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飛騨路にはじめ狛犬を訪ねる旅(1)

 岐阜県は、大須赤門さんの庭です。赤門さんが発見した「日本最古」(?)という噂もある謎のはじめ狛犬に会いに、前回、飛騨路へ急行したときのリポートはこちらですが、今回はそのとき会えなかった幻狛犬や、跡津神社の暗い暗い社殿の中にいるはじめ狛犬をも、なんとか撮影してきました。

■賀茂神社

 まずは、何はなくとも例の「日本最古?」のはじめちゃんです。ことの起こりは、akamon@komainu.netこと、大須赤門岐阜支部特派員が見つけた「弘仁年間」の狛犬。
 賀茂神社の説明板

 ↑神社の入口にはこんな看板があります。
   (原文ママ)

 典型的な悪文で、文字遣いは滅茶苦茶だし、句読点もないので非常に読みづらいですね。
 2対、2体、3体は合計9体のはずですが、その後の説明にある3点、4点、4点は合計11点で、計算が合わない。どれがどれだかも分からない。困ったもんだ。
 で、肝心の狛犬ですが、弘仁年間とすれば810年〜ですから、奈良東大寺南大門にある最古の石造り狛犬(建久7年=1196年)よりはるかに古いことになります。藤原末期というのもちょっと信じがたいですねえ。看板にあるいちばん新しい足利時代としても、相当古い。
 前回は結局見られずじまいだったんですが、やはり、本殿の中にいることは間違いないという情報を持って、再度挑戦であります。


賀茂神社本殿

↑これが問題の本殿(前回のとき)。
本殿以前の内部今回の内部

↑左が以前、訪れたときの本殿内部。真っ暗で何も見えませんでした。
 で、右が今回の本殿内部。なんと、はっきりと見えているではないですか。大須赤門氏のたびたびの問い合わせに影響されてか、どうやら外から内部が覗けるように、明かり窓を新設しているようです。

賀茂神社小賀茂神社右


↑どうです! 感動の幻はじめの全貌。素晴らしいの一言。
左右でかなり大きさが違います。稚拙なんですが、味がある。石は赤みがかっていて、かなり柔らかそう。感触は笏谷石にも似ていますが、色はかなり違います。
背中尻尾

賀茂神社2


↑上から見てもよし、後ろから見てもよし。下から見上げてもよし。どこから見ても、これぞはじめ狛犬! 確かに、江戸より古いと言われても、そうかもしれないと思わせるものがあります。でも、さすがに弘仁年間(810〜)ってことはないでしょうし、足利時代というのも古すぎるでしょう。本当だったら大変なことです。

■Data:賀茂神社(岐阜県高山市)//ο製作年代・石工など不明。ο撮影年月日・99年3月30日。


次へ続く

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