名古屋市内の人材を有効に活用しよう

 魅力あるまちづくりにおいて重要な点は、そこに住む人々が生き生きとして生活しているか、そこに住む人々の力をうまく活用しているか、ではないかと感じています。

 名古屋のまちづくりについて、神戸や横浜と比べて魅力がないというようなことが言われますが、その一つには、名古屋に住む人々の力を活かしきっていないことがあるのではないでしょうか。名古屋のような大都市であれば、そこに様々な人材がいるはずです。環境問題やボランテイアに対する関心の高まりの中で、何かしたいと感じている人が多くいるのではないでしょうか。

 そこで以下の3つを提案します。

1.まちづくり予算の有効活用

 まちづくりの調査や計画づくりについては、我々コンサルタント等へ委託という形で実施されているものが多くありますが、これらは入札によって業者選定がされています。しかし、このような業務は、担当者の力量に左右される面が多く、安い金額で受託された場合には質の伴わないものになってしまう恐れがあります。これでは税金が有効に活用されたとはいえません。本来、このような業務は入札になじむものではないと考えます。

 自分自身、興味のある仕事であれば、要求されていないことでも仕事を超えて取り組んでいます。コンサルタントに携わっている人間は、まちづくりが面白くてやっている者が多く、これら興味を持っている人が興味を持っている仕事を行えるようなしくみとすることが必要ではないでしょうか。

 方法としては、まちづくりの分野及び地区ごとに、それに興味を持っている人材をまず登録し、業務が発生した場合には、登録された人々を一同に集め、いろいろなアイデアを出してもらってはどうでしょうか。その中から、これはと思うアイデアが出した人に実際に業務を担当してもらうのです。

 こうすれば、本当に興味のある人が業務を担当することとなり、仕事の質も向上するのではないでしょうか。

2.まちづくり応援組織の結成

 様々な地区でまちづくりが行われていますが、まちづくりに広がりが感じられません。住民と行政が協同で進めていくことは重要ですが、まちには外からの人も関心を寄せています。このような人々をまちづくりの応援部隊として組織し、まちづくりをすすめてはどうでしょうか。

 ボランティアとして、広く呼びかけることで様々な人々がその地区のまちづくりに関心をもってくれるのではないでしょうか。

3.インターネットの有効活用

 商用パソコン通信では会議室が設けられており、様々なテーマについて議論が行われています。そこでは、1つの意見に対して、別の人が意見を述べることによって、議論が深められています。

 このようなことがインターネットのホームページを活用してもできるのではないでしょうか。単に、行政の情報を市民に提供したり、市民からの提案を行政が聞くためだけにインターネットを活用するのではなく、自由な意見交換の場として活用することが重要だと考えます。

 まちづくりに関していくつかのテーマを設定し、そのテーマごとに自由に意見を書いてもらうのです。行政から様々な情報を提供することも重要でしょう。素人の人の質問に対して、専門家の人が回答してくれることもあるでしょう。

 インターネットであれば、時間に制約されることなく、自由に参加することが可能です。まちづくりに市民の力を活かす方法としてインターネットが有効に活用されることを期待しています。

(1996.10.30)

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