エコピア−環境共生住宅
(1998.7.29)
津島の業務で東京に行ったついでに、東京都が実施した環境共生住宅=都営蓮根三丁目第3アパートを訪れた。
「エコピア」というのがその愛称(「エコロジー」と仲間を意味する「ピア」を組み合わせた造語)で「循環型社会に対応した住宅」をめざす実験住宅第1号である。
地下鉄三田線「西台駅」からすぐ近くに位置している。周辺は高層の都営住宅が多く立地しているが、この住宅は5階建てに抑えられている。南側に山之内製薬のビルがあるが、これも緑が豊富で、この間に設けられた公園とともに、良好な環境を形成している。
環境共生として、取り入れられているのは以下のとおり。
1.雨水利用
中庭の地下に雨水貯水槽を設け、その水を手押しポンプで汲み上げる。手押しポンプが住宅のシンボル的に扱われている。
2.太陽光発電
屋上に太陽電池を設置。共用部分の設備の補助電源に。ソーラー外灯、ソーラー時計もある。
3.屋上緑化
3階及び4階の上に併せて8カ所の屋上緑化を実施。シルバーピアの団らん室とつながっており、縁側から緑の庭にでることができる。
4.ビオトープ
南側の公園をビオトープに。風力及び太陽光発電により、水の循環を行う。
5.その他
雨水浸透、緑化パーキング、緑化フェンス、再生砕石による道路舗装、健康的な顕在への配慮など。
世田谷区の深沢環境共生住宅と比較すると、敷地が狭いため、できることが限られているが、狭い敷地の中に様々な試みが取り入れられている。単にここの敷地だけでなく、周辺の並木道や隣接する民間ビルとあわせて良好な環境が作られており、周辺との連携が図られているという点でも実験住宅といえそうだ。
(1998.7.29)