国内に分布するツキノワグマとヒグマ。陸上最大の肉食獣、ホッキョクグマ。 地上最強の野生動物クマ「BEARS」新刊発売中
野生ツキノワグマに出逢うと、私の背中にゾクッと電気がはしる恐怖ではなく 、嬉しくて、嬉しくて、 ワイルドライフの生命の輝きを追い求める一人のネイチャーフォトグラファーとして 、生物界頂点にたつクマは絶好の被写体。ところが最強のイメージにはんして、この生き物は 人間を恐れつつ、気づかれぬように、しかも身近でひっそりと生きている 私には健気に映る。 原則として、自分からツキノワグマに近づくことは自制。クマを発見するコツは季節ごとの食性、 クマの通り道を知ることであり、それぞれの個性を識別して、自然体で対応。 クマを追いかけないワイルドライフの生命の輝きを撮る 逃げるクマの尻には興味がない。 彼らの生活圏を土足で掻き乱さず、遭遇したら低い声で穏やかに語りかけ、彼らをリラックスさせつつ、 ミラーレスカメラの無音シャッターを切る。
ある日の遭遇 豪雨と強風のなか、細い山道に四輪駆動車を走らせると、 森のなかに小さな草原があらわれた。 黒い影が、森のなかへ飛び込むクマ!その先に目を転じると 、立ち上がった別のクマが・・・これも森へ消えた。
ゆっくりと小道を走らせて、草原の中央部へ
林緑まで100メートル未満
前方に、2組の親子グマ、当歳と昨年生まれた子グマが、それぞれ2頭ずつで計
6頭。さらに単独のクマがすくなくとも3頭以上
9頭のクマがあつまっている。森へ去ったクマも含めると11頭
このようなところが、日本にもあるとは・・・
ブナが芽吹き、森が柔らかな黄緑色に染まっている。 数日前から、対岸の斜面に目を凝らしてきた。 そろそろツキノワグマの樹にのぼる頃だ。 四月半ばを過ぎると、山里は生命に満ち溢れる。