Polar bear are carnivores

陸上最大の肉食獣、ホッキョクグマ。 地上最強の野生動物クマ「BEARS」新刊発売中

北極海の孤島、ウランゲリ島の砂州に、セイウチの群れが上陸をはじめた。
その群れは2万頭に膨れあがった。日が沈んだ直後、
ホッキョクグマがセイウチの群れに突入 そして幼獣を仕留めた。

Polar bear are carnivores

肉食獣 ホッキョクグマ

この血塗られた顔のホッキョクグマは、まさに陸上最大・最強の肉食獣そのものだ。 自然観は、各人各様だろうが、わたしには、このような姿のホッキョクグマが美しい。 北極圏の過酷な自然を息抜き、次代に生命をつなぐ・・・ワイルドライフの使命を 極限までつきつめる肉食獣の誇り高い姿がある。

ホッキョクグマ
ホッキョクグマ
ホッキョクグマ
ホッキョクグマ
ホッキョクグマ

ホッキョクグマはセイウチの巨大な牙を恐れる。 牙に見立てた棒で近づくクマを追い払う。

The Polar bear attack

九死に一生・・・ホッキョクグマ襲撃事件

冬季、ホッキョクグマの雄たちは北極海でアザラシ狩りをして暮らし、雌たちは雪穴で子供を生んで育てる。 福田は母グマが子グマをつれて、雪穴から出るドラマチックなシーンを撮ろうと決意した。 案内の研究者から問われた。母グマは警戒心が強い。貴方は安全をとるか?成功か?」 すかさず、福田は”成功”と答えた。
「ならば、ひとりで待て!」
母グマが子育てをする雪穴から60メートルの場所に雪ブロックを積み、その中に潜んだ。

ホッキョクグマ
ホッキョクグマ

そして10日目・・・事件が起きた。

母グマは子グマをつれて斜面を降りてきた。じゃれ合いつつ、私が潜む雪ブロックへ近づいてきた。 20メートルまで来たとき、シャッター音に気づき、母グマの目の色が変わった・・・ 福田は信号弾ピストルを握って立ち上がると・・・巨大な顔・・・躊躇なく撃つ。 命中!クマは後退したが、怯むことなく、身体を揺らしつつ、再び迫ってくる。 福田は薬莢を抜き、新しい弾をこめて撃つ。しかし不発・・・母グマの掌が福田の右足を叩く。 絶望!突然、研究者のアドバイスが蘇る・・・「動物の言葉で喋れ!」 福田は両手を揚げて”フシュー(俺に構うな)!”母グマは、小便を漏らして、後ろへ飛び退いた。
そして・・・福田は命拾いした。

Wrangel Island

ドレム・ヘッド山(ウランゲリ島)

イヌイット製のトナカイ服を着る。マイナス40℃でも平気・・・最高の防寒服 背後の山は、ホッキョクグマが育児穴が集中するドレム・ヘッド山

この事件は、わたしに深い反省をうながした。もしわたしがホッキョクグマに殺されていたら、 間違いなく、あの親子も殺されていた。人間を殺した野生動物は生き延びることが許されない。そしてコーチネス、 協力者、関係機関、家族に、どれだけ迷惑をかけただろうか?
でもいつの日か、わたしの身体から、この 襲撃トラウマが消えたら、ホッキョクグマが、地球温暖化と、どのように闘っているのか、自分の眼で確かめたい。

ホッキョクグマ