そんなわ
けで、漢字廃止の実施はなかなか難しく、かつ、不現実だと思います。
 とはいえ、ローマ字は欧米あたりの人にとって、非常にありがたい存在だ
と思います。すべての言葉はみんなローマ字で表記できて、中国の人もそれ
が分かるから。特に固有名詞の場合です。
 ちなみに、私は中国にいる日本語の教師です。平素、仕事の関係で、日本
語について考えたりしますが、かえって、母語の中国語の方をあまり考えて
いません。両国の言葉をあわせて考えて、対照研究を探れば、日本語教育に
も役に立つと思います。このHPのおかげで、母語についてもとじっくり考
えさせられるよになりました。非常感謝!



音読みと中国語 

佐藤和美 (2000/11/20 12:34)

紅さん、ようこそいらっしゃいました。

前から中国の日本語関係の人に聞きたかったことなのですが、
私のHPにある中国語と日本語の音読みとの関係のようなものは、
中国での日本語学習に役に立つのでしょうか?
(「漢字と日本語」なんですが)

お名前で失礼しますが、
「紅」(hong)が日本語の音読みでは「コウ」になる、
それは
「h」→「k」
「ong」→「ou(oo)」
だから、
「hong」→「kou(koo)」
というようなことです。
もし日本語学習の役に立つならどんどん広まってほしい(広めたい)と思うのですが。



Re:音読みと中国語 

紅 (2000/11/21 16:56)

 佐藤さん、メッセージを読みました。日本は一つの漢字は
少なくとも二つの読み方(音、訓)があるのに対して、
中国語の漢字は一つの読み方の方はほとんどです。(もちろん
多音字というのもありますが、日本語ほどではありません)
そんなわけで、日本の漢字の読み方は中国の学習者にとって、
苦手な分野だと思います。ですから、佐藤さんのHPにある
「音読みと中国語」は中国人の学習者にとって役に立つと
思います。今まで、あまり中国語と結びつくことなく、発音
そのまま教えてきましたが、佐藤さんのHPを見てから、中の
規律性の高いものを学生に紹介しようと思っています。
 ちなみに、中国では、ほとんどのパソコンには日本語の
フォントが入っていないようで、日本のHPを見ることができる
人がかなり限られています。私は、いつも役に立ちそう
なものが見つかったら、それをプリントして、学生に紹介
するようにしています。

とって、「音読みと中国語」は役に立つと思います。



Re:音読みと中国語 

muragin (2000/11/22 00:03)

以前仲良くしていた中国からの留学生に
佐藤さんのHPと、
H→K
NG→U
の法則をご紹介したらいたく感動していました。
そのときのやり取りからして、
むしろ日本語を学ぶ中国のかたにこそ、有用な知識だと思います。

役に立つたたないはともかく、わたしも佐藤さんのHPで法則をしって
単純に感動しました。

佐藤さんも以前いっておられたと思いますが、こういうことって、
もっと一般常識として広まるといいなと思います。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~muragin/laplata/



藤堂明保は、いまだHOTか? 

清野 良重 (2000/11/23 00:33)

中国語の韻母の NG に対応する U は
以前は「う」と表記して
鼻にかけて発音していた時期もあったけど、
日本語ではそれが消えてしまったそうです。
(旺文社漢和辞典より)
韓国・朝鮮語ではngパッチムとして残ったようです。

漢字音の法則は、中国語およびハングル学習者には、役に立つぞー。



Re:音読みと中国語 

佐藤和美 (2000/11/23 09:52)

いずれ一覧表にまとめたいと思ってますが、
今は素材をいくつか書きます。

「p」→「h」
(例、「俳pai」、「泡pao」)

「f」→「h」
(例、「犯fan」、「方fang」)

「ang」→「ou(oo)」
(例、「王wang」、「方fang」)

「f」→「h」
「ang」→「ou(oo)」
方「fang」→「hou(hoo)」

「ong」→「ou(oo)」
ですが、
「ing」→「ei(ee)」
(例、「名ming」、「青qing」)
ですね。
(「ng」→「u」とするとよくないです)

「ian」→「en」
(例、「面mian」、「千qian」)


難しいのは入声の関係ですね。
昔、中国語で語尾に「t」、「k」等がついてたもの。
(今の普通話には存在しないですね)
着「zhao」→「チャク」
一「yi」→「イチ」
今の中国の人って昔の発音をどれくらい知ってるんだろう?
南方の方言(語尾の子音が残ってる)をどれくらい知ってるんだろう?
私は福建語とか上海語とか全然知らないんですが、この辺の言葉を参考につけるとわかりやすくなるかな?


muraginさん
>こういうことって、
>もっと一般常識として広まるといいなと思います。
広まるといいですね。(広めたいですね。)
私も早く一覧表しあげたいものです。
(それで中国の日本語学習者に役立ててもらいたい。(^^))



スイカとカボチャとキュウリ

貴 (2000/12/10 18:05)

はじめまして。すでに議論されていたらごめんなさい。
学生時代に中国語を勉強していて目から鱗が落ちる思いをしたことがあります。
それは「スイカ」の語源です。漢字で書けば「西瓜」です。
八百屋などで「西瓜」と書いて売っているのを子供の頃からよくみていましたが
なんでこれを「スイカ」と読むのかはまるでわからなかった。確かに西方が原産の
瓜っぽいから当て字かな・・とか思っていたのですが、中国語を勉強してわかりました。
「西瓜」の発音は「シーグア(xi gua)」なんですね。これがなまれば「スイカ」と
なることは容易に想像がつきます。そこで私は、では「南瓜(カボチャ)」は発音は
nan gua なのにどうして「カボチャ」と読むのか考えてから国語辞典を引きました。
「かぼちゃ(南瓜):カボチャ、語源は原産国カンボジアから」。う〜むやっぱり!
とうれしくなったことがあります。
北瓜と東瓜ということばはないですかね。私は知りませんが。
また、キュウウリは胡瓜と書きますが、日本語の時点でウリが出てくるので漢字が先なのか、
日本語読みが先なのかよくわかりませんね。では。



西瓜(スイカ)

佐藤和美 (2000/12/26 12:48)

「西瓜」の「西」ですが、
「西」の呉音は「サイ」、漢音は「セイ」
で、唐音が「スイ」
恥ずかしながら、最近まで知りませんでした。(^^);





佐藤和美 (2000/12/11 12:57)

貴さん
>学生時代に中国語を勉強していて目から鱗が落ちる思いをしたことがあります。

私も中国語を勉強していて「目から鱗」を感じたのは「正午」ですね。
「正午」の「正」は「ただしい」では意味がつうじないですけど、
中国語には「正」に「ちょうど」の意味があると知って、
「正午」は「ちょうど12時」なんだと感激したものです。



RE:スイカとカボチャとキュウリ

Nupkes (2000/12/11 16:13)

南瓜を、学生時代に使っていた中日大辞典(愛知大学中日大辞典編纂処)を、久しぶりに引っ張り出してみたところ、中国では、長い形をしものを言うらしいです。
 カボチャは、中国語で「老倭瓜」とのこと。この倭は、日本のことでしょうか。
 日本では、カボチャはカンボジアから来たといい、中国では、カボチャは日本から来たといっているのでしょうか。



南瓜

佐藤和美 (2000/12/11 23:04)

南瓜nangua
<植>カボチャ。ナンキン。
俗に倭瓜wogua、北瓜beiguaという。

老倭瓜laowogua
<方><植>カボチャ。

(「日中辞典」小学館による)

「老倭瓜」は普通話ではないようですね。

カボチャはアメリカ大陸原産で、日本には「南蛮人」が持ち込んだようです。そのうちカンボジアからのルートの名が今に残っているというわけです。(当然他のルートもあったわけですが)
中国に入ったルートには日本からのルートもあったのかもしれませんね。

以前の書き込みからです。
「語源は地名」佐藤和美(1999/02/12)
>調べたら語源は地名だったという話です。
>「カボチャ」  「カンボジア」が語源。
>「ジャガいも」 「ジャガタラいも」の省略形。「ジャガタラ」は「ジャカルタ」のこと。
>「カステラ」  「カスティリア」(スペインの一地方)が語源。
>「安山岩」   「アンデス山脈の岩」の意味。
>「羅宇(らお)」(キセルの中間の竹の部分)「ラオス」が語源だそうです。



南尾斯拉夫は何と読むのでしょうか?

ひぽぽ (2000/12/19 00:30)

「南尾斯拉夫」・・7国と国境を接する地中海沿岸の国
らしいのですが、わかりません。いったい何と読めばいいのでしょうか?
教えてください。よろしくお願いいたします。



もしかして

ふぉう (2000/12/19 00:55)

ユーゴスラビアかしら?



(無題)

ひぽぽ (2000/12/19 17:00)

ふぉうさん、あの時間に素早いお答えありがとうございました!
朝起きてみて感動しました。
益山さん、ありがとうございました。
出題には「南尾斯拉夫」とありましたが「南斯拉夫」が正しいのですか?
新聞でもまったく気がつきませんでした。
HPでいろんな漢字で国名を一覧にしてくれているところを調べましたが
どこもこれはありませんでした。(私が検索した範囲ですが)
どうもありがとうございました!!すっきりしました。



南斯拉夫

なかむら (2000/12/20 04:42)

南斯拉夫とはユーゴスラビアだとすでに益山から正解が出されていますが、
少し蛇尾を。。。

南斯拉夫は中国語での表記です(日本でもそれを受け入れているのかどうか
は知りません)。で、斯拉夫は「スラブ」ですので、南斯拉夫とは「南スラ
ブ」という意味になります。音訳ではなく意訳ですね。



南スラブ

ひぽぽ (2000/12/20 22:19)

だったのですね。中村さんもありがとうございました。
愛知大学の中日辞典ですね。ありがとうございます!



ユーゴスラビア=南スラブ族の国

坂梨 (2000/12/21 07:47)

これについては佐藤和美氏がすでに探求しておられます。
「ヨーロッパの言葉」中の「語源・思いつくままに(外国語編)」をご参照ください。



ロートル

佐藤和美 (2001/01/18 12:40)

最近はあまり使わないと思いますが、年寄のことを「ロートル」と言ったことがあります。
この「ロートル」って何語? 英語?

「老頭児」
中国語だったんですねぇ。





Copyright(C) 1999,2001 Satou Kazumi

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