B級佳作の中でも本物のB級作品をご紹介(笑

メガドライブソフト黙ってこれをやれ!


数あるメガドライブの秀作ソフトの中でも、
特に厳選してよいものをご紹介するこのコーナー。

今回のソフトはこちら

ソーサルキングダム

ソーサルキングダムパッケージ
地味なパッケージ(笑


そのほかのレビューソフト

・鋼鉄帝国

・バトルマニア

・メガパネル

・JAGUAR XJ220

・ジョーモンタナフットボール

・CRYING〜亜生命戦争〜

・デザートストライク-湾岸作戦-



久々の更新でようやく4回目の今回は、数あるB級作品の中でもひときわ普通っぽくて日の当たらないB級中のB級の傑作(笑、ソーサルキングダムです。

ソーサルキングダムは1992年2月7日にメサイヤより発売されました。当時はメガドライブにはRPGが不足していると思い切りささやかれていた頃であり、シャイニングフォースの発売を1ヶ月後に控えたころに発売されました。また、丁度レンタヒーローが絶賛されはじめたのもこのころです。(レンタヒーロー当時は¥980が相場だったんだよなぁ・・・(^^;)
当然の事ながら、そんな状況下では特に大きな広告展開も無いソフトが注目されるはずもなく(笑、プレイしてもクリアする人は少なく、BEメガでの読者レースの評価も7点台とこれまた普通で印象もかなり薄い結果となりました。しかも昨年、同じタイトルのRPGが98用のエロゲーとして発売されている(当然中身、メーカーは全く別ですよ(笑)ため、余計に知られていないことが発覚してしまいました(笑

さて、RPGということで、一応ストーリーとシステムについてご説明しましょう。まず世界観はいわゆるファンタジー系の王道、お父さんが冒険者で、冒険に出たまま帰ってこなかった。その息子が冒険に旅立つというものです(笑 非常にわかりやすい上に他のこの手の世界観とほとんど変わらないです。少年は冒険に出て、いくつかの困難や王様や庶民の依頼をこなし、成長していくのですが、途中からなぜ冒険の奨励が行われていたかの事実が分かりはじめ、目的は悪の根元を倒すことになっていく・・・という、これまた王道中の王道なストーリです(笑

では、このゲームの最大の魅力であるそのシステムについてご説明しましょう。まず見た目最大の特徴としてこのゲームは戦闘シーンは今でこそ普通になりましたがいわゆるタクティカルバトル形式を採用している点にあります。しかもこのタクティカルバトルですが、サターンの「大冒険(笑」のように、画面上に存在している敵に遭遇することでその画面そのものが戦闘シーンとなるため、画面上に敵が数匹存在すればその敵全てと闘うことになります。地形も画面が特別切り替わることもなく移動しているその画面のまま行われるため、パーティーの配置も移動してきた状態から戦闘開始となり、移動させる順番もある程度考えないとうまく闘うことはできません。しかしながら無意味やたらに画面を切り替えたり、敵が増えたりすることがないため、非常にスピーディーかつテンポよく戦闘ができます。肝心のタクティカルバトルシステムも敵の背面からの攻撃は敵からのダメージを受けない、魔法効果は画面のどこにいても影響をうける(範囲指定魔法はのぞく)などシンプルながらツボを押さえているので、違和感無く遊べると思います。しかも敵にぶつからない限りには戦闘シーンにならないため、成長することを考えなければ闘わなくても良いわけです(笑 また、ボス戦をのぞく全ての戦闘シーンで逃げることもできるため、極力不必要な戦闘をさけて通ることもできるのです。

さてもうひとつシステムとして面白いなと思うのは、このゲームは基本的に経験値という概念がありません。ということはレベルという概念が存在しません。最も目に見えてわかる成長は、一つ一つのイベントをこなす度に王様から授かる称号による成長です。つまり、一つのイベントをこなすことでキャラクターは大きく成長するため、レベル上げのための経験値稼ぎという煩わしい行動をとらなくてすむのです。またそのほかにも戦闘の結果によってヒットポイントが上昇したり、魔法効果が上昇したりするということで、一つ一つの戦闘をこなすことで様々なステータスが少しずつ成長するのです。テンポよくゲームを進めるという点で、このシステムは当時としては相当画期的でした。それに移動に際してもコマンドの一つにマップというのがあり、これで目的地の入り口まですぐに移動可能である点も、煩わしい移動時間を無くしている点で高く評価したい点です。

RPGの場合、ストーリーやテーマを中心にするものが多くなってきています。そういった概念からとらえるとこのゲームのストーリー性はかなりチープなものに映るかもしれません。はじめにもあげたように、かなりありきたりの設定にありきたりのストーリ。展開もあまりにテンポよく進むためにそれほど感情移入することができません。なにより、実質プレイ時間は10時間あるかないかっていう程度なので面白くなってくるまもなく終わっちゃうという方もいるでしょう。まぁ、そこらへんがこのゲームがせっかく良いシステムを採用しながらあまりにマイナーでB級作品に甘んじている点の最も大きな原因なんでしょうが・・・・(^^;
今回はあえてストーリーそのものには触れませんが、決して全然面白くないストーリーというわけではありません。コレでもう少しふしぶしに山があるストーリーなら言うこと無かった、ってなくらいですね。

それから悪い点を上げていくと、何といってもフォントが非常に読みにくい点がダントツです。なにもあんな特徴的なフォントにしなくても良かったのに・・・。それから、キャラクターもいまいち存在感が薄く、キャラへの感情移入はあまりできません。マップを使って移動できるのであるなら、世界観そのものももう少し大きなものにして、様々な依頼や一種変わったイベントを用意しても良かったと思うのですが、容量的なものからもできなかったのでしょう。また、システムに苦言をあげるならタクティカルバトルも、戦闘中、移動後にできるものが待機かたたかうかのどちらかしか選択できないのは戦略的にどうかなって思います。なにぶんにも広範囲魔法が主流だけにそれほど気にはなりませんが、改善しても良かったように思います。戦闘シーンはかなり気に入っているのですが、唯一そこだけが気になるところなので。

悪い点から総合して、やっぱりキャラクターに感情移入がしっかりできる作品が秀作といえる作品になっていくという感じがします。そういった点ではソーサルキングダムは非常に惜しいと思います。結果として作業的にゲームを進行しているように思えてくるのもそういった点が原因でしょうし、ここが改善できていればさらに上が望める良いソフトに仕上がっていたと思うだけに残念です。ユーザーのゲーム進展上のテンポを崩さないような全体的作りは非常にしっかりしており、これはメガドライブの数あるRPGの中でも特筆ものです。個人的にはメサイヤにこのシステムを継承した作品を期待していたのですが、今のところコレという作品が無いのもチョッチ残念です。

ソーサルキングダムは決して万人に向けて作られているとはいえませんが、野心的な実験作品としてとらえると成功していると思います。こういったゲームがメガドライブで発売されているのが何とも象徴的ですが、メガドライバーにとってはこういったゲームは大歓迎です。私自身もこのゲームは非常に好きで、3回ほどクリアしましたが今やってもテンポよく気持ちよくプレイできます。我慢しなくてはいけない点も多いですが、やっていくうちに良さがわかってくるタイプなのでまだ未経験の方は少々の時間をいただければ是非やってみて下さい。ある意味、非常にメガドライブらしいRPGですので(^^)

非常に難しいレビューでした。よく考えると、好きは好きなんですが、ソーサルキングダムって本当に特徴が無いんですよ(^^;

それならば、一番気に入っているシステム面を重視してレビューしようということにしてちょっと悩みながら書いてみたので、今読み返してみるとかなりとりとめのない文章になってますね(笑 ごめんなさい。

でもソーサルキングダムそのものは今でもかなり安価に手に入るソフトですので、とにかくまずはやってみて下さい。はじめは若干わかりにくくてなにをして良いのかわからないと思いますが、システムそのものになれてくれば結構面白くなるはずです。とくにお手軽さが特徴なので気軽に遊べるソフトとしてもおすすめです。

さてさて、次回の黙ってこれをやれ!!、は、初のMEGAーCDレビューでセンス的にはメガドライブ最高のレースゲーと言われている「ジャガーXJ220」をいってみようと思います。また1ヶ月後かな(^^;

それから、例によりましてご意見、反論等ありましたら私宛までメールいただけるとありがたいです。レビューして欲しいものとか、濃いレビューも募集してますので宜しく御願いします(^^;

それではまた次回におあいしませう(^^)




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