ペットボトルを使って(その1)

対象年齢:小学校低学年以上。できあがった道具で遊ぶだけなら,小学生未満からOK。
       大人数でやると,もっと楽しめますから,観察会などに御利用ください。
       工作は刃物を使うので,小さい子はおとなの人といっしょにやってください。


 資源を大事にしたい,と思っていても,暑い日にはつい,買ってしまうペットボトル飲料。飲んだあと,資源回収に出すのはもちろんですが,せっかくだから,これを使って自然と遊ぶ道具を作ってみましょう。
 まずは,いちばん簡単な道具。コオロギやバッタの観察会で大活躍している捕虫ビンです。

【用意するもの】
 ・炭酸飲料のペットボトル。500mlでも1000mlでもかまいません。500mlのほうが持ち歩きに便利で,子供たちにも好評でした。
・カッター,マーカー
・必要なら,ひもなど。

【やってみよう】
 炭酸飲料のペットボトルは,肩のあたりが,ちょっとだけ太くなっています。いちばん太い部分に,マーカーで,ぐるっと一周,しるしをつけ,そこをカッターで輪切りにします。切り落とした上の部分をひっくり返して,下の部分にはめこめば,完成。キャップは,はずしておきましょう。小さい子が持ち歩くときは,ひもをつけて,ぶら下げて持ち歩けるようにしておくといいでしょう。


作りかたはこれだけ。切る場所をまちがえないように。
それから,カッターを使うときは,じゅうぶんに気をつけてね。



【観察しよう】
 さて,私たちのやっている「秋の鳴く虫観察会」では,この捕虫ビンを,こんなふうにして使っています。

 まず,「秋の鳴く虫」の観察会なのに,虫の鳴いていない,明るいうちに集合します。そして,暗くなるまでの時間,子供たちに捕虫ビンを配り,みんなで虫をつかまえて,捕虫ビンに入れて,しっかり観察するのです。

・手で捕まえた虫は,捕虫ビンのふたの部分が漏斗状になっているので,小さな虫ならポンと投げ込むことができます。
・ふたをとって,捕虫ビン本体を虫にかぶせてつかまえれば,虫にさわるのが苦手でも,簡単に虫をつかまえることができます。
・捕虫ビンは透明なので,ビンに入れたまま,みんなで虫の観察ができます。
・観察した虫は,捕虫ビンのふたをあけて,もとの場所に帰してやります。

 ……子供たちは「虫の声」だけの観察では,飽きてしまいます。そこで,まず,どんな虫がいるのか,実際につかまえて,確かめておこう,と言うわけです。こうした観察があると,暗くなってからの,虫の声の観察のときに,「あ,これ,さっきつかまえたエンマコオロギの声だよ」と,興味をつなげることができるのです。
 もちろん,大人たちだって,コオロギやバッタなどの姿を真剣に見る機会はめったにないでしょうから,「虫取り」は,大人たちにとっても,けっこうエキサイティングな遊びなのかも知れません。

【もう少し観察してみよう】
 自然観察会では,一時的に捕獲することはあっても,基本的には,「キャッチ&リリース」で観察します。この捕虫ビンは,虫を傷つけにくいこと,逃がしやすいことなどの点で,すぐれています。
 この捕虫ビンで扱いやすいのは,コオロギぐらいの大きさの虫です。ですから,カメムシやテントウムシなど,触るとにおいを出すような虫,カミキリムシなど,あごにはさまれると怪我をする恐れのある虫などを,大人数で観察するときにも便利です。
 実はこの捕虫ビンは,応用範囲が広いのです。その実例は,(その2)で紹介しましょう。

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