梓水苑(長野県梓川村)<
○はじめての利用(1999.5.2)
梓川村は観光エリアとして著名な「安曇野」を形成する町村の1つであるが、梓川村内には著名な観光地はない。しいていえば道祖神があるぐらい。他の町村には宿泊施設がある中で、本格的な宿泊施設を有していなかった梓川村にはじめてできたのが、村営のこの梓水苑である。1993年4月28日オープン。
周辺に観光資源を持たない宿泊施設をどうアピールしていくか、という工夫の1つが建物のデザインであろう。建物は平屋であるが、洋室は1・2階吹き抜けのメゾネットタイプとなっており、1階部分と2階部分にそれぞれ2つずつベッドが置かれている。我々が今回の宿として選んだのも、こんな部屋に惹かれたからだ。天井には天窓があり、星を眺めることもできる。2階部分の窓は廊下に面しているのだが、この廊下も天窓があり、明るく開放感にあふれている。外観のデザインも洗練されているといえる。建物に関して苦言をいえば、ここもトイレと洗面がユニットになっているところ。朝の支度をゆっくりとするためにも、洗面とトイレは別にしてほしいところだ。
昔の資料をみると、「部屋は10室で大浴場はない」とあったが、その後増築により、部屋は14室に増え(ただし、増えた4室の洋室はメゾネットタイプではない)、大浴場として隣接する松香寮(福祉施設)の風呂が利用できるようになっていた。この浴場は広くはなく、また周辺住民も利用するため、ゆったりするという雰囲気ではないが、リンゴ風呂を設けたり、工夫されていた。大浴場がないことは、宿泊施設としてはマイナスであり、改善したということだろう。
食事は和洋折衷であり、工夫のあとが伺えるが、個人の好みとしてはどちらかにしてほしいというところだ。一般的な料理が多かったが、値段からみると概ね妥当なところだろう。ただ、我々のテーブルの位置が入口のすぐ脇だったため、食事中、何度が空いたままになってしまった扉を閉めるはめになってしまったのには困った。利用するテーブルの位置をもう少し工夫すべきだろう。
【基礎データ】
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