吉野川第十堰
(1999.6.19)

 建設大臣の「住民投票で決まれば可動堰の建設は中止」発言で一躍有名になった。タクシーの運転手さんも最近、見に来る人が増えたという。

 吉野川の問題を始めて知ったのも内田康夫の小説である。小説の中でもいろいろ解説されているが、この問題は難しそうだ。タクシーの運転手さんもよくわからないという。第十堰が危険で本当にこれを撤去して、新たに可動堰を作らないといけないのか。反対運動が活発化したからか、第十堰のQ&Aというものが作られていた。これをみると、反対派の理論に対する反論が書かれており、一方で高知の昨年の水害の例もだしながら、その危険性を煽っている。

 第十堰は江戸時代に作られたものであるが、その後、何度も改修されており、現在のものはコンクリートブロックで作られている。歴史遺産ともいえないし、景観的に優れたものでもない。原風景として親しまれ、子どもたちの遊び場となっているという点はありそうであるが。

 それにしても吉野川は大きい。中流でもかなりの水量を誇っている。吉野川が徳島を代表する景観であることは間違いない。将来に禍根を残すような選択だけはしないことを願うばかりである。

(1999.6.22)

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