由布院で感じたこと
スペーシア社員旅行(1998.6.13〜15)
由布院を歩いたのは1992.12に続いて2度目。まちづくりの先進地として有名で、かつて興味のあるまちベスト1に選んだこともある。
6年前と比べて一番感じたのは新しい店や施設が増えたこと。増えたこと自体は必ずしもマイナスとはいえないが、増えた施設が由布院の環境にマッチしているかといえば疑問。清里のような俗ぽい観光地になりつつあるのではないかという危惧をいだいた。
新しくできた美術館(ゆふいん近代美術館とステンドグラス美術館)を見た後、6年前にも訪れた由布院美術館を再度訪れ、何が違うのかを考えた。由布院美術館は、決して大きな施設でもなく、展示されている作品の数も少ないが、建物が魅力的で、由布岳をも借景としてうまく取り入れている。スケッチを楽しめる場があったりして、ゆったり時間を過ごすことができる。
ゆふいん近代美術館の方が作品も多く、たぶんお金もかかっているに違いないが、まず建物がよくなく、狭い空間にこれでもかという感じて作品を展示しており、ゆったり時間を楽しむことができないのだ。また、ステンドグラス美術館の外観は英国風でこれも金がかかっていそうだが、由布院に何故、こんなものがという印象は拭えない。女性の観光客ねらいだろうか。
由布院を訪れる人が何を望んでいるか。それはもちろん人それぞれだろうが、日本情緒のある環境の中でゆったりとした時間を過ごしたいと思っている人が多いのではないだろうか。由布院美術館にはその雰囲気があり、新しくできたものにはそれがない。 今回は訪れなかったが、末田美術館もその意味ではの外観が由布院の環境にマッチしており、ゆっくり時間をすごすことができた。
観光地にとって多くの人に来てもらうというのは重要であろうが、ゆっくりした時間を楽しみたい者にとっては、賑わいは逆効果だ。由布院はこれからどうなっていくのだろうか。
(1998.6)