スクレロ・ペディオ栽培例  その2
   Sclero-Pedio in cultivation    
vol.2 

こちらは、ペディオカクタスの仲間を中心にしました。小型で、地中に潜るようにして育つ成長の遅いものが多い。このためスクレロより難しいと思われることもありますが、月華玉・ノウルトニーなどは私の感覚だとオプンチア・バシラリスや毛刺系テフロなどよりはずっと易しい。月の童子、飛鳥なども、植物の生長リズムをつかめば枯らすことはずっと少なくなります。春先(3月〜5月初旬・東京)と秋の一瞬(9月初旬)くらいしか動かないものと思って、あとは断水して眠らせています。強い日光を好みますが、現地では休眠期は潜って土をかぶっているので日焼けに注意。栽培下でも柔らかめの土を使うと同じ生態を見せてくれます。
Toumeya papyracantha (SB504)
(Pediocactus papyracantha)
5 to 6 years old. Relatively easy species
to cultivate.

月の童子
実生から5、6年生です。スクレロ・ペディオの類では栽培も易しく開花も早いものです。休眠期に余分な水をやらなければ滅多に腐りません。接ぎ木苗は間延びして美しくありませんが、子を吹かせて掻けば容易に発根します。
Close up of the flower.

同じ個体の花アップ。とても繊細で儚げな白花です。

Pediocactus knowltonii (SB304)
The Most easy species to cultivate in the genus. Small plant

ペディオカクタス・ノウルトニー

ペディオの月華玉の幼形成熟といった感じの植物。事実接ぎ木などで巨大に成長させると、刺が伸びて月華玉のようになるそうです。写真は実生3年で径1センチ内外。栽培は難物とは言えないくらい容易で有機質を含んだ土でもよく出来ます。
Pediocactus simpsonii
(No locality data)
Over 10 years old plant grown from seed purchased in Japan. It is fairly slow growing.

月華玉(星華玉?)

国内入手の実生正木株で、産地データなし。おそらくコロラドあたりのミノールタイプ。ノウルトニー同様、産地は標高の高い林内に多く、栽培は易しい方です。しかし月華玉の類はどれもみな成長がとても遅く、この個体は実生12,3年は経っていると思いますが、やっと径で8センチくらい。冬季には縮んでしまうので5センチほどになってしまいます。
Pediocactus winkleri    (SB737)
Plants (own root) from MesaGarden. It may be 5 to7 years old.

ペディオカクタス・ウインクレリ

花のしたには直径2センチ、高さ6センチ(大半は地中に潜っていますが)の植物体が隠れています。実生の小苗をメサガーデンから導入して3年くらい。過湿に弱くデリケートですが、自生地の荒涼とした風景を考えると日本の温室で育つことが不思議なくらいです。
Pediocactus peeblesianus
v fickeisenii (JB2)
Plants (own root) from MesaGarden, not so difficult.

斑鳩(ナバホア)
コルク質の太い刺はとても鑑賞価値が高く、顔違いも実に様々なので’銘品選抜’も出来そうです。栽培も思われているほど難しくありません。これは実生苗を導入したものですが、自家で実生したものも同様に元気に育ちます。成長期と休眠期のメリハリをつければ、簡単に腐ることはありません。
    NEXT(Vol.3)
   





 BACK


Toumeya papyracantha (SB504)
(Pediocactus papyracantha)
The same plant reported above.Shrinking in winter dormant.

月の童子
冒頭で紹介したのと同じ株を冬に写したものです。植物体が縮んでいるため、刺がとても詰まって美しく見えます。