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06/03
PHPの編集者と三宿で飲む。来年の仕事の企画をこちらから出す。中学生でも読める科学の入門書のようなものを考えている。有名な科学者10人くらいの伝記と解説で、科学の面白さを伝えたい。仕事にかこつけているが、単に若い編集者と飲むための口実みたいなもの。
06/04
仕事少し。どういう順番で論理を展開するか、まだ迷いがある。枚数に制限があるので、できるだけコンパクトに語りたい。団塊世代が明るく老後をすごせるような画期的なアイデアを出さないといけないのだが、そんなアイデアがあるのか。まあ、この一ヶ月間、集中して考えれば、何か出てくるだろう。
06/05
文芸家協会理事会。この会議にはいつも鰻重が出る。たいていわたしが発言する直前に配られる。わたしの発言は長いので、食べながら聞いてくださいと言ってからしゃべる。しゃべり終わると皆、食べ終えている。そのあとで、ひとりで食べるウナギは寂しい。
06/08
一昨日、急に誘われて妻の叔母さんの別荘へ行く。富士山の裏側。去年の夏、孫をつれて行って以来。楽しかった夏の思い出。パソコンをもっていったので、こちらはひたすら仕事。それでも昨日は、富士国際花苑というところへ行った。ベゴニアとインコとフクロウ。何だかよくわからないが、ベゴニアはすごかった。インコはうるさかった。フクロウは可愛かった。富士山は涼しく、東京から距離も近い。三ヶ日は遠いし、夏は暑い。仕事は順調に進んでいる。
「はじめに」と「第1章」は終わった。「第2章」は少し理屈っぽくなっているので修正したいが、うまく修正できるか。第2章が終わったところで編集者に見せようと思っていたが、なかなかまとまらないので、第1章までを見せることも考えている。もう少し時間をかけて検討する。
話のなりゆきでは、「団塊世代に未来はない」という結論になりそうなので、そこから先を考えないといけない。未来はないといっても飢え死にするわけではないので、お金のかかる楽しみではなく、質素な中に自分の生き甲斐、老後の楽しみを見つけていく、ということを考えることになるだろう。これなら、わたし自身がふだんから考えていることなので、何とか読者を説得できそうな気がする。
06/09
書協で図書館問題について討議。こちらから現状を報告する。ご理解をいただいたと思うが、見通しについては何ともいえない。図書館と出版社の間には、溝がある。この溝を埋めるのは簡単ではないが、読者に対してサービスしたいという点では、一致している。わたしの見るところでは、図書館関係者に、文芸文化の保護という考え方がほとんどないというところに問題がある。単なるお役所仕事として図書館を運営している。日本の役所そのものに、文部科学省も含めて、文化に対する見識が欠如している点が、何とも寂しい。経済大国、文化小国である。
第2章は経済問題を扱っているが、少し理屈っぽい。シンプルに語るつもりでいてかえって難解になっている。無駄をはさんで、おしゃべりの調子で語った方が、読みやすいかもしれない。このあたりは文体を徹底的にチェックする必要がある。
06/10
自宅にてラジオのインタビュー。3分だけの出演だが、雑談で1時間以上かかる。ラジオの取材なので機材は小さなダットだけ。昔はスーツケースみたいなデン助と呼ばれる大きなオープンリールのテープレコーダーが必要だったのだが。
能役者、櫻間眞理さんの会に解説者として出演することになったので、打ち合わせ。出し物が「葵上」なので、源氏物語の背景などを語ることにする。わたしは早稲田の演劇科の出身なので、能や歌舞伎についての常識的な知識はあるが、詳しくはない。まあ、平安時代までの歴史については仕事でも研究しているので、何か話せるだろう。
06/11
文化庁、保護同盟との定例の協議。先日の文芸家協会の総会で定款変更が認められたので、作業は順調に進んでいる。あとはその定款変更が、文化庁で承認されれば、こちらの主要な作業は終わる。ただし、保護同盟の業務を受け継ぐために、関連団体に挨拶回りが必要だとのことで(誰が行くんだ?)、まあ、散歩に行くようなつもりで回ることにする。
06/12
文化庁法制問題小委員会。今シーズンの第一回。半年ぶりなので委員の顔を見ると何となく懐かしい。今シーズンは、レンタルビジネスに対する貸与権の獲得、中古販売に対する「消尽しない譲渡権」の問題提起、著作権の存続期間の延長の提案など、重要な課題が多い。第一回は顔合わせと雑談だが、放っておくとデジタル関連に話題に集中してしまうので、機先を制して一番に手を挙げて発言し、レンタルビジネスの状況について説明しておいた。「貸与権」はすでに確立された概念で、著作権法に書かれているのだが、書籍と雑誌だけは付則の「経過措置」という項目の中に、当分の間は施行しない、と書かれている。その「経過措置」から20年近く経過しているので、この付則をはずすことは問題ない。ただ20年間放置したために、貸本屋さんが営業を続けてきたことは事実だが、本来この「経過措置」には年限を設けるべきであったわけで、従来からの貸本屋さんには、改めて年限を定めた経過措置を設定するとして、例えば5年以内の新規事業者からは直ちに著作権使用料をとるといったことが検討されていいだろう。
久しぶりの会議で、弁当を食べるのも久しぶりだ。午前中の会議だと昼に弁当が出るが、するとわたしは一日に三食も食べてしまうことになるので、夜食は控えめにしなければならない。午前中に起きるのはつらいが、一日が長く感じられて、トクをしたような気分になる。
06/13
今週初めて、何もない日。久しぶりに散歩に出る。何もない日は散歩に出ることにしている。淡島通りと茶沢通りの交差点にあるサミットへいく。浜名湖ではよくスーパーに行くが、東京でスーパーに行くことはない。東京のスーパーは狭くて人がたくさんいる。今日スーパーに入ったのは、あまりに蒸し暑いので涼みに行っただけだ。雪印の切れているカマンベールチーズがないかと思ったが、なかった。カマンベール入りチーズというのが山のようにあった。前に妻がこれを買ってきたのだが、これは単にカロリーの高そうなチーズで、カマンベールチーズとは別物。白カビのコーティングがない。あのカビが嫌いな人もいるのだろうか。外皮が固いので手がよごれないのが何より。これだけあれば他には何も要らない(むろん酒は必要だが)。
いまは3章の半ば。この章までは、状況認識を書くだけなので、何ということもない。4章から先が難しいところだ。気が重いが、早くこの仕事を片づけて次に進みたい。
06/15
宝生能楽堂で能を鑑賞。来月、能の解説を引き受けた桜間真理さんの「弱法師」を観る。能はそれほど詳しくないが、テレビではよく観る。桜間というのは金春の流れで、熊本の細川藩の指南役だった流派で、明治の三大名優にも数えられた名門であるらしい(小学館の百科事典による)。能は異界との接点を描いたものが多く、自分の興味の範囲と重なっている。本日は宝生系の「雷電」も演じられたが、何年か前に「菅原道真」を書いたので懐かしかった。これまでに自分が手がけた神秘的な作品の一部を謡曲に書き換えるのも面白いと思っている。
06/16
スペインの長男から郵便でスマートメディアが届いた。孫の写真が74枚入っていた。うーん、とろけてしまう。
06/17
文芸家協会で、副理事長と著作権管理事業について打ち合わせ。やらねばならぬことがたくさんあって、それを考えると何もしないうちに疲れてしまう。しかし夜は飲み会。男声合唱団は今月はお休みなので、都心に勤め先のあるメンバー4人が集合して、メンバーの仕事先のビルにあるソバ屋で飲む。他の3人はわたしより一世代年上なのだが皆元気。こちらの疲れも吹き飛ぶ。
06/18
「図書館論」のゲラ届く。書き終えてからも新しい動きがあったので修正しなければならないが、修正は最小限にとどめて、あとがきに今後の展開を加えようと思っている。しかしゲラにとりかかる前に、「団塊論」の3章までをまとめて担当編集者に送らないといけない。担当編集者が見て、文体等に意見(異見?)が寄せられるかもしれないので、その間にゲラに取り組めばいい。
本日は小生の55歳の誕生日。息子2人から電話がかかる。父親の誕生日を憶えているとは優秀な息子である。長男はスペイン、次男は茨城県。距離は離れているが、2人とも元気で仕事をしているようなので、こちらは何の憂いもなく自分の仕事に集中できる。
06/19
時事通信のインタビュー。著作権問題について。公共貸与権の話などをする。
茨城県にいる次男が泊まりにきた。東京で研修があったとのこと。スペインにいる長男と、茨城県の次男と、顔を合わせる頻度に大差がないような気がするが、まあ、そういうこともない。次男とは先月もあった気かする。しかし長男とは電話で話すし、孫の写真なども送ってくるので、情報が多い。次男が何をしているのか、イメージができない。でもまあ、息子の顔を見るのは楽しい。
「団塊論」3章までまとまったのでプリントして編集者に送る。明日からは、「図書館論」のゲラにとりかかる。
06/20
「図書館論」のゲラ。初めの方を読んでみたが、文体がいい。わかりやすくて、論理的で、適度に感情もこもっている。いい文章なので、間違いや、誤解の出そうなところをチェックするだけで、大幅な直しは必要ないだろう。入稿してから1カ月近く経過し、法制問題小委員会なども始まったので、少し書き加える必要はあるだろうが、あとがきに入れるだけでいいだろう。
06/21
数日前から、1羽の四十雀が、自宅の窓に体当たりをするようになった。リビングルームの窓は大きな一枚ガラスで、マジックミラーになっている。向かいにマンションができて、廊下を歩く人がこちらから見える。ということは向こうからも見えているはずだ。それで当初は、レースのカーテンをひいていたのだが、ベランダで犬がアンモニアを毎日放出したために、鉄の窓枠が腐食してしまった。どうせ枠を替えるなら1枚ガラスにしようということで、ついでにミラー仕様のものにしてもらった。外から見ると鏡、中からは外が見えるということになっている。ただし昼間だけだが。
このミラーに、四十雀が体当たりする。自分の姿が映っているのを、なわばりを侵害するライバルだと思ったのか。何日も同じことをやる。そのうち、体当たりではなく、ガラスの前でホバーリングしながら、軽く嘴でつっつくという感じになった。妻とその様子を眺めながら、鏡だということを学習したのではないか、と話し合った。ということは、自分の姿だと認識しているわけで、一種のナルシストではないか。というわけで、われわれは彼を、「ナルちゃん」と呼ぶことにした。
今日もナルちゃんは、元気にコツコツとミラーをつっついている。10分以上もコツコツやるので、何となく気になってしまう。今日はベランダの手すりの上に、別の四十雀がいた。彼女に、自分の勇姿を見せているのか。だとするといまだに、ミラーに映っているのはライバルだと思いこんでいるのかもしれない。大きな音ではないから、うるさいというほどではないが、コツンと音がすれば、思わず振り向いてしまう。
このあたりはヒヨドリが多く、時にメジロの姿があり、ウグイスは声だけ聞こえる。インコも時々通り過ぎる。四十雀の姿は、去年まではあまり見なかったが、今年はスズメと同じくらいいる。
校正は半分まで進んだ。今週中に仕上げなければならない。
6月23日
「図書館論」の校正完了。直しはほどんどない。「はじめに」と「おわりに」を3枚ずつ書く。必要なことはすべて書き込んだと思う。
さて、今週はハードなスケジュールだ。毎日2つずつ用がある。明日は日脚連と日図協。それぞれ話すべき内容が違うので、頭の切り替えが必要。
06/24
本日からハードスケジュールが続く。一日に2件、用があると、頭の切り替えが難しい。とくにドリル業者の協議は、現在わたしがかかえている諸問題の中でも、ダントツで難しい問題だ。図書館問題でもそのつとアイデアが出てきたので、今回もいいアイデアがそのうち出るだろうと思う。だいたいアイデアは、帰りの電車の中で出る。そこで出なければ、何日考えても良いアイデアは出てこないことが多い。今日は、神楽坂の出版クラブから、大江戸線、小田急と乗り継いで、下北沢から北沢川緑道を通って帰る時に、何かひらめいた気がした。
本日、勁草書房に向けてゲラを送った。これで一つの区切りがついた。今日からまた「団塊論」に取り組むことになるが、先週末に3章までを担当者に送ったのは、土日がはさまったから、届いたのは昨日だろう。読むのに少し時間がかかるだろうから、こちらものんびりしたペースで進めたい。それに今週は雑用が多く、仕事はそれほどはかどらないだろう。
06/25
文化庁との打ち合わせ。本日は仕事は1件だけ。明日の明後日も2件あるので、本日はゆったりした感じがする。
06/26
今週の火曜から金曜にかけて、4日の間に、7件の会議があるが、そのうち5/7が終わった。半分を超えると、ほっとする。本日は午前中の会議があって睡眠不足。午後は貸与権(レンタル権)の問題。左は松本郁子さん。右は東野省吾さん。図書館の公共貸与権と違って、レンタル権の方は付則をとるだけなので解決は早そうだ。
06/27
本日も午前中の会議だが、昨夜は早く寝たので元気。しかし午前と午後の会議の間の時間がありすぎて、神保町あたりをふらふら歩き回った。家に帰るほどの時間もない。時間があると本屋を回るのが習性になっているが、いまは資料調べは古本屋よりインターネットの方が早い。さて、ついき恐怖の会議週間が終わった。明日は宴会だ。
06/28
早稲田の教養課程のクラスの同窓会。いつも年末に開かれるのだが、同窓会誌の『早稲田学報』に写真を載せることになったので、緊急に開くことになった。早稲田の文学部から編集者が出ることはあたりまえだし、作家が出ることも珍しくないが、芥川賞と直木賞が二人出ることはめったにない。さらに同じクラスには弁護士になったのもいる。しかもかなり偉い弁護士なのだ。ということで、このクラスはなかなかのものである。大隈庭園で写真を撮り、庭内の完之荘で宴会。今週はハードスケジュールだったので、この宴会でくつろげてよかった。
06/29
宿酔のまま羽田へ。このところ仕事が超ハードだったので、自分と妻を癒すために涼しい北海道へ行くことにした。釧路空港でレンタカーに乗って、まず厚岸へ。雨が降っていたので、釧路湿原とかに行くのはやめにして、宿泊地の阿寒湖に向かう。カーナビに任せていたら恐るべきダートに突入した。運転は妻に任せていたが、それでも疲れた。
06/30
摩周湖は霧の中。屈斜路湖は湖岸で砂湯というものを体感する。手で触っただけだが。曇天。しかし昨日のように雨が降るということはない。野付岬でトドワラというものを見る。なかなかの景観であった。羅臼に寄って、「北の国から」で有名な船着場などを見る。それからウトロへ。本日は車で走行中に、キタキツネとエゾジカに遭遇した。あとはクマに会いたかったが。
旅行記の続きは7月のノートを見てください。
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