名古屋市の交通政策への提案
「夢なごや21−わたしのアイデア募集」応募(2001.9.30)

都心部における付置義務駐車場の廃止と付置義務駐輪場制度の創設

 近年の環境負荷低減の流れの中で都心部への自動車交通の削減が重要な課題となっている。都心部になぜ自動車が集まるのか。それは駐車場があるからである。駐車場がなければ、路上駐車するしかない。路上駐車をさせないようにすれば、都心部への自動車流入はなくなるはず。
 そこで、第1の施策として現在の付置義務駐車場制度の廃止を提案する。それにかわって、環境にやさしい自転車の利用を促進するため、付置義務駐輪場制度を創設することを提案する。現在は自転車駐輪場が整備されていないため、歩道が駐輪場化してしまっており、せっかくの広い歩道が十分に活かされていないばかりか、景観上も問題である。自転車利用のすすむオランダを訪問した時、ビルの1階に広い駐輪場が設けられており、その充実ぶりに驚いた。自動車利用から自転車利用への転換を図るためにも重要な施策であると思う。

デパートにおける駐車券配布サービスの廃止とユリカ配布サービスの創設

 都心部への自動車流入の大きな要因の1つにデパートにおける駐車券配布サービスがある。無料で駐車場が使えるが故に自動車を利用するという人は多い。公共交通を使うよりも安くすむからだ。
 そこで、このサービスの廃止を提案する。ただし、廃止だけでは、市民へのサービスの低下となり、買い物客の減少にもつながりかねない。そこで、今度は自動車ではなく、公共交通(地下鉄、市バス)を利用してやってきた人に対して、500円分のユリカを配布するのである。名古屋市に対しては、デパートがサービスとして配布できるようにするため500円のユリカを新たに発行することを提案する。駐車券配布サービスをやめ、かわりにユリカ配布サービスを行う企業にたいしては、500円分のユリカを安価で提供するのである。
 問題点としては、公共交通をつかったかどうかのチェックができないので、実際は使っていない人に対しても配布せざるをえない点があげられるが、公共交通の利用促進につながると考えればよいのではないだろうか。

インターネットによる市バス・地下鉄の乗り換え案内情報の提供

 市バスはあまり利用したことがなかったが、意外なルートが結ばれており、その利便性に驚いたことがある。
 そこで、ぜひ実現してほしいのが、インターネットによる市バス・地下鉄の乗り換え案内情報である。現在、インターネットでは鉄道の乗り換え案内情報が提供されており、非常に便利である。これを名古屋市内の地下鉄・市バスで提供してほしい。
 利用方法としては、出発地と目的地の住所や施設名などを入力すると、最も近いバス停や地下鉄駅どうしを結ぶルートとおおむねの所要時間を示してくれるというものである。可能であれば、時刻表と連動することが望ましいが、最初はルート案内だけでもよい。市バスが意外に便利なことを知らない人は多いと思われる。このような情報提供によって利用者が増えるに違いない。
 将来的には、この情報が携帯電話で検索でき、バス停では実際のバスの運行と連動し、次のバスが現在、どこを走っているのかを教えてくれると、利便性はますます高まる。
 まずはインターネットから。早急に実現してほしい施策である。

(2001.9.30)


 3つの提案のうちの1つが優秀提案に選ばれたと通知をもらいました。1,2番目の提案ならすごいと思ったのですが、やはり選らばれたのは一番現実味のある3つ目の提案でした。名古屋市のホームページにも掲載されています。
 アイデアの中身よりも、その実現が可能かどうかで選ばれているような気もしなくありません。名古屋市のホームページをみると、優秀提案の市の施策への反映状況というのがあり、港区の稲荷公園が「おもしろい町へ」という提案の反映事例としてあげてありましたが、この取り組みはアイデア募集の提案の結果として行われたわけではありません。今回の提案もすでにその方向で進みつつあるので、選ばれたような気も…。とはいえ、この提案が実現すれば、便利になるので、早急に実現されることを期待したいものです。
 なお、表彰式が26日にあるということですが、仕事のため、欠席です。応募状況をみると、一般140のうち会社員は18(うち3つが私)。インターネットの応募は全体704のうち、わずかに16(うち3つが私)。インターネットが普及したといっても、まだまだ、それを活用して、普段仕事をもっている者がこのようなものに応募するのは少ないようです。

(2002.3.23)

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