中国徒歩の旅/ユースホステル主催ツアー(91.12.29〜92.1.4)
1.中国の色
グレーの服にグレーのズボンを履いていたら中国人と間違えられてしまった。中国人の色というものがあるみたい。確かに都会では華やかな服を着た人々も闊歩しているが、基本的には同じような色を着た人々が自転車で往来する。店頭に並べられた服の色がどれも同じだ。服の色がまちにまで影響を与えている見たい。何か薄汚れた感じがするのはなぜだろうか。
2.中国の自転車
自転車が多いとは聞いていたが、これほどとは。その上、一日に4度ラッシュアワーがあるという。夜は無燈火で走る。あれだけ多くの自転車がどこに納まっているのかも不思議である。日本語のうまいホテルの店員の「銭」さんは50分かけて通うという。これではあまりいい服を着れないわけだ。それに車が少ないのに排気ガスがひどい。すぐ喉を痛めてしまいそう。自転車で通う行為は健康的でも、街は不健康だ。
3.中国の道路事情
自転車が多いため自転車用の通行帯がある。でも自転車は我が者顔で道路を行き来する。歩行者、自転車にとって信号は関係ない。車でも右折する分(右側通行)には信号無視が当たり前みたい。広い道路の交差点はロータリーになっており、信号機がなくても大丈夫。街路樹も豊富で道路にはみ出した枝がすごい。夏には緑のトンネルになるという。
中国で自家用車を持っている者はほんのひとにぎり。街中を走る自動車はタクシーか営業車だという。それでも混雑しているのだから、これから自家用車を持つ時代に突入したら一体どうなってしまうのだろう。道路が狭いのは確かだが、そのために貴重な街路樹が失われてしまっては大変だ。人が集まりすぎているのだろうか。
4.働く女性
働く若い女性が多い。様々なところで見かける。ホテルで働く女性は美人が多い。面接があるのだろう。ホテルで働くということがエリートの証拠かもしれない。日本語がうまい女性もいる。日本に留学したいと考えている者もいる。
5.中国人の愛想の悪さ
食事をして一番驚いたのがウエイトレスの顔である。何が気に食わないのかいつもブスッとした顔をしている。日本のサービス産業を知っている者としては何か悪い事をやったのではと思ってしまうが、これが当たり前みたいだ。そんな人も少し打ち解けると笑みをこぼす時もある。この笑みがもっと増えた時、中国の雰囲気ももう少し違ったものになるのではないだろうか。
6.中国の物価
物価が安い。1月の給料が300元ぐらいだという。1元=24円だが、生活感覚としては1元=100〜500円ぐらいとみてもよいだろう。安さにつられて買い物をしてしまうときりがない。
日本人の衝動買いがどんな影響を及ぼしているか。円の価格が上昇しているが、おみやげや入場料はそれ以上に値上がりしているみたい。ここでも何でも「千円」で売ろうとする人々やお金をせびる子供達がいる。これをどうみたらいいのか。こんな人達はいないにこしたことはないのだが、こんな者を生み出してしまったのが日本人観光客なのではないのだろうか。
観光客に対する売り込みがうまい。工場見学ということで現場を見せた後にみやげ物やつれていく。そこには若い女性も働いている。中にはファッションショーまで見せる所もある。こうしたパフォーマンスが人々の購買意欲を刺激するのだろう。