親と子の都市と建築講座

広小路まちなみ探訪  −作ってみよう 歴史的建物模型−

建築学会東海支部都市計画委員会(2004.10.23)

 

 日本建築学会東海支部では毎年秋に「親と子の都市と建築講座」を開催している。6つ研究委員会の持ち回りで毎年2企画。したがって、各研究委員会に3年に1度、担当がまわってくることになる。
今年は都市計画委員会の担当の年にあたり、「広小路まちなみ探訪 −作ってみよう 歴史的建物模型−」と題し、10月23日(土)に開催。私がこの企画にかかわったのは、今回が初めてであるが、これまでに堀川や久屋大通をテーマにウォッチングを実施している。今回は名古屋市が都心の賑わいづくりに向けて力を入れている「広小路」をテーマに名古屋市の「広小路ルネッサンス」の企画と連携する形で実施することになった。
 過去の堀川や久屋大通と同様、今回もまちウォッチングし、名古屋のまちの歴史と今を探索することとしたが、今回はそれにペーパークラフトづくりを盛り込むことになり、その型紙づくりを私と妻が担当することとなった。(といっても私は口だけで、実際の製作は妻が担当したのだが・・・)
とはいえ、はじめてのことなのでよくわからない。とりあえず、インターネットで検索してみると、ネット上に様々なペーパークラフトの型紙が公開されており、ペーパークラフトを楽しむ人が多いことがわかった。INAXのショールームでもペーパークラフトの展示会がされていたり、気をつけてみてみるといろいろなところでペーパークラフトが行われていた。建築の図面からペーパークラフトの型紙を作ってくれる会社まであることもわかった。

 今回、対象としたのは旧加藤商会ビル。広小路は名古屋のメインストリートであり、多くの近代建築物が立地していたが、戦災で大きな被害を受け、その戦災を生き残った建物も次々と壊されてしまった。もう5棟しか残っていないといわれていた近代建築物の1つUFJ銀行名古屋別館(旧徴兵保険名古屋支店)も解体中であり、残りはUFJ銀行貨幣資料館(旧名古屋銀行本店)、三井住友銀行名古屋支店(旧三井銀行)、明治屋名古屋支店、そして旧加藤商会ビルの4棟になってしまった。このような歴史的建築物のよさを、ペーパークラフトづくりを通じて再認識してもらおうという主旨がこめられている。とはいえ、1時間程度で子供でも作れるものということで、あまり複雑なものとはせず、角の曲線とひさしで特徴をつけた程度なので、その魅力を充分に伝えることができたとはいいがたいが・・・。

 さて当日。PRが充分浸透せず、親子20組募集のところが7組しか集まらず、学生さんなどにも参加してもらい総勢26名。最初に名古屋市立大学の瀬口先生のお話を聞いた後、先生の案内で明治屋付近から歩く。UFJ貨幣資料館は普段は休日閉館されているが、この日は広小路ルネッサンス開催にあわせ特別開館。納屋橋の旧加藤商会ビルまで歩いて見学した後、近くの会議室を借用してペーパークラフトづくりに奮闘。型紙をピッタリの寸法で作成していたため、少しでもズレるとはめ込むことができないなど苦労もみられたが、1時間半程度でほぼ完成。ほどよい満足感の得られた企画となった。


旧加藤商会ビル
 

旧加藤商会ビル(堀川から)
 納屋橋と堀川の角にあるこのビルは昭和6年頃に建設されたもので、一時シャム領事館として使われたこともある。昭和57年以降、建物全体を広告塔として使われ、建物が隠されていたが、平成12年に名古屋市が建物の寄付を受け、翌年登録文化財に指定。現在、建物の修理工事中で、来年3月にタイ料理レストランとしてオープンする予定である。


三井住友銀行の前で

解体中のUFJ銀行名古屋別館

我が家は家族ぐるみで参加した



(2004.11.1)

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