上尾の共同建替
(1999.1.27)
東京出張のおり、長年の懸案であった上尾を訪れた。
共同建替の好事例(特殊解といわれることも)として取り上げられ、講演会などでそれにかかわった4人の方々(若林氏、黒崎氏、萩原氏、佐藤氏)から話しは聞いていたが、実際にみるのは初めて。
第一印象として、想像よりもかなりボリュームがあるという点に驚いた。住み続けるための小規模連鎖型開発という言葉から、もう少しゆとりがある空間をイメージしていたのだが、低層住宅を見慣れた目からは、そのボリュームに圧倒された。
確かに周辺で建てられている普通のマンションと比較すると、分棟形式で、周辺となじむようにとの配慮は伺えるのであるが、やはり容積率200%を超えると、こんな風になってしまうのか、という感じである。東京圏での密集した住宅地から比べると、かなりよい環境なのであろうが、名古屋圏の住宅事情からみると、もっとボリュームを抑えた方がよいなあという感じだ。
共同建替は4つ完成している。
ボリューム的には、第1号のコープ愛宕が4階建てでもっとも容積率も少なく、周辺との違和感はないが、敷地が狭い分だけ、ゆとりに欠ける。西側に箱型のマンションが建築中で、その廊下から眺め降ろされるような感じである。ここも共同建替の検討区域となっていたようだが、どうも実現しなかったようだ。そのため、当初計画の区画道路は実現できない状況となっている。計画変更がなされたのかどうかは不明。
その他の3つは周辺に密集事業による道路や緑地が計画されており、その分ゆとりがある。特に、4つ目の緑隣館は、コミュニティ道路、公開緑地がぜいたくな空間となっている。ただし、建物としては6〜8階と大きい。特に、オクタビア・ヒルの中山道側は、通常の8階建のビルとかわらず、最初見たときは、これが共同建替のマンションであるとわからなかった。
詳細部分については様々な紹介されているものを確認し、違和感なく受け入れることができたが、全体の印象だけは、実際に見てみないとかからないものだということを実感した。
どんどん、高層マンションが建設されている状況で、このまま高密化していくとどうなってしまうのだろう。商業400%はおそろしい。地方では、もっと容積率を抑えないとと思った。
(1999.1.28)