スクレロ・ペディオ栽培例 
   その3 成長期・新刺    
  Sclero-Pedio in cultivation
   vol.3 in growing season, new spine 

成長期のサボテンはみな美しいものですが、春先のごく短いひとときに急成長するスクレロ・ペディオ類が「動く」さまは、相当にインパクトの強いものです。球体は一気に倍近くまで膨らみ、肌ははちきれるほど瑞々しく輝きます。成長点からは鮮烈な色彩の新刺が伸びだし、まさしく「刺サボテン」の面目躍如です。そして開花、結実。だいたい彼らの成長期は3〜4月いっぱい(東京の温室)で、それ以降、他のサボテンたちが成長しつづける時期に休眠に入ってしまいます。そして、5〜6月にムリに動かそうと潅水することが致命傷になるケースが多い。じっさい、連休明けくらいにはもう小型のペディオ類、飛鳥やウインクレリなどは土に潜りはじめていますし、自生地でもその時期に見つけるのは困難です。
 スクレロカクタスは、新刺の美しさではサボテン界屈指でフェロカクタスにも劣りません。今回はその鮮やかさに焦点をあて、あえて花つきではない刺のよく見える写真を選びました(必然的に開花サイズより小さいものが多くなりましたが)。ペディオからは代表で天狼。ここではあげていませんが、月華玉にも新刺の極めて鮮やかなものが多くあります。エキノマスタスの英冠は、準難物?ということで、おまけです。






白紅山
云わずと知れたサボテン界で最も刺の美しいサボテンですが、新刺は格別。なかでも、カリフォルニアのバーストゥ近郊のこのタイプは赤が鮮やかでいちばん派手です。
Sclerocactus polyancistrus SB1773(San Bernardino Co, CA)
Most spiny species among the genus, most difficult to grow!
彩虹山
この種には様々な刺色のタイプがありますが、このコロニーには赤〜白〜黄と様々なタイプが見られます。
Sclerocactus parviflorus
SB1473
(Bluff, San Juan Co, UT)
Spine color vary from white,yellow to red.
グラウカス
一見、刺色の地味なサボテンですが、そのせいでかえって新刺には不思議な色合いが表現されます。よくみると毛羽立っているのがわかりますが、これもグラウカスの特色です。
Sclerocactus glaucus
SB1749
(DeBeque, COL)
Stiff spine form from northen locality.
彩虹山
ちょっと大味なパルビなのですが、そのぶん成長がよくて丈夫。自生地では40センチになるそうです。
Sclerocactus parviflorus
RP13
(Table mesa, NM)
Huge plant, fast to grow.
黒虹山ブライネィ(シュレセリ)
これも刺の毛羽がよくわかります。大きくなると白と黒のリボン状の刺が球体を巻き見事になります。
Sclero. spinosior ssp.blainei
SB1015
(Lincorn Co, NV)
Pubescent spine is conspicuous, distinctive characteristic of S.spinosior.
彩虹山ハバスパイエンシス
白紅山の如く派手なパルビ。グランドキャニオンの谷あいで最近再発見されたもので、花もマルチカラーの美しいものです。小苗でも刺はとても強い。
Sclerocactus parviflorus "havasupaiensis"
RP123
(Coconino Co, AZ)
Marvelous variety of parvi. something like polyancistrus!
ライティアエ
小型で刺姿も地味ですが、月想曲に似た雅味がある。花は花糸が真っ赤な白花で強い芳香があります。
Sclerocactus wrightiae
SB1585
(Wayne Co, UT)
The plant of "quiet tastes" I like.
天狼
名前は誰でも知っているが、現物は殆どない名品、というものの典型。灰黒色の太くささくれた刺でびっしり覆われた球体はなんとも渋くカッコいい。接ぎで成長を急ぐと極端に間延びして別種のようになります
Pediocactus Sileri
SB473
(Mohave Co, AZ)
new spines are red to yellow, old spines are black and split finely.
パラディネィ
長く伸びる毛髪状の刺は新刺でなくとも美しいですが、新刺の色はだいたい黄色、これは珍しく赤いタイプです。
Pediocactus paradinei
SB502
(Kaibab Plateau, Az)
Hairy pedio living under the pine trees.
英冠
番外編でエキノマスタス。英冠も刺色が様々あって楽しめます。で、これはアリゾナ産の赤いタイプ。
Echinomastus johnsonii
(Mohave Co, AZ)
Echinomastus is also kind of "difficult species".
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