バンコク・パタヤ/(社)地域問題研究所所員旅行(89.6.11〜15)

1.たくましい子供達

 観光地ではどこでも子供達が土産や財布などをもって集まり、「シェンエン、シェンエン(千円、千円)」と呼びかけてくる。少し話相手をすると、これを逃がしてなるものかとどんどん値段を下げてくる。平日の昼間、学校はどうなっているのだろう。

 パタヤのラン島であった子供達はかなり日本語がうまかった。財布を最初5つで1万円といっていたが、最後のほうには14個で5千円まで下げてきた。皮だということを証明するために表面に油を塗って火までつけてみせる。「あなた日本人、MENY MONEY。わたし、かわいそうね。」と訴える。結局、そのときはお金を持ちあわせていなかったこともあって買わなかったが、この言葉が耳に残る。

 パタヤでタクシーに乗ったとき、あまりに若い運転手に思わず声をかけたら「18才」との答えに少し恐くなってきた(その前にガイドさんより自動車の免許は20才からと聞いていた)。パタヤのラン島でボートを運転してくれた子供も若かった。浜辺で遊んでいた子供達に学生かと 聞いたらここで働いているといっていた。子供達が経済の一翼を担い、その中で英語や日本語を学んでいる。これから伸びて行くのはこんな国かも知れない。

2.売春のまち

 日本人の売春ツアーが多いと聞いてはいたが、実際にその現場を見かけ、また、現地の人が日本人だとみるとその話を持ち出してくるのにはあきれてきた。そういう国がらなのか、それとも日本人がそう見られているからなのか。

 バンコクの夜の町を見物しようと、歓楽街であると聞いていたパッポン通りを2人で歩いてみた。両側には風俗関係の店が並び、通りのまん中に屋台の店が並ぶ。通りに入ったとたん、男がまとわりついて日本語が書かれた紙を見せながら誘う。見て回るといってもずっとついてきて、不思議なことにどの店でもいいから誘い込もうとする。

 パタヤでは昼間からコールガールらしきものに声をかけられた。近くに自分の部屋があるから覗きにこいという。タクシーの運ちゃんは女性の写真の載ったカタログをみせながらどうかと誘う。ゴーゴーバーなるところでは番号のついた水着姿の女性が前で踊っている。1晩ホテルに呼べば1,000〜2,000バーツ(約6,000〜12,000円弱)という。この町の売春のシステムがどうなっているのかはよくわからなかったが、とにかくすごいらしいことだけはわかった。

 たまたまテレビで言葉はわからなかったが、政府が売春をやめるように呼びかけているようなCMをみかけた。

3.アメリカよりも通じる英語

 観光地をまわったおかげで買物でのやりとりだけでなく、いろんな機会に現地の人と話したり、触れたりすことができた。そんな中で思い出深いのをあげると、

 バンコク、パッポン通りにて。喉がかわいてビールを飲みに道路に面したカウンンターに座った。覚えたてのタイ語で「カップン クラップ(ありがとう)」とか「クン スィーン(美人だね)」とかしゃべっているうちに会話がはじまり、その後はよくわからないまま英語で話す。この近くに住んでいて歩いて20分、車で5分、5バーツ。夜7時から朝の5時まで働く。この通りはいろんな国の人がいるが、少し離れたタニヤ通りは日本人ばかり。タイに住んでいるが、エメラルド寺院などは行ったことがない。etc。途中で会話がうまく通じなくなって奥へ引っ込んでしまったのであきれてしまったかなと思っていると、紙を出してきて筆談まで交えて 話すこととなる。そのとき飲んでいたのはみんなに人気のないタイのビールだったが、会話がはずむとそんなビールでもうまい。

 パタヤにて。昼間1人で歩いているとタクシーの運ちゃんから声をかけられる。どこへ行くのか、車に乗らないか、女はいらないか。「ノーサンキュウ」を連発するが、非常にしつこい。近くに大きなブッダがあるから見に行かないか、8分でいける、5バーツでいい、という。不安もあったが、好奇心もあってタクシーに乗り込む。トヨタの結構いい車だ。ブッダに向かう途中も女を買う話ばかり。パタヤの女性はスリムだ、17〜19才の若いのばかり、(美人が多いといわれている)チェンマイ出身だ。1晩中つくしてくれる。etc。ホテルの部屋がシングルでないというと、部屋は私が貸そう、きれいな部屋だから見に来い、という。好奇心のまま部屋を見に行くと、繁華街の裏手にある一戸建で、ある部屋に案内される。これがうわさに聞いていた場所だなと思い、そこからは「ノーサンキュウ」を連発して逃げることにする。1人でなかったらもっと見てみたい気もあったが、私の冒険心はそこまで。タクシーの運ちゃんには悪いものの「私は最初からノーサンキュウと言っていた」を連発し、その場を逃れる。但し、結局5バーツが15バーツにまでなったが。しかし、少しおしい気がしたことも事実だ。

 パタヤの浜辺にて。子供達が竹で作ったボールで足と頭を使いながらバレーボールのようなゲームをやっている。興味深く見ていると、ここに座って見物しろという。トーコーというゲームだという。うまい。足の裏で押し込むような技まで使う。やってみるかというので少しやらせてもらう。久しぶりにボールを足で蹴って楽しむ。サッカーをやっていたおかげでなんとか 楽しめる。いいかげん汗をかいてやめるとジュースはどうだという。その言葉で一緒にやっていた7人にジュースを振舞うことになる。金持ちの日本人を遊んでジュースをせびったという感じがしないでもなかったが、いい経験をさせてもらったと思う。

4.物価雑感

 バンコクの物価は安い。日本円に換算するとどんなものでも非常に安く思えてしまうから恐い。安いと思った物でももっと値切って当り前ということがある。物価は日本の1/2から1/10づらいまで。観光地や高級品ほど高く、生活必需品ほど安い。バスは2バーツ(約12円)、タクシーでも短い距離なら10バーツ(約60円)、生協で買った飴は1袋7バーツ(約42円)、ミスタードーナッツのドーナッツは9バーツ(約54円)、オレンジジュースが10バーツ(約60円)。ただし、缶ビールは少し高くて39バーツ(約234円)。

 外国で買物するときには、その国の物価感覚を磨くことが必要だろう。1バーツは6円弱だが、日本の感覚では20円と考えた方がいい。すなわち、もっとも大きな紙幣である500バーツが1万円だ。そう考えると安いからといって買物することはなくなる。相対的な評価で買物ができる。

5.文化について

 バンコクで感じたことを列挙する。

 まちが汚い。車の車検がないこともあって、騒音と排気ガスを巻散らして車が走る。とにかくやかましい。こんなまちによく住んでいると感じるぐらい。自動車は多いが自転車は少ない。

 地震がないため、建物の作りが非常に雑だ。よくあんな柱でもつなあと思うぐらい。電柱が四角い。

 自動販売機がない。屋台がおおい。ファースフードの店の代わりに屋台の店があるみたい。

 日本製品、企業が多い。

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